PT-91 ”トファルディ” (PT-91 "Twardy")

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2011/12/10(土)
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PT-91トファルディ」(ポーランド語: PT-91 "Twardy")は、ポーランドで開発された主力戦車。T-72M1の発展型であり、1995年に配備された。開発は機械設備開発研究センター(OBRUM)、生産はブマル・ワベンディ(ポーランド語)社が行った。この会社はポーランドの軍事コンソーシアム「ブマル(ポーランド語)」グループの一部である。

T-72からの変更点は、射撃統制システム (FCS)、爆発反応装甲、エンジンの高出力化、トランスミッション、自動装填装置などである。他のT-72発展型と違い、ポーランド陸軍PT-91はエンジン、FCS、通信装置などにほぼ自国製の製品を用いている。チェコのT-72M4CZ(チェコ語)、グルジアのT-72SIM-1、インドのT-72 Ajeya Mk2などと同様に、これらの部品は既存のT-72を改修するのに用いられた。

背景

1980年代後半、ポーランド陸軍は旧式のT-55をすべてT-55AM(ポーランド語)に改修した。この成功は、同様の近代化をポーランド軍に配備された他のソ連製戦車にも行うことができると参謀部に確信させた。1988年後半、ライセンス生産の経験があるT-72M1の近代化改修計画の準備が行われることとなった。

開発に際してグリヴィツェに拠点を置くOBRUMが主開発局に選ばれた。しかし開発当初、参謀部がT-72SやT-80のような新型車両の購入も同時に考慮していたため、進捗はゆっくりしていた。

1989年のソ連崩壊という政治状況の劇的変化によってソ連戦車購入は停止し、ポーランド製の新型戦車の開発が勢いづいた。最初に提案された設計はポーランド語で「狼」を意味する「ヴィルク」(Wilk)のコードネームで呼ばれたが、この計画は取り消された。それにかわり、「堅い、不屈の」という意味の形容詞で「トファルディ」(Twardy)と呼ばれる別の計画に移行することとなった。

T-72の改修の基本的な目的は、現代戦への対応と明らかに判っている欠点の修正であった。具体的には低い機動性、不十分な装甲、FCSの欠如と主砲の貧弱なスタビライザに起因する低い射撃精度が挙げられた。加えてパッシブ赤外線暗視装置の欠如も問題であった。

開発

1991年7月、T-72の近代化改修プログラムの実装が開始された。担当はT-72をライセンス生産していたBumarcombineによる。この近代化主力戦車がPT-91トファルディ」となった。改修点は装甲、エンジン、FCSの強化である。1993年、ポーランド国防省は20両のPT-91戦車を機甲師団での試験とフィールドトライアルのために発注した。

成型炸薬弾(HEAT)および対戦車ミサイルからの防御能力は、ポーランド技術軍事研究所が開発した爆発反応装甲(ERA)「エラヴァ(ポーランド語)」によって強化されている。この装甲は、自爆により直撃を逸らす394枚の炸薬内蔵タイルにより構成されている。このタイル群は戦車表面の9平方メートルをカバーする。うち108枚のタイルは砲塔に装着され、118枚は車体に、84枚が両サイドに置かれHEATから戦車を守る。

このタイルは、T-72のERAが用いるゴムの代わりに鋼鉄製の対HEATスクリーンを用いている。「エラヴァ」とソ連製ERAとの主な相違点は、ソ連の近代化T-72が装備するERAのタイルには、10から15mmに達する隙間があって防御能力を低下させているのと異なり、Erawaはタイルどうしがほぼ密着していることである。

「エラヴァ」には「エラヴァ-1」および「エラヴァ-2」という二つのタイプがあり、炸薬の量に違いがある。試験では「エラヴァ」はメタルジェットの貫徹を50%から70%減じ、APFSDSの侵徹を30%から40%減少させるなど劇的な防御力向上をみせた。さらには口径30mmまでの弾丸の直撃、砲弾や地雷の破片、ナパームの火炎の中でも誘爆しなかった。

PT-91では、乗員数が削減されていた。主砲として、T-72と同じく、毎分8から10発の連射速度をもつ自動装填装置を備えた 2A46 125mm滑腔砲で武装している。他に同軸機銃としてPKT 7.62mm汎用機関銃、対空用にNSV 12.7mm重機関銃を装備している。そして24基の擲弾発射機を、対人榴弾の発射ないしスモークディスチャージャーとして備え、それ以外にディーゼル燃料から煙幕を発生させることも可能である。

FCSの近代化は、旧来のソ連製2E28Mをスロバキア製の新型に取替えることから始められた。これは戦車の状態を表示する電子情報ブロックを備える。さらにこれは速すぎる不整地走行速度や、その他の理由で効果的な直接照準射撃ができないとき、車長にそれを知らせることができる。

ポーランドの技術者が開発したFCS「ドラヴァ」は以下の機材から構成される。砲手用のPCD昼間照準器と、イスラエルのELOP社製造のTES赤外線暗視装置、指揮官用のPOD-72昼夜間観察照準器、弾道コンピューターおよびそれへの情報処理システム、レーザー測量器などが含まれる。弾道コンピューターの照準は目標の速度、天候、弾体の種類と周囲の温度を計算して決定される。

操縦手は戦車のメインシステムとモニターへの情報表示を司るUS-DK-1を利用する。操縦手の暗視装置は「ラドムカ」パッシブ暗視装置に換装された。

近代化により重量が増したため、開発陣はより強力なエンジンを開発せねばならなかった。そこで機関が、ソ連製V-46-6エンジンから12気筒のS-12Uディーゼルエンジンに取り替えられ、出力は780馬力から850馬力に向上した。主な改良点は空気噴射システムの近代化である。これは戦車の耐久性を落とす原因となった。最新のタイプではターボチャージャーを備えたS-1000 1,000馬力エンジンを装備している。

派生型

PT-91 トファルディ(PT-91 Twardy)

T-72M1の改修型としてポーランド陸軍で採用されたタイプ。主な装備はSKO-1M 「ドラヴァ-1T」射撃統制システム(初期生産型は代わりにSKO-1 「ドラヴァ」を備える)、PCO SSC-1 「オブラ-1」レーザー警戒システム、「エラヴァ」爆発反応装甲、850馬力PZL-ヴォラ S-12Uエンジンである。

最初の20両はポーランド陸軍に1993年から1994年に、他の78両は1995年から1997年に製造された。1998年から2002年には、135両がT-72M1(1980年代後半に製造)から近代化改修された。新規製造と改修型ともに同様の戦闘能力を有する。細かい構成の違いに応じてPT-91、PT-91M、PT-91MA1の三種の派生型に分けられ、Mはマレーシア向けの派生型を示す。

PT-91A トファルディ(PT-91A Twardy)

PZL-ヴォラ S-1000 1,000馬力エンジンへの換装、機械式トランスミッションやその他のマイナーチェンジを施した型である。試験や軍事展覧会で使用されている。

PT-91Z ハルディ(PT-91Z Hardy)

Zは Zmodernizowany の略語で「近代化された」という意味の被動形動詞。「ハルディ」は「誇り高い」という意味の形容詞。さらに開発が進んだSAGEM 「サヴァン-15」射撃統制システムを備えるが、射撃試験では「ドラヴァ」に比べ射撃精度で優位性は少なかった。最大の優位点は、新型の主砲安定システムが走行中の射撃精度を劇的に向上させたことである。

試作型1両のみの生産に終わったが、後にPT-91Mの開発の参考に用いられた。この派生型は、マレーシアにおける次期主力戦車の座をT-90、T-84、K1戦車らと争い、勝利している。

PT-91M ペンデカル(PT-91M Pendekar)

Mはマレーシアを意味する。「ペンデカル(英語)」はシラットの達人のこと。マレーシアへの輸出型であり SAGEM 「サヴァン-15」射撃統制システム、レンク/SESM ESM-350M自動トランスミッションを備えたPZL-ヴォラ S-1000R 1,000馬力エンジンによる最高速度70km/h、そして新型の通信システムを備える。

武装としてコンシュトルクタ・ディフェンス会社が開発した2A46MS 125mm戦車砲、同軸機銃にFN MAG、対空用にFN M2HBを装備。

またSAGEM VIGY 15 ジャイロスタビライザ付きパノラマ光電子サイト、シグマ 30(英語) レーザージャイロ慣性航法装置、EADS EPS72 砲塔安定システム、PCO SSP-1 「オブラ-3」レーザー警戒システム、「エラヴァ-3」 爆発反応装甲、ZM デザメト 902A 81mm グレネードランチャー、570P 型ディール・レムシャイト GmbH 無限軌道などを装備する。PT-91EおよびPT-91Exと名づけられた2両の試作車両と、48両のPT-91Mが2007年から2009年に製造された。

PT-91E/Ex

Eは輸出(Eksport)を意味する。PT-91M試作車両が改名されたものであり、軍事展覧会にて輸出版のデモンストレーションに用いられた。PT-91Eは当初SP1と名づけられており、これは2005年にクアラルンプールの軍事パレードにて紹介されたものと同じ車両である。PT-91Exは2両目の名前。両車ともマレーシアにおいてテストを受けており、SP1は7,000kmにおよぶ不整地での牽引試験を、SP2は2,000kmの牽引試験と500発の主砲発射試験をそれぞれうけた。PT-91Mと非常に似通っており、他国からも輸出の要請があった。

PT-91P

Pはペルーを意味する。SITDEF ペルー2009 軍事展覧会にてデモンストレーションを行った。PT-91Exより安価な代替品である。このバリアントは新型のPCO 「ドラヴァ-TG」射撃統制システム、サーマルサイト、現代的な通信システムなどを備える。この車両は先の SITDEF ペルー2009エクスポを含む、南アメリカのいくつかのイベントに出品された。

ペルー陸軍へPT-91Pは採用されず、中華人民共和国の戦車が採用されたが、実際に納入されたのが不良品であったばかりでなく、ウクライナ製戦車の違法コピー品であったため、発注は取り消されウクライナ製の「ティフォーン-2(英語)」に切り替えられた。

性能諸元

全長 6.95 m
全幅 3.59 m
全高 2.19 m
重量 45.9 t
懸架方式 トーションバー方式
速度 60 km/h(整地)
    45 km/h(不整地)
行動距離 650 km
      700 km(追加燃料タンクで搭載時)
主砲 125 mm滑腔砲 2A46M (D-81TM)
副武装 7.62mm機関銃PKT(同軸)
     12.7mm機関銃NSVT(対空)
装甲 複合装甲
    - 正面と側面のみ
    - 正面、側面、上面に「エラヴァ-1」または「エラヴァ-2」 ERA, steel side anti-cumulative screens
エンジン PZL-ヴォラ S-12U ディーゼルエンジン
      850 hp
乗員 3 名

さらに詳しく → PT-91




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