ブラックバーン バッカニア(Blackburn Buccaneer)

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2010/01/05(火)
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ブラックバーン バッカニア (Blackburn Buccaneer) とはイギリスのブラックバーン・エアクラフト社が開発し、イギリス海軍及びイギリス空軍によって使用された複座艦上攻撃機である。メーカーは書籍によってはホーカー・シドレーやBAeになっていることがある。また、名についても邦訳はブキャナーとも呼ばれる場合がある。敵のレーダー網をくぐり抜けるために低空を高速で飛行し、敏捷な運動性と高い機体強度を兼ね備えた全天候能力を有するが、音速に達する事が出来ない遷音速機であった。

開発と設計

ブラックバーン・エアクラフト社は1953年に補給省によって掲示された長距離艦上攻撃機の要求を満たすB-103として開発し、1958年に初飛行させた。B-103には大航海時代に国の許可を得て敵国の略奪を行った海賊を意味するバッカニアの名が与えられた。

バッカニアは低空の乱気流の中を飛行し、戦闘での生存率を高める為にエンジンを2基搭載し、胴体にエリアルールを採用した。また、爆弾等の攻撃兵器を主翼や胴体の下に吊り下げて搭載せずに、機内の爆弾倉に搭載することにより空気抵抗を減らすことに努めた。しかし、これら努力によってもバッカニアは音速を突破できなかったが、敵のレーダー網をくぐり抜けるために低空を亜音速で侵入するのは、その後の航空戦術の定石となっており、実用上の問題は無かった。むしろ低空での優れた運動性が高く評価された。

艦載機にとっての課題である航空母艦への発着艦は、主翼と尾翼に空気噴出し式の境界層制御装置を採用することにより大迎角での失速を防ぐ工夫がなされていた。垂直尾翼から後方の胴体はエアブレーキも兼ねており、使用時は左右に展開する。

長期間の実用テストを経て1961年からスーパーマリン シミターと交代する形で部隊配備が開始された。その後、ブラックバーン社がホーカー・シドレー社に吸収合併された為(ホーカーシドレー社ブラックバーン部門)バッカニアの整備や改良型の生産はホーカー・シドレー社によって行われた。B-103計画はAnother Royal Navy Aircraft ARNAという秘匿名称を持っていたが、ブラックバーンのARNAという語呂合わせで社内ではバナナと呼ばれていた。機体形状から見て取って、パイロットからもバナナ・ジェット (Banana Jet) の愛称でも親しまれた。最初の量産型であるS.1にはデハビランド製ジャイロン・ジュニアエンジンが搭載されたが、出力不足が問題で武装と燃料を満載した状態では航空母艦から発進することができず、燃料を半分まで減らして運用するという制約があった。1963年に初飛行したS.2ではロールス・ロイス製スペイエンジンが採用され、これらの問題を解決した。S.1は1966年11 月までにS.2と交代した。

やがて、空軍で開発中の超音速長距離攻撃機兼偵察機、BAC TSR-2の開発が労働党政権により中止とされると、老朽化したキャンベラの代替として空軍にも配備されるようになった。その後、イギリス海軍は航空母艦の全廃を決定し、CTOL空母を運用しなくなったため、海軍に配備されたバッカニアは全て空軍に移管された。

英軍のバッカニアの唯一にして最後の実戦参加は1991年に勃発した湾岸戦争であり、トーネード IDSが投弾したレーザー誘導爆弾を誘導する任務に就き、低空での危険な行動が多かったため損害もあった。湾岸戦争後の1994年3 月31日に、バッカニアは長い現役生活に終止符を打ち退役した。

バッカニアは海外への販売を積極的に行ったものの実を結ばず、南アフリカ空軍 (South African Air Force) のみが1963年に16機を採用し1965年に部隊配備を開始、1991年に退役した。契約では16機のほかに14機のオプションを持っていたが、労働党政権が人種隔離政策を行う南アフリカへの輸出規制を行ったために14機のオプションは行使されず、国連決議による武器輸出禁止によって予備部品も入手できない状況となった。1978年のアンゴラとの紛争において初の実戦参加を行うが、事故などの損耗によりこの時点での残存機は6機であった。 1988年12月にアンゴラとの和平条約が調印されたが、最後の出撃は同年5月、退役時の残存機は4機で、9機が事故で失われたことになる。また、南アフリカでは民間人がジェット戦闘機を体験できるサンダーシティ社にてライトニングやホーカー ハンターと共に乗ることができる。

バリエーション

* バッカニア:試作機。20機製造。
* バッカニア S.1
* バッカニア S.2:ロールス・ロイス製スペイを搭載したS.1の改良型。ブラックバーンで10機、ホーカー・シドレーで74機など一部はS.1から改造された。
* バッカニア S.2A:イギリス海軍向け。後にイギリス空軍向けへ改修される。
* バッカニア S.2B:イギリス空軍向けのバッカニア。対レーダーミサイルや対艦ミサイルを搭載可能で、1973年から1977年にかけて45機が製造された。
* バッカニア S.2C:対レーダーミサイル搭載使用能力のないイギリス海軍向け型。
* バッカニア S.2D:イギリス海軍向けの対レーダーミサイル搭載能力を有する発展型で、1975年より運用。
* バッカニア S.50:南アフリカ空軍向け。

スペック (S.2)

諸元

* 乗員: 2名
* ペイロード: 7,258 kg (16,000 lb)
* 全長: 19.3 m (63 ft 5 in)
* 全高: 4.97 m (16 ft 3 in)
* ローター直径: 13.4 m (44 ft)
* 円板面積: 47.82 m²(514.7 ft²)
* 空虚重量: 14,000 kg (30,000 lb)
* 運用時重量: 28,000 kg (62,000 lb)
* 最大離陸重量: 24,494 kg (55,000 lb)
* 動力: ロールス・ロイス スペイ Mk 101 ターボファンエンジン、49 kN (11,100 lbf) × 2

性能

* 最大速度: 1,040 km/h (560 kt)
* 航続距離: 3,700 km (2,300 mi)
* 実用上昇限度: 12,200 m (40,000 ft)
* 円板荷重: 587.6 kg/m² (120.5 lb/ft²)
* 推力重量比: 0.36

武装

* 最大搭載量:胴体内および主翼下ハードポイントに最大5,400kg


さらに詳しく → ブラックバーン バッカニア



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