シャール B1 (Char B1)

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2010/12/08(水)
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ルノーB1(-ビーいち) B1)とは、第二次世界大戦前にフランスで開発された重戦車。1940年のナチス・ドイツによる西方電撃戦で実戦に参加した。なお、「シャール B1(Char B1)」とも呼称、表記されるが、“Char”とは英語で言うところの“Chariot”、戦闘馬車のことで、「Char B1」ならば「B1型戦車」の意である。

開発の経緯

B1重戦車の原型は1920年代後半にからフランス陸軍で戦車の研究をしていたJ.E.エティエンヌ将軍の「1921年計画」にまでさかのぼる。彼は第一次世界大戦においてフランス軍が使用したシュナイダーCA1やサンシャモン突撃戦車のような歩兵支援用の重砲を搭載したタイプの戦車を提案した。それは47mm級、あるいは75mm級の戦車砲を車体に装備するもので、重量は15t程度を予定していた。陸軍もこのタイプの戦車の採用を決定し、ルノー社をはじめとする5社に対し開発案が示された。

1924年には早くもモックアップが完成しているが、15tという計画重量内に収めることが不可能だと判明し、新たに20tクラスの戦車というように開発案が変更された。1926年1月には3種のモックアップの技術評価試験が行われた結果、新型戦車はFCM社の技術協力の下、ルノー社が主導で開発することになった。

当時の技術のもとでは20t級重戦車の開発は相当に難しかったらしく、紆余曲折の末試作車が完成したのは1929年であり、1931年の終わりまでに試作車3両が完成した。

試作車は次のような設計であった。

* 車体前部右側に17口径75mm戦車砲SA35および2挺の7.5mm機関銃が装備され、鋳造製砲塔にも2挺の7.5mm機関銃M1931が装備されていた。

* 装甲板はリベットで接合されていた。しかしこれはリベットの頭に被弾した際にリベットの残りの部分が車内を跳ね回り乗員を殺傷する恐れがあり、防御上不安な部分であった。当時はまだ溶接技術が発達しておらず、リベットで装甲板を固定している戦車に共通する問題であった。

* 車体に重砲を搭載し、砲塔に対戦車砲を搭載していた。この方式はアメリカのM3中戦車でも見られる。

* エンジンは走行中でも点検・整備ができるよう配慮がなされており、燃料タンクは内部にゴムを仕込むことで被弾時に開いた穴を自動的に塞ぐようになっていた。

* 足回りは完全に装甲板で覆われていた。後輪駆動方式で、ソールプレートの付いた独特の履帯(無限軌道)は車内から張度の調整が可能であった。

試作車は長期間の試験を経たのち1934年5月にようやくB重戦車(“B”はフランス語の“Bataille(=戦闘)”の頭文字から)として制式採用された。同年には生産が開始され、少数が生産された。

試作車と生産型ではいくつかの差異が見られる。砲塔は新型の1名用鋳造砲塔に変更され、武装も30口径47mm戦車砲SA34 1門と、同軸で7.5mm機関銃M1931を1挺装備し、攻撃力が向上した。操向装置も油圧装置を組み込んだ機構を採用し、車体前面に固定されている 75mm戦車砲SA35をよりすばやく目標に指向することが可能となった。

改良型 ルノーB1bis

B1bisは前述のB1戦車(1930年より新たに“B2”と呼ばれる新型重戦車の開発が始まったため、B重戦車は“B1”と呼ばれることとなった。因みに“B2”重戦車は後にキャンセルされている。)の改良型として1930年に開発が始まった。“bis”とは「第二の」という意味であり、“B1bis”を訳すと「B1戦車2型」や「B1戦車改」となるが、日本でも“B1bis”と呼ばれる。

基本的にB1重戦車と同じであったが、以下の点が異なる。

* エンジンは出力250hpの液冷ガソリンエンジンから出力300hpの航空機用ガソリンエンジンに変更され、機動性能がアップした。さらに予備燃料タンクを搭載し航続距離を増やした。

* 砲塔は従来の“APX-I”と呼ばれるタイプを、B2重戦車に搭載する予定だった新型の“APX-IV”と同様の装備に改変し、武装も新型の32口径47mm戦車砲SA35に換装されている。

* 装甲厚は車体前面および側面で60mmあった。これはフランス侵攻時のドイツ軍戦車の主力搭載砲だった46.5口径37mm戦車砲KwK35/36や主力対戦車砲であったPak35/36(37mm対戦車砲)では到底貫通できないものだった。

欠点としては装甲板の接合に依然リベットを用いていたこと、および車体側面に吸排気用のメッシュ部分を設けるなどの防御上の弱点があった。また1名用砲塔に配置された車長は砲塔に装備された47mm砲の操作(装填・照準・発射)と他の乗員の指揮に追われ、「他の戦車との意思疎通を図り連携して戦闘する」という近代機甲戦闘などとても行える状況ではなかった(もっとも、この時点で戦車長を他の任務から独立させ指揮に専念させていたのはドイツ軍くらいであった)。

B1bisはB1型重戦車の主力生産型となり、フランス侵攻の頃で243輌(フランス全軍で3,132輌だから、全体の7.76%)が配備されていた。生産にはルノー社をはじめとする6社が関わった。

フランス侵攻ではその装甲防御力を生かし、いくつかの反撃戦闘ではドイツ軍を恐慌状態に陥らせている。ただし、前述のような指揮運用上の欠点と、フランス軍首脳部自体に戦車の集中・機甲運用の考えが無かったこともあり、本車も各地にばらばらに分散配置され、各個に撃破されていった。その後、ドイツ軍に捕獲された本車の中には「シャールB2」として75mm砲を火炎放射器に換装、歩兵支援用の火炎放射戦車として使われたものがある。

幻の改良型 ルノーB1ter

さらにフランス軍では1935年から“B1ter”と呼ばれる改良型を企画していた。これは装甲厚を最大70mmまで強化し、さらに避弾経始を考慮し傾斜装甲にするものであった。エンジンはさらに高出力になり、予定では出力400hpの液冷ガソリン・エンジンだったが、実際に試作車に搭載されたのは出力310hpの液冷ガソリンエンジンだった。また、車体前面に搭載された75mm戦車砲SA35は左右に限定旋回できるようになり、変速機もより全長の短いものを採用することで、戦闘室がより広くなった。しかし本車は試作段階止まりで結局実用化はされず、幻に終わった。

性能諸元

全長 6.38 m
全幅 2.49 m
全高 2.81 m
重量 30 t
    32 t(bis)
懸架方式 縦置きコイルスプリング方式
速度 27.6 km/h
行動距離 150 km
主砲 17口径75mm戦車砲SA35(74発)
副武装 30口径47mm戦車砲SA34(50発)
    7.5mm機関銃M1931×2(5,100発)
    32口径47mm戦車砲SA35(50発)
    7.5mm機関銃M1931×2(5,100発)
    (bis)
装甲 最大40 mm
    最大60 mm(bis)
エンジン 4ストローク直列6気筒
    液冷ガソリンエンジン
    180 hp
    300 hp(bis)
乗員 4 名

さらに詳しく → ルノーB1



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タグ : フランス 第二次世界大戦 ルノーB1 シャールB1 重戦車

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