IMI ネゲヴ (IMI Negev)

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2010/12/19(日)
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ネゲヴNegev, ネゲブ、ネゲフとも)は、イスラエル・ミリタリー・インダストリーズ社 (IMI) により設計された分隊支援火器軽機関銃である。2005年以降はIMIの銃器部門が独立したイスラエル・ウェポン・インダストリーズ社 (IWI) が販売・改良を行っている。

ネゲヴ」の名称はヘブライ語で「南」を意味し、イスラエル領内の砂漠地帯として知られるネゲヴ地方から取られている。「Negeb」とも表記されるが、これはヘブライ語ではVとBの発音は同じで区別が曖昧なことに由来する。

経緯

ネゲヴ開発以前のイスラエル国防軍は、ベルギーに本拠地を置くFNハースタル社設計のMAGをライセンス生産し、主力軽機関銃として配備していた。しかしMAGは歩兵の携行火器としては重量がかさみ反動もきつく、歩兵にとって苦痛の一つとなり運用が難しいという問題があった。1980年代、イスラエル国防軍はMAGより軽量で優秀な純国産の軽機関銃が必要との考えから、IMI社小火器部門(当時)に新規軽機関銃の開発を命じた。他国と同様、当時のイスラエルでもFNハースタル社が開発したMAGより軽量なミニミ軽機関銃が試験的に購入及びライセンス生産されていたが、新しい純国産の銃には外貨獲得のための輸出品としての意義もあった。

1993年に現在のネゲヴの原型が試作され、特殊部隊サイエレット・ギバティ(ギバティ師団)の装備として実戦投入されたが、砂漠地帯の砂塵・熱などイスラエルの過酷な環境に耐えられず、この時点で採用される事は無かった。1995-96年頃、実戦投下の際のデータを元に改良を重ねた末「ネゲヴ」は完成し、ミニミより優れているとしてイスラエル国防軍に採用された。その後も量産は進み、2002年頃には歩兵用MAGとミニミをほぼ全て置換えた模様である。

特徴

ネゲヴの設計は、かつてFNハースタル社より購入及びライセンス生産を行っていたミニミ軽機関銃やMAG機関銃の構造からコピーした部分が多数を占めるが、そこから発展させたオリジナルの要素もいくつかある。

使用する弾薬は口径5.56mm NATO弾系列である。通常のベルトリンク給弾システムの他、ガリル用35連マガジンやM16系列用30連STANAG マガジンを使用可能とする事で、既存アサルトライフルとの弾薬や弾倉の共通性を計っている。マガジン挿入口はガリル用マガジンに合わせているため、M16系 STANAGマガジンを使用するにはアダプターが必要となる。ベルトリンク給弾専用のモデルも存在し、こちらは主に車載用途として使われる。現在の所7.62mm NATO弾のモデルは存在しない。

ベルトリンク給弾は射手から見て機関部左斜め上から行い、右から空リンク及び空薬莢を排出する仕組みになっている。一方でマガジン挿入口はアサルトライフルと同じ機関部の真下にあり、他銃器との操作感の共通化を図っている。この点、機関部の斜め上から挿入するミニミとは異なる。

ベルトリンク給弾の際、150発または200発前後の弾薬を保持できる専用アサルトポーチも開発されており、これをマガジン挿入口に装着して簡易的な多弾数のアサルトライフルとしても使用できる。ポーチはマガジン挿入口で固定されるため、下部から装弾している様にも見える。

ハンドガード、バットストックはガリルのARタイプと共通で、アサルトライフル用マガジンを用いた際のスタイルはガリルに近いものとなる。マズルブレーキもガリルと共通で、ライフルグレネードの装着にも対応している。

弾薬やパーツ、操作性の共通化を計った設計は同じIMI社設計のアサルトライフル(ガリル、タボール)にも見る事が出来る、イスラエルらしいバトルプルーフ(実戦実証)されたデザインである。また、ガリル専用だったパーツを汎用品として用いることで、コストダウンも兼ねた設計となっている。

作動閉鎖システムは、ほとんどミニミやMAGからの流用で、オープンボルト・タイプのガス・オペレーション/ロングストローク・ピストンヘッド/ロテイティングボルト・システムの軽機関銃としては標準的な構造で、真新しさは無いもののイスラエルの過酷な環境に十分対応している。また、常に開いた状態とする事でバレルの冷却機構としても機能(空冷式システム)し、異物が浸入しようとも叩いて排除可能な耐久性も持っている。

フルオート時の発射速度は3つのモードがある。ポジション1(小銃用マガジン使用時)の850-1050発/分、ポジション2(マガジン非使用時。発射速度は1と同じだが、やや仕様が異なる)、ポジション3(主に車載時のフル稼働モード)の850-1150発/分に別けられる。これらは使用目的により切り変える事ができる。

照準はドットサイトを用いることを基本とし、機関部上にある専用のサイト取付け台、及び最近のモデルではピカティニーレールで装着する。アイアンサイトも装備しているが、あくまでも非常用の簡易的な物でメインの照準器として使われることは少ない。ドットサイトは主にイスラエルITL社のMARS(マーズ、レッドドットとレーザーサイトの併用モデル)や同国メプロライト社のメプロ21などの製品が載せられ、また米EOテック社のホロサイトなども見られる。

バリエーション

主に以下の二つに別けられる。

ネゲヴ・スタンダード

ネゲヴ・ライトマシンガン・システムの基本形。全長1020(ストック展開時)/780mm(非展開時)、バイポッドを除くオプション非装備時の重量は7600g。ライバル機種であるミニミ並の軽量化は達成している。

バレル長460mm、ライフリングは6条右回り、トリガープル6.0(セミオート時)/2.5(フルオート時)kg、銃口初速は915m/s。専用アサルトポーチの重量は150発の物が2550g、200発は3250gである。アイアンサイトを用いた際の有効射程は約300-1000m。標準装備のバイポッドの他、専用のピストルグリップにも換装できる。これを用いる事でアサルトライフルとしての扱いが更に容易となる。

ネゲヴ・コマンド

主に330mmの長さのバレルと小銃用マガジンを用い、ピストルグリップに換装した簡易アサルトライフル・モデルの名称(通称)。アサルト・ネゲヴとも呼ばれる。全長は890(ストック展開時)/680mm(非展開時)、バレル長は330mm、銃口初速850m/s、バイポッドを除くオプション非装備時の重量は7000g、有効射程は300-800m。他はスタンダード仕様と変わらない。

仕様

種別 軽機関銃
口径 5.56mm
銃身長 460mm
ライフリング 6条右回り
使用弾薬 5.56mm NATO弾
装弾数 35発 箱型弾倉、150発 ベルト用弾倉
作動方式 ガス圧利用式
全長 1020mm(バットストック展開時)
    780mm(非展開時)
重量 7600g
発射速度 850発/分
銃口初速 915m/s

さらに詳しく → IMI ネゲヴ
外部リンク → Israel Weapon Industries



アメリカはなぜイスラエルを偏愛するのか―超大国に力を振るうユダヤ・ロビーアメリカはなぜイスラエルを偏愛するのか―超大国に力を振るうユダヤ・ロビー
(2006/12/01)
佐藤 唯行

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