フッド (HMS Hood)

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2012/05/16(水)
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フッド (HMS Hood) は、イギリス海軍が第一次世界大戦後に建造した巡洋戦艦。建造当時は、世界最大の軍艦であり、イギリス国民からは「マイティ・フッド」と言われて親しまれた。艦名はサミュエル・フッド提督にちなむ。

計画と建造

フッドの建造計画は1915年に開始され、当初はドイツが計画していたマッケンゼン級巡洋戦艦に対抗しうる艦として計画され、排水量は36,000t、速力32ノットとされた。

しかし、1916年に起きたユトランド沖海戦の結果、巡洋戦艦の防御力を速力で補うというコンセプトが揺らぐ事態となってしまい、フッド級は再設計が行われ排水量が約5,000t増加し基準排水量は41,200tとなった。フッドはこの改良により巡洋戦艦としては格段の防御力(というより装甲の厚さのみは戦艦並みの防御力)を得た。

ただし、カタログデーターに表れる装甲の厚みこそ戦艦並みであったが、その範囲は実際には狭い範囲しか守れず、船体の大部分は薄い装甲板で防御されており、後述する戦艦ビスマルク追撃戦での沈没へと繫がった。

本級は「アドミラル級」として4隻の建造が予定されていたが、1917年にドイツがマッケンゼン級の建造を中止するとイギリスも、「フッド」を残して他の3隻は建造中止となってしまった。未成艦3隻の予定艦名はアンソン、ハウ、ロドネーで、後の「ネルソン級」や「キング・ジョージ五世級」らの艦名に引き継がれた。

艦形

本艦の船体形状はイギリス巡洋戦艦伝統の長船首楼型船体で艦首の乾舷は高く、本艦の凌波性能が高いことをうかがわせる。軽くシアの付いた艦首甲板上に1・2番主砲塔を背負い式で2基搭載、その背後に測距儀を載せた司令塔を組み込んだ操舵艦橋の背後から軽量な三脚式の前部マストが立つ。

2本煙突の間には探照灯台が立ち、その左右の舷側に副砲の14cm単装砲が艦橋側面にケースメイト配置で2基、防楯の付いた単装砲架で最上甲板上に1基、中央部に3基が配置されて片舷6基で計12基が配置された。

2番煙突から後ろは艦載艇置き場となっており、その後方の簡素な三脚式の後部マストを基部とするクレーン1基により運用された。対空火器の10.2cm単装高角砲は最上甲板に後部マストの横に片舷1基ずつとマストの後ろに直列に2基で計4基が配置された。その背後には後ろ向きの3番・4番主砲塔が背負い式で2基が配置された。

主砲

主砲は前級より引き続き「Mark I 38.1cm(42口径)砲」を採用しており、連装砲塔に収められている。砲の性能は、重量871 kgの砲弾を最大仰角45度で26,520 mまで届かせることが可能で、俯仰能力は仰角30度、俯角5度である。旋回角度は船体首尾線方向を0度として、左右150度の旋回角度を持つ。主砲身の俯仰・砲塔の旋回・砲弾の揚弾・装填は主に水圧で行われ、補助に人力を必要とした。発射速度は毎分2発である。

副砲、その他の備砲、雷装

前級において副砲に採用された10.2cm砲は、大型化する駆逐艦の撃退には非力であった。そこで本艦は軽巡洋艦の主砲クラスの口径を採用、新たに開発された「Mark I 1915年型 14cm(50口径)速射砲」を採用した。その性能は37.2 kgの砲弾を最大仰角30度で16,250 mまで届かせられる性能であった。

この砲は旋回と俯仰は人力で行われ、150度の旋回角度があり、俯仰は仰角30度・俯角5度で発射速度は毎分12発と早かった。これを単装砲架で舷側ケースメイト配置で12基装備した。

他に対空火器として「10.2cm(45口径)高角砲」を単装砲架で4基、47 mm速射砲を単装砲架で4基搭載した。他に主砲で対処できない相手のために53.3cm水上魚雷発射管を単装で4基と同水中魚雷発射管を単装で2基を竣工時に装備したが、第一次大戦の戦訓から水線下に開口部を増やす水中魚雷発射管は廃止されて水上魚雷発射管のみ最後まで搭載された。

機関

機関配置はイギリス巡洋戦艦伝統の全缶全機配置である。前級のレナウン級ではバブコックス&ウィルコックス式水管缶42基だったが、本艦ではヤーロー式水管缶の採用により24基まで減少した。また、タービン機関もレナウン級ではブラウン・カーチス式直結タービンを高速2基・低速2基の計4基4軸だったものを、本艦では同社製の新型ギヤード・タービン4基4軸として計画出力は144,000hpを発揮できるとされ、最大速力29.5ノットを発揮した。重油燃料タンクは4,650トンで、航続距離は速力14ノットで8,900海里と計算された。

防御

本艦はイギリス巡洋戦艦にして初の「敵戦艦からの砲撃に耐えうる防御」を、限定的ではあるが与えられた最初で最後の巡洋戦艦である。前級であるレナウン級は舷側装甲の最厚部分は装甲巡洋艦並みの152mmでしかなく、仮想敵国ドイツの巡洋戦艦が元来28~30.5cm砲を積んでいたことからみて、戦艦級の主砲弾に対し全くの無防御であった。さらに、前述のユトランド沖海戦では自国の巡洋戦艦が3隻も爆沈しており、この戦訓に基づいて、本艦からは防御力を既存の戦艦並みに施す方針となった。

防御要領は基本的には前級物を踏襲しており、大幅な進化はしていない。垂直面と比較して、水平防御は原案よりは若干強化はされ、主甲板76mmで舷側305mmとカタログデータ的には戦艦並みの防御力を与えられたとされている。原案ではフッドの装甲は巡洋戦艦タイガーに基づいて舷側8インチ(203mm)であったが、タイガーとは異なり、舷側が内側へ12度のテーパーをもたせており、これが傾斜装甲としてカタログデーター以上の防御力を持った。

しかし、1番主砲塔から機関区を挟んで4番主砲塔の側面を覆ったが上下幅が狭く、その上の主装甲帯から上の広範囲な場所は機関区でさえ178mmであり、上甲板までに128mmにまで薄くなった。水線下は305mmから一転して75mmにまで薄くなり、範囲も狭かった。これは再設計など大幅な改訂をするよりも既存の装甲を厚くすることで、建造時間を短縮するためであった。

バルジの内側の水密隔壁には38mm装甲が艦底部まで伸ばされて二重底と接続された。機関区の壁面には13mm装甲が貼られた。艦橋基部は38mm、副砲ケースメイト配置箇所は127mmであった。主甲板は51~76mmでしかなく、大口径砲による大落下角砲弾には充分ではなかった。

なお、未成となったアンソン以降の3隻ではバルジや舷側装甲の変更、水平防御の強化といった改正を実施する予定であった 。

艦歴

フッドは1920年3月5日に竣工した。本艦の竣工後にワシントン海軍軍縮条約が締結・発効されたことにより、排水量でフッドを超える大戦艦は1940年にドイツのビスマルク級が竣工するまで現われなかった。

フッドは就役から戦没するまでの間、大規模な近代化改装を全く受けていない。1931年までにフッドに施された改装は、カタパルトとポンポン砲の追加のみであり、30ノット以上を誇った高速力も、老朽化により1939年の第二次世界大戦勃発時点で最大速力26.5ノットに低下していた。

1940年にフッドは入渠し、副砲の撤去と対空兵装の強化を実施した。その後、ジブラルタルを拠点とするH部隊旗艦の任務に就いており、1940年6月23日ジブラルタルに到着した。

1940年7月2日、フッドは戦艦レゾリューション、ヴァリアントなどと共に、ジブラルタルを出撃。翌3日、フッドと2隻の戦艦は北アフリカのメル・エル・ケビル(Mers El Kébir)軍港に停泊するフランス海軍の戦艦4隻を攻撃し、ブルターニュを撃沈、ダンケルクとプロヴァンスを中破、座礁させるという戦果を挙げた(カタパルト作戦)。

フッドにとって幸運だったのは、フランス艦隊が港設備の関係でイギリス艦隊に対し艦尾を見せて停泊していた事である。これにより、最新鋭のダンケルク級2隻は前砲に主砲を集中配置していた関係からイギリス艦隊に向けて主砲の砲撃が出来ず、火力の劣る副砲での応戦を余儀なくされた。しかも、プロヴァンス級は僚艦により射界を遮られた状態だった。

これにより、海戦初期は敵からの反撃を受けず落ち着いた射撃を送ることができた。しかし、海戦の中盤でダンケルクとブルターニュが艦を反転させ、ストラスブールの脱出を支援すべくイギリス艦隊に全砲門を向けて砲撃を開始。巡洋戦艦で戦艦の相手をすればどうなるかを知るイギリス艦隊司令サマヴィル中将は、慌てて撤退を決断し、旗艦は遁走せざるを得なかった。

フッドはこの後、イギリスに帰国して最後の入渠修理を行った。この入渠中に機関のオーバーホールと対空レーダー・射撃レーダーの増設を行っている。

そして1941年5月21日、本艦はプリンス・オブ・ウェールズと共にナチス・ドイツ海軍の戦艦ビスマルクの追撃を命じられ出撃。5月24日、両艦はアイスランド近海の大西洋上において、ビスマルクと僚艦の重巡洋艦プリンツオイゲンを発見し戦闘を開始した(デンマーク海峡海戦)。戦闘開始から6分後、ビスマルクの第五斉射がフッドの火薬庫に命中、フッドは大きな火柱を立て轟沈した。生存者は乗員1,419名中、僅か3名であった。

さらに詳しく → フッド (巡洋戦艦)




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タグ : フッド 巡洋戦艦 イギリス海軍 マイティ・フッド

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