【2012/05/12】 「日米安保条約をなくしたらどういう展望が開かれるか」 - 日本共産党 志位和夫委員長

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2012/05/15(火)
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日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約(にほんこくとアメリカがっしゅうこくとのあいだのそうごきょうりょくおよびあんぜんほしょうじょうやく、英:Treaty of Mutual Cooperation and Security between the United States and Japan、昭和35年条約第6号)は、日本国とアメリカ合衆国の安全保障のため、日本にアメリカ軍(在日米軍)を駐留することなどを定めた二国間条約のことである。

1960年(昭和35年)1月19日に、ワシントンD.C.で締結された。いわゆる日米同盟の根幹をなす条約であり、条約には日米地位協定付属している(※在日米軍裁判権放棄密約なども付属物のみなす意見もある)。

形式的には1951年に署名され52年に発行した旧安保条約を失効させ、あらたな条約として締約批准されたが、実質的には安保条約の改定とみなされている。アメリカ軍の日本駐留を引き続き認めた。60年安保条約、新安保条約などともいわれる。新・旧条約を特段区別しない場合の通称は日米安全保障条約日米安保条約

概要

1951年9月8日、アメリカを始めとする第二次世界大戦の連合国側49ヶ国との間で日本国との平和条約(サンフランシスコ平和条約)が締結された。

このさい同時に締約された条約が旧日米安全保障条約であり、この条約に基づき、GHQ麾下部隊のうちアメリカ軍部隊は在日米軍となり、他の連合国軍(主にイギリス軍)部隊は撤収した。

旧条約は日本の自主防衛力が除去された戦後占領期の社会情勢を前提に、日本政府が米軍の駐留を希望するという形式をとるものであり、また米国の「駐留権」にもとづく片務的な性格を持つ条約であった。

この旧安保条約に代わるものとして岸信介首相とアイゼンハワー大統領との間で新安保条約が署名され(1960年1月19日)、同年6月23日に発効した。新条約では集団的自衛権を前提とした(形式としては)双務的体裁を採用しており、日米双方が日本および極東の平和と安定に協力することを規定した。

新安保条約はその期限を10年とし、以後は締結国からの1年前の予告により一方的に破棄出来ると定めた。当条約は締結後10年が経過した1970年(昭和45年)以後も破棄されておらず、現在も効力を有している。

新安保条約は、同時に締結された日米地位協定によりその細目を定めている。日米地位協定では日本がアメリカ軍に施設や地域を提供する具体的な方法を定めるほか、その施設内での特権や税金の免除、兵士・軍属などへの裁判権などを定めている。

条文

第1条
国連憲章の武力不行使の原則を確認し、この条約が純粋に防衛的性格のものであることを宣明する。

第2条
自由主義を護持し、日米両国が諸分野において協力することを定める。

第3条
日米双方が、憲法の定めに従い、各自の防衛能力を維持発展させることを定める。

第4条
(イ)日米安保条約の実施に関して必要ある場合及び(ロ)我が国の安全又は極東の平和及び安全に対する脅威が生じた場合には、日米双方が随時協議する旨を定める。この協議の場として設定される安全保障協議委員会(日本側の外務大臣と防衛庁長官、米国側の国務長官と国防長官により構成(いわゆる「2+2」で構成)される会合)の他、通常の外交ルートも用いて、随時協議される。

第5条
両国の日本における、(日米)いずれか一方に対する攻撃が自国の平和及び安全を危うくするものであるという位置づけを確認し、憲法や手続きに従い共通の危険に対処するように行動することを宣言している。

第6条
在日米軍について定める。細目は日米地位協定(日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定)に定められる。

第7条、第8条、第9条
他の規定との効力関係、発効条件などを定める。

第10条
当初の10年の有効期間(固定期間)が経過した後は、1年前に予告することにより、一方的に廃棄できる旨を定める。いわゆる自動延長方式の定めであり、この破棄予告がない限り条約は存続する。

安保条約の本質、諸解釈など

日米安全保障条約の本質の変化

日米安全保障条約は時代と共に本質を変化させて来た。

旧安保条約が締結された当時、日本の独自防衛力は事実上の空白状態であり(警察予備隊の創設が1950年秋)、一方ですでに前年の1950年に朝鮮戦争が勃発しており在日米軍は朝鮮半島に出撃しており、アメリカは出撃拠点ともなる後方基地の安全と補給の確保を喫緊の課題としていた。

日本側の思惑としては独自の防衛力を再建するための時間的猶予がいまだ必要であり、また戦争により破壊された日本の国力が正常な状態にもどるまで安全保障に必要な大半をアメリカに委ねることで経済負担を極力抑え、経済復興から経済成長へと注力するのが狙いであった。

1953年7月に朝鮮戦争が停戦した後もひきつづき冷戦構造のもとで、日本は韓国・中華民国(台湾)と共に、陸軍長官ロイヤルの唱えた「封じ込め政策」に基づく反共の砦として、ソ連・中華人民共和国・北朝鮮に対峙していた。

1950年代後期に入ると、日本経済は朝鮮戦争特需から1955年の神武景気に入り、1955年の主要経済指標は戦前の水準を回復して復興期を脱した。経済白書は「もはや戦後ではない」と述べ、高度経済成長への移行が始まった。政治体制においても自由党と民主党が合併し自由民主党に、右派と左派が合併した日本社会党が設立され、いわゆる「55年体制」が成立し安定期に入った。

一方で、1954年から1958年にかけて中華人民共和国と中華民国(台湾)の間で台湾海峡危機が起こり、軍事的緊張が高まった。また、アメリカが支援して成立したゴ・ディン・ジエム大統領独裁体制下の南ベトナムでは後のベトナム戦争の兆しが現れていた。

こうした日米が置かれた状況の変化を受けて締結されたのが新安保条約である。当条約の締結前夜には日本社会を揺るがすほどの反対運動が展開された(安保闘争)。

新安保条約は1970年をもって当初10年の固定期間が終わり、単年毎の自動更新期に入ったが、東西冷戦構造の下で条約は自動的に更新され続け、対ソ・対中軍事同盟へと性質を変えていった。

1991年のソ連崩壊により冷戦は終結したが、ソ連崩壊後の極東アジアの不安定化や北朝鮮の脅威、中台関係の不安定さや中国の軍事力増強など、日本および周辺地域の平和への脅威に共同対処するため引き続き条約は継続している。

日本政府は、基本的価値や戦略的利益を共有する同盟国がアメリカであるとし、日米同盟は日本外交の基軸であり極東アジアの安定と発展に寄与するものとしている。一方で日米双方において、当条約の有効性や歴史的存在意義についての多くの議論がおこなわれるようになっている。

2004年度の日本防衛白書では初めて中華人民共和国の軍事力に対する警戒感を明記し、また米国の安全保障に関する議論でも、日本の対中警戒感に同調する動きが見られ、2005年、ブッシュ大統領の外交に大きな影響を持つライス補佐官が中国に対する警戒感をにじませる発言をし、日米安全保障条約の本質は対中軍事同盟・トルコ以東地域への軍事的存在感維持の為の物へと変化して来ている。

2010年1月19日、オバマ米大統領は、日米安保条約改定の署名50年にあたって声明を発表した。声明では、「共通の課題に対して両国が協力することは、われわれが世界に関与する上での重要な一部となる」として、日米同盟を基盤として両国の世界規模での協力の必要性を強調した。

また「日本の安全保障に対する米国の関与は揺るぎない」として、「同盟を21世紀向けに更新し、両国を結束させる友好関係と共通の目的を高めよう」と呼びかけてた。また、安保改定50年にあたり日米の外務・国防担当閣僚が共同声明を出している。

日本抑止論

1990年(平成2年)3月、在沖縄米海兵隊司令官ヘンリー・スタックポール(Henry C. Stackpole, III)少将は 「米軍が日本から撤退すれば、 すでに強力な軍事力を日本はさらに増強するだろう。 我々は 『瓶のふた』 のようなものだ」 と発言し、日本を抑止する必要があるとの見解を示した]。

「アメリカ合衆国が日本国を防衛する必要はない」という解釈

第5条を根拠にして、アメリカ合衆国が日本国を防衛する必要がないとされるのではないかという解釈がある。

根拠条文

第5条
各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従つて共通の危機に対処するように行動することを宣言する。

ARTICLE NO.5
Each Party recognizes that an armed attack against either Party in the territories under the administration of Japan would be dangerous to its own peace and security and declares that it would act to meet the common danger in accordance with its constitutional provisions and processes.


解説

この節には「独自研究」に基づいた記述が含まれているおそれがあります。これを解消するためにある情報の根拠だけではなく、信頼可能な解釈、評価、分析、総合の根拠となる出典を示してください。このタグは2011年2月に貼り付けられました。

either Party in the territories under the administration of Japan とは、日本の行政管理下内での両国共ではなく、いずれかの国、すなわち日本の主権に対して治外法権を持つアメリカ合衆国の大使館、領事館とアメリカ合衆国軍事基地が一方のPartyであり、アメリカ合衆国の治外法権の施設を除いた部分の日本国の地区がもう一つのPartyであるという定義をすることもできる。

この定義に基づけば、それらのいずれか一方が自分にとって危険であると認識(recognizes)した時、共通の危機(common danger)に対処する。アメリカ合衆国軍の行動は、common danger が対象であり、common danger とは、日本国内のアメリカ合衆国の施設と、その他の部分の日本に共通の危機のことである。

つまり、日本国内のアメリカ合衆国の施設(軍事基地等)とその周辺(日本の一部地区)に対する危機に限定されると考えることもできる。アメリカ合衆国軍が行動する場合は、アメリカ合衆国憲法に従わねばならないと条文で規定されている。また、アメリカ合衆国憲法では在外のアメリカ合衆国軍基地が攻撃を受けた時は、自国が攻撃を受けたと看做され自衛行動を許すが、駐留国の防衛まで行う規定はない。

これらのことから、日米安全保障では、日本国内におけるアメリカ合衆国(在日米軍施設の事)の防衛を宣言しているとも考えられ、少なくともアメリカ合衆国は日本国内で行動をとることができる。日本にアメリカ合衆国軍基地があるために、日本を敵としないアメリカ合衆国の敵から、日本の一部地区に攻撃を受ける危険が生じることも考えられ、批判的な見方をすれば、この条約の性質は、対日危機保障条約であるということもできる。

ただし、下記に述べるように日米双方から「自分のほうが相手に巻き込まれるから不利」という意見は存在し、自国の主観で見るならば、どちらが正しいのかは答えの出しにくい問題である。現実として、長年に渡る日米双方の膨大な維持負担と実績を積んできたこと及び、日米安全保障条約に危機的に信頼を失墜させるほどの行為を日米両国共にとっていないことなどから、こう言った批判は長年少数派に留まっている。

真の「相互安全協力及び安全保障」条約であれば、在日米軍の存在同様、自衛隊がアメリカ合衆国内に駐屯する事も可能であると主張する声があるが(事実、2010年12月にドイツ軍は北大西洋条約に基づき、第二次世界大戦終結後初めてフランスに駐留部隊を出した)、日本国の防衛方針に適合しないため非現実的である。

米国下院で「日本側に有利過ぎる」と批判された日米安保条約

上記とは逆に、米国側からの「日本に有利すぎる」といった批判がある。

日米安全保障の本質が時代と共に変化しているが、条約部分に決定的な変化は無い。また日米安全保障条約は、日本側が正常な軍事力を持つまで……として締結された経緯もあり、アメリカ側には日本を防衛する事を必要とされるが、日本側は必ずしもアメリカを防衛することは必要では無い状態になっている。

これは日本側の憲法解釈(政府見解)上の制約で、個別的自衛権の行使は日米両国共に可能だが、集団的自衛権の場合は日本は憲法に抵触する恐れがあるという政策を採っている。抵触するかどうかについては議論が続いており、結論は出ていない。

この事実を日本の二重保険外交と解釈し、日本はアメリカに対する防衛責務を負っていないのに、アメリカから防衛されている状態ではアメリカの潜在的敵国と軍事的協調をとれる余地を残している、との批判が米議会にあったことも事実である。また、アメリカ側は日本に対して集団的自衛権を行使出来ると明言しており、費用面からも、軍事的負担がアメリカ側に多いと、日米安全保障条約はアメリカで時として非難される。

だが実際のところ、日米安全保障条約の信頼を失墜させるほどの行為は日米両国共にとっていないので、こう言った批判は、やはり米国でも少数派に留まっている。

米軍が日本に駐留し続ける事の意義

ホワイトハウス報道官は2008年2月13日、「米国はどこに居ようとどこに基地を持とうと、それはそれらの国々から招かれてのことだ。世界のどの米軍基地でも撤去を求められているとは承知していない。もし求められれば恐らく我々は撤退するだろう」と述べた(ダナ・ペリノ発言、「恒久的基地は世界のどこにもない」AFP通信電)。

ただし、世界的には、米軍自身が戦略的に必要と考える地域で現地の国民が駐屯に反対した場合には、駐留と引き換えの経済協力を提案し、あるいはパナマ侵攻・グレナダ侵攻や死の部隊の活動などに見られるように、反対勢力には経済制裁や対外工作機関(中央情報局など)による非公然活動(スキャンダル暴露や暗殺など)、場合によっては軍事介入などのさまざまな妨害をちらつかせ、「アメとムチ」を使って駐留を維持するとされるという説もある。

またディック・チェイニーは国防長官当時の1992年、議会で「米軍が日本にいるのは、日本を防衛するためではない。米軍が必要とあらば、常に出動できる前方基地として使用できるようにするため。加えて日本は駐留経費の75%を負担してくれる」とまで発言している(思いやり予算)。

日本が米軍の駐留費用を負担する意味があるかとの疑問が共産党などから出されている。他国では米軍が全て駐留費用を負担し、かつ米軍に制限がかけられている例も数多く存在する(アイスランドなどは逆に駐留費の全額負担を持ちかけた末に拒否され米軍は撤退している)。カタールにおいては米軍はカタール政府の同意がないとカタール国内の米軍基地から物資を持ち出せない。

米国の核の傘を否定する発言

米国の核の傘に対する否定的見解が、個人的見解として米国の政治家、学者等から出ている。

ヘンリー・キッシンジャーは「同盟国に対する核の傘を保証するため自殺行為をするわけはない」と語っている。CIA長官を務めたスタンスフィールド・ターナーは「もしロシアが日本に核ミサイルを撃ち込んでも、アメリカがロシアに対して核攻撃をかけるはずがない」と断言している。

元国務次官補のカール・フォードは「自主的な核抑止力を持たない日本は、もし有事の際、米軍と共に行動していてもニュークリア・ブラックメール(核による脅迫)をかけられた途端、降伏または大幅な譲歩の末停戦に応じなければならない」と述べた。

その他、以下の米国の要人が、米国の核の傘を否定する発言をしている。

サミュエル・P・ハンティントン(ハーバード大学比較政治学教授)
マーク・カーク(連邦下院軍事委メンバー)
ケネス・ウォルツ(国際政治学者、カリフォルニア大学バークレー校名誉教授)
エニ・ファレオマバエガ(下院外交委・アジア太平洋小委員会委員)

上記のように、米国中枢の人間が個人的立場で他国のために核報復は無いと明言しているが、その場合日本にとって核の傘の意味が低下する。

日本側の「核の傘」に対する疑問

西村眞悟衆議院議員は第155回国会内閣委員会第2号(平成14年10月30日(水曜日))において、アメリカは主要都市に核ミサイルが落ちる危険性を覚悟して日本に核の傘を開くのか、と疑問を述べた。また欧州へ向けられたロシアの核についてのアメリカのシアター・ミサイル・ディフェンスという発言を捉え、アメリカ自身が核ミサイルの射程外の場合関係ないというアメリカの意識がにじみ出ていると指摘した。

日本国内での反対論

沖縄

沖縄県の在日米軍基地については、日本の国土面積からすれば、占める割合は、1割以下と少ないが、在日米軍基地面積の7割以上(ただし自衛隊との共用地を除いた米軍専用地の割合)が、沖縄県に集中してる事で、本土と比べて不公平だとする意見や、在日米軍基地の必要性についても疑問視する意見が、沖縄県には多数ある。

また、在日米軍基地近隣の騒音問題がある。 2010年5月に、毎日新聞と琉球新報が、沖縄県民を対象に行ったアンケートによると、同条約について、「平和友好条約に改めるべき」が55%、「破棄すべき」が14%、「維持すべき」は7%だった。

さらに詳しく → 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約




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(2010/01)
西部 邁、宮崎 正弘 他

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