ドラグノフ狙撃銃(Dragunov、SVD)

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2010/01/07(木)
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ドラグノフ狙撃銃ドラグノフそげきじゅう、ロシア語: Снайперская винтовка Драгунова、 英字表記: Snayperskaya Vintovka Dragunova、SVD)は、ソビエト連邦が開発したセミオート狙撃銃である。

概要

西側のセミオート狙撃銃と比較して細身で、軽量化や運搬性向上のため床は大きく肉抜きされている。 長期的な酷使を前提としてAK-47を参考に作られたため、部品数は少なく、頑丈で信頼性が高い。しかし、AK-47とはガスチューブの形状などが異なり、部品に互換性はない。弾丸は、モシン・ナガンM1891/30やカラシニコフ汎用機関と共通の7.62mm×54R(Rは「Rimmed(リムド)」もしくは「Russian(ロシアン/ラシアン)」の略)を使用するほか、精密射撃には狙撃用の7N1や後継の7N14も使用できる。ガスシステムは腐食を防ぐためにクロムでメッキ処理されている。

構造

細く長い身を持ち、中央部に大きな穴を空けたスケルトン・ストック型の銃床を持つ。銃床上部にはスコープを使用した際の照準を容易にするため、着脱式のチークピース(頬あて)を装着できる。

作動方式はガス圧利用方式で、銃身上方に平行にして取り付けられているガス・シリンダーへ、銃身中央部に位置する小さい穴から発射ガスの一部を誘導、ガス・ピストンを起動させる。オペレーティング・ロッドとボルト・キャリアーが分離した設計となっており、ピストンの動きをオペレーティング・ロッドを通じてボルト・キャリアーに伝え、ボルトを作動させる。作動方式はロータリー・ボルト。

開発

ソビエト連邦では、第二次世界大戦時にモシン・ナガンM1891/30を使用した市街戦における狙撃手の有効性が確認されたため、1950年代、ソビエト軍指導層は小隊規模での選抜射手と対応するセミオート狙撃銃が必要であると考え、後継機種を兼ねた選抜射手専用ライフルの採用デザインコンテストが行なわれた。 セルゲイ・シモノフ開発のSSV-58、アレキサンダー・コンスタンチーノフ開発の2B-W10、エフゲニー・F・ドラグノフ開発のSVD-137の3種から最終的にドラグノフ設計の試作品が選ばれ、1963年に制式採用された。 初期生産である200丁を除き、1964年からイズマッシュ社によってライン生産される。ワルシャワ条約の関係上、東側国家を中心に多くの国で採用されている。

運用

公称上の最大有効射程は800m程度とされるが、遠距離の精密狙撃能力よりも、市街(100mから400m)での即射性を優先した造りとなっている。アメリカ軍がベトナム戦争頃から使用しているM24対人狙撃銃(レミントンM700の軍用版)などの狙撃銃は、スコープの使用が前提で金属製照準器が省略されているが、ドラグノフには1200m程度まで対応可能な照準器が備えられており、近距離での照準や光学照準器が破損した場合に使用される。こうした特徴から、ドラグノフは選抜射手が用いるマークスマン・ライフルに近い性質も持つ。光学照準器(PSO-1)も付属し、サイドレール・ブラケットへ容易に取り外しできる。

ロシア軍では、AK系の有効射程の短さと、連射時の命中精度の低さを補う目的で分隊ごとに1丁のドラグノフが配備され、それぞれの有効戦闘距離を、AK系は300m、SVDは600mと想定している。後に木製部分を黒塗りのポリマー素材としたものが標準仕様となり、特殊部隊用に透明素材を用いたものもある。イズマッシュ社からは反動の軽減等を図った近代化モデルが発売され、ロシア軍もこれを採用したが、従来の設計のままでは精度を向上させることが難しいため、1998年よりSV-98ボルトアクション狙撃銃が製造されている。

日本での所有

日本では、猟銃(ライフル銃)としての取得が可能であり、所持許可の実績もある。用途は狩猟目的に限定され、弾倉の装てん数を5発以内にする改造を必要とするほか、ライフル銃取得に必要な資格(狩猟免許等)や経歴がいる。

仕様

種別 セミオートマチックライフル
口径 7.62mm
銃身長 620mm
ライフリング 4条右回り
使用弾薬 7.62mm×54R(ラシアン)
装弾数 10発(箱型弾倉)
作動方式 ガス圧利用方式
全長 1225mm
重量 4310g
銃口初速 830m/秒

さらに詳しく → ドラグノフ狙撃銃(SVD)
外部リンク → Izhmash SVDのページ



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(2006/11)
マーティン ペグラー

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タグ : スナイパーライフル ドラグノフ 狙撃銃 SVD Izhmash Dragunov

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