F-35 ライトニング II (F-35 Lightning II)

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2009/12/28(月)
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F-35 ライトニング II(F-35 Lightning II)はアメリカの航空機メーカー、ロッキード・マーティンが中心となって開発中の単発単座のステルス性を備えたマルチロール機である。開発計画時の名称である統合打撃戦闘機(Joint Strike Fighter)の略称JSFで呼ばれる事も多い。

概要

統合打撃戦闘機(JSF:Joint Strike Fighter)計画に基づいて開発された、第5世代ジェット戦闘機に分類されるステルス機である。概念実証機のX-35は2000年に初飛行を行い、競作機となったX-32との比較の結果、X-35がJSFに選定される。量産機のF-35は2006年に初飛行し、現在でも開発は継続中である。2012年に実戦配備予定。

JSFの名の通り、ほぼ同一の機体構造を用いながら、基本形の通常離着陸(CTOL)、艦載機(CV)、短距離離陸・垂直着陸(STOVL)という3つの派生型を製造する野心的なプロジェクトである。1960年代にも似たような運用構想でF-111が開発されているが、 F-35はそれと比較しても、機体の小型化技術の進歩を窺わせるものである。アメリカ空軍・海軍・海兵隊、イギリス空軍・海軍、が採用を決定しており、あわせて数千機が製造される見込みである。

基本構造

F-35は、F-22に似た、ステルス性に優れた菱形翼のすぐ後方に、主翼と似た平面形の全遊動式水平尾翼を持ち、2枚の垂直尾翼はステルス性向上のために外側に傾けられている。主翼付け根前縁から機首先端まで続くチャインは機体の上面と下面を明確に分けており、エアインテーク(インレット)はチャインの下、コックピット後方の左右にある。従来の超音速ジェット機にあったような境界層分離板(boundary layer diverter)が無く、胴体側面の出っ張りによって境界層を押しやる仕組みになっており、ダイバーターレス(diverterless)超音速インレットなどと呼ばれている。

コックピットには前方ヒンジ方式の一体型キャノピーを採用した。これによりアクチュエーターの小型化と重量の軽減が可能となった。合わせて、整備の際のアクセスも容易となった。電気システムのユニットや整備アクセス関連のユニットを、それぞれ胴体側面に配置した事で少ないアクセスパネルで対応できる。

エンジン

F-35はその開発に際し各軍の要求の多くを実現しようとしたため、単発戦闘機としては重量級の機体となった。それに見合う様、エンジンも強力なF135を搭載しており、その推力は約177.9kNに達する。その為、F-35は単発機でありながらラファール(約150kN・合計)、ユーロファイター(約180kN・合計)、F/A-18E/F(約195.8kN・合計)等といった双発機の合計推力に匹敵する大推力を有する事となった。また、GEアビエーションとロールス・ロイスが開発中のF136が、2010年以降互換性を持つとされる。

F-35B型は垂直離着陸を行う方法として、リフトファン方式を採用しているのが特徴である。X-32と同出力のエンジンを使用したと仮定した場合、構造上X-35は、X-32より効率的にエンジン推力を伝達出来るため、離昇速度や燃費に優れる。離昇推力は基本的には、単位時間当りの空気流量×噴出速度から決定されるが、X-35はリフトファンの効果によりX-32と比べて離昇時の空気流量が大きくなるためである。当然、離昇推力が同一の場合は噴出速度が低くて済む。

だが、垂直離着陸時や短距離離着陸時にしか使用しないリフトファンとシャフトは、水平飛行中は不要となり重量と空間が無駄となる。これにより燃料搭載スペースが削られ、STOVL機であるF-35BはF-35A/Cより航続距離が短くなっている。また、構造の複雑化により整備性も悪くなる。なお、F-35は、この高推力エンジンと固定インテイクの取り合わせにより騒音が大きく、砂漠の中に存在するネリス空軍基地においてでさえ、周辺住民から環境破壊を危惧する声がある。

アビオニクス

レーダーにはF-22Aに搭載されているAN/APG-77 AESAレーダーをF-35の機体サイズに合わせ改修したAN/APG-81が搭載される。その探知距離は90nmとされており、これはAN/APG-77の約3分の2にあたる。また、FLIRを始めとする目標探知システムやレーザー誘導兵器の誘導等に使うレーザー照射装置等で構成される、EOTS(電子光学ターゲット探知システム)と呼ばれる装置も搭載される。

コクピットは先進的なものとなっており、その特徴の一つに、現代の戦闘機では常識となっていたHUDを装備しないという点が挙げられる。これはHMD(Hellmet Mounted Display ヘルメット装着型ディスプレイ)により、前方のみの限られた範囲でしか情報が表示されないHUDが必要なくなったためである。このHMDは、従来のJHMCS(Joint Helmet Mounted Cueing System 統合ヘルメット装着型キューイング装置)を更に発展させたもので、JHMCSは戦術機動中のミサイルの照準程度にしか使えず、HUDの機能全てを表示することは出来なかったが、F-35のHMDではディスプレイのリフレッシュレートを大幅に引き上げることによって火器の照準だけでなく、飛行情報の基本ディスプレイとして使用することが可能となった。また、HUDやコクピットのMFDにしか表示出来なかったFLIRの画像などの戦術データもバイザーに投影することが出来る。

更にSTOVL仕様のF-35Bでは、コクピット直後にリフトファンを内蔵した関係で生じた左右下方と後方の死角を補うために、ノースロップ・グラマン社製の電子式光学画像配信システムEODASが採用されている。これは上下前後左右、つまり自機の全周360°をカバーした映像がバイザーに投影されるというもの。ディスプレイの重量はバイザーに情報を投影するイルミネーターが2 基あるにもかかわらず、全体が炭素繊維でできているため、従来の汎用ヘルメットよりも軽量である。開発メーカーはイスラエルのビジョン・システム・インテグレーション(VSI)社で、VSIはJHMCSの開発も行なっている。

また、主表示装置については、従来の機体と異なりひとつの大型液晶ディスプレイとなっている(カラー表示、タッチパネル式)。このディスプレイの表示をいくつかのウィンドゥで区切って分割し、そこに各種の情報を表示する為、従来の機体の表示装置よりも大幅に見やすくなっている。画面分割数やウィンドゥのサイズ等、表示する情報をパイロットが変更出来る。これにより、必要な情報のみを表示し不必要な情報は表示しない、という従来の機体にはない使い方も可能で、パイロットに与える負担を少しでも減らせると考えられている。

センサー

AN/APG-81レーダー

機首には、AN/APG-81 AESAレーダーが搭載される。その探知距離は90nmとされている。

EOTS

機首下面に取り付けられたEOTS(Electro-Optical Targeting System、電子・光学式照準システム)は、FLIRのような赤外線による目標探知機能とレーザー誘導兵器の誘導等に使うレーザー照射機能を兼ね備えた攻撃用センサーである。

DAS

STOVL仕様のF-35Bでは、コクピット直後にリフトファンを内蔵した関係で生じた左右下方と後方の死角を補うために、ノースロップ・グラマン社製のDAS(Distributed Aperture System、画像配信システム)が採用されている。DASはパッシブ式の赤外線画像センサーであり、機体各部の6ヶ所にDASのセンサーが備えられることで、パイロットはHMDによって自機全周の赤外線画像が得られることで状況認識能力が高められ、完全オフボアサイトによるミサイルへの目標指示も可能になっている

武装

空対空ミッションではステルス性を維持した状態では、胴体のウェポンベイに左右で最大4発のミサイルを、空対地ミッションでは同じく内部ベイに 2000ポンドJDAM2 発搭載と中距離空対空ミサイル2発を搭載可能である。また、爆弾架の部分に装着するタイプのラックを開発中である。 さらに翼下パイロンが左右3ヵ所ずつあり(一番外側は空対空ミサイル専用)各種ミサイル・爆弾が搭載可能。機関砲は25mmのGAU-22/Aで、固定装備とするのはF-35Aのみ。B型とC型ではステルス性を備えた機関砲ポッドをオプションで機外搭載する。

新型爆弾とのインテグレーション

AMSTE:

* クラスター禁止条約は、対人弾においては燃料気化爆弾などである程度のカバーが可能であるが、子弾が9個以下に過剰に厳しく制限されたため、対装甲車両弾は現行の対装甲車知能化クラスター弾も使えなくなってしまう。一方レーザー誘導爆弾は、1個中隊16両の戦車を同時攻撃ためには8-16機の無人機でレーザー照射をする必要があり、対動目標では実用に難があった。そのためもあって、安価なGPS誘導爆弾に通信リンクを増設し、F35のレーダーで動目標を追尾して新座標をリアルタイムで落下中の通信GPS爆弾AMSTEに送信し、本来固定座標向けに開発されたGPS爆弾を動目標に命中させる開発が進んでいる。

* 因みに、子弾が目標を探知追尾する知能化子弾クラスター弾や、対戦車ミサイルは数千万円、GPS爆弾、レーザー誘導爆弾、AMSTEは数百万円であり、戦争実行・弾薬備蓄の弾薬コスト削減に大きく寄与すると考えられている。

SDB:

* ステルスのウェポンベイにあわせて、小径に設計された爆弾。弾薬備蓄においては、爆弾自体より備蓄スペースが往々にして高価だが、小さい備蓄庫で多数保管できるメリットもある。面制圧より精密誘導を志向したGPS弾であり、弾頭爆薬重量よりGPSを利用した高空投下による運動エネルギーを利用した省重量設計で、貫通力が高い。

* GPS簡易貫通爆弾のため、遅延信管を使えば、航空機保護コンクリートバンカーや、簡易地下指揮施設を貫通したあとで内部爆破できる。また、市街戦で狙撃兵の居る建物だけにGPSで正確に小弾頭爆弾を命中させ、着発爆発させ、大型爆弾と違って市民の巻き込み被害を減らすことが可能。但し、森林に隠れた位置のわからない敵を面制圧するのには向かない。


愛称

本機につけられている愛称である「ライトニングII(Lightning II)」は、かつてロッキード社によって開発され、第二次世界大戦で活躍したP-38ライトニングに因んだものである。また、共同開発の最大のパートナーであるイギリスの、自国で開発した唯一の超音速戦闘機イングリッシュ・エレクトリック ライトニングに因む愛称でもある。なお、YF-22がF-15の後継機の座をYF-23と争った際、この愛称を名乗っていた時期もあった。

配備計画と課題

現在アメリカ軍とイギリス軍はJSF約3,000機を配備することを予定している。またSDD段階から参加する国での採用もほぼ確実で、現在F-16などを使用しているその他の国でも採用される可能性が高く、最終的に製造数は5,000機以上にのぼることが予測されている。しかし開発は遅れ、米空軍の配備予定は2015年度からとされる。(海兵隊は2012年予定)

量産計画

量産型の生産計画についてアメリカ軍では、2006会計年度に第1期初期低率生産(LRIP-1)の長期先付け(LL)品の購入が認められ、また 2007会計年度には完全な予算が承認されたことで、2機のF-35Aの製造が開始された。また合わせて、LRIP-2のLLの購入も開始され、2008 会計年度予算で全生産予算が承認されれば、F-35Aが6機とF-35Bが6機の、計12機の製造が開始される。このLRIPは2013会計年度の LRIP-7まで続けられる予定で、その後の2014会計年度より多年度調達(MYP)計画に移行するとされる。

ロッキード・マーティンでは、2010会計年度のLRIP-5からは対外有償軍事援助(FMS)機の製造を組み込む事も可能になるとしており、海外からの発注があれば、もっとも早ければ2014年の引き渡しが可能になるとしている。

前述したとおり、F-35の生産予定数はアメリカ軍とイギリス軍のもので2,600機近く見込まれている。これに加え、計画参加国のF-35導入が決定すれば、F-16の製造機数に達するものとみられている。ロッキード・マーティンでは、F-35を輸出可能な最初の第5世代ジェット戦闘機と位置付けている。また、F-16やF/A-18と同等の価格で諸外国に提供でき、維持・整備費などの費用はより安価になるとしている。その販売や運用中の支援についても、F-16で確立された国際協力関係が活かされることになる。このほか、日本の航空自衛隊の第4次F-Xの候補とされており、防衛省は平成23年度の概算要求で、10億円を「アメリカへの情報開示請求費用」として計上する。

課題

概念実証機X-35の製作と飛行試験やF-35としての採用決定までは極めて順調に見えた計画であるが、幾多の国際共同開発機、あるいは空海軍共通機の例に漏れず、計画総コストや1機あたり単価の大幅な増加が問題となった。機体自体も、1フレームをベースに各タイプを開発する為、どれかひとつのタイプの設計の問題が発生した場合、他のタイプの設計にも大きな影響が出ると懸念されていた。

また、開発各国の様々な要求を満たす為に重量も超過気味となり、あらゆる部分の再設計や仕様変更によって予定の重量内に収めるべく努力がなされた。空軍・海軍・海兵隊、あるいはF-35を購入予定の各国の戦術機開発・取得のための予算のほぼすべてがこの計画に注がれている点も問題となっている。現実にF-35の単価上昇や計画の遅れが発生していることで、埋め合わせのために現用機を延命したり再生産したりする必要性があり、その分F-35の予算を減らさなければならない。しかし、各国各軍の利害調整のうえで巨額の予算を投じられた大規模プロジェクトから勝手に予算を取り上げて計画から抜け出すわけにも行かず、各国軍のジレンマは大きい。

開発遅れで、米空軍の配備開始は2015年度予定である。ただし海兵隊型(垂直離着陸STOVL機、AV8ハリアーの後継機)だけは開発が順調に進んでおり、2010年3月初飛行に成功し、2012年度から配備開始予定である。イスラエル(50機)や英国にも配備される予定。

さらに詳しく → F-35 ライトニングII  マルチロール機



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タグ : マルチロール機 F-35 ライトニングII LightningII ステルス ロッキード・マーティン

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