ネーベルヴェルファー (Nebelwerfer)

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2009/12/26(土)
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ネーベルヴェルファー (Nebelwerfer) は、一般に第二次世界大戦時にナチス・ドイツで開発された多連装ロケットランチャーを指す。ヴェルサイユ条約下で兵器の保有が制限されたため、煙幕発射機との名前でロケット兵器が開発され、その後も秘密保持のためこの名称が使用されつづけた。本来は毒ガス戦用のガス弾投射機を指し、ロケット発射機も元々はこの目的に対して開発されている。また、ロケット実用化以前には迫撃砲形式のネーベルヴェルファーも存在する。ドイツ語で「煙幕発射器」を意味するが、化学戦兵器であることを秘匿する偽装名称である。

開発経緯

1930年頃、ドイツでは地上戦闘用にロケットを使用する研究を始めた。ロケット弾は発射反動が軽微であることから発射機自体を軽量簡易なものにすることができ、このことから多連装化も容易であることから、通常火砲に比べて砲門数あたりの一斉投射弾量を飛躍的に増すことができる。例えば、それまで使用されていた迫撃砲形式のネーベルヴェルファー(NbW35ないしNbW40)では1個中隊12門の初弾は105ミリ弾12発、迫撃砲なのでつるべ撃ちに撃ち込むことはできるとはいうものの、ロケット弾形式のNbW41では12門の初弾は150ミリ弾72発と、数量に加え口径差により圧倒的なものとなる。

この特性は面目標を奇襲的に短時間で覆い尽くすことが求められる毒ガス攻撃には最適と見られ、砲兵科の一部であるネーベルトルッペン(直訳すれば煙幕部隊であるが、実際は化学戦部隊)により実用化が推進された。他国では主に安定翼を付けたロケット弾が使用されていたが、ドイツでは底部に同心円状にあけられた多数の穴から、斜めに噴出すロケット推進により回転を与え安定させるスピン方式が好まれた。

スピン方式は構造は複雑になるものの飛翔中に横風の影響を受けにくく、安定翼方式よりも多少集弾性が良いことがその理由である。命中精度は重視しないとはいうものの、着弾散布界があまり広がってしまうのは密な毒ガス散布の妨げになるからである。宣伝中隊(PK)向けの宣伝ビラ投射機であるプロパガンダヴェルファーを経て、実戦向けのネーベルヴェルファー第一号たる15センチNbW41は1941年に制式化された。

ネーベルヴェルファーの登場

1941年、ドイツ軍はこのロケットランチャーを完成させた。口径150mmの円筒形ロケット発射装置を6門同心円状に設置し、足回りには 3.7cm Pak36/37対戦車砲と同じものを使用、ロケットランチャーとしては非常にコンパクトだった。ただし無誘導ロケット弾の特性として命中精度が低く、発射の際の異常に大きい発射音、発射煙及び光は非常に目立つという欠点もあった。(後にディグリィコール発射薬を使用したため発射音、発射煙及び光は目立たなくなった)

ネーベルヴェルファー」という名称を持つ兵器は6種類が存在した。15cm41型ロケット榴弾を発射する6連装の「15cm ネーベルヴェルファー41型」、1943年採用で21cm42型ロケット榴弾を発射する5連装の「21cm ネーベルヴェルファー42型」、28cmロケット榴弾及び32cmロケット焼夷弾を発射する6連装の「28/32cm ネーベルヴェルファー41型」、 30cm42型ロケット榴弾を発射する6連装の「30cm ネーベルヴェルファー42型」、そして実質上は迫撃砲の「10cm ネーベルヴェルファー35型」、高角度射撃が可能で榴弾砲に似た形式の「10cm ネーベルヴェルファー40型」である。21cm ネーベルヴェルファー42型は従来の15cmロケット弾を使用でき、また41型の部品が流用されている。

開発後のネーベルヴェルファー

こうして開発されたネーベルヴェルファーは主に東部戦線に配備され各地で十分な威力を発揮した。一発あたりの命中率は期待できないが、制圧射撃用としては最適で、またより小型なロケット弾を大量に投射するソ連軍の翼安定式のロケット弾よりは命中精度が高く、一発あたりの威力も高かった。しかし通常の野砲などに比べ射程が短くより前線に配備されるため、敵歩兵や戦車との直接交戦による損害も大きかった。このため機動力と防御力を強化した自走式のパンツァーベルファーが開発され、共に第三帝国崩壊まで使用されることとなった。なお21cmロケット弾は迎撃戦闘機に搭載され、爆撃機編隊に対する攻撃にも用いられた。

ティーガー戦車のエースである戦車兵・オットー・カリウスはその著作の中で、ネーベルヴェルファーによる攻撃前の準備砲撃が、誤って味方歩兵の中に着弾したのを目撃、敵のカチューシャ・ロケットランチャーよりも甚大な被害を与えたと記述している。

さらに詳しく → ネーベルヴェルファー



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(2007/10)
国江 隆夫

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