T-64

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2010/12/14(火)
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T-64(ロシア語:Т-64テー・シヂスャート・チトィーリェ)は、1960年代にソビエト連邦が開発した中戦車である。

概要

T-64は、T-55に続いてソビエト陸軍及びソビエトの同盟国の主力戦車となるべく開発された車両であり、大規模に供給するため高生産性と前線での運用を容易にするために簡潔で堅実な構造で取り扱いが容易なことが求められるソビエト製兵器としては例外的に、複合装甲、滑腔砲、自動装填装置などの新機軸を積極的に盛り込んでいるのが大きな特徴である。

開発当時は非常に先進的な戦車であったが、それが開発と運用の難しさを招いたともいわれる。西側に先駆けて近代戦車の技術的条件を備えた戦車であり、冷戦下のNATOに対する第一線正面装備として、旧東ドイツ駐留ソ連軍集団やハンガリー駐留の南部軍集団などに秘密裏に配備されていた。また、ソビエトの戦車としては例外的に、同盟国や友好国に輸出・供給されたこともなかった。

長らく「正体不明の新型戦車」とされていたT-64が西側報道関係者の場に姿を現したのは、実に1985年の「対独戦勝40周年パレード」の時であり、。このため長い間本車は「T-72の先行生産型」もしくは「開発に失敗し、そのデータを基に開発された改良型がT-72である」と思われていた。実際には、T-64の不調とコスト高を補うために、T-62など旧来の技術とT-64のスタイルを併せた『普及型』がT-72である。

T-64は同時期にそれぞれ2万両ずつ生産されたT-62やT-72に比べ限定的な数で1964年から1987年にかけて、各型合わせて12,500両程度が量産されたことになったが、ソ連崩壊後もロシア連邦軍とウクライナ軍とで多数が使用されている。また、ウズベキスタン軍でも少数が運用されているとされる。ウクライナのV・O・マールィシェウ記念工場では大幅な近代化改修型としてT-64 BM ブラートが開発されており、2005年に17輌が納入されている。オプロートともにウクライナの新しい主力戦車として配備される目算である。

開発

第2次世界大戦後の新型主力戦車としてT-44の発展型として開発されたT-54/55の開発が終了し生産が軌道に乗った1950年代に入り、新世代の戦車砲として滑腔砲とそれにより運用されるAPFSDS(装弾筒付翼安定徹甲弾)の開発が始められ、これを搭載する次期新型戦車の開発も開始された。

開発はA.A.モロゾフ技師の開発チームにより、ウクライナ共和国のハルキウ(ロシア語名:ハリコフ)に所在するハリコフ設計局で1958年より行われた。原型である「オブイェークト430」は1960年に完成し、これはT-62の試作型であるオブイェークト165と同じく100mmライフル砲 D-54TS を搭載している。照準装置には光像合致式(ステレオ式)測遠器を装備し、T-62までのソビエト戦車に比べて格段に高い長距離戦闘を可能とした。続いて完成した二次試作車、「オブィエークト432」では主砲を115mm滑腔砲 D-68 とし、”コルジナ(「籠」の意)”自動装填装置と耐弾複合装甲を装備していた。従来の戦車で主砲の砲弾を装填するために必要とした専属の乗員である装填手を廃し、砲弾の装填を自動で行う自動装填装置の採用は、乗員を1名減らし、戦車全体の車高を下げることに成功している。1966年12月には「オブィエークト432」は T-64として正式に採用され、量産が開始されることとなった。

1969年には主砲を115mm滑腔砲から125mm滑腔砲 D-81 に換装し、T-64(オブィエークト432)で問題とされた点を改良した「オブイェークト434」が開発された。T-64の”コルジナ”自動装填装置には構造上の欠陥があり乗員を死傷させる事故を多発させたため、125mm砲用には新型の”カセトカ”自動装填装置が採用された。「オブイェークト434」はT-64Aとして正式採用され、以後の生産はT-64Aに移行された。
尚、従来のT-64の主砲を125mm滑腔砲D-81に換装する作業も行われ、この改修を受けた車両にはT-64Rの名称が与えられた。

T-64は新機軸を大規模に盛り込んだために設計・開発上の問題も多く発生し、実際の部隊運用に際してもいくつかの大きな問題を発生させたが、戦車の設計に新たな技術を大胆に盛り込むこと自体は大いに有意義であった、と結論され、その基本設計はT-80へと発展している。

バリエーション及び派生型

T-64
115 mm口径のD-68(2A21)砲を装備する最初の量産型。700 馬力の5TDFエンジンを装備する。1961年に完成され、数百輌がソ連軍に配備された。

T-64A
125 mm口径のD-81T(2A26)砲を搭載する派生型。長年にわたって生産され、年度により装備の異なるいくつかの派生型が存在する。

T-64AK
指揮戦車型。

T-64R
T-64をT-64A仕様に改修した型。1977年から1981年の間に多くのT-64がこの仕様に改修され、部隊配備された。

T-64B
2A46砲を搭載し、9M112コブラ対戦車ミサイルを運用する。

T-64BK
指揮戦車型。

T-64B1
T-64Bの発展型。

T-64B1K
指揮戦車型。

T-64AM
T-64Aに6TDFエンジンを搭載した近代化改修型。

T-64AKM
T-64AKに6TDFエンジンを搭載した近代化改修型。

T-64BM
エンジンが700 馬力の5DTFから1000 馬力の6TDに強化されている。

T-64B1M
T-64BM仕様に改修されたT-64B1。

T-64BMK
T-64BM仕様に改修されたT-64BK。

T-64B1MK
T-64BM仕様に改修されたT-64B1K。

T-64BM2
ウクライナで開発されたT-64Bの近代化改修型。コンタークト5装甲、ゴム製防禦スカート、1A43U射撃管制装置、6AZ43ローダー、9K119レフレークス対戦車ミサイルを装備する。エンジンは、850 馬力の5TDFMを搭載する。

T-64BV
コンタークト5を装備した防御力向上型。

T-64B1V
T-64BV仕様に改修されたT-64B1。

T-64BVK
T-64BV仕様に改修されたT-64BK。

T-64B1VK
T-64BV仕様に改修されたT-64B1K。

T-64U
ウクライナで開発されたT-64Bの近代化改修型。T-84に準じた装備とされ、コンタークト5装甲、9K120スヴィーリ対戦車ミサイル、1A45イルトィーシュ射撃管制装置、TKN-4Sレーダーサイト、PZU-7サイト、TRN-4EブラーンE暗視装置を装備している。エンジンも、1000 馬力の6TDFに換装されている。T-84と同じく1999年から配備が開始されている。

T-64 BM ブラート
ウクライナで開発されたT-64Bの近代化改修型。限定的な製造の行われたT-64BM2とT-64Uのうち、最終的に選択された後者の量産型で、T-64BMブラート、BMブラートなどとも呼ばれる。コンタークト5にかわる新しいニージュ装甲、1V528-1弾道計算機、1G46M射撃サイト、PZU-7サイト、PNK-5SRオプザヴェーション・サイティングシステム、などを装備する。エンジンは1000馬力の5TDFMを搭載し、主砲もウクライナ国産のKBA-3に換装されている。2005年から配備が開始されている。

BREM-64
装甲回収車型。

MT-T エネーイ
装甲牽引車型。

BMPV-64
ウクライナで開発された歩兵戦闘車型。なお、T-55の車体を用いた同じ仕様の車両も製造されている。

性能諸元

全長 9.2 m
車体長 6.54 m
全幅 3.4 m
全高 2.2 m
重量 36~42 t
懸架方式 トーションバー方式
速度 65 km/h
行動距離 500 km
      700 km(外部タンク搭載時)
主砲 115 mm滑腔砲 2A21(T-64)
    125 mm滑腔砲(T-64A以降)
副武装 7.62 mm PKMT 同軸機関銃
     12.7 mm NSVT 機関銃
装甲 複合装甲
エンジン 5DTF 水平対向5気筒
      多燃料ディーゼルエンジン
      700 hp
乗員 3 名

さらに詳しく → T-64



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