アントーノフ An-30 "クランク" (Antonov An-30 "Clank"、Антонова Ан-30)

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2012/06/07(木)
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An-30(ロシア語: Ан-30)は、ソビエト連邦(ウクライナ)の観測機。偵察機・輸送機としても運用されている。アントーノフ設計局のAn-24を原型機としている。NATOコードネームは、クランク(Clank)。

開発

アントーノフ設計局は、航空地図作成を目的としてAn-24の観測機型An-24FKとして開発した。FKは、写真による地図作成を意味する「fotokartograficheskiy」に由来する。

機体前方の設計変更が行われ、An-24よりも良好な視界を得られるコクピット、ガラス張りの機首、胴体下方にカメラの追加が行われた。この設計変更が認められ、An-30という新たな名称が与えられた生産型は、1971年よりキエフの工廠で生産が開始され、同年には最初の生産型が完成した。

1975年、パリ航空ショーで展示され、この時に与えられたNATOコードネームがクランクである。1980年には生産が完了している。

特徴

乗員はAn-24の4名から増加し7名となった。カメラなどを運用するオペレーター2名の席が増設され、食料庫や休憩用の座席も設けられた。「ベランダ」というあだ名を持つ機首の観測スペースへの移動は、機内を這って進まねばならなかった。

このスペースを設けたことで、レーダーは取り除かれ、あらたに小型のドップラーレーダーが装備されたが、性能的に不十分であったため、一部の機体にはGroza-M30レーダーが追加装備された。

胴体には撮影用の窓が設けられ、不要時には閉じることでひび割れの防止や、離着陸時に巻き上げる小石などからの防御が可能であった。右前方の大型のドアは維持され、機材の積み卸しに活用された。機体側面の窓は、An-24や試作型のAn-24FKと異なり、An-32と同様にその大半が存在しなかった。

カメラは3機が機体中心下部に直線に配され、2機がそれぞれ28度の角度で取り付けられていた。高度2,000mから7,000mの範囲で、20万分の1から1500万分の1までの解像度で撮影が可能であった。

型式

An-24FK:試作機
An-30A:民間型。アエロフロート65機、政府機関6機、輸出18機を製造。
An-30B:ソビエト連邦空軍向けの型。チャフディスペンサーを装備。偵察機としても運用された。
An-30D:シビリャーク(Сибіряк)と呼ばれる、長距離型。An-30を改造して5機が製造され、排他的経済水域の監視や輸送に用いられた。
An-30FG:チェコスロバキア空軍向けの発展型。
An-30M:気象制御目的の散布装置搭載型。(Метеозащіта、Meteozashchita)と呼ばれる。
An-30R:放射線観測機。チェルノブイリ原子力発電所事故に出動した。
An-30-100:ソビエト連邦崩壊後、An-30を改造して製造されたVIP輸送型。乗客20名。

運用

An-30Mは、人工降雨、雹による農作物の損害回避などの気象制御に用いられた。式典時の晴天演出も任務とし、メーデーや1997年9月のモスクワ850年記念式典などが知られている。

アフガニスタン紛争に際しては、1982年から航空写真による地図作成を行い、1機が損傷を受けた後墜落した。また、キューバの保有機は、1987年にアンゴラで活動を行っている。

喪失

2011年までに、運用中に2機が失われている。

1985年3月11日、ソビエト連邦空軍のAn-30Bがアフガニスタンのカブール国際空港の北25km付近で、地対空ミサイルにより被弾、エンジンに損傷を負い着陸に失敗して2名が死亡した。

1992年3月22日、アエロフロートの機体がニジネヤンスク(en:Nizhneyansk)の西53km付近でオートパイロットの操作ミスにより空中分解を起こし、川に墜落した。乗員・乗客あわせて10名全員が死亡している。

要目

乗員: 7(機長、副操縦士、航法士、通信士、航空機関士、オペレーター2名)
全長: 24.26m
全高: 8.32m
翼幅: 29.2m
機体幅: 2.9m
翼面積: 74.98m2
翼面加重: 306kgf/m2
空虚重量: 15,590kg
最大離陸重量: 23,000kg
エンジン: イーウチェンコAI-24VT ターボプロップ、2,100kW × 2
APU: ツマンスキーRU19A-300 ターボジェット、8.8kN
最大速度: 540km/h
巡航速度: 430km/h
航続距離: 2,630km
上昇限度: 8,300m
上昇率: 6,000m/17分、8,300m/42分
離陸滑走路長: 710m(コンクリート舗装)
着陸滑走路長: 770m

さらに詳しく → An-30
外部リンク → O・K・アントーノウ記念航空科学技術複合体




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タグ : An-30 観測機 アントーノフ設計局

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