F-20 タイガーシャーク (F-20 Tigershark)

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2010/01/05(火)
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F-20は、ノースロップ(現ノースロップ・グラマン)社が開発した戦闘機。愛称はタイガーシャークTigershark、イタチザメ)。F-5の後継機として輸出を主眼に開発された。大幅な性能向上を果たしたものの輸出許可を巡る政治的情勢に翻弄され、3機の試作機が製作されたにとどまる。

開発経緯

1974年、中華民国(台湾)向けの機体としてF-5の機体を改良した案を検討したが、中国との関係悪化を懸念したアメリカ政府に止められることになる。その後、1980年カーター政権(当時)の決定した中間国際戦闘機構想にのっとり、ノースロップ社が自主開発を再開する。

開発当時は、中小国のベストセラー機であった同社のF-5を使用している国に売り込む事を考えていたが、新鋭機を海外に販売できないという法律があったため、この機体の類別番号はF-5Gとなっていた。

初飛行は1982年8月30日。なお、この時期に同様の輸出戦闘機として、ジェネラル・ダイナミクスよりF-16のエンジンを輸出規制が行われていたF100ターボファンからJ79ターボジェットにダウングレードしたF-16/79が提案され、試作機が製作されていた。

機体設計

軽量・高推力エンジンF404ターボファンエンジンを搭載する目処が立ったため単発となり、またGE製マルチモードレーダー、 APG-67(v)を初めとする高性能アビオニクスが採用された(本機のレーダーは、ルックダウン能力を持つのみならずスパロー空対空ミサイルの運用も可能であり、これは開発当初、同ミサイルを運用しない昼間戦闘機として計画された当時のF-16よりも優れた能力であった)。

機体の形状は似通っているが進歩した空力設計による改良(主翼付け根のLEX、抵抗を減らし揚力を生むシャークノーズ)が加えられ、機体各部に各種の新素材を使用しているほか、コクピットもGE製ヘッドアップディスプレイ、ベンディックス製デジタルディスプレイ、ハネウェル製ミッションコンピュータにHOTASの採用など、当時の新鋭機と比べても遜色が無い。

必然的に機体価格は高くなったが、それでもF-16よりは安価に設定されていた。フライ・バイ・ワイヤではない最後の旧世代戦闘機といえる。その抜群の運動・操縦性は、テストパイロットで顧問でもあった、初の超音速パイロットチャック・イェーガーが惚れ込んでいたことでも有名。

採用状況

しかし、現実に本機を採用した国はひとつもない。これはいくつかの原因があるが、最大の理由はF-16が関係している。本機の試作がスタートした当時、すでにF-16の能力向上案としてF-20と同様の能力を付加することが決定していた。その上、採用をあてこんでいたF-5ユーザの多くが、80年の F-16輸出解禁によって、価格が多少安くとも性能が未知数なF-20より、すでにアメリカ軍が採用し性能的にリスクが少ないF-16の採用を選択したという事情もある。

再度、台湾の次期戦闘機として提案されたが、アメリカでの政権交代のおりに輸出がキャンセルされ(後に経国を開発)、アグレッサー機の候補となったり(同時に候補となったのは、後に採用されることになるクフィルとF-16/79)したものの、2010年現在1機も採用されていない。採用を決めた国にはヨルダン及びバーレーンがあるが、ラインを稼動する数量ではなかったためヨルダンはF-16を、バーレーンもF-5Eを導入している。

アメリカ空軍州兵用としての提案もなされたが、アメリカ空軍のF-16の大量採用による価格低減によって、当初F-20が持っていた価格的優位性は失われており、F-16ADFに敗れている。こののち、ノースロップはF-5をライセンス生産していた韓国に生産治具ごとライセンスの売却を持ちかけたが実現せず、プロジェクトは終焉を迎える。

試作機は3機作られデモンストレーションが行われたが、1号機は84年に韓国でのデモフライト中に墜落する。この事故で著名なテストパイロット、ダレル・コーネルが殉職している。2号機も85年のカナダでのデモフライトで失われているが、これらの墜落原因は不明で少なくとも機体の欠陥ではないとされている。

一説によると高度の機動性にパイロットが対応できなかったとされている。現存する3号機はロサンゼルスのカリフォルニア・サイエンス・センターで展示されている。

要目

諸元

乗員: 1名
全長: 14.17 m (46 ft 6 in)
全高: 4.22 m (13 ft 10 in)
翼幅: 8.13 m(26 ft 8 in)
翼面積: 18.6 m² (200 ft²)
空虚重量: 5,090 kg (13,150 lb)
運用時重量: 6,830 kg (15,480 lb)
最大離陸重量: 11,920 kg (27,500 lb)
動力: F404-GE-100 ターボファンエンジン、76 kN (17,000 lbf) × 1

性能

最大速度: マッハ2以上
戦闘行動半径: 556 km (300 nmi)(Hi-Lo-Hi; 330gal燃料タンク×2基搭載)
フェリー飛行時航続距離: 2,759 km (1,490 nmi)
実用上昇限度: 16,800 m (55,000 ft)
上昇率: 255 m/s (52,800 ft/min)
翼面荷重: 395 kg/m² (81.0 lb/ft²)
推力重量比: 1.1

武装

固定武装: M39A2 20mm リヴォルヴァーカノン×2門(弾薬 各280発)
ミサイル: AIM-9 サイドワインダー、AGM-65 マーベリックなど
爆弾: ハードポイント5ヶ所、計3,600 kg

アビオニクス

AN/APG-67火器管制レーダー

さらに詳しく → F-20 タイガーシャーク



世界の傑作機 (No.96) 「F-5E/F タイガーII F-20 タイガーシャーク」世界の傑作機 (No.96) 「F-5E/F タイガーII F-20 タイガーシャーク」
(2002/09)
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