Nelis空軍基地公開・航空ショー F-22A Raptor デモ飛行

航空兵器・陸上兵器・海上兵器・銃器・戦争・紛争・歴史・革命・テロ・事件・軍事動画・ニュース(報道)・社会情勢・政治運動・評論・講演など、軍事関連の情報を公開しています。宗教・思想・経済・政治的なものも少しアリ

広告
2010/01/01(金)
*

F-22はロッキード・マーティン社とボーイング社が共同開発した、レーダーや赤外線探知装置等からの隠密性が極めて高いステルス戦闘機。愛称は猛禽類の意味のラプター(Raptor)。また、開発元のロッキード・マーティン社は航空支配戦闘機とのキャッチフレーズを明らかにしている。

概要

アメリカ空軍(USAF)のF-15C/D イーグル制空戦闘機の後継機として、ロッキード・マーティン社が先進戦術戦闘機計画に基づいて開発した、第5世代ジェット戦闘機に分類される世界初のステルス戦闘機である。ミサイルや爆弾を胴体内に搭載することや、アフターバーナーなしでの音速巡航(スーパークルーズ)能力を持つことを特徴とする。F-15E ストライクイーグルと同様に多用途戦術戦闘機だが、より軽快でステルス特性と相まって空戦能力に優れるとされる。

冷戦下に開発が行われ、1996年からの調達で最終的には750機の配備を予定していた。しかし、開発の遅れや冷戦の終結に伴って、正式な配備は2005 年に始まった。2009年時点での生産予定数は187機で、開発費の高騰や生産数の縮小により、一機当たりのコストは約1億 3,750万ドルに達している。

2009年現在までに実戦への参加はないが、そのステルス性の高さなどから世界最強クラスの戦闘能力を持つとされる。一方でその高度な軍事技術の転移への懸念から、アメリカ空軍のみの配備に留まっており、コストの高騰・予算削減により2009年度より生産中止が国防総省より提案されている。当初は転換訓練などのための複座型としてF-22Bを生産する予定だったが、予算の縮小や地上シミュレータで完全に代替可能とされたため生産されていない。また、F-22をベースとした派生型の開発も計画されていたが、コスト高などから現在に至るも実現していない。

特徴と性能

F-22は『ステルス性が高いこと』『アフターバーナーを使用しないでスーパークルーズ(超音速巡航)ができること』『STOL(短距離離着陸)が可能なこと』という3つのSの要求通りの性能を持っている。

基本構造

一般的なモノコック構造を採用し、素材別の機体重量比はチタン合金39%、グラファイト・エポキシ等複合材24%、アルミニウム合金16%、熱可塑性プラスチック(サーモプラスチック)1%となっている。F-22ではF-117やB-2などの攻撃機や爆撃機(戦略爆撃機)と比較して、より高度なオール・アスペクト(全方位)のステルス設計となっている。レーダー探知を可能な限り避けるため、レーダー波を吸収するレーダー波吸収素材(RAM)を使用するだけではなく、吸収しきれなかったレーダー波を内部反射と減衰を繰り返して吸収するレーダー波吸収構造(RAS)も採用した。さらには外部形状の様々な工夫も合わせて、レーダー反射面積は 0.003~0.005m²といわれている。これは8cm CD(0.005m²)以下の値であり、レーダー上には小鳥が飛んでいるようにしか写らないという。このようなレーダー反射面積が極小の戦闘機に、レーダー誘導方式のミサイルを命中させるのは非常に困難と推測される。

一見するとF-15とF/A-18を足して2で割ったような驚くほど平凡な外形を持つ。1980年代以降の主流ともいえるカナード付きデルタ翼形式ではなく、ステルス性を優先して通常の尾翼形式を採用している。ただし細かく見ると、主翼は複雑な六角形の変形デルタ翼、レーダー波を一定の方向に反射するために機体を構成する曲線の角度が一定保持、主翼の後縁の若干の前進角、垂直尾翼とエアインテーク部分のほぼ同角度の傾斜、機体の平面と平面を繋ぐ曲面部分は「コンティニュアス・カーバチャー」と呼ばれる連続的な曲率を用いたデザインとする等、随所にステルス性向上のための高度な設計を施している。 燃料タンクは機体前部、及び左右の主翼内部に備わっている。 また、キャノピーは厚さ9.5mmのポリカーボネートを2枚重ね合わせて整形されており、F-117と同じように金を蒸着コーティングすることでコックピット内部へのレーダー波の進入を防いでいる。

機体の部品点数は従来機に比べて非常に少なく、F-15Eの三分の一以下しかない。これは機体構造のフレームピッチが広くなり個々の機体部品が大型化したこと、ステルス化のために機体外板の継ぎ目を減らすことを必要としたことによる。このため、部品製作の工作機械に対する初期投資が大きくなっている。部品点数の少なさは大量生産時の生産効率の向上に寄与するものの生産数が少ないためにその効果は現れず、また、生産設備コストが開発コストと並び機体単価の多くの割合を占めるに至っている。

エンジン

エンジンはプラット・アンド・ホイットニー社のF119-PW-100を二基搭載する。ミリタリー出力でのスーパークルーズ能力を実現するため、従来の低バイパスターボファンエンジンよりも更にバイパス比を小さくしているとされる。アフターバーナー使用時の最大推力は35,000lb(155.7kN)とされるが、不使用時の最大推力は未公開である。

また、F-22のエンジンにはF-15 S/MTDの実験で開発された、上下方向に20度まで推力軸を傾けることができる推力偏向(TV)ノズルを採用している。これにより遷音速域でF-15を上回る旋回性能を持ち格闘戦性能も高い。また、約1000mという短距離での離陸を可能としている。しかし常用高度4万フィートでスーパークルーズを行うF-22にとって、TVノズルの一番の採用理由は、方向舵や昇降舵など空気力学的機体制御の効果の低い超音速域や、大気密度の低い高高度飛行時において、運動性を発揮できる点である。TVノズルを低速度・低高度域でも積極的に使用して機動性向上を目指しているロシア製戦闘機とは、開発の主眼や運用思想が根本的に異なっている。そのため複雑な作動をするロシア製TVノズルに対し、F-22のTVノズルの作動は非常にシンプルなものとなっている。

ただし、ステルス性を利用して敵に探知されない遠距離から攻撃を加える(first look, first shot, first kill)ことを想定しているため、ドッグファイトに持ち込まれる可能性は低いとされている。なお、遠心力は速度の二乗に比例し半径に反比例するため、超音速域での旋回では容易に高い遠心力を生じる。そのため、パイロットの体を保護する新型の耐GスーツCE-ATAGS(COMBAT EDGE and Advanced Technology G Suit)を機体と併せて開発した。

スーパークルーズについては、アフターバーナーの使用なしで最大巡航速度マッハ1.58となっている。ただし、マッハ1.7まで到達したという発表もある。アフターバーナーを使用しないスーパークルーズには赤外線放出量を抑える効果もある。

アビオニクス

アクティブ・フェーズド・アレイ(APA)方式のAN/APG-77レーダーを火器管制用レーダーとして機首に搭載している。レーダー自体はステルス性とは相容れないものであるが、APA方式は電波の横漏れ(サイドロープ)が少なく従来の機械走査式レーダーに比べて自己の位置を暴露しにくい。また、周波数拡散技術により特定周波数での出力が低く抑えられ、LPI (Low Probability of Intercept Radar: 低被探知) レーダーとなっており、また、約250km先の目標を探知出来る能力と多様なモードとの組み合わせにより優秀な索敵能力・信頼性を発揮し、「ファーストルック・ファーストショット(先に見つけて、先に撃つ)」の最重要要素となっている。また、相手の発するレーダーや通信電波を逆探知して方向を解析するESM(Electronic Support Measures)を備えている。

電子機器はリスク分散のため複数搭載されており、列線交換ユニットの採用により整備性が高い。飛行操縦系統には3重のフライ・バイ・ワイヤ(FBW)を使用しており、飛行姿勢の安定性は高い。また、パイロットがブラックアウト・レッドアウトを起こしたり、平衡感覚が狂ったりした場合には、操縦桿を離すことで機体を自動的に水平状態に復帰させる機能もある。

ネットワーク機能の充実も大きな特徴である。飛行中のF-22は互いにデータリンク(IFDL:In Flight Data Link)により戦術情報を交換し連携して戦闘行動を取ることができる。また、索敵範囲を超える敵機及び友軍機の情報を司令部や早期警戒管制機から受信することもできる。さらにロックウェル・コリンズ社が開発中の高速データリンク・ TTNT(Tactical Targeting Networking Technology)を2008年から導入する計画である。自ら発するレーダー波に頼らずに外部からの情報で位置確認や索敵を行う能力は、ステルス性を発揮する上では必須といえる。

アビオニクスのソフトウェアは1983年に MIL規格となり、アメリカ国防省の標準高等言語であるAdaで開発された。開発規模は実装のソフトウェア依存度が高まったことにより、F-15Aのソフトウエアの200,000行(開発言語不明)に比べて2,200,000行と激増した。ソフトウェアの内訳は航法28%、レーダー12%、電子戦14%、通信14%の四分野で全体の7割近くを占めている。またレーダーと電子戦装置だけで全体の消費電力の90%を占めている。

近年ではソフトウェア開発が武器開発に占める割合が激増しており、AIM-120でも数十万行(開発言語不明)、F-35では4,300,000行を超え作業工数全体の40%を超えると言われている。一般的にソフトウェア開発規模の増大は要員増を招き、開発コストを著しく押し上げる。開発コストは生産数を多くすることで機体単価に占める割合を押さえることが可能だが、現在の生産数ではその効果は得られていない。

武装

固定武装としてゼネラル・エレクトリック社製のM61A2機関砲(弾数480発)を装備している。M61A2はM61A1を長銃身化した改良型である。機関砲発射口はステルス性を考慮して普段は閉じられ発射時のみ開く。そのために引鉄を引いてから初弾の発射までの時間差は若干増している。また、ステルス性を発揮するための運用の場合は、全兵装は胴体の下面1箇所と側面2箇所の計3箇所のウェポンベイ(兵器庫)に搭載される。下面ウェポンベイ内には「トラピーズ」(Trapeze:空中ブランコの意)と呼ばれるアームが備わっており、兵装はウェポンベイ内で切り離して自由落下させるのではなく、このアームが伸びることによってウェポンベイ内から機外へと放出される機構となっている。

左右側面2箇所の短距離空対空ミサイル専用のウェポンベイには、AIM-9M/Xを搭載する。しかし機体自体の旋回性能が卓越していることと、使用優先順位が低いなどの理由からAIM-9Xの搭載は見送られている。サイドワインダー使用時は扉を開き、シーカーを機体の外に露出させなければならないため、ステルス性は著しく低下する。ちなみにこの時、サイドワインダーは斜め横を向いた状態にセットされる。サイドワインダー収容部後方には、発射時のブラストが機体に当たるのを防ぐため、ブラストを外に逃がすためのディフレクターが装備されている。

下面ウェポンベイには中距離空対空ミサイルAIM-120A/Bを4発、もしくはF-22用に翼とフィンを縮小したAIM-120Cを6発搭載する。ステルス性は低下するものの、主翼下には最大4発のAIM-9M/X、またはAIM-120A/B/Cを搭載可能。

AIM-120はINSによる中間誘導とアクティブ・レーダー・ホーミングによるファイア・アンド・フォーゲット(Fire-and-forget、いわゆる「撃ち放し能力」)を持ち、中距離ミサイルとされるものの射程は100kmを超える。

F-22の短距離ミサイル×2と中距離ミサイル×6の計8発という構成は、双方共に4発の計8発だったF-15と比較し、遠距離からミサイルを発射して敵機を撃墜することに比重を置いていることが分かる。これはF-22自身の高いステルス性とレーダー、更には早期警戒管制機や僚機とのデータリンクにより「ファーストルック・ファーストショット・ファーストキル(first look, first shot, first kill:先に見つけ、先に射ち、先に撃墜する)」を意図した構成とされる。

空対地攻撃用にはGPS/INS誘導方式の統合直接攻撃弾薬(JDAM)GBU-32を搭載する。また、F-22のウェポンベイのサイズを考慮した小直径爆弾(SDB)を開発中である。

なお、ステルス性を考慮しない場合、翼下に600ガロンの燃料タンクを2本とミサイルを4発装備することができる。空対地装備としてAGM-88、GBU-22の搭載も可能である。また、フェリー時には燃料タンク4本を装備した上に、燃料タンク吊下用パイロンの両側面に1発ずつ、計8発のAIM-120Cを取り付けて輸送することができる(機体の兵装として発射することはできない)。

戦闘能力

2009年現在においてF-22には実戦経験はない。だが、「目視は出来ているのに(味方のF-15の)レーダーに映らない」ことさえあるというステルス性と、ファーストルック・ファーストショット・ファーストキルを前提とした運用・戦闘スタイルから、世界最高水準の戦闘能力を有するとされる。

また、F-15を超える機動性や旋回性能などから、有視界戦闘(レーダーに頼らず、目視での戦闘)においても卓越した戦闘力を持つ。なお、F-22 は味方機同士でリンクされているため、識別は可能となる。無論、ステルス機といえども近接すれば機体を可視光線が反射し、機影や国籍マークで判別できる。一方で、アメリカ空軍で行われた戦闘機を使った有視界飛行での模擬格闘戦で、EA-18GやT-38に「撃墜」されたことがあり、F/A-18Fに機関砲で撃墜された可能性もある。

さらに詳しく → Wikipedia F-22  マルチロール機



米軍再編の政治学―駐留米軍と海外基地のゆくえ米軍再編の政治学―駐留米軍と海外基地のゆくえ
(2008/05)
ケント・E. カルダー

商品詳細を見る
関連記事

タグ : 航空ショー F-22 ラプター

この記事へのコメント
URL:
Comment:
Pass:   
この記事のトラックバックURL
http://gunjimania.blog108.fc2.com/tb.php/680-d25fc290
 この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック

 | Copyright © 軍事マニアクス - Military Maniacs All rights reserved. | 

 / Template by 家族 ペット 自分史 ブログ