戦争の影 - 第二次世界大戦時、戦場で起きた様々な問題

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2011/09/25(日)
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衛生兵(えいせいへい、英: combat medic, medic)は、軍隊において医療に関する業務を行う戦闘支援兵科の一種である。その任務の特殊性から、国際法上で各種の保護等が与えられている。なお国際法上の「衛生兵」という場合、医師(軍医・医官)、歯科医師(歯科医官)、薬剤師(薬剤官)、看護師(看護官、看病人、看病夫、看護卒、看護兵)、その他の医療関係者を全て含む。(どのように医療・衛生関係の軍人を区分するか、又はどのような名称を付与するかは時代や国によって大きな差異がある)

概要

衛生兵は医療に関わる一般的な業務を任務とする。戦闘での負傷兵への応急医療だけでなく、後方での傷病兵の看護及び治療、部隊の衛生状態の維持を担当する。また寒冷地・熱帯地などの疾病地域においては、予防医学の指揮をとり(例:凍傷やマラリアの予防教育、予防措置等)、また食物や水の衛生管理などの防疫業務などをも担当する。一般的に衛生兵は師団において2パーセントから5パーセントの程度の人員を占め、彼らによって衛生大隊が編成される(もちろん、国や時代により部隊編成規模の差異はかなり大きな幅がある)。
戦前および戦中の日本陸軍では、「隊付衛生兵」と「病院付衛生兵」に二分されていて前者は部隊所属で後者は病院所属だった。
両者は入営直後から教育課程が異なる。「病院付衛生兵」は陸軍病院の教育部に入営し、医学の講義と、実地習練としての病棟勤務を課せられる。数ヵ月ごとの交代で、聯隊の医務室で軍医の助手を務めるが、基本的に陸軍病院勤務に終始する。

それに対して、「隊付衛生兵」は一般の歩兵・砲兵・騎兵・工兵・輜重兵の中から選抜される。入営から三ヵ月後に、師団長による第一期の検閲が行われるが、その直後に、上等兵候補者や特業兵(銃工兵・靴工兵・縫工兵・蹄鉄工兵・鳩兵・喇叭兵)とともに「隊付衛生兵」が指名される。それと同時に、「隊付衛生兵」に指名されたものは兵科兵から衛生部兵に所属が変わり、たとえば歩兵であれば襟章(兵科章)の色が兵科の緋色から衛生部の深緑となる。

しかし、居住場所はあいかわらず入営時の内務班であり、衛生兵教育は聯隊の医務室と陸軍病院で行われた。 各聯隊では週に二回の演習日があり、「隊付衛生兵」は、かならず繃帯嚢を下げて、参加しなければならなかった。 このように、「病院付衛生兵」と「隊付衛生兵」とでは、教育内容も看護能力も、大きく異なっていたのである。
そのためか、「隊付衛生兵」にはヨーチンという蔑称があり、外用薬としてヨーチンをつかうことしか、医療技術を持っていない者とされていた。 何故なら、診断及び治療は軍医の仕事であり、衛生兵が独断で治療できるのは、小さなキズ、行軍中にできる足のマメ、インキンなど一部の皮膚病くらいなもので、それこそヨーチンで事足りるからであった。しかし、隊付衛生兵の重要な任務に、敵弾に倒れた兵士を弾の飛び交うなか後方へ後退させる事があった。戦地において兵士は勝手に後退することが許されず、また、負傷した戦友を置いて前進することもあったので、戦闘中に負傷した兵士は衛生兵がくると一安心であった。それゆえ戦地での野戦を経験した兵士達は決して「ヨーチン」とは言わず、「衛生兵殿」と敬意をこめて呼んでいたとされる。

活動

一般的に最前線で活動する衛生兵は、負傷した兵士に対して応急処置を施し、後方の野戦病院へ搬送することを任務としている。 最前線で行える応急処置は包帯とガーゼで圧迫止血法を行い、動脈などからの出血が酷い場合はカンシを使用した止血を行う場合もある。 基本的に出血を抑制し、モルヒネなどで苦痛を緩和する処置がほとんどであり、前線でそれ以上の処置が行われることはあまり無い。

衛生兵の国際法上の庇護

1929年にジュネーヴで傷病兵保護条約(ジュネーヴ条約)が結ばれ、衛生兵などは国際法規により保護されることとなった。

現代語では以下のような内容となる。

衛生上の部隊・施設について(第2章)
衛生部隊及び衛生機関の施設は交戦者によって尊重保護される。(第6条)
衛生部隊及び衛生機関の施設が害敵行為に使用される時は保護を失う。(第7条)

以下の事実は衛生部隊及び衛生機関の施設が第6条による保護を失う理由と見なされない。(第8条)

    衛生部隊又は衛生施設の人員が武装し、その武器を自己又は傷病者の防衛の為に使用した場合
    武装した衛生兵がいない場合に歩哨又は衛兵によって衛生部隊又は衛生施設を守衛している場合
    傷病者より取り上げたにもかかわらず所轄機関に引渡されていない携帯武器及び弾薬が衛生部隊
    又は衛生施設内で発見された場合
    獣医機関の人員及び材料が衛生部隊又は衛生施設の一部分を構成しないでその中にある場合


衛生兵について(第3章)
以下に従事する人員は、如何なる場合においても尊重かつ保護しなければならず、敵中に陥った場合といえども捕虜として取り扱われることはない。(第9条)

    傷病者の収容・輸送・治療に専ら従事する人員
    衛生部隊及び衛生施設の事務に専ら従事する人員
    軍隊に随伴する宗教要員
    軍人であっても補助看護人・補助担架兵として傷病者の収容・輸送・治療の為に特別な教育を受け、
    その証明証を携帯する人員が職務遂行中に捕らえられた場合。


衛生兵は自己又は傷病者の防衛の為の武器以外は所持してはならない。(第8条)

そのため一般的に従軍中は自衛の為の武器(せいぜい拳銃1丁と予備弾)以外は持つ必要が無かった。また衛生兵は敵側にも衛生兵と分かるように多くの場合ヘルメットに赤十字のマークがペイントされており、加えて“白地赤十字”章入りの腕章を着装していた。第二次世界大戦のドイツ軍などでは、衛生兵であることを強調するために非常に目立つ“白地赤十字”章のゼッケンを着用することさえあった。

しかし、第二次世界大戦後半になると戦闘中の混乱等から、衛生兵であっても攻撃を受けることが出始めた。また(高度な専門知識が求められるゆえ補充が利きにくい兵科であり、敵側に衛生兵がいなくなれば敵側の生存率は下がるため)誤射を装って意図的に攻撃されることも多かったとも伝えられる。

そのため自己防衛のために衛生兵であっても小銃やサブマシンガン、手榴弾などの武器を携帯し従軍する事例もある。とはいえ、本来の任務は傷病兵の救護や治療であり、医薬品・医療器具や包帯などを大量に携帯する為、自衛の為の武器といっても軽量な拳銃くらいしか持てない場合が多い。

さらに詳しく → 衛生兵




戦場の衛生兵戦場の衛生兵
(2001/06)
武田 貞太

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