M60 パットン (M60 Patton)

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2011/01/01(土)
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M60パットンアメリカ合衆国が開発した主力戦車。ソビエト連邦のT-54/55戦車に脅威を覚えたアメリカが1956年に開発を開始した。

特徴

M60はM47パットン(大元としてはM26から)スタートしたパットンシリーズの最終モデルであり、前作のM48パットンの機動力と火力に改良を加えたモデルである。

それまで、出力重量比が良い事や構造が簡易な事から戦車用にガソリンエンジンを採用して来たアメリカ軍も、本車に至り被弾時の安全性や燃費の良さから最初からディーゼルエンジンを採用し、主砲も90mm砲から英国製105mm戦車砲L7A1に換装し攻撃力を格段に向上させた。

車体は、M48が鋳造で製造していたのに対し、平面溶接構造とし、転輪やフェンダー等にアルミ合金を採用し軽量化を図った(もっとも、このためベトナムのジャングルのような地域では、M48よりも走破性で劣ると乗員は評価している。そのため一部車両はM48用の鋼製転輪を装備している)。砲塔はM48のものを引き継いだ形状(非常によく似ているが完全に同一ではない)の亀甲型鋳造砲塔で、改良型のA1型からは“ニードル・ノーズ”と呼ばれる細長い形状のものに変更された。

こうした数々の改良点はあるもののM48との根本的な差異は認められないが、本来はソ連のT-55に対抗しうる本格的な次期主力戦車が登場するまでのストップギャップであり、短期間で引退する予定であったが、肝心のMBT-70の開発の頓挫により長期使用される事となり、1970年代にM60A1にはRISEと呼ばれる近代化改修が施された。更に射撃統制装置 (FCS) を中心に改良したM60A3が開発され、M1エイブラムスが配備された後も1990年代まで現役で使用された。アメリカ海兵隊やイスラエル国防軍の使用車両には爆発反応装甲も装着された。

実戦投入

M60アメリカ軍に採用されたが、激化するベトナム戦争には投入されず、主に欧州派遣部隊にて使用された。また、イスラエルに供与された車両は第四次中東戦争以後の数々の紛争に投入され、近代化改修を加えられた車両は現在も使用されている。米軍の装備車両は湾岸戦争を最後に殆どが退役した。

本車は車内容積にかなりの余裕があり幾度の改良にも対応出来、同時期に出現したソ連のT-62との戦力差に関しては、第四次中東戦争にてイスラエルが鹵獲した車輌を分析したアメリカ軍はM60の方が性能面でリードしていると評した。なおM60はT-62に比べて全高が1メートル近く高いが、その分主砲の俯角を大きく取る事が可能であり、実戦ではM60の方が地形を利用して車体を晒さずに砲撃を行う事が可能であった。

M60は湾岸戦争までアメリカ軍で使用され、その後も現在に至るまで各国で改良を重ねられ使用されている事から傑作戦車であると言う事は間違いないが、旧式化も進行しているため色々な近代化改修プランが各国のメーカーから提案されている。

性能諸元

全長 6.9 m
全幅 3.6 m
全高 3.3 m
重量 52 t
懸架方式 トーションバー方式
速度 48 km/h
行動距離 450 km
主砲 105 mm M68 (M60/A1/A3)
    M162 152 mm (M60A2)
副武装 12.7 mm M85 機関銃
    7.62 mm 機関銃
装甲 225 mm
エンジン Continental AVDS-1790-2
    12気筒ターボディーゼル
    750 HP (560 kW)
乗員 4 名

さらに詳しく → M60パットン



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タグ : M60 パットン アメリカ 主力戦車

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