火砲(Cannon)の歴史 - 火砲はどのように進化してきたか

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2011/08/22(月)
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大砲(たいほう)は、火薬の燃焼力を用いて大型の弾丸を高速で発射し、弾丸の運動量または弾丸自体の化学的な爆発によって敵および構造物を破壊・殺傷する兵器(武器)の総称。火砲(かほう)、砲とも称す。

概要

これに分類される火器は重火器であり、銃よりも口径が大きい物とされる。ただし、この銃と砲との境界となる口径のサイズは軍や時代によって異なる。数える際の単位は挺ではなく"門"である。一般的には「銃よりも威力(殺傷力や破壊力)の大きく、個人では扱えない大きな火器」と認識される。大砲の弾を砲弾といい、大砲を専門に扱う兵を砲兵、特に発射する人を砲手という。

歴史

前史

カタパルト、トレビュシェットやバリスタのように、機械的な力によって弾丸を放出する兵器は古代から存在した。

中世

火薬を用いた大砲は、13世紀ごろにイブン・ハルドゥーンが、北アフリカのマグリブ地方で初めて使われたと著述している。中国では1259年に南宋の寿春府で開発された実火槍と呼ばれる木製火砲が最も早い時期の物とみられる、また1332年には大元統治下で、青銅鋳造の砲身長35.3cm口径10.5cmの火砲が製造され、元末に起きた農民蜂起でも多数使用された。中央アジアや西アジアでもティムール軍がイラン・イラク地域の征服、オスマンのバヤズィト1世やジョチ・ウルスのトクタミシュとの戦役において攻城用の重砲と野戦用の小口径火砲を用いている。

西欧世界で現存する最古の火砲的な物の記録図は、14世紀(1326)。イギリスのスコラ学者en:Walter de Milemeteの手稿にあるスケッチには、細長い矢のような物を打ち出す砲のようなものが描かれている。これは実際に作られたかどうかも、実戦で使われたかどうかも不明である。その後西欧では一世紀以上を経て、東方の技術が伝わり、現在のような形へ改良される。つまり、矢状の投射物ではなく球形の砲丸を発射するための、太さが均一な管の形をした大砲は、西欧では15世紀の初頭ごろから見られる。この時代の大砲は、射石砲またはボンバード砲と呼ばれ、石の砲丸を発射するものだった。15世紀半ば頃までには、西欧にも火砲の革新が伝わった。砲丸を大きく、射出速度を速くして投射物に巨大な運動量を与えるためには、多量の装薬の爆発に耐えうる強靭な砲身が必要であるが、その強度を得るために鋳造によって一体成型された大砲が、この時期に一般的に作られるようになった。

高い破壊力を持った重砲の発達によって、それまで難攻不落であった防衛設備を短時間のうちに陥落させることができるようになり、防衛側と攻撃側の力関係の変化を生じさせた。1453年にオスマン帝国によるコンスタンティノポリス包囲戦という歴史的出来事が起きたが、口径の大きな重砲が決定的な役割を果たしている。また、百年戦争末期のノルマンディーとボルドーからのイギリス軍の撤退においても火砲は重要な役割を果たした。

さらに15世紀後半には、石の弾丸に替わる鉄製の弾丸や、燃焼速度の速い粒状の火薬などの新テクノロジーの発達もあり、小型で軽量ながら馬匹で運搬可能な強力な攻城砲が出現した。ちなみにそれ以前までの攻城砲は巨大なカスタムメイドの兵器であり、たとえばコンスタンティノープルの城壁を打ち破ったウルバン砲は戦場のその場で鋳造されていた。

近代的な意味での大砲は15世紀末までにはほぼ完成を見ており、1840年代までは瑣末な改良を除いて本質的には同じ設計のものが使われつづけた。1494年にナポリの王位継承権を争ってフランス王シャルル8世がイタリアに侵入したとき、フランス軍は牽引可能な車輪付砲架を備えた大砲を引き連れていた。この大砲は旧来の高い城壁を一日の戦闘で撃ち崩してしまった。それによって、盛り土の土塁によって大砲の撃力を吸収することを目的とした築城術の革命を引き起こした。

また、大砲の発達は海上戦闘に対して、地上戦闘とは違った革命的な変化をもたらした。船舶同士の戦いでは、船体への体当たりと敵船に乗り移っての白兵戦が古来の戦法であった。これに大砲が加わる事となった。当時の艦載砲の威力では船体を完全破壊する事は不可能であったが、自立航行が不可能になるまで損傷を負わせる事や、白兵戦の前段階として敵艦の兵を死傷させる事は可能であった。16世紀の西地中海において、オスマン帝国が常に制海権を握り続けたのは船舶の性能差もあるが大砲の性能差による部分が大きかった。また、1571年のレパントの海戦においてもスペインを中心とした連合軍による地中海の覇者オスマン帝国の撃破に大砲の火力は大きく貢献した。

近世

近世では大砲の野戦での活用が行なわれるようになる。性能を敢えて抑えることによる砲身の軽量化や砲架の改良、榴弾やぶどう弾といった軟目標に有効な砲弾が用いられ始める。なにより中央集権化による富と権力の集中はそれまで高価で数を揃えられなかった大砲の配備数を大きく増やすこととに繋がり、大砲は戦場における重要な地位
を占めることになる。18世紀にはグリボーバル砲システムにより、大砲の規格化と工業化が更に推し進められた。

近代

近代に入ると産業革命による製鉄技術の向上による鋳鉄製大砲や、砲身のライフル穿孔、後装式の実用化が行なわれる。以前の大砲は、砲撃を行なう度に反動によって砲全体が後退してしまうために、再び狙いをつけて砲撃するためには元の位置へ戻す必要があり、連続した砲撃を行うことができなかった。1840年代ごろから研究され実用化された駐退機によって、発射の反動を砲身だけを後退させることによって吸収し、砲自体の位置を後退させずに済むようになったため、高速な砲撃を可能とするようになった。

日本での歴史

1576年(天正4年)、大友宗麟がポルトガルの宣教師より石火矢(フランキ砲)を入手し「国崩し」と名付けたのが日本における最初の大砲とされる。以後、石火矢は火縄銃を大型化した大筒(大鉄砲)と共に海戦・攻城戦において構造物破壊に用いられる。なお日本では快速機動の重視や起伏の多い地形の為、重量がかさばる大砲の野戦における運用は殆どなされていない。

1614年(慶長19年)には大坂の陣に備えて、徳川家康はイギリスやオランダより大口径の前装式青銅砲(カルバリン砲等)を購入している。これらは後に国産化され、和製大砲となる。

1639年(寛永16年)には江戸幕府が前年の島原の乱における戦訓から、榴弾とそれを運用する臼砲の供与をオランダ商館に求める。ハンス・ヴォルフガング・ブラウンが平戸で臼砲を製造して江戸にて試射を行っている。1650年(慶安3年)にもユリアン・スヘーデルによる臼砲射撃が江戸で行なわれている。これ以降、日本では大規模な戦乱がなくなり、大砲の発展も停滞する。幕末に高島秋帆が徳丸ヶ原(現高島平)で日本最初の近代砲術訓練を行ったとされる。

大砲の分類

大砲はその形状・構造や用途・歴史的経緯等によって様々な分類がある。なお、やや銃との口径の差異が不明確な機関銃でも「砲」と名の付く種類の物も、他の大口径の機関砲に分類される事もあるため便宜的に記載する。

用途等による分類

用途、歴史的分類による種別は以下の通り

カノン砲 (gun)
榴弾砲 (howitzer)
野砲 (field howitzer)
山砲 (mountain gun)
臼砲 (mortar)
迫撃砲 (mortar)
無反動砲 (recoilless rifle)
歩兵砲 (infantry gun)
対戦車砲 (anti tank gun)
ロケット砲 (rocket launcher)
対空砲 (anti aircraft gun)
高射砲
機関砲 (Autocannon)
航空機関砲
戦車砲 (tank gun)
列車砲 (Railway gun)
要塞砲
海岸砲
速射砲
原子砲

構造による分類

ライフル砲
砲身の内側の螺旋条により、砲弾の飛翔時に回転を加えることによって、弾道の安定を図る方式の砲

滑腔砲
砲身の内側が滑らかになっている砲、初速が高いのが特徴

ゲルリッヒ砲
砲尾から砲口にかけて口径が小さくなってゆく砲。口径漸減砲とも呼ばれる

多薬室砲(その形状からムカデ砲とも呼ばれる)
通常は尾栓側に入れられた装薬の力によって砲弾を発射する所を、複数の薬室を設け段階的に加速する事で射程の延長などを目指した砲

さらに詳しく → 大砲




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