F-15 イーグル(McDonnell Douglas F-15 Eagle)

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2009/12/31(木)
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F-15はマクドネル・ダグラス社(現ボーイング社)の開発した制空戦闘機。愛称はイーグル(鷲)。F-15Jは日本向けのF-15C。1981年から1998年までの期間に165機製造。C型をベースとしているが、航空自衛隊はFAST PACKを保有しない。

概要

アメリカ空軍の保有・運用したF-4の後継として開発された、第4世代ジェット戦闘機に分類される、長射程空対空ミサイルの運用能力と高性能なレーダーを持つ双発の大型制空戦闘機である。後継機であるF-22が配備されるまでは世界最強の戦闘機としても名高い機体であった。その座をF-22に譲り渡した現在でも、高水準の性能を維持し続けている。また、操縦士はF-15の愛称から「イーグルドライバー」と呼ばれている。

二枚の垂直尾翼を持つとはいえ、平凡な平面形の主翼に水平安定版を組み合わせた保守的な設計のまま、当時としては画期的な機動性を実現した機体である。採用国は2009年現在までに空戦における被撃墜記録はないとしている。単座型と複座型の2種類があるが飛行性能・戦闘能力に大きな差はない。

一機当りのコストが約3,000万ドル(アメリカ空軍での単価)と高価な機体となったため、アメリカ空軍ではF-16との「Hi-Lo-Mix」運用を甘受し、また購入可能な国は限られた。それに加えてその能力から政治的・軍事的に親密な国への売却に限られた結果、新造機からの運用はアメリカの他イスラエル・日本・サウジアラビアの3ヵ国のみの総計1,233機(ライセンス生産を含む)で終わった。 F-4と共に冷戦下のアメリカ空軍とマクドネル・ダグラス社を代表する戦闘機といえる。アメリカ空軍の主力機は、派生型のF-15Eや後継機であるF-22へ移行中である。

機体

外形はF-111やF-14の可変後退翼、F-16のブレンデッドウィングボディといった新機軸を採用することなく、MiG-25やA-5といった前例のある肩翼配置クリップトデルタ翼に双垂直尾翼と全浮動の水平尾翼を配置した堅実な構成となった。

主翼は基本翼形のキャンバーを翼付け根前縁を頂点とした円錐に合わせ、翼端では翼形全体までも湾曲させるコニカルキャンバーを与えることで前縁フラップを省略した、単純フラップと補助翼のみを動翼とした簡素なものである。主翼付け根の膨らみは、ストレーキ類似の離着陸性能と運動性向上の効果を持つ。この主翼付け根の膨らみは機関砲の内蔵スペースともなり、また、後方へ延長されて尾翼の取り付け部となっている。

胴体上面キャノピー後方に大型のエアブレーキを装備し、ドラッグシュートを廃止している。このエアブレーキは、アルミ・ハニカムと炭素繊維複合材(グラファイト・エポキシ)を組み合わせた軽量構造になっている。水平尾翼と垂直尾翼はチタン、間にアルミ・ハニカム、表面をボロン繊維複合材を使用し、軽量かつ強固な構造となった。他にも、軽量化と耐熱性強化のためにエンジン回りや主翼取り付け部の円矩等の要所で構造重量の25%以上に及ぶチタン合金を使用しており、外形からは窺えないF-15の特徴となっている。

機体最上面に張り出す涙滴型の風防は、単座型と複座型で大差がない程の大きな空間により、抵抗を増やさず360度の視界を確保している。初期の機体では高温強度の高いポリカーボネートにアクリルを拡散蒸着した材質だったが、紫外線による劣化で曇りが出たため強化アクリルガラスに変更された。

操縦系統は操縦桿・フットバーと舵面の油圧サーボ・シリンダーを機械的な結合で接続し、方向舵及び水平尾翼とのリンクに並行して CAS(Computer Augumentation System)を追加して安定増強や操舵補正を行っており、機械的な結合が破損しても飛行を継続できるが、F-16のようなフライ・バイ・ワイヤを使用したCCVではない。

電子装備

火器管制システムは高性能のレーダー(APG-63/70シリーズ)を中心とした高度の自動化設計により、単座運用を実現している。APG- 63レーダーの最大探知距離は、小型戦闘機程度の投影面積である目標に対しては100マイルとされている。搭載のデータリンクを使用した早期警戒管制機(AWACS)との連携により、高度な迎撃能力を発揮する。機密性が高く輸出を許可していなかったTEWS(Tactical Electronic Warfare System:戦術電子戦システム)は、AN/ALR-56レーダー警戒受信機、AN/ALQ-128電子戦警戒装置、AN/ALQ-135内蔵妨害装置、AN/ALE-45 チャフ・フレア放出器を統合し、自動化を進めたものである。

エンジン

プラット・アンド・ホイットニー社のF100ターボファンエンジンを2基装備する。初期型のF100-PW-100でも1基当たり10,810kgの推力を発揮するため、最小飛行重量に近い状態であれば推力重量比は1を超え、主翼の揚力を利用せずにエンジン推力だけで垂直に上昇できることになる。実用上は推力のみで上昇できることに意味はないが、十分な余剰推力は高機動下における急激な運動エネルギー損失の回復に活かされる。

胴体の左右にある二次元型空気取入口は、上方4度下方11度で可動し内部の可動式斜板やバイパス口と協調動作して様々な姿勢及び速度において、適切にエンジンへ外気を導入する。

持続時間制限を受けない最高速度はマッハ2.3であり、マッハ2.3を超え公称最高速度の2.5まではエンジン吸入空気温度その他の制限から1分間に制限されている。なおF-15Aでも高度10,000ft~45,000ft格闘戦時基準重量33,000lb前後ならば戦闘時推力により、僅かながらマッハ 1.0を超える速度での飛行が可能である。

武装

F-15の武装はベトナム戦争の戦訓より固定装備とした右翼の付根前縁にある、装弾数940発のM61A1バルカン砲を始め、主翼下の2か所のパイロンの両側のサイドレールに計4発のAIM-9 サイドワインダー、胴体下面4か所のランチャーに計4発のAIM-7 スパローとなっている。M61A1バルカン砲の940発という装弾数はF-4に比べて約50%増加しており、一秒間の射撃を14回行うことができる。機関砲の射線は空中戦用途を主として、機体の基準線から2度上に向けている。

スパローの電波誘導セミアクティブホーミング方式は目標への電波照射を母機から行うため、誘導部が簡単で小型軽量になる代わりに命中まで母機の運動を制約するという欠点を持つ。このため、半導体技術の進歩により誘導部の小型化を果たしたアメリカ軍のAIM-120 AMRAAMや航空自衛隊の99式空対空誘導弾といった、電波誘導アクティブホーミングミサイルの運用能力がF-15に追加されている。

この他にも、各国向けの仕様の変更や使用武装の追加など様々な更新を制式採用以後も受けている。

拡張性

約30年も前に設計された機体であるが、将来の発展のための余裕を持った設計とされたため、ロシアのSu-27、国際共同開発のユーロファイター タイフーン、フランスのラファール等の新鋭機の登場した現在でも、各種の近代化改修(新型ミサイル対応、電子装備、エンジンの換装)によって第一線での任務をこなす能力を維持している。

仕様

F-15C

* 乗員: 1名(B/D/DJ型は2名)
* 全長: 19.43 m
* 全幅: 13.05 m
* 全高: 5.63 m
* 翼面積: 56.5 m2(C)
* 空虚重量: 12,973 kg
* 最大離陸重量: 30,845 kg
* 発動機: F100-PW-220ターボファンエンジン (A/B:10,640 kgf)× 2
* 最大速度: M2.5
* 巡航速度: M0.9
* 航続距離: 3,450 km(フェリー)、 4,630 km(増槽)以上、5,750km(CFT装着)以上
* 実用上昇限度: 19,800m (65,000ft)
* 固定武装: M61A1 × 1 (6砲身 口径20mm 装弾数 940発)
* 製造単価、約3,000万ドル

さらに詳しく → F-15 イーグル



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(2008/11/21)
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