ルクレール (Leclerc)

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2009/12/25(金)
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ルクレールLeclerc)はフランス陸軍の第三及び第三・五世代主力戦車。名称は第二次世界大戦時に、ノルマンディー上陸後パリへ進撃した自由フランス軍の先鋒、ルクレール将軍の名に因む。1990年からフランスの国営企業GIAT社で量産され、フランスが400両強、アラブ首長国連邦が400両弱を配備する。調達価格は740万ユーロ。 文献によっては、名称を「ルクレルク」としているものもある。

技術的特長

火砲

ルクレールに搭載される火砲は、主砲にF1と呼ばれる52口径比長120mm滑腔砲1門、12.7mm同軸機銃1門、砲塔上の7.62mm対空機銃1門となる。UAE軍用のトロピック・ルクレールでは、この機銃が車長の操作する7.62mmリモコン機銃1門となる。

主砲弾は、OFL120F1と呼ばれるタングステン弾芯のAPFSDS、 OECC120F1と呼ばれる多目的HEAT、OE120F1と呼ばれる榴弾など。砲塔後部の仕切られた区画にベルト式の自動装填装置を持ち、砲手が装填スイッチを押すと指定された砲弾を装置が選別し、主砲に装填する。装置への給弾は砲塔後部の給弾用扉を開けて行う。給弾時に装置のどの部分にどの砲弾を給弾したかは端末で入力、制御用のコンピューターに記録し、装填時の砲弾選別に利用される。主砲弾は自動装填装置内に即応弾22発、操縦手席右側にある予備弾薬入れに18発納められており計40発を搭載している。主砲同軸12.7mm重機関銃の弾薬は計950発を搭載する。

レーザー測距儀や暗視装置を使って正確な射撃ができるようになっており、砲が安定化されているため行進間射撃時の命中精度も高い。車長は通常、車長用視察装置を使った策敵と次目標の指定などを行うが、砲手に優先して直接射撃操作を行うことも可能。その為、視察装置を動かすコントローラーは砲手と共通のデザインで、直接射撃する時の砲操作の方法も共通である。時速40kmで動きながらの距離3000mの動目標に対しての行進間射撃において初弾命中率 95%の精度であった。また、一分以内に6目標を同時に追尾し攻撃することが可能である。そのためM1A1エイブラムスを越える攻撃能力を持つと言われ、世界最高水準の性能を実現している。

モジュラー装甲

ルクレールの車体前面及び砲塔前面には、モジュール化した複合装甲が使われている。車体及び砲塔自体は防弾鋼板を組み合わせて作り、外壁と内壁の間の空間に複合装甲を納める、陸上自衛隊の90式戦車などとほぼ同様の内装式であり、砲塔周囲に取り付けられた用具収納箱を取り外すと砲塔が垂直面で構成されている事が分かる[1]。砲手用照準器の直下にある装甲だけは、ボルトによって外側から装着されている方式となっている。複合装甲はセラミックスを使ったもので、重量に対する防御の効率が良い。

装甲をモジュール化する目的は、装甲機能と骨格となる構造が別になることで、新型装甲の開発時に容易に交換できること、また被弾し装甲にダメージを受けた時に容易に交換できることなどが挙げられる。第10ロット生産型(T10)以降からは砲手用照準器直下の装甲の形状が変わっており、何らかの防御力向上が行われたと見られている。

日本では一時期、ルクレールのモジュール装甲は砲塔外部に金具で取り付けられた箱型の物体であり、メルカバのような外装式であるという認識が広まっていた。しかしフランスやUAEのルクレールに見られる箱は、砲塔外部に取り付けられた用具収納箱であり、成型炸薬弾に対して中空装甲のような働きをする可能性はあるが、主な装甲とは見なされていない。UAEで使用しているトロピック・ルクレールでは、砲塔側面後部の箱がカゴ状になっており、外装の用具箱が装甲になることは期待されていない。ただし製造元のGIAT社では、用具収納箱の部分を補助装甲に変更するプランもあるとされる。

車載電子機器

ルクレールは高度なデータリンクシステムを装備しており、改修により電子機器が強化されたアメリカのM1A2エイブラムスと同等の能力を登場時から有している。この事から、ルクレールは第3世代から更に進んだ第3.5世代MBTに分類されることがある。データリンクの充実やGPSの導入により、同士討ちの危険や、移動時に道に迷うといった運用上の無駄を低減させている。戦車等に搭載される電子機器およびその技術はヴェトロニクス(車輌電子工学)と呼ばれ、開発段階からこの能力を持つルクレールの長所とされる。

動力

ルクレールは極めて独創的な動力システムを採用している。エンジンはディーゼルとガスタービンの複合機関であるUNI Diesel社製のV8Xを搭載しており、コンパクトながら1500馬力という高出力を発生、0-32km/h加速は6秒以下である。また、ガスタービンは補助動力装置(APU)として独立して作動させることが出来、9kWの電力を発生させる。近年の戦闘車輌は電子機器の充実により消費電力が増大する傾向にあり、待機時にAPUのみを作動させることは燃料節約のために有効である。湾岸戦争当初M1エイブラムスにはAPUが装備されていなかったため、待機時にも燃費の悪い高出力ガスタービンの運転を強いられ、のちに急遽車体最後部にAPUが追加された。パワーユニットが非常に小型となっているため、ルクレールは車体を小さくまとめることが出来、軽量化にも役立った。

一方、コンパクト・高出力な動力である一方で複合機関であるV8Xは複雑なシステムであり、前線での修繕は困難と伝えられている。修理の際はパワーユニットごと交換(エンジン・ミッション・冷却システム一体のユニット交換で30分程度)するか、或いは設備の整った施設へ後退する必要があり、開発国のフランス等兵站が充実した先進国以外での運用は極めて困難である。このため、アラブ首長国連邦への輸出に際しては動力を通常のディーゼルエンジンに換装し、これを収めるために車体後部が延長された。

懸架装置

ルクレールの懸架装置はハイドロニューマチックを採用している。同懸架装置はシトロエン車の技術が元になっているが、ルクレールの場合シトロエン車がハイドロポンプを用いて車高調整や姿勢制御を行うのと異なり懸架装置は単純にばねとダンパーの役割だけ担っており、90式戦車のように能動的に姿勢を変えることはできない。

車輪がついたスウィングアームに力が加わると、スウィングアームとつながったピストンが水平方向に動く。これがガスの詰まったスフィアの中へ油を押し込もうとし、またその時にガスの圧力が高まって反発力が高まったり、油がスフィアを出入りすることによって緩衝と減衰の作用がある。月刊グランドパワー2005年8 月号に掲載されたルクレールの特集記事では、懸架部分のカットモデルと車両装着状態の写真が紹介された。

各部をモジュール化することで整備性を向上させるルクレールの思想は、懸架装置にも表れており、スフィア、ピストン、スウィングアームは一体で取り外すことができ、損壊した場合の交換も容易になっている。

車両防護

ルクレールに搭載されているGalix戦闘車両防護システム (Galix combat vehicle protection system) は、1種類の発射装置から様々な種類の弾体を発射し車両を防御するものである。砲塔上面後部の左右に少しずつ角度を変えて埋め込まれている発射装置には、左右9発ずつ計18発の80mmの弾体を装填できる。使用できる弾種は、赤外線遮断効果のある空中破裂型発煙弾、空中炸裂して歩兵を攻撃する近接防御用の擲弾、赤外線誘導ミサイルを欺瞞する為の赤外線フレア(囮弾)がある。

性能諸元

全長 9.87 m
車体長 6.88 m
全幅 3.71 m
全高 2.92 m
重量 56.5 t
懸架方式 ハイドロニューマチック
速度 72 km/h (整地)
    55 km/h (不整地)
    38 km/h (後進)
行動距離 550 km(増槽装着時 650 km)
主砲 52口径120mm滑腔砲
    CN120-26
副武装 H2HB 12.7mm重機関銃(同軸)
    ANF1 7.62mm機関銃(対空)
    Galix戦闘車両防護システム
エンジン V型8気筒
    ディーゼル + ガスタービン
    1,500 hp
乗員 3 名(車長、操縦手、砲手)

さらに詳しく → ルクレール  フィリップ・ルクレール



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(2005/02)
斎木 伸生

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