地雷爆発の瞬間映像

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2010/01/01(金)
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地雷(じらい、ぢらい、英: :landmine)は、地上または地中に設置され、人や車両の接近や接触によって爆発して危害を加える兵器。対人用、対車両用がある。

解説

古典的かつ伝統的な物では、一定の重量が信管にかかることによって作動し、爆発することで通過した人や物を殺傷・破壊することを目的としている。対人地雷には、前述の圧力式のほか、ワイヤでピンが抜かれることで爆発するもの(引張式)、遠隔操作で起爆させるもの、赤外線センサー等を使用するものがある。中には地雷探知機の発する磁気を感知して爆発するものまである。設置方法はさまざまで、人力で設置する、地雷敷設車両や専用ヘリコプターを使って敷設する、航空爆弾やロケット弾など大型の弾殻の中に入れて遠隔地から散布するなどの方法がよく利用される。

踏むと瞬時に起爆するものが一般的である。第二次世界大戦中にドイツ軍が開発したS-マイン(ドイツ語読みではSミイネ)と呼ばれる対人地雷は、触覚状の信管を踏むと火薬の爆発により地中から高さ 1mほど飛び上がり、空中で鉄球をばら撒くことで踏んだ人物以外にも被害を与えうる。対応する重量によって、対人地雷・対戦車地雷などに分類される。第2次大戦中の対戦車地雷の感知重量は90kgから200kgに設定されており、人が踏んでも爆発しないとされている。

地雷の戦略上欠点として、一度通過すればそこは安全地帯になってしまうということが挙げられる。一度爆発すればそこにはもう地雷はないし、爆発しなければそこにはそもそも地雷がない。そのため過去においては、捕虜に前を歩かせその後ろを行軍するといったことも行われた。また巨大なローラーのようなものを車両の前に取り付ける対地雷装備も開発されている。この欠点を補う為に複数回刺激が加わって爆発する地雷が造られた。これには隊列を組んで行軍している部隊に対してより多くの被害を与えられるという効果もある(先頭を歩いている者が踏んで爆発するよりも隊列の中間で爆発する方がより被害が大きい)。一方でこのような地雷は残留地雷の問題をより厄介にしている。

広範囲に地雷が埋設された場合、その地域は地雷原と呼ばれる。地雷原に対しては小型爆弾を大量にばらまき地雷ごと爆破させる日本の92式地雷原処理車のような対地雷兵器なども開発されている。

適切に敷設し、適切に管理された地雷原は比較的低コストで防衛ラインを設定できるため、国境線や海岸線の長い国にとっては、効果的な防衛に適している。また、移動中の部隊が宿営地の周辺の要所に一時的に敷設して敵に備えることも行われる(この場合は宿営地の撤収時に全て回収、または処分される)。しかし不適切に敷設されたり、適切に管理されていない地雷原は敵だけでなく味方にとっても脅威となる。前線がいくつも独立しているような場合、内戦が長期化している場合など、地雷は敵・味方あるいは軍人・民間人を区別せず爆発する。そのため、地雷を敷設した場合は、記録した上でそのことを直ちに友軍へ連絡する必要があり、戦闘終結後には速やかに地雷を撤去することになっている。そのため、正規軍が敷設する地雷は敵対勢力の脅威になりこそすれ、民間人や友軍の脅威にはなり得ない場合が多い。

対戦車地雷

対戦車地雷(たいせんしゃじらい)は、主に戦車などの装甲戦闘車両を破壊する事を目的として使用される地雷である。一般に、軍用車両は底部の装甲が最も薄いため、地雷による攻撃はかなり有効な手段となる。故に、5から10kg程度の火薬でトラックや装甲兵員輸送車等を十分に破壊することができ、軽戦車を横転させ、主力戦車に対しても履帯やサスペンションを破壊するなどの威力がある。

70kgから130kg以上の加重で起爆するようにされており、これは武器弾薬等を携帯した兵士が踏んでも起爆せず車両を攻撃する為である。磁気吸着式により、車両に吸着させるタイプや、有人管制により手動で起爆させるタイプもある。地雷除去を防ぎ、殺傷力を上げるために対人地雷とセットで埋設されることがある。人間が踏んでも起爆装置の中心点を踏めば起爆しないが少しでも中心点を外れた部分を踏めばテコの要領で起爆する重量に達してしまい起爆してしまう。そのため現在の陸上自衛隊での教育時にも対戦車地雷だからと言って踏んでも問題ないわけではないことを十分に教育している。

対戦車地雷に対抗する為には、車両の底部の装甲を厚くしたり、二重にする、車両床を高い位置にし爆風を逃がすV字型にする、装輪数を増やすなどの方法がある。爆薬が不足している軍・武装勢力においては榴弾砲や迫撃砲の砲弾や航空爆弾を地面に埋め込み、対戦車地雷として利用した例がある。

第二次世界大戦中、旧日本軍の場合、兵士が地雷を背負って敵戦車の前に身投げしたり、タコツボ(一人用の壕)内で爆弾を抱えてうずくまり、敵の接近に合わせて信管を叩いて起爆させる「人間地雷」戦術を実行している。また、ソ連軍はエンジンをかけた自動車の下で餌を与えることにより、条件反射で自動車の下にもぐりこむように訓練した犬に爆薬をくくり付けてドイツ軍車両を破壊する地雷犬を実戦に投入している。さらに各国でも地雷を埋めておくのではなく、兵士が自陣を蹂躙する敵戦車の履帯前に投げ出す、棒の先に付けて突き出す、時限式信管を取り付け機関部やハッチ上に載せる等して破壊するという戦術も取られた。

パレスチナでは重装甲で知られるイスラエル国防軍のメルカバ Mk 3戦車を、遠隔操作により地中に埋めた手製の爆薬で、イラクでは対戦車地雷を積み重ねる事によりアメリカ軍のM1A2SEPエイブラムス戦車を、完全に撃破した。

対人地雷

現在使われる主な対人地雷(たいじんじらい)には、踏みつけた人間の足を踝(くるぶし)から吹き飛ばす程度の威力をもった小型のもの、容器が二重になっていてワイヤーや踏圧その他で信管が作動すると内側の容器が1-2m程度の高さに打ち上げられて爆発し、内部の鋼球などを撒き散らして周囲数十mの敵を倒すことを狙った大型のもの(跳躍地雷)、信管が作動すると扇状の範囲に鋼球を撒き散らして殺傷する地上設置型のものなどがある。

炸裂した時、一定の方向に扇形に散弾を発射する性質(指向性)を持った地雷(クレイモア地雷など)を指向性対人地雷、または指向性散弾といい、危害範囲が非常に広いのが特徴である。これは地中に埋設するのではなく、付属した簡易な三脚や四脚に載った形で地上に設置され、水平方向に散弾や弾片を射出する。また、張られたワイヤーに兵がひっかかることで作動するだけでなく、遠隔操作で任意のタイミングで炸裂させることもできる。これにより兵が密集していた場合、一度に10名以上が殺傷されることもある。

安価で数多く使われる小型のものは、敵兵を殺すことではなく、敵兵に重傷を負わせることにより戦闘不能にすることを目的としている。敵兵を1人戦死させれば、それは敵の兵力を1減らすことになる。しかし、敵兵1名に重傷を負わせれば、敵は重傷者を後送する兵・手当てする兵を確保せねばならず、前線の敵兵力を2名以上減らすことができる。

またこういった小型のものは空中投下して散布することが可能である。しかし正確な散布場所が分からなくなるので被害を出しやすい危険な方法である。広く流布した話に「小型地雷に子供の興味を引くぬいぐるみやおもちゃのようなものを取り付けてばら撒き、触れた子供の手足や生命を奪う」とするものがあるが事実として確認されていない。

以上のように、対人地雷は敵味方・軍民を問わず被害を受ける危険があるため、厳格な運用が必要とされる。しかし紛争国では無計画に埋設された結果、除去困難に陥り戦後の紛争の後遺症として住民を苦しめ続ける例が見られる。そのため規制が議論されている。そのような観点からオタワ条約が発効した。ただ地雷に安全対策を施すのではなく、対人地雷そのものをなくそうという非現実的な内容だったため、主要な地雷輸出国が批准せず肝心の紛争地帯での地雷被害は減っていない。

対人地雷全面禁止条約

このような地雷に対し、人道的な見地から「対人地雷の使用、貯蔵、生産及び移譲の禁止並びに廃棄に関する条約」(対人地雷全面禁止条約、オタワ条約などともいう)が作られ、1999年3 月1日に発効した。この条約が作られる機運を盛り上げるにあたっては、イギリスのダイアナ元皇太子妃も大きな役割を果たした。日本は1998 年9月30日に、この条約を受諾して締約国となり、2003年2 月8日に保有していた対人地雷のうち、訓練用など一部を除いたすべての廃棄を完了した。この式典には小泉純一郎首相(当時)も出席した。

ただ、外国などからの侵略行為に対し日本の長い海岸線を対人地雷なしに(対戦車地雷を高感度で使用する方法もあるが)どのようにして守るかについては自衛隊をはじめ新たな防衛方法が模索されており、かねてより航空自衛隊等が保有しているクラスター爆弾、ないしは新たに開発した対人障害システムを対人地雷の代替とするようであるが、これも極めて限定的な補完にしかならないため、防衛力の空白が懸念されている。 またクラスター爆弾を廃棄する動きも進んでいる。

さらには米中露といった大量配備/輸出国が批准していない現状では条約は象徴的で限定的な意味しかもっていない。むしろ先進国の撤去対策が施された対人地雷地雷が廃棄され、紛争国が求める安価な地雷が野放しになるという皮肉な事態を招いている

さらに詳しく → 地雷



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