グロック17(Glock 17)

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2010/01/08(金)
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グロック17 (Glock 17) はオーストリアの器メーカーであるグロック社が開発した自動式拳銃。口径は 9mm(9mm×19パラベラム弾)。装弾数は複列弾倉(ダブルカラム・マガジン)による17+1発で、全長を伸ばして装弾数を増やしたロングマガジンも存在する。

開発は1980 年頃から進められ、1983年に「Pi80」の名前でオーストリア軍の制式拳銃として採用された。この民間用モデルとして、1985年にアメリカで販売されたものがグロック17である。17とは、当時としては多かった17発の装弾数をアピールしたものだと言う説や、製作するにあたって獲得した17件の特許の数であるという説、またグロック社の17番目の製品であるなどの説がある。

グロック社は元々器メーカーではないため、その機構や設計思想はそれまでの軍用拳銃のスタイルにとらわれないものであり、発表当時は特殊な機構や材質、デザインから敬遠されたが、現在では軍用、警察用として本国のオーストリア以外にも、フィンランド、スウェーデン、インドやアメリカのFBIなどの法執行機関に採用されている。後の器開発にも影響を与え、樹脂素材の多用やストライカー方式によるダブルアクションなどこの銃のスタイルに近いスプリングフィールドXDやS&W シグマが開発されている。

特徴

グロック社はガストン・グロックが1963年にオーストリアのウィーン近郊にあるヴァグラムに創設した企業で、元々機関銃用ベルトリンクや軍用ナイフ等を生産していた。火器そのものの開発は行っていなかったが、1980年に始まったオーストリア軍新制式採用トライアルを受けて拳銃の開発を始めた。

プラスチックの多用

フレームや、トリガーとその周辺機構、弾倉外側がプラスチック製となっている。他にも、強度上問題が無い部分にプラスチックが使われている。成型の容易さから生産性が向上し、軽量になったほか、寒冷地で使用する場合、冷えた金属に皮膚が張り付く事故を防ぐことができる。

フレームが軽量な素材構成の場合、全体の重量が軽いために反動は吸収されづらくなるが、グロックのフレームに採用されている素材は、ある程度の柔軟性を持たせることで衝撃を緩和している。

発売されて30年たつが、古い個体ではプラスチックの経年劣化が現れているとの指摘もある。さらに、アンダーレール付きの第3世代フレーム採用機種では、ライトやレーザーサイトを過度な締め付けで取り付けた場合、フレームが歪み作動不良を起こす例があったことから、金属製フレームという、グロックの特徴を捨てたカスタムパーツも存在する。この問題はグロック社純正の第4世代フレームでは解消されている。

特殊な撃発機構とセーフティ

グロックの引き金の機構は、大別するとダブルアクションオンリー (DAO)に属するが、グロック社による「セーフアクション」と呼ばれる特殊なメカニズムを持つ。そのため一般的なDAOピストルと違い、連続して空打ち出来ず、空打ちするにはスライドを2~3cm引き、撃針をハーフコック(半後退)させる必要がある。

スライドを操作し初弾を装填すると、撃鉄兼撃針であるストライカーが半分程後退した位置でシアによってロックされる。このポジションでは、ストライカーは、シア及びファイアリングピン・セイフティにロックされているので暴発の危険性はない。ストライカーが前進している場合は引き金は後退しており、引き金が引けないようになっている。スライドを引いて撃発可能なハーフコックの状態では引き金は前進位置になるため、これでストライカーの位置が確認できる。

引き金を引くと、それに連動してシアがストライカーをフルコックの位置まで後退させた後、解放して撃発する。発射に伴う作動を終えると、ストライカーはシアによりフルコックの位置で保持される。この状態では引き金をほんの少し戻すだけで、シングルアクション並みの短いストロークで連射することができる。引き金を完全に戻すと、ストライカーはシアとともにレストポジションまで前進し、安全に保管可能となる。

また、通常のDAOより引金の引き代が短いため、安全のためトリガーセーフティが設けられている。これは引き金の中央部分にもう一つの引き金が挟み込まれたような構造で、安全装置は引き金を引く方向とは違う角度で解除されるため、射手の指以外の物体が誤って引っかかっても容易に引き金が動かないようになっている。他の銃と比較してトリガーガード内のスペースが狭くデザインされ、手袋などをした場合には障害となる場合があるが、異物が入り難い構造にもなっている。この安全機構は弾薬を装填した状態で安全に携行できる反面、弾薬の装填を確認しないで操作しようとしたり、発射の意思がないのに不用意にトリガーに触るような扱いは想定していない。

当時回転式拳銃を使用していたニューヨーク市警の装備改変の際に制式採用されたが、ダブルアクションの重い引き金に慣れた現場の警官たちの暴発事故が増えているという意見により、スプリングを交換して引き金の重さを強めたNY市警向けのモデルが開発された。グロックを採用した警察等の公用機関の一部では、このような対応は取らずに、従来型のマニュアルセーフティを備え価格も手ごろなS&WのM39系やM59系の自動式拳銃に装備を改めた例もある。

設計・デザイン

銃全体のレイアウトでは、ストライカー方式を採用して銃身の位置を下げ、グリップの角度を大きく取ることで反動を受ける位置を銃身に近くし、発砲時の銃口の跳ね上がりが抑えられる設計となっているが、握り方によっては銃口が上を向きやすいとの批判もある。突起物や凹凸の少ないデザインとすることで衣服への引っ掛かりや異物の侵入を防いでいる。内部構造ではラウンド形状のライフリングを採用することで、銃身の耐摩耗性を向上させた。

金属部には同社の軍用ナイフのノウハウを活かした熱処理がされた硬度の高い鋼材を採用することで耐久性を向上し、同ナイフでも採用されている強力な防錆処理によって耐食性を高めており、ステンレスモデルは存在しない。

弾倉

金属製の本体の上にプラスチックの外装を被せているため、寒冷地などで冷えた弾倉を掴んで凍傷を負う危険がなくなった。購入時の付属品である通常の弾倉の他、マガジンエクステンションを付ける事で装弾数を二発増やす事が可能。また幾つかの口径に対応するロングマガジンがあり、9mmは33 発、.45ACPが25発、.40S&Wと.357SIGでは共用可能でどちらも29発となっている。素材の性質上、全弾装填すると膨張し、その状態でキャッチボタンを押しても自然に滑り落ちてこないが、最新のモデルではグリップ前に切り欠きがあり、弾倉をつまんで引き降ろすことができる。

グロックに関する誤解

* グロック17が発売されて間もない頃、その特徴的な素材構成と機能のため「手荷物検査で発見できない、高価なハイジャック犯御用達の拳銃」という流説が一時的にあったといわれているが、実際はスライドや銃身、弾薬等が金属製のため容易に発見できる。後にグロック社はフレーム材にX線造影剤を添加し、銃の全体像がX線に映るよう対策をとっている。

* プラスチック素材を使った最初の銃として認知されることが多いグロックだが、フレーム前半にプラスチック材を用いたH&K P9の方が先発であり、鋼材フレームの上に樹脂製ボディを被せたH&K VP70も存在した。順番の誤解は、これらの銃器が知名度に劣ることによる。「プラスチック素材使用の銃で商業的成功を収め」また「フレーム全体がプラスチック素材となっている銃」はグロックが最初ということになる。

バリエーション

複数のバリエーションが展開されているが、最初のモデルであるグロック17も、フレームにマイナーチェンジを施しながら生産を継続している。2世代目ではグリップに滑り止めのチェッカリングがつき、3世代目ではそれに加えアンダーマウントレイルと、握った際に正しいポジションへ誘導するためのフィンガーチャンネルが追加されている。4世代目はレール装備品の誤作動を防ぐため、剛性が向上している。

小さいモデルはより大きなモデルで使えた弾倉をそのまま使う事ができ、グロック26に17のマガジンを使った場合、通常+7発のロングマガジンとして扱える。また、ほとんどのモデルに反動軽減用のマグナポート内蔵モデルが存在し、搭載モデルはグロック17Cと型番の後にCが付く。

性能

口径 9mm
銃身長 114mm
ライフリング 右回り
使用弾薬 9mmパラベラム弾
装弾数 10・17・19・33発
作動方式 セーフアクション(ダブルアクション)
      ティルトバレル式ショートリコイル
全長 186mm
重量 703g
銃口初速 379m/s
有効射程 50m

さらに詳しく → グロック17
外部リンク → Glock



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