MiG-25の開発経緯と世界の戦闘機

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2010/01/03(日)
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MiG-25(ミグ25;ロシア語:МиГ-25ミーグ・ドヴァーッツァチ・ピャーチ)はソ連のミグ設計局が国土防空軍向けに開発したマッハ3級の航空機。迎撃戦闘機型と偵察機型、敵防空網制圧型および練習機型があった。北大西洋条約機構(NATO)の使用するNATOコードネームはフォックスバット (Foxbat)。

MiG-25は最高速度が非常に速く、3000 km/h(約マッハ2.83相当)での飛行を目標に設計されており、実用化された戦闘機としては最速である。イスラエルのレーダーにマッハ3.2、中東方面ではマッハ3.4の飛行速度が記録されている。超音速航空機の最高速度は、エンジンの出力限界ではなく機体の構造や、空気摩擦の耐熱限界をもとに算出される場合が多い。MiG-25も、構造材のニッケル鋼で耐熱上の安全を確保できるのはマッハ2.83までだったとされ、マッハ3を超える飛行は8分程度が限界であった。

MiG-25のその最高速度やノズル、空気取入口のサイズからアメリカはターボファンエンジンを搭載した航続距離の長い非常に高性能な機体であると予測した。そのころ、アメリカが使用していた戦闘機は機動性が悪いものが多くMiG-25に対抗できるものはないとして危機感を覚え、機動性に優れたF-15を開発することとなった。

MiG-25の実際の性能は1976年のベレンコ中尉亡命事件によって明らかになる。チタニウムを大量に使用していると見られていたが、実際にはニッケル鋼が多く使われていた。これでは機体表面を300℃に加熱させるマッハ3での飛行に耐えられず、MiG- 25が安全に飛行できる最高速度はマッハ2.83程度だった。

迎撃に特化した戦闘機であり、機動性などはそれほど高くない。もともとソ連の防空システムにおける航空機の役割は、地上管制による誘導を受けて長射程ミサイルを目標付近まで輸送し発射するというものであったため、機動性に関しては重視されていなかった。このため、本来の設計思想と異なる戦術・制空戦闘目的で運用された中東諸国のMiG-25は、芳しい戦果を挙げていない。巨大なエアインテークとノズルは当初予想されていたターボファンエンジンやターボラムジェットでは無く、高速飛行時のラム圧縮効果をあらかじめ見込んで圧縮比を低く設定したターボジェットエンジンの採用によるものだった。

電子機器はハイテクを駆使していると見られていたが、実際にはオーソドックスな真空管が多く使われており、先進性より信頼性を重視したものとなっていた。方式は旧式であったが、レーダーの出力は 600kwと極めて大きいものとなり、相手方の妨害電波に打ち勝って有効であったと伝えられている。他にも、半導体回路を使用すると核爆発の際に発生する電磁パルスで回路が焼損するおそれがあるため使用しなかったとの説もある。機体設計においては、MiG-25は特にその機体構成要素において、革新性よりは信頼性に重点をおいた堅実な設計に基づいた機体であった。

以上の事から、MiG-25は西側の懸念したような格闘戦用の制空戦闘機ではなく、ソ連の防空システムに完全に組み込まれる、領空防衛を主目的とする典型的な迎撃戦闘機であると考えられた。これにより、西側への侵攻が行われた際にMiG-25が前線に現れ脅威となるような状況は想定されなくなり、調査班は西側諸国の不安が「過大評価」であったとの結論を下した。

ただし、このMiG-25の「過大評価」はアメリカ空軍が予算、特にF-15開発の予算を獲得せんがために、ソ連の脅威を宣伝した結果ともいわれる。アメリカもマッハ3級の戦闘機・爆撃機を試作していた経験から、高速に特化した機体の運動性がさほど高くは無いであろう事は予測していたともされ、2009年現在においても、マッハ3近い高速性能と高い運動性を両立した航空機は存在していない。実際にアメリカ空軍は「高速で運動性が高い」MiG-25の脅威を訴えながらも、F-15に対して運動性と引き換えに速度性能の要求を緩和しており、速度性能と運動性能の両立には熱心ではなかった。

なお、MiG-25の設計年次は、F-15などより実質的に1世代前となっている。真空管の使用は時代遅れだという指摘にしても、MiG-25のプロトタイプが制作された1960年代には、レーダー回路に使えるような大出力のトランジスタやICなどは、そもそもアメリカでもまだ実用にならなかった時代である。

さらに詳しく → B-52  B-58 ハスラー  XB-70 ヴァルキリー  B-1ランサー  U-2 ドラゴンレディ  YF-12
SR-71 ブラックバード  MiG-23  F-15  MiG-21  MiG-25  MiG-29  MiG-31 ベレンコ中尉亡命事件



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