航空母艦 (Aircraft carrier)の歴史

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2011/03/03(木)
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航空母艦(こうくうぼかん、aircraft carrier 略称は空母(くうぼ))は、飛行甲板を持ち、航空機運用能力を持つ艦船のことを言う。航空母艦の多くは航空機を離艦・着艦させると同時に、航空機に対する整備能力と航空燃料や武器類の補給能力を有し、海上において単独で航空戦を継続する能力を有する軍艦(艦艇)である。洋上基地(司令部)としての機能を持ち、海の上のどこからでも航空機を発進させることができる空母は、現代海軍の主用艦艇である。

航空母艦の任務

航空母艦は極めて特殊な性格を有する艦種である。すなわち軍艦としての攻撃能力はほとんど搭載機に依存しているため、航空母艦の戦力は搭載した航空機の能力や機数とそれらを指揮運用する能力で決まる。アメリカ海軍の空母を例にして航空母艦の任務を列記する。

* 地上・対艦攻撃:防御システムを有する敵地や敵艦隊へ接近・侵攻し攻撃する能力。
* 電子戦能力:上記攻撃を効果的に行うために敵のレーダーや通信を無力化する能力。
* 対空戦能力:自部隊に接近する敵航空機を捕捉し撃墜する能力。
* 哨戒能力:高性能レーダーを有する航空機を艦隊上空や攻撃部隊の後方に飛ばして、空域の警戒と航空管制を行う。* 対潜攻撃:自艦の周囲に存在する潜水艦を探索して確実に攻撃する能力。
* 救難・輸送任務:救難活動や人員輸送に当たる。

上記任務全てに対応するために、アメリカ海軍の大型航空母艦は最新鋭の航空機やヘリコプターを70機以上搭載し、整備し、指揮・運用する能力を有する。アメリカはこの強力な航空母艦を軍事以外にも外交的に積極的に利用し、親善国へのアピールや、紛争が予想される地域への抑止力として派遣している。他の国の(アメリカより小型の)航空母艦は、上記任務の一部を割愛するか、アメリカ海軍機よりも小型の(性能の低い)機体を採用するか、機数を減らして運用している。

第二次世界大戦後もアメリカ海軍は空母戦力を軍事上・外交上の有力な切り札と考え、建造と維持に天文学的な金額が必要な大型空母(en:Supercarrier)を造りつづけている。最新鋭の戦闘爆撃機と早期警戒機を搭載したアメリカ空母は、1隻で中小国の空軍以上の攻撃力を持つといわれる。

航空母艦の分類

一般の分類

主に以下に分類される

正規空母
現在の定義では垂直離着陸しない固定翼機の運用を想定して建造された空母。この用語には複数の解釈があり曖昧に使用されている。

1. 当初より空母として設計、建造された純然たる空母とする分類(鳳翔、ホーネット(初代)など)。旧日本海軍で用いられた。
2. 商船などでなく当初より軍艦として建造された艦とする分類(赤城、サラトガなどの改装空母ながら、装甲や防御設備をもつ軍艦)。
3. 単なる、護衛空母、改造空母に対する反対概念。
4. 海軍の空母(陸軍が空母を保有する例はある-あきつ丸など)、主力空母という意味で用いる。

原子力空母
空母のうち、原子力機関を装備した艦。

軽空母
時代や国により基準は異なるが相対的に小型と見なされる空母。現在では、垂直・短距離離着陸機(V/STOL機)の運用を主体とした艦を指す。

ヘリ空母
主にヘリコプターを搭載しているものを呼ぶ。ただし、多くの全通甲板を持つ艦はハリアー等の垂直離着陸機を搭載することが可能な軽空母か、揚陸を主目的とする強襲揚陸艦であり、厳密なヘリ空母はほとんど存在しない。一般にヘリ空母は小型であり、大きさのみを基準とすると上記の軽空母となる。海上自衛隊のひゅうが型護衛艦も、公式にはヘリコプター搭載護衛艦ではあるものの、全通甲板を採用しているため一般にヘリ空母と見なされている。

強襲揚陸艦
揚陸を主目的とする揚陸艦の一種で、揚陸及びその支援手段としてヘリコプター・垂直離着陸機の運用能力を有する。大きな積載能力と航空機運用を両立させるため一般に大型であり、垂直離着陸機を運用するワスプ級強襲揚陸艦はフランスの原子力空母シャルル・ド・ゴールに匹敵し、ヘリコプターのみを運用する艦船ですら、一部の軽空母よりも大きいといったケースもある。

現代において最大の運用規模を持つアメリカ海軍では、1952年10月の艦種種別変更で、「攻撃目的任務の艦:CVA(攻撃型空母)」、「対潜目的任務の艦(元大西洋の護衛空母):CVS(対潜空母)」という名称分類とし、その後、1975年6月に、「単に空母:CV」、「原子力空母:CVN」の艦種名称分類へ変更としている。 また、他に、次のような類別している。

* 練習空母=CVT
* 着艦練習艦=AVT
* 航空機運搬艦=AKV
* ヘリコプター護衛空母=CVHE
* 揚陸ヘリコプター母艦=CVHA
* 雑役空母=CVU

他の航空機を運用する艦船

ヘリコプター母艦(Helicopter Carrier)
ヘリコプターを運用する軍艦。局地的な上陸や支援、を行う場合や、対潜ヘリコプターなどの海上哨戒の母艦として運用される。

水上機母艦
水上機を発進、洋上に着水させたものを回収(Seaplane carrier)。もしくは水上機の根拠地での修理、整備、補給の海上の補助施設となる(Seaplane tender)。日本語では共に水上機母艦。

航空戦艦
太平洋戦争中、ミッドウェー海戦で正規空母4隻を喪失した日本海軍が、航空戦力の補充のため伊勢、日向を短期間で空母としての能力も持った戦艦に改装した。艦尾の主砲を撤去して、その跡に格納庫とカタパルト2機を装備したが、実戦で航空機の運用は行えなかった。

航空巡洋艦
戦後ソビエト連邦(現ロシア)が計画、建造、就役させたキエフ級およびアドミラル・クズネツォフの公式分類。1936年締結されたボスポラス海峡とダーダネルス海峡の航空母艦通過禁止を定めたモントルー条約に対する政治的処置である。または、後半分を水上機母艦に部分改装された日本海軍の重巡洋艦最上も、しばしばこう呼ばれる。

ヘリコプター巡洋艦・駆逐艦
巡洋艦・駆逐艦としての兵装を有し、ヘリコプター運用に特化した甲板・格納庫を装備したもの。イタリア・フランス・ソ連・カナダ・日本が建造した。分類上、巡洋艦・駆逐艦とヘリ空母の中間であるが、他の艦船でもヘリコプターを運用していることが多くなってきたため、分類は難しくなっている。

水中空母
伊四〇〇型潜水艦。全長122m、水中排水量6,500t、特殊攻撃機「晴嵐」3機を装備した、日本海軍の大型潜水艦。18隻の建造が計画された。

航空母艦の構造

航空母艦は航空機の効果的な運用を第一義に建造されている。航空機運用機能を追求したスタイルは伝統的な軍艦のイメージとはかなり異なる。

船体・飛行甲板

飛行甲板
空母の最大の特徴は、舷側に寄せられたアイランド以外にさえぎるものの無い平らな甲板である。飛行甲板の面積は、着艦・離艦・エレベーターへの移動などを考えるとできるだけ広いことが重要である。空母黎明期は、イギリス式の多数の飛行甲板を持つ空母(フューリアスとグローリアス級や竣工時の赤城および加賀は三段甲板)もあったが、アメリカやフランスは当初から広い一枚甲板を採用しており、後にイギリスや日本も航空機の大型化に伴い統一された。ハリアーを運用する空母や、カタパルトを持たないロシア空母は甲板の先端を上に反らせてスキージャンプ甲板としている。
アングルド・デッキ
艦の進行方向に対して着艦方向を傾けた飛行甲板のこと。 着艦方向を傾けることで、飛行甲板前部の発艦スペースとの干渉を避けることができ、これにより着艦に失敗した場合にもやり直すことが可能となる。また、発艦と着艦を同時に行う事も可能で、大幅に運用効率が向上した。第二次世界大戦後にイギリスが考案し、自国の空母を改造。アメリカも採用し、第二次大戦中に就役したエセックス級やミッドウェイ級をアングルド・デッキに改造。その後建造された米・仏・露の正規空母は全てアングルド・デッキを備える。垂直離着陸機を使用する軽空母では特に必要とされないため基本的には使用されない。

アイランド
英語で島を意味するアイランドは、艦橋・マスト・煙突類が一体となった構造物。航空機の運用だけを考えれば無いほうが良いので、極力小型化して甲板の右舷側に寄せて設置される。現在まで左舷側にアイランドを設けたのは日本の赤城と飛龍のみ。太平洋戦争までの小型空母にはアイランドを設けない艦もあった(アーガス、龍驤など)。

格納庫
航空機を安全に保管し整備する場所。過去格納庫は1層式(アメリカとフランス)、2層式(日本とイギリス)、3層式(赤城と加賀)があったが、現在は1層式が一般的。格納庫内では機体の整備ができる設備が整っている。

航空燃料タンク
空母は、揮発しやすく燃えやすい航空燃料を大量に搭載している。太平洋戦争では、レキシントンと大鳳の2隻が、航空燃料の引火爆発が原因で沈没した艦として有名。現在のジェット燃料はガソリンよりも引火しにくいが、一旦火がつけば大事故になる。そこで空母の航空燃料タンクとその配管は厳重な防火・防漏・消火対策が施されている。

弾薬庫
航空燃料タンクと同様、万全の防火・消火対策が施されている。航空燃料タンクと弾薬庫は、両方とも艦中央部の艦底付近(敵の攻撃による火災から最も遠い場所)に設置されている。

艦船用燃料タンク
原子力空母では自艦用の燃料タンクが不要になった事で、航空燃料や弾薬を多く積む事で継戦能力が高まったが、随伴する水上戦闘艦艇へ補給する為の燃料を積載する事も可能となっている。

装置・装備

着艦誘導装置
電波誘導・光学式誘導・着艦誘導員のパドルによる合図等さまざまな装備が設置されている。アメリカでは1950年代ごろまでLSO(着艦信号士官)が両手にパドルを持ちそれによって誘導を行っていたほか、日本やフランスは後述する光学着艦装置の原型ともいえる着艦指導灯を使用していた。アメリカやイギリスでも艦載機のジェット化に伴う着艦速度の高速化により、より遠くから正確に誘導する必要が出てきたため遠くからでも視認しやすいミラー・ランディング・システムが開発され、後にそれを発展させたFLOLS(フレンネル・レンズ光学着艦装置)が開発された。また各種の電子兵装が充実した正規空母であれば電波誘導により自動的に着艦させることも可能である。

油圧式着艦制動装置
甲板上に浮かせた状態で数本張られたアレスティング・ワイヤーを、着艦する機体のアレスティング・フックで引っ掛けて、強力なブレーキ力を発生させる。開発当時は縦索式と横索式の二通りがあり、縦索式はイギリスと日本が、横索式はフランスとアメリカが採用し研究していた。縦索式は首尾線方向に何本ものワイヤーを張り、着艦機の装備するソリに引っ掛けて停止する形式で事故が絶えなかった。そのため、イギリスでは 1926年から1931年までは着艦制動装置禁止令を出してしまった。一方、横索式は飛行甲板の左右方向に張られた数本のワイヤーを着艦機の後部に装備したフックに引っ掛けて停止する方式である。これはフランスが開発した物をアメリカが導入して互いに実用化させた。今日の空母で採用しているのは横索式で、後にイギリスも日本も横索式を導入して安全に着艦作業が出来るようになった。他に非常時に使う、機体全体を受け止めるバリケードもある。

蒸気カタパルト
イギリスが開発した、空母の主機関の蒸気をピストンに送り込んで、航空機を加速する方式。アングルドデッキと並んで現代空母に不可欠の技術。しかし開発には高度な技術が必要であり、現在でもアメリカ等、一部の国しかもっていない。ロシアのアドミラル・クズネツォフはカタパルトを装備していないが、これは風説にいわれる「ソ連が蒸気カタパルトを開発できなかったため」では無く、スキージャンプという低コストの発艦方式を実用化したため本艦への搭載は見送られた、というだけの話である。クズネツォフ2隻に続いて1988年に起工された原子力空母「ウリヤノフスク」は、当初からカタパルトを搭載する予定になっていたが、同艦はソ連崩壊により建造中止となり、ロシア海軍初のカタパルト装備原子力空母は、幻と消えた(ちなみに、ソ連の蒸気カタパルトの試作品は、既に1985年頃には完成していた)。

ブライドル・レトリーバー
カタパルト延長線上の飛行甲板前縁斜め下方に角のように突き出した構造。初期のカタパルトはシャトルと艦載機の接続に、射出と同時に分離して前方へ投棄されるブライドル・ワイヤーと呼ばれる鋼索を使用していた。当初は発艦ごとの使い捨てだったこのワイヤーを回収するための装備である。現在のカタパルトはシャトルと艦載機を直接接続するので、新型・近代化改修を受けた最近の空母には見られないことが多い。

エレベーター
下層にある格納庫甲板から最上甲板である飛行甲板に艦載機を上げるための装置である。通常は四角形だがイギリスでは飛行機の形に合わせた十字型のものもあった。第二次大戦期の多くの空母ではエレベーターは艦の中心線上にあったが、強度と航空機運用に問題があったため現在の大型空母は飛行甲板の両外側に舷側エレベーターを設置している。小型の軽空母では舷側にエレベーターを設けると悪天候時に海水が格納庫に浸入する恐れがあるため、艦の中心線上にエレベーターを設けている。格納庫面積を圧迫してしまう事になり、格納可能な機数が減少するデメリットでもある。なおイギリスでは「リフト」と呼ぶ。

さらに詳しく → 航空母艦



同一縮尺「世界の空母」パーフェクトガイド The Aircraft Carriers of World War II & Postwar Period同一縮尺「世界の空母」パーフェクトガイド The Aircraft Carriers of World War II & Postwar Period
(2009/06/26)
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