T-26

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2011/01/07(金)
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T-26は第二次大戦前からソ連軍等で使用された軽戦車である。

ソ連最初の量産型軽戦車・T-18の後継となるべき歩兵支援用軽戦車を目指しT-19とT-20が試作されたが、これらはエンジントラブルにより実用化には至らなかった。1929年5月にソ連軍は、英国のヴィッカース(読みはビッカース、ヴィカーズとも)社が独自に開発していたヴィッカース 6トン戦車をライセンス生産する契約書にサインした。これはV-26として15輌が輸入され、新たな戦車開発のための参考となった。そしていくつかの他の試作戦車とのトライアルの結果、改良を加えてT-26として採用され、レニングラードのボリシェビキ工場(第232工場)において国産化に入った。1932年からは同じくレニングラードの第174工場も生産に加わった。

1931年から翌年にかけて、ヴィッカース6トン戦車同様に一丁ずつのDT機銃を備えた銃搭二基を横並びに搭載した最初の型(1931年型)が量産された。これらの銃搭は互いに干渉するため270度の限定旋回しかできなかった。後に、右銃搭にルノー軽戦車やT-18で使われていたオチキス37mm戦車砲の国産型PS-1(M1928年型)を装備した型が作られた。1932年には同じく右銃搭にB-3(5K)対戦車砲(ドイツでのラインメタルPak35/36 3.7cm対戦車砲の採用に先駆けてライセンス生産され装備していたもの)の戦車砲型PS-2(1930年型)を搭載したものに変更された。(後に同砲をBT-2用単砲塔に搭載したものがレニングラード攻防戦に登場するが、これは双砲塔型からの現地改造車輌である。)

しかしこの砲は新型砲の採用により短期で生産を終えてしまったため、1933年型としてBT-5同様に新型砲塔と更に強化された45mm砲に換装されている。先行量産型は円筒形砲塔を搭載していたが、これはすぐに大型バッスルを持つ馬蹄形砲塔に代わり、同砲塔はBT-5戦車やBA-3、BA-6装甲車にも搭載された。バリエーションとして鉢巻型無線アンテナのあるT-26TUもある。1935年には車体の接合に溶接が用いられるようになり、またさらに後期の生産車では、砲塔後部に機銃のボールマウントが追加され、対空機銃の装備できる新型ハッチを持つなど、細部の異なるバリエーションがある。

実戦投入と改良型

スペイン内戦で共和国派側に提供されたT-26は、当時最強の対戦車戦闘能力を持つ45mm砲によって、ファシスト側に参戦したドイツのI号戦車やイタリアのL3/33といった機銃しか持たない軽戦車を圧倒した。また、1938年の満州・ソ連間の国境紛争である張鼓峰事件では257輌(他、BT-5が81輌、SU-5自走砲が13輌)が投入され、日本軍との戦闘で9輌が完全撃破され76輌が損傷(うち現地で修理可能な物39輌)の損害を出している。損傷は日本軍によるものだけでなく、(後に初期のT-34やKVが陥るのと同様の)工作精度の低さからくるギアボックスや乾式クラッチの故障によるものも多かったという。この後、ノモンハン事件でもBT戦車と共に日本軍相手に戦っている。

さらに1937年型として、側面が傾斜した新型の「円錐型砲塔」タイプが登場。スペイン市民戦争で火炎瓶攻撃を受けた経験から、エンジンの排気口に後方がメッシュ付きで開口したフードが付けられた。また後には車体側面にも傾斜装甲になった1939-40年型が登場している。

もっとも、当時の状況を忠実に再現した映画『冬戦争』ではその後ろ側から火炎瓶を投げ込まれ炎上させられるシーンがあり、またそれ以前のノモンハンでも同様に火炎瓶にやられているので、根本的な解決には至っていなかったようである。実際冬戦争では、対戦車砲とフィンランド兵の肉迫攻撃により大きな損害を出しており、途中で増加装甲を装着している。

T-26は出現当時は比較的強力な戦車であったが、(後に少し強化されるが)15mmという主装甲の薄さと88馬力のエンジンパワー不足による速度の遅さにより、ソ連軍戦車兵には評判が良いとはいえなかった。またBT戦車同様に、機関部付近への榴弾の直撃でガソリンタンクが燃え上がることも多かった。それでも本車は1938年夏の段階で約8500輌、最終的に12000輌以上と言う、当時世界で最も多く生産された戦車であった。

これらは独ソ戦の初期に大変な損害を出し、生き残った車輌はBT戦車と共に満州国境の守りに回され、1945年8月の満州侵攻の際に久々に実戦に登場することとなる。ヨーロッパからのT-34などの移動が遅れたためこの時点で1461輌が実戦配備されており、戦闘や故障で全損34輌、工場で修理可能なもの122輌、現地で修理可能なもの33輌の損害を出している。

ドイツ軍にも大量に捕獲され、Pz.Kpfw T-26(r)として二線級任務に用いたり、一部は他の捕獲軽戦車同様に砲塔を外して大砲牽引・弾薬運搬トラクターとして用いられた。フランスのM1897野砲をドイツ軍が対戦車砲に改造した7.5 cm PaK 97/38を搭載した自走砲、7.5cm Pak97/98 BeutePanzer T-26という珍品も存在している。

フィンランド軍も捕獲した本車を自国の戦力とした。装甲戦闘車両が不足していたフィンランドにとってソ連軍からの鹵獲車両は貴重で、特にT-26は各形式合わせて100両以上が鹵獲・運用されており、数的にはフィンランド戦車部隊の主力戦車であった。また、先に輸入していたビッケルス(ヴィッカース 6トン)軽戦車にT-26の戦車砲を載せて強化、これをT-26Eと称して使用した。

T-26の車台を利用した自走砲・特殊車輛

SU-1
1932年に試作された、密閉型の固定式戦闘室に76.2mm戦車砲PS-3と7.62mm機銃を搭載した、軽自走榴弾砲。

AT-1砲兵戦車
AT-1と武装は同じだが、車高が低めで後のドイツの突撃砲に先駆けたデザイン。1933~35年に10輌が試作された。

SU-5-1
1932年に試作された自走砲。エンジンが車体中央、オープントップの戦闘室は後部に移された。武装は76.2mm野砲M1902/30。

SU-5-2
SU-5のバリエーションで、武装は122mm榴弾砲M1910/30。

SU-5-3
同じくSU-5のバリエーションで、152mm山砲M1931を搭載。

SU-6
1932年試作。T-26の車体上にオープンな台座を設置し、防盾の無い76.2mm高射砲M1931を搭載した自走高射砲。

T-26-4砲兵戦車
1937年から翌年にかけて量産された、76.2mm歩兵砲M1937を搭載する近接支援型。この砲塔はBT-7Aのものと同型であった。23輌のみの限定生産。ちなみにイギリス戦車も同じように3インチ榴弾砲を搭載した近接支援(CS)型を採用している。

OT-26
またはKhT-26。1937年に双銃塔型のT-26の、右側銃搭にM1933火炎放射器を追加した火炎放射戦車(ソ連軍では『化学戦車』と呼ばれる)。左の銃搭は撤去され、その下には135リットル燃料タンクが設置された。ノモンハン事件では壕にこもる日本兵を燻り出すのに有効であったと記録されている。

OT-130
またはKhT-130。単砲塔型のT-26 1933年型がベースで、45mm砲の代わりにM1938火炎放射器を搭載する。車内に200リットル燃料タンク2個を収納したため、居住性が悪い。

OT-133
またはKhT-133。傾斜装甲型のT-26 1937年型がベースで、45mm砲の代わりにM1938火炎放射器を搭載する。

OT-134
またはKhT-134。傾斜装甲型のT-26 1937年型がベースで、ノモンハン事件や冬戦争での経験から、45mm砲を残し車体前面左側にM1938火炎放射器を搭載する。しかし車内スペースの関係で砲弾・燃料ともに減少し、中途半端な戦闘力となってしまい量産されずに終った。

ST-26工兵戦車
双砲塔型をベースに作られた工兵車輌。架橋戦車仕様、マインプラウ式およびローラー式の地雷処理戦車仕様に切り替えが可能。少なくとも70輌が造られたようだが、実戦投入の記録は無い。

性能諸元

全長 4.88 m
全幅 3.41 m
全高 2.41 m
重量 9.4 t
懸架方式 リーフスプリング方式
速度 28 km/h
行動距離 175 km
主砲 45 mm Model 32 戦車砲
副武装 DT機関銃 ×1 or 2
装甲 砲塔防盾25 mm 全周15 mm
    車体前・側面15 mm
エンジン GAZ T-26
    90 馬力 / 66 kW
乗員 3 名

さらに詳しく → T-26



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