アドミラル・ヒッパー級重巡洋艦 (German cruiser Admiral Hipper、Schwere Kreuzer der Admiral Hipper Klasse)

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2011/11/29(火)
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アドミラル・ヒッパー級重巡洋艦 (Schwere Kreuzer der Admiral Hipper Klasse) は、ドイツ海軍の重巡洋艦。5隻が建造され、3隻が就役した。リュッツオウは完工前にソビエト連邦に売却され、ザイドリッツは空母への改装中に建造が中止され、自沈している。

概要

本級はドイツが1935年にイギリスと締結した英独海軍協定に基づき、ワシントン海軍軍縮条約に準じた重巡洋艦として建造された巡洋艦であるが、協定における10,000トンの制限を破って建造された艦である。

当初は基準排水量12,500トンで設計されたが、開発の進捗に伴って無意味な大型化を続けた。フランス海軍の条約型巡洋艦「重巡洋艦アルジェリー」に対するドイツの備えという性格もあり、主砲として様々な口径の砲の搭載が考慮されたが、結局アルジェリーやイギリスのカウンティ級重巡洋艦と同クラスの20.3cm砲8門が選択された。本級の排水量はプリンツ・オイゲン以降の艦体はやや拡大されたが、就役にまで至ったのはプリンツ・オイゲンのみであった。

重巡洋艦としては他国の同等の艦に比肩する艦であったが、第二次世界大戦ドイツ海軍が必要とした対地支援及び通商破壊には向いていなかった。対地支援においては、有力ではあったが代償が大きく、1940年の北欧侵攻時にドローバックにおいてブリュッヒャーが撃沈され、1944年にはプリンツ・オイゲンが衝突事故を起こしている。通商破壊戦においては、シャルンホルスト級巡洋戦艦やドイッチュラント級装甲艦に随伴可能な航続力を持たず、機関も信頼にかけていることから、不充分な戦果に留まった。

艦形

ドイツ海軍の近代巡洋艦で主流であった長船首楼型船体から一転して、水面から乾舷までが高い平甲板型船体に改められた。これは、複雑な加工を要する船首楼型よりも平甲板型のほうが船殻重量が軽減でき、工事も容易であるためである。

外観

艦首は竣工直後は「ドイッチュラント級」と同じく垂直に近い艦首形状であったが凌波性が極めて悪く、艦首で割れた波の飛沫が艦橋にまで降りかかるため再度ドック送りになった。艦首構造は上端を強く前方へ傾斜され、強いシアを持つアトランティック・バウへと改装された。

艦首甲板から構造を順に記述すれば、本艦は新設計の「SKC/34 20.3cm(60口径)砲」を連装砲塔に納め、1・2番主砲塔を背負い式で2基搭載している。その後背には艦橋がある。従来の艦橋構造は「ニュルンベルク」に至るまで軽量な単脚檣を採用していたが、本艦は塔檣を採用している。これは、同時期に建造されていた「シャルンホルスト級」や「ビスマルク級」に意図的に似せるためである。

この構造は実戦において大いに効果がありデンマーク海峡海戦にてイギリス艦隊は先頭を走っていたプリンツ・オイゲンをビスマルクと誤認してしまった。 艦橋の背後にずんぐりとした一本煙突が立ち、基部は水上機や艦載艇を運用するためのクレーンが左右に一基ずつ付く。その後ろに水上機射出用のカタパルトが設置される。後檣は軽量な単棒檣が立ち、後部測距儀の背後に後ろ向きで背負い式後部主砲塔2基が配置される。舷側には上下二列に丸い舷窓が並び、水線面を艦首から艦尾付近に至るまで広範囲に覆う装甲帯が貼られる。

左右の舷側甲板には新設計の「SKC/33 10.5cm(65口径)高角砲」を連装砲型式で左右4基ずつ計8基16門装備した。また、雷装では53.3cm水上魚雷発射管を三連装で片舷2基ずつ計4基12門装備し、駆逐艦並みの雷撃能力を持たせていた。

武装

主砲

主砲は新設計の「SKC/34 20.3cm(60口径)砲」を採用した。その性能は122kgという重量級砲弾を仰角37度で33,500mにまで達させた。これは戦艦級の大射程であった。この砲を新設計の連装砲塔に収めた。俯仰能力は仰角37度、俯角は1番砲塔・4番砲塔は9度。2番砲塔・3番砲塔は10度である。旋回角度は単体首尾線方向を0度として左右145度の旋回角度を持つ。主砲身の俯仰・砲塔の旋回・砲弾の揚弾・装填は主に電力で行われ、補助に人力を必要とした。発射速度は毎分4~5発である。

高角砲、その他の備砲

高角砲も新設計の「SKC/33 10.5cm(65口径)高角砲」を採用した。この砲は後に同海軍の「シャルンホルスト級」にも採用された。この砲は15.1kgの砲弾を仰角45度で17,700 m、最大仰角80度で12,500mの高度まで到達させた。旋回と俯仰は電動と人力で行われ、左右方向に360度旋回でき、俯仰は仰角80度、俯角10度であった。発射速度は毎分15~18発だった。これを連装砲架で両舷に4基、計16門を搭載した。他には高角砲をカバーする為に「37mm(83口径)機関砲」を連装砲架で6基、「20mm(65口径)機関砲」を連装砲架で4基搭載した。雷装ではアドミラル・ヒッパーのみEMC機雷を装備した。

機関

ドイツ海軍では、列強近代巡洋艦で広く用いられた機関のシフト配置を採用していない。単純にボイラー缶・タービン機関を前後に並べる「全缶全機配置」である。「ドイッチュラント級装甲艦」に用いられたディーゼル機関は長大な航続性能を得られたが信頼性と巡航出力が失われた。そこで本艦では、高速商船で用いられていた高温高圧蒸気を用いるボイラーとタービンを向上させて巡航能力を得ようと試みた。

この作動蒸気温度は450度ときわめて高く、重油専焼缶12基に高圧タービン・中圧タービン・低圧タービンの3基をギヤドライブで接続し一軸を推進する。これを4セット4基搭載、最大出力132,000hpを発揮し、最大速力32ノット台を出すことが出来た。航続性能は速力20ノットで6,800海里を航行することが出来るとされた。しかし、結果的に高温高圧蒸気を使用するボイラーは絶え間ない故障を抱え、複雑なタービン構造はトラブルを起こし、本級の機関は成功したとは言いがたい物であった。

防御

本艦は先にフランス海軍で建造されていたアルジェリーを仮想敵としており、各部装甲厚は、舷側装甲80mm、上甲板30mm・主甲板60mmというものであった。これは、アメリカ海軍の持つ「ペンサコラ級」の20.3cm(55口径)砲に対し、舷側防御は25,000m台から貫通を許し、主砲塔防御も17,800mから貫通される能力であった。イギリスやフランスの重巡洋艦も50口径から55口径の主砲を採用しており、ペンサコラ級と同等かそれ以上の砲能力を持つと見るべきで、本級は対重巡洋艦戦闘には不安の残る防御しか持っていなかった。

性能諸元

排水量 公称排水量:10,000トン
基準排水量:14,050トン、
    プリンツ・オイゲン:14,680トン
    ザイドリッツ&リュッツォウ:14,240トン
    満載排水量:18,200トン、
    プリンツ・オイゲン:18,750トン
    ザイドリッツ&リュッツォウ:19,800トン
全長 202.8m、
    (ブリュッヒャー:203.2m、
    プリンツ・オイゲン:207.7m
    ザイドリッツ&リュッツォウ:210.0m
水線長 195.5m
    (ブリュッヒャー:195.0m、
    プリンツ・オイゲン:199.5m)
全幅 21.3m
    (ブリュッヒャー:22.0m、
    プリンツ・オイゲン:21.7m
    ザイドリッツ&リュッツォウ:21.8m
吃水 5.8m(基準)、7.7m(満載)
    (ブリュッヒャー:5.7m(基準)、7.2m(満載)、
    プリンツ・オイゲン:5.9m(基準)、7.2m(満載)
    ザイドリッツ&リュッツォウ:7.9m(満載))
機関 ラ・モント式重油専焼高温高圧缶12基
    (ブリュッヒャー&ザイドリッツ&リュッツォウはワグナー式重油専焼高温高圧缶12基)
    +ブローム・ウント・フォス式ギヤード・タービン3基3軸(プリンツ・オイゲン:海軍式ギヤード・タービン
    ザイドリッツ&リュッツォウ:デシマーク式ギヤード・タービン)
最大出力 132,000hp
    (ブリュッヒャー:131,821hpノット、
    プリンツ・オイゲン:137,500hp、
    ザイドリッツ&リュッツォウ:132,000hp(計画値))
速力 32.6ノット
    (ブリュッヒャー:32.8ノット、
    プリンツ・オイゲン:32.2ノット、
    ザイドリッツ&リュッツォウ:32.0ノット)
航続距離 20ノット/6,800海里
乗員 1,382~1,600名
兵装 SKC/34 20.3cm(60口径)砲 連装4基8門
    SKC/33 10.5cm(65口径)高角砲 連装6基12門
    37mm(83口径)機関砲 連装6基12門
    20mm(65口径)機関砲 連装4基8門
    533mm水上魚雷発射管 3連装4基12門
装甲 舷側:80mm(水線面最大厚)
    甲板:50mm(主甲板)、30mm(上甲板)
    主砲防盾:105mm
    司令塔:150mm
航空兵装 Ar 1963機、カタパルト1基

さらに詳しく → アドミラル・ヒッパー級重巡洋艦




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