地獄の戦線アフガニスタン:壮絶10mの接近戦 2009.10.3

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2010/01/05(火)
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アフガニスタン紛争2001年-(アフガニスタンふんそう2001ねん)の項目では、アフガニスタンで断続的に発生している紛争のうち、2001年9 月11日のアメリカ同時多発テロ事件の首謀者として指定された「アル・カーイダ」の引き渡しに応じなかったターリバーン政権に対し、アメリカ合衆国が主導する有志連合諸国および北部同盟(2001年以降はアフガニスタン暫定政府、2004年以降はアフガニスタン政府)が「不朽の自由作戦」に基づき、アフガニスタンにおいてターリバーン勢力、アル・カーイダ、およびその他の武力集団との間で行われている武力衝突を扱う。

概要

2001年9月11日に発生したアメリカ同時多発テロ事件は、その損害の大きさでアメリカ合衆国を含む世界各国に衝撃を与えた。北大西洋条約機構(NATO)はテロ攻撃に対して「集団的自衛権」を発動した。アメリカ政府によって、これまで数度に渡ってアメリカに対するテロを行ったウサーマ・ビン=ラーディンとアルカーイダに首謀者の嫌疑がかけられた。

アフガニスタンの9割を実効支配していたターリバーン政権は、数度に渡る国連安保理決議によってビン=ラーディンとアルカーイダの引渡しを要求されていたが、拒否し続けており、今回も拒否した。NATOは攻撃によってターリバーン政権を転覆させる必要を認め、2001年10月にアフガニスタンの北部同盟と協調して攻撃を行い、ターリバーン政府を崩壊させた。以降、国連の主導によるアフガニスタン復興と治安維持が行われているが、南部を中心としてターリバーン派の勢力が攻撃を行っており、アフガニスタンの治安は2010年現在も安定していない。

この攻撃はアメリカ合衆国政府によって「対テロ戦争」の一環と位置づけられ、国際的なテロの危機を防ぐための防衛戦として行われた。イギリスを始め多くの国がこのアメリカ政府の攻撃に賛同した。対テロ戦争全体の作戦名は当初「無限の正義作戦 (OIJ: Operation Infinite Justice)」とされたが、参加諸国の間で評判が悪かったため、「不朽の自由作戦 (OEF: Operation Enduring Freedom)」と改められた。英国では米国が云う「不朽の自由作戦」は「ヘリック作戦」(Operation Herrick)と呼んでいる。アフガニスタンにおける軍事行動の正式名称はアフガニスタンにおける不朽の自由作戦(OEF-A:Operation Enduring Freedom - Afghanistan)である。

またその後、アフガニスタンからパキスタン連邦直轄部族地域にかけてターリバーン系の組織活動が活発となり(ワジリスタン紛争)、海上でテロ組織の補給ルートを断ち切る海上阻止活動(OEF-MIO:Maritime Interdiction Operation)も行われている。対テロ戦争の動きは更に、イラン、イラク、北朝鮮の3ヵ国をテロ支援国家であるとするブッシュ米大統領の「悪の枢軸発言」に発展し、2003年3 月にはイラク戦争が始まった。

開戦までの経緯

2001年9月11日、アメリカ同時多発テロ事件が発生した。12日、アメリカのジョージ・W・ブッシュ大統領はテロに対する闘いを宣言した。(対テロ戦争)またこの中で、ターリバーン政権の関与が示唆され、ドナルド・ラムズフェルド国防長官はウサマ・ビン=ラーディンが容疑者であり、また単独の容疑者ではないと発言した。また同日、国際連合安全保障理事会で国際連合安全保障理事会決議1368が採択された。

この決議は9月11日のテロ攻撃を「国際の平和及び安全に対する脅威」と認め、「テロリズムに対してあらゆる手段を用いて闘う」というものであった。また前段には「個別的又は集団的自衛の固有の権利を認識」という言葉があり、これは同日にNATOが北大西洋条約に基づき、集団的自衛権の発動を決定する根拠となった。(# 開戦の正当性に対する論議)。この後アメリカはターリバーン政権にビン=ラーディンらの引き渡しを要求した。しかしターリバーンは引き渡しに応じなかった。

9月14日、オーストラリアも集団的自衛権の発動を表明した。9月15日、アメリカのコリン・パウエル国務長官はパキスタンがアフガニスタン攻撃に協力すると声明した。16日、湾岸協力会議を構成するアラブ諸国はテロ攻撃を批判し、アフガニスタン攻撃を支持する声明を出した。これはターリバーンを支援してきたパキスタンをふくむアラブ諸国が敵となることを意味しており、ターリバーンを支援する国は無くなった。しかし16日にターリバーンの情報相は重要拠点を要塞化したと声明し、徹底抗戦の姿勢を示した。17日、イランのモハンマド・ハータミー大統領はテロ攻撃を非難したが、攻撃には慎重になるべきと声明した。

9月18日、ブッシュ大統領は武力容認法に署名した。9月21日、ラムズフェルド国務長官は北部同盟と共同して作戦に当たることを発表した。また欧州連合外相会議も全会一致で攻撃を支持した。9月28日、国際連合安全保障理事会決議1373が採択され、国連加盟国にテロリズムの防止と制圧に緊急に協力することが要請され、テロ組織への援助は禁止された。アメリカはこの間に協力する国々と連合を組み、攻撃の準備に入った。これらの国は有志連合諸国と呼ばれる。有志連合諸国は不朽の自由作戦という統一作戦名で、アフガニスタンを含むテロ組織勢力地域への作戦を実行した。

開戦の正当性に対する論議

アメリカはイギリス・フランス・カナダ・ドイツ等と共同でアフガニスタンに攻撃を行った。これは国際連合憲章に定められた国連軍ではなく、国連憲章第51条によって定められ、事前に国連決議を必要としない集団的自衛権の発動によるという論理であった。この論理は米州機構、EU、そして日本を含む同盟国と法学者に広く認められた。

しかし、テロ攻撃に対して自衛権は発動出来ないという法学者も少なからずおり、議論が発生している。また、これらは後のテロ対策特別措置法や自衛隊インド洋派遣をめぐる国会論議でも取り上げられている。以下、『テロ特措法の期限延長をめぐる論点』に沿った争点の整理を行う。

自衛権

「テロ攻撃」は自衛権の対象となる「武力攻撃」にあたるかという問題である。また、自衛権は急迫不正の侵害に対して自国を防衛するための権利であり、テロ攻撃が今後も続く「除去しなければならない脅威」にあたるかという議論があった。

肯定派

* 安保理決議1373は国連憲章第7章のもとに行動することを定めている。これは個別的又は集団的自衛権を確認するものであり、テロ攻撃に自衛権が発動出来るということを示している。
* 派遣される武装集団の規模や影響が武力攻撃に匹敵するほどであれば武力攻撃を構成しうるという国際司法裁判所の判例がある(ニカラグア事件判決)。
* アル・カーイダの以前からの活動を見ると今後の攻撃も予想され、除去しなければならない脅威にあたる。

否定派

* 安保理決議1373にあげられた「すべての国がとるべき行動」には武力行使自体は書かれていない。
* テログループは「私人」であり、国際法上の主体ではなく、その行動は「武力攻撃」(armed attack)ではなく「武力行使」(use of force)であり、自衛権の対象にならない。
* 有志連合諸国による攻撃は一ヶ月以上後であり、自衛権の要件の一つである「時間的要件」(差し迫った脅威を取り除くため)に該当しない。
* 安保理決議1378にあげられた必要な措置に、武力行使は含められない。

ターリバーンへの攻撃

テロ攻撃を行ったのは、ターリバーン政権自体ではなく、その庇護下にあるアル・カーイダである。この場合、ターリバーンに攻撃を行うのは正当かという問題がある。

肯定派

* 安保理決議1368および1373はテロ組織援助禁止を規定しており、ターリバーン政権のアル・カーイダへの援助は問題がある。
* ターリバーン政権は1996年以来、安保理決議1267および1333によるアル・カーイダ引き渡しの要求を再三拒否しており、実質的な共犯関係にある。
* 友好関係原則宣言では、テロ組織の育成を禁じており、ターリバーンの行為はこれにあたる。
* 11月14日に定められた国際連合安全保障理事会決議1378は「タリバン政権を交代させようとするアフガニスタン国民の努力を支援」するとあり、ターリバーン政権の打倒を明確に支持している。

否定派

* ターリバーン政権は対する兵站支援や武器供与を行ったにすぎず、直接攻撃を行っていない。
* 一テロ組織の行動をターリバーン政権の責任とするのは問題がある。
* 政権崩壊に至るというターリバーン政府が受けた結果は、自衛権の要件である均衡性要件を欠く。

アル・カーイダ問題

同時多発テロ当時、アル・カーイダによる犯行声明などは行われておらず、アル・カーイダを犯人と推定したのはアメリカ当局によるものであった。このためこの時点で攻撃を行うのは正当かという点も問題となった。

否定派

* 明確な関与が判明していない以上、攻撃は行えない。

さらに詳しく → アフガニスタン紛争 (2001年-)



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(2009/11)
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