戦場の歴史 エル・アラメインの激戦

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2009/12/21(月)
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エル・アラメインの戦いとは第二次世界大戦時にエジプト国境に迫った枢軸国軍と連合国軍の戦いである。第一次会戦は1942年7月1日から31日。第二次会戦は同年10月23日から11月3日に行われた。

前哨戦、アラム・ハルファの戦い

アメリカ軍の戦車を大量に陸揚げし、物量に勝る英軍は植民地徴収兵(オーストラリア・ニュージーランド・南アフリカ・インドなど)に、エル・アラメイン前面から南へ向けて堅固なボックス陣地(Cf.ガザラの戦い)を敷かせた。それに対し、ドイツアフリカ軍団ほかドイツ・イタリア枢軸軍の司令官エルヴィン・ロンメルは、英軍陣地ラインはイタリア軍と歩兵に任せ主力の第15、21装甲師団をはるか南から長躯迂回させ地中海側から英軍を包囲しようと8月31日進撃を開始する。

しかし、英第7機甲師団の前衛の突破に手間取る間に、北から英第8機甲師団の一部が、東からは第7機甲師団の主力が圧迫してきた。そこでロンメルは当初の計画をあきらめ、第21装甲師団が防御しつつ第15装甲師団には、さらに迂回してアラム・ハルファ高地に陣取る英軍本陣を突こうとした。しかし補給不足の中、必死に進軍する第15装甲師団の前に現れたのは敵本陣ではなかった。英第22戦車旅団が立ち塞がり、ドイツ装甲師団は敗走した。しかし、この戦いで英軍は枢軸軍を多少押し戻しただけで、決定的な勝利とは言えなかった。

第二次エル・アラメイン会戦

英軍はM4中戦車300両を陸揚げするなど、兵員数・戦車数で枢軸軍の二倍以上の数を集めたが、勝利を確実にするため大規模なカモフラージュ作戦を行った。南方から攻めるように見せかけて実際には北側から攻めることを秘匿するためと、攻撃開始時期が差し迫っていないと思わせるために、偽補給品集積所をはるか南方後方に設置。戦車・大砲は張りぼてを置く一方、本物はトラックに偽装。偽水道パイプラインを南方に延伸した。

10月23日、騙されたドイツ軍はロンメルが持病の治療のために帰国したままで奇襲を受け、代理指揮官のシュツンメ将軍が戦死する。ロンメルは急いで北アフリカに戻ったが、あらかじめ敷いてあった地雷原や構築した陣地も英軍指揮官バーナード・モントゴメリーの巧みな戦術で突破された。物量的に勝利の不可能な戦いでロンメルは善戦したが、戦車不足と敵の物量に追い詰められていった。唯一対抗できるのは88mm高射砲だったが、それも度重なる戦いで24門を残すのみとなった。

皮肉なことに、ロンメル不在の10月23日から11月1日にかけて、連合軍の反攻を効果的に阻害したのは、ドイツ軍がお荷物扱いをしていたイタリア陸軍であった。南部地区を守るフォルゴーレ空挺師団は兵力比1:13、戦車比1:70、歩兵用の対戦車装備は火炎瓶と地雷だけという絶望的な状況にもかかわらず、大胆な肉薄攻撃によって連合軍の戦車部隊に損害を強要し、本格的な攻勢を2度に渡って退けている。イタリア軍部隊の思わぬ抵抗とそれによる損害を知ったチャーチルは「彼らは獅子の如く戦った」と賞賛したと言う。ただし同師団の損害も著しく、DAKと共にイタリア軍がこの地を撤退したときには壊滅状態であった。

11月2日、ロンメルは更なる敵の大攻勢を知り、撤退を決意した。連合軍の猛爆を掻い潜り、主力をフカの防衛線まで撤退させる事に成功した。3日、ロンメルはアドルフ・ヒトラーからの命令を受け取った。内容は「現在地を死守し不退転の決意で戦うべし」というものだった。

最前線にいた将校はロンメルにいかに状況が絶望的であるかを報告した。どの師団も消耗が激しく、兵員は1000を数えれば良い方であった。高級将校すら車輌の不足で徒歩で司令部に向かう有様だった。こうしている間にも連合軍は米国から底なしの増援を受けていた。11月4日にロンメルは総退却命令を出した。連戦連勝を誇ったドイツアフリカ軍団にとって初めての大敗北となった。

以後枢軸軍は次々と防衛線を突破され、アルジェリア、モロッコへの連合軍の上陸作戦(トーチ作戦)の成功により翌年にはチュニジアに追い詰められ、北アフリカから姿を消す。大勝利の知らせを聞いたイギリス首相チャーチルは、「これは終わりではない、終わりの始まりですらない、が、おそらく、始まりの終わりであろう。」と語った。後に「エル・アラメインの前に勝利無く、エル・アラメインの後に敗北無し」と言われる、歴史の転換点となった。

さらに詳しく → エル・アラメインの戦い  エルヴィン・ロンメル  第二次世界大戦



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