C-5 ギャラクシー (Lockheed C-5 Galaxy)

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2011/03/16(水)
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C-5アメリカ空軍が1969年以降運用している軍用超大型長距離輸送機。開発当時世界最大の輸送機であり、An-124 ルスラーン・An-225 ムリーヤの登場によりその座を譲ったものの、依然として世界最大級の輸送機である。製造会社はロッキード社(現在のロッキード・マーティン社)である。愛称は「ギャラクシー」(英:Galaxy/銀河の意)。

開発経緯

1961年アメリカ空軍はC-133 カーゴマスターの後継となる大型輸送機を求め、幾つかの航空機メーカーへの開発を依頼し研究が始まる。アメリカ陸軍は、当時開発中であったC-141 スターリフターの内部構造が狭い事による搭載貨物の搭載制限に不満を抱えていた。そこで、より大きな搭載量や貨物室を備えた輸送機の要望が後の「CX-4計画」に繋がる事となる。1962年にはC-141の拡大型であるエンジン6発搭載案が構想されたが、エンジン数を増やしても大幅な進歩が期待出来ない為に、この計画はキャンセルされた。

1963年後半には「CX-X計画」として、エンジン4発搭載型、総重量249t(55万ポンド)積載量81.6t(18万ポンド)およびマッハ0.75(805km)で飛行可能であり、胴体前後に貨物ドアを備えた機体が構想され「CX-X計画」は、その後「CX-HLS計画」に名称が変更し、その仕様をもって、航空機メーカー各社に提案が求められ、ロッキード社、ボーイング社、ダグラス社、マーティン社、ジェネラル・ダイナミクス社がこの提案に応えた。

不時着時に動き出した貨物に押し潰されない様、貨物室上部に操縦席を配置、主翼は後退翼を採用、後部ドアを使用した貨物搭載作業の際に障害とならない様、尾翼はT型尾翼を採用している点など各社共に基本設計は類似していた。それら設計案の中から、ロッキード社、ボーイング社、ダグラス社案が次の選考に進み、最終的にロッキード社案が採用される事となる。ロッキード社のジョージア州マリエッタ工場がC-141の生産を終えて稼動施設がたまたま空いていたという理由から当時のリンドン・ジョンソン大統領の政治的判断でロッキード社に開発が委ねられることに決定した。なおC-5の発注機数は当初115機であったが、開発の遅れと機体価格の高騰を受けて81機に削減された。

初飛行は機体番号「66-8303」号機[3]が1968年6月30日に行なった。試験飛行時のコールサインは「エイト スリー オー スリー ヘヴィー(eight-three O three heavy)」。 1969年12月にサウスカロライナ州、チャールストン空軍基地所属の第437空輸航空団から機体納入が開始された。

開発途中でロッキード社は機体重量が予想よりも大きくなる事に気付き、軍に要求仕様の変更を求めたが受け入れられず、やむを得ず主翼の厚みをギリギリまで削る事で重量を削減したが、その処置は明らかに失敗であり、納入されたC-5Aは翼の構造強度が不足していることが判明し、その時点までのC-5全生産機が翼面荷重を抑えるため、最大搭載量80%の搭載制限措置が取られた。1976年から補強改修が行われ、1982年より緊急展開軍(RDF)構想の基に新型素材であるアルミニウム合金を使用した主翼の改設計などを行った機体がC-5Bとなり、初号機がアルタス空軍基地に納入され、以後50機が生産された。

1970年代初頭にはスペースシャトル輸送機としての運用計画が存在したが、高翼機であるC-5は採用に至らず、低翼機であるボーイング747が最終的に採用される事となった。対照的にロシアでは、シャトル輸送機には高翼機であるAn-124の発展型であるAn-225が採用されている。 その他ベトナム戦争での運用や第四次中東戦争におけるアメリカ合衆国本土からイスラエルまでの緊急空輸に用いられ、1990年代には湾岸戦争に投入、高い長距離貨物輸送能力を発揮して、高い評価を受けた。

1998年からグラスコックピットや新型航法装置、自動操縦装置など新型アビオニクス搭載を計画し、2008年5月から順次換装が行なわれる。改修後の機体はC-5M Super Galaxyとなる。なおボーイング社の設計案は大型機開発の技術・スタッフを転用した結果、民間向けのボーイング747へと発展している。

特徴

アメリカ本土から世界中何処へでもアメリカ軍全ての装甲戦闘車両と航空機が運べ、その中には74トンの架橋戦車などの戦闘設備も含まれている。ペイロードはアメリカ軍の輸送機としては最も大きく、主力戦車2輌分に相当する約122トンもの貨物が搭載可能である。その大きさを生かして、1974年にはミニットマンICBMを空中から発射する試験を行った。

機体は、軍用輸送機として一般的に採用されている形状である。主翼は高翼配置、後退角を採用し角度は25度である。主翼内部には12個の翼内タンクが内蔵されており、機首上部、操縦室後方には空中給油装置も装備されている。尾翼はT字尾翼を採用。エンジンは、ターボファンエンジンを主翼パイロンに4基搭載している。

C-5A/Bの貨物室は幅5.8m、高さ4.1m、長さ37.0m(+ランプ部7.2m)という巨大なもので、前後にローディングランプ付の貨物扉を持つ。その胴体形状は下が広いオムスビ型が特徴的であり降着装置(ランディングギア)には均等に重量配分が出来る様、28個もの車輪が備え付けられている。またこの降着装置には「ニーリング(英:kneeling / ひざまずく)システム」と呼ばれる機構があり、貨物の搭積時には着陸装置を伸縮させる事により機体の床位置を下げる事(低床化)により作業の効率化が図られており、同時に最小縮位置で運搬用トラックの荷台と同じ位置になる様設計されている。

搭載例

* 463L貨物パレット ×36枚
* M1A1戦車 ×2輌
* M2A2歩兵戦闘車 ×6輌(増加装甲や搭載物を外して20トンまで軽量化した場合。実際は4~5輌)
* ストライカー装甲車 ×7輌
* AH-64攻撃ヘリコプター(ローターを格納して搭載が可能) ×6機
* UH-60多目的・強襲ヘリコプター ×6機

他にもMH-53大型ヘリコプターやF-16戦闘機も分解・折り畳みによって搭載が可能。

積載物を降ろしながら、同時に搭載が可能である貫通式貨物室を採用。前部と後部に油圧式大型開閉扉があり、この前後開閉扉は、搭載作業の障害にならない様、貨物室の最大幅、最大高まで開くように設計されている。これにより作業の迅速化も図られている。また機内の一部は2階建てとなっており、上部デッキには、兵員73名が搭載可能である。なおこの上部デッキは機体重量バランスの関係上、操縦席の後方ではなく、機体後方部に位置している。

800箇所の場所を試験し、そのデータを分析、不調を検出する解析装置 MADAR(Malfunction Detection Analysis And Recording / 故障発見解析記録装置)システムを装備し、このデータはFRED / フレッドと呼ばれ乗組員に周知されている。その他1996年の飛行データに基づき各飛行毎に16時間の点検が行なわれている。

仕様(C-5B)

* 全幅:67.89 m
* 全長:75.3 m
* 全高:19.84 m
* 空虚重量:170.0 t
* 最大離陸重量:381.0 t
* 最大搭載量:122.472 t
* 積載量:349 t (769,000 lb)
* エンジン:GE TF39ターボファンエンジン(19,500kg)4基
* 最大速度:920 km/h マッハ0.79 (496kt. 500 knots. 570 mph.)
* 巡航速度:440kt マッハ0.77
* 飛行高度:34,000 ft (10.4 km)
* 海面上昇率:564m/min
* 翼面積:580 m²(6,200 ft² )
* 翼面荷重:610 kg/m²(120 lb/ft²)
* 実用上昇限度:10,895m
* 搭載燃料:193,620 ℓ (51,150 USガロン)
* 航続距離:4,445 km(2,400 nmi 2,761 mi) / 263,200ポンド搭載時
* 乗員:通常8名 最小4名(操縦士、先任操縦士、副操縦士、航空機関士2名、ロードマスター3名)

派生型

* C-5A:初期生産型。1969-1973年まで81機製造。1970年代中盤に主翼付け根にヒビが発見された為、搭載制限措置が取られた。

1981-1987年に主翼交換プログラムが実施された。

* C-5B:主翼、エンジンを改良されたC-5A GE TF39-GE1C への換装、アビオニクスの改良を行ったタイプ。50機製造。
* C-5C:船舶運搬用に改修されたほか、NASAの大型貨物輸送任務のために、2機のC-5Aを改造して製作。運用は空軍が行っている。

C-5M Super Galaxy

1999年よりC-5の延命と近代化改修を目的として開発が進められていた最新型で、2006年5月16日に初号機がロールアウトした。この改修によって、離陸性能が30%、上昇性能が38%改善され、整備性と稼動率も大幅に向上した。

アメリカ空軍ではC-5Mへ改造することで、今後25年間はC-5を運用する方針である。なお、主な改修点は以下に示す。

* グラスコックピットの導入
* 最新の航法・通信システムの導入
* エンジンをGE CF6-80C2へ換装



さらに詳しく → C-5



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