高威力HEAT(成形炸薬弾) - 【SIMON】

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2009/12/16(水)
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成形炸薬弾(せいけいさくやくだん、英: Shaped Charge)は、モンロー/ノイマン効果を利用する対戦車用砲弾のこと。戦車を標的とすることから対戦車榴弾(HEAT) と呼ばれる。また、成型炸薬弾とも表記される。APFSDS(装弾筒付翼安定徹甲弾)などの運動エネルギー弾に対して「化学エネルギー弾」と呼ばれる事もある。対戦車榴弾は現在のもので漏斗の直径の約5~8倍の(理論的には約12倍)、第二次世界大戦期のもので2倍程度の均質圧延装甲(RHA:Rolled Homogeneous Armor 標準的な防弾鋼板)を貫通することが可能である。着弾時の速度によらず貫通力が一定なため、遠距離射撃用の戦車砲弾や速度の遅い対戦車ミサイルなどに用いられている。

多種な兵器に搭載できる長所を持つが、モンロー効果の有効距離がわずか数十cm程度であり、また、その信管作動の関係で装甲の数十cm手前に鎖のカーテンをつるしたり、柵状の檻のようなのを装着しておくだけで信管のショート等による不発無効化や威力の大幅軽減ができてしまう弱点がある。しかし、最近では二重の弾頭を備えたタイプや、大抵の兵器の弱点でもある上部を狙ったホップアップするものなどが採用され始めているほか、中にはAPFSDSを応用した射程強化型も登場している(ただし、多目的砲弾としてのソフトキルが主な使用目的)。

成形炸薬弾の模式図(一例)

成形炸薬弾

(1) 風帽                 空気抵抗を減らし射程を伸ばす。ただし滑腔砲用はスパイクノーズタイプが多い。
(2)プローブ              メタルジェットを阻害しないよう中空の内部構造を持ち、目標との最適距離(スタンドオフ)で起爆するように長さが決められている。
(3) 金属の内張り(ライナー)    メタルジェットを発生させる。
(4) 起爆薬               炸薬の後部に置かれ炸薬を後部から起爆する(PIBD方式と呼ばれる)。
(5) 円錐形のくぼみを持つ炸薬    モンロー効果を発生させる。
(6) 衝撃信管             着弾と同時に起爆薬を起爆させる。


近年の戦車では多目的対戦車榴弾 (HEAT-MP: High Explosive Anti-Tank Multi-Purpose) が装備されていることが多い。これは、爆薬のエネルギーの70%以上がメタルジェットにならずに周囲に飛び散っているのを利用して、弾体のメタルジェット形成を阻害しない個所に鋼球やワイヤーを貼付し、爆発時に周囲に飛散するようにしたもので、榴弾兼用として使用される。ただ、同口径の榴弾と比較して威力で劣る(90式戦車の44口径120mm滑腔砲Rh120のHEAT-MPと74式戦車の51口径105mmライフル砲L7A1の榴弾が同程度)。120mmM830A1多目的対戦車榴弾などはレーザー近接信管を持ち、ヘリコプターを撃墜することすら可能だとされている。

成形炸薬の装甲侵徹原理で「高温のガス・メタルジェットによって装甲を融かして穴を開ける」というような誤解をされる事があるが、装甲が液体として振舞うのは主として温度ではなく圧力によるためである。メタルジェットは液体として挙動するが固相の金属その物であり、断熱系のため、ジェットの発生しているような短時間に爆発の熱が装甲に伝導し溶融するほどの高温になることは無い。

さらに詳しく → 成形炸薬弾  モンロー/ノイマン効果



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(2005/10)
坂本 明

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