サーブ 39 グリペン(Saab JAS 39 Gripen)

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2009/12/27(日)
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サーブ 39(JAS39 JASは「ヤース」と発音)はスウェーデンのサーブ社を中心として開発された戦闘機。愛称はグリペン (スウェーデン語:Gripen (有翼獅子))。初飛行は1988年。

概要

JAS39のJASはスウェーデン語のJakt(戦闘)Attack(攻撃)Spaning(偵察)の略で、文字通りJAS39は戦闘攻撃偵察をすべてこなすマルチロール機(多目的戦闘機)である。機体のサイズで分類すれば軽戦闘機となり、航続距離などで妥協する代わりに運用の容易性と高いコストパフォーマンスを実現している。

JAS39はカナード(先尾翼)とデルタ翼の組み合わせ(クロースカップルドデルタ)という、サーブ 37 ビゲンを踏襲した形状となっている。ただしビゲンのカナードが揚力カナードであるのに対し、それ以降のクロースカップルドデルタ形式は、揚力を発生しない制御カナードを用いる例が多い。JAS39も同様であり、カナード全体がエレベータのように可動するオールフライング方式を採用している。さらに着陸時には前に最大まで傾き、エアブレーキの役目を果たす。武装は機銃1門のほか、機体下面に対空・対地・対艦兵装を搭載する。

開発

冷戦期のスウェーデンは軍事的に中立という政策を打ち立てていたため、戦時は敵に先制攻撃を受ける可能性が高かった。そのため先制攻撃を受けてもダメージが少なくてすむよう、戦闘機は空軍基地に配備するだけでなく各地に分散して配備し、通常は山をくりぬいて作ったシェルターなどに格納している。そして作戦時は高速道路を使用して離着陸する。当然、高速道路で滑走路のように何キロも直線状になっているものは少ない。そのためスウェーデンの戦闘機は短距離の直線道路で離着陸(STOL)できる必要がある。また、シェルターのように整備が十分にできない場所でも整備ができるように、高い整備性も求められた。

経緯

JAS39は、サーブ37ビゲンの後継として1980年から開発が開始、1981年に機体初期提案がなされ翌1982年に政府はこれを承認、試作機5機と量産型30機の開発契約が与えられた。JAS39の試作初号機は1988年12 月9日に初飛行を行った。試作初号機が1989年2 月3日に試験飛行中にフライ・バイ・ワイヤのソフトの欠陥から機体振動 (PIO) を起こし、着陸に失敗。試作初号機が大破したため、その穴埋めとしてJAS39A量産初号機が試験に使用された。これは1992年に初飛行している。そして量産2号機が実質量産初号機となり1993年に初飛行したが、この機体も試作初号機と同じくフライバイワイヤの欠陥から同年8月 8日に墜落、JAS39はソフトウェアの改善が必要とされ生産の計画は大幅に遅れることとなる。1995年を見込んでいた最初の飛行隊の発足は1年遅れ、1996年になってからであった。なお複座型のJAS39Bは1996年に初飛行を行った。

ビゲンとの違い

グリペン以前にスウェーデンが使用していた戦闘機、サーブ 37 ビゲンは、スラストリバーサー(逆噴射装置)を使用することによって通常の離着陸は500 mあれば十分という、良好なSTOL性能をもっていた。しかしビゲンは自重が10 t以上と重いため、通常の高速道路では着陸できず、特別に補強をする必要があった。一方のJAS39は、通常時離着陸に必要な滑走路の距離は700mとビゲンよりは長い。しかし自重が約6.5 tと軽量であるため、高速道路を特別に強化する必要はなく、結果的に使用可能な場所が増えることとなった。

各型

* JAS39A:単座型。

* JAS39B:複座型。機銃なし。

* JAS39C:単座型。GPS端末を装備するなどA型の電子装置を改良したもの。2002年2 月にスウェーデンは中立政策放棄を行っており、テロ対策及びヨーロッパでの戦争に対して積極的な役割を果たすという新ドクトリンを打ち出している。これに伴い、国外運用およびNATO軍との連携を考慮、プローブアンドドローグ方式の空中給油装置を追加装備している。

* JAS39D:複座型。C型同等の改良を施したもの。

* グリペンDemoグリペンNGの先行試験機。複座型をベースに2008年4月23日にロールアウト、同5月27日に初飛行した。これは既存のグリペンC/Dのエンジンを RM12(F404改)からF414Gに、レーダーをPS-05/Aからタレスと共同開発したAESAに換装。さらに主脚を再設計し、格納位置を胴体部分から主翼付け根部分に移動させる事でエアフレームを流用したまま40%の燃料搭載量の大幅な増加を図ったもの。また主脚の格納方式の変更に伴い、胴体下のハードポイント数が1個から2個に増加している。

* グリペンNG(next generation):C/D型にさらなる近代化を施したもの

今後の輸出モデルに関しては、エンジンのF414G(F/A-18E/Fにも採用されているもの、推力約10t)への換装、AN/APG-80等のAESAレーダーの搭載、コンピュータやアビオニクスの改良、衛星通信能力・改良型データリンク、改良型電子戦機器などの導入があげられている。また、JAS39DをUCAV化する計画が現在スウェーデン空軍で行なわれている。

スペック(JAS39A)

* 乗員:1名(B/D型は2名)
* 全長:14.1 m(B型:14.8 m)
* 全幅:8.4 m
* 全高:4.5 m
* 空虚重量:6,620 kg
* 最大離陸重量:13,000 kg
* 戦闘航続距離:約800km
* フェリー飛行時航続距離:約3,000km
* 上昇限度:15,240 m
* 最高速度:マッハ 2.0
* エンジン:ボルボ・フリューグモートル社製 RM12(ゼネラル・エレクトリック F404ベース) × 1基
* ミリタリー出力:5,488 kgf
* アフターバーナー出力:8,210 kgf
* 固定武装:BK-27 27mm機関砲 × 1

さらに詳しく → サーブ 39 グリペン  マルチロール機



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