M113装甲兵員輸送車 (M113 armored personnel carrier)

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2010/11/30(火)
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M113装甲兵員輸送車は、アメリカ合衆国やその他各国で広く使用されている装甲兵員輸送車である。履帯を装備し、不整地・荒地の走破能力が高くなっている。整地では高速走行も可能である。また、限定的ではあるものの、沼や小川などでの浮行能力を備えている。

M113には多数の改造型・派生形が存在し、さまざまな戦闘や援護作戦に使用された。全ての派生形を含めると、おそらく80,000輌以上が製造され、世界中でもっとも幅広く使用された装甲車の一つとなった。

歴史

M113は、M59とM75を設計の基礎として、フォードとKaiser Aluminium and Chemical Co.により1950年代後半から設計が開始され、1960年に採用された。製造の主契約者は、カリフォルニア州サンノゼのフード・マシナリー・コーポレーション (FMC) となり、イタリアのOTO メララ社ほか各社の特許ライセンスを用いている。その後、M113の主契約はユナイテッド・ディフェンス (UDI) と結ばれたが、買収された現在は、BAE システムズ・ランド・アンド・アーマメンツが製造している。特にベトナム戦争で多用され、メディアにも多く登場して有名となった。湾岸・イラク戦争でも活躍している。

設計

M113は、アメリカ軍で最初の「戦場のタクシー Battle Taxi」の概念のもと、機械化されつつあった戦場に兵員を輸送する近代的な装甲車として設計された。2名(車長と操縦手)で運用でき、加えて11名の兵員を輸送することができる。後部には大型の昇降ランプが設けられ、兵員の迅速な降車展開を可能にしている。主兵装はシンプルで、車長キューポラに搭載された12.7mm重機関銃M2である。副兵装は、作戦に応じて柔軟に決定される。

M113の車体は、鉄鋼を使用した時と同じ程度の強度を持つ、航空グレードのアルミニウム(12 - 38mm厚)を使用して製造されており、13トン以下という大幅な軽量化に寄与している。これにより空中投下や水上浮行も可能である。ただしこのアルミニウム合金装甲はRPG-7などの対戦車兵器や地雷に対する脆弱性が明らかになっており、増加装甲などの対策が取られている場合が多い。

当初はガソリンエンジン搭載であったが、A1モデルからはデトロイト・2ストローク6気筒ディーゼルエンジンを使用している。同エンジンは既にGM社の民生車輌用に74万台の生産実績があり、M113の高信頼性と低コストに貢献している。燃料タンクは車内後部左側にあり、A2/A3型は後部ランプ左右に外部燃料タンクを装備している。

M113の航続距離は480km、整地での最大速度は64km/h、トーションバー・サスペンションで、ロードホイールは5輪となっている。履帯は中央にゴムパッドの付いたタイプになっており、またドイツ陸軍は独自の形状の履帯を使用している。

基本バリエーション

M113A1
1963年に制式化。ガソリンエンジンから、デトロイト・ディーゼル社製ディーゼルエンジンに換装された。

M113A2
1979年に制式化。冷却システムとサスペンションを改良し、転輪のトラベル長を増大した。

M113A3
Enhanced (battlefiled) survival
1987年。多数の改良が加えられている。サスペンションに破片防護ライナーが付き、装甲された外部燃料タンクが付き、ターボチャージャー装備エンジンによる出力強化とトランスミッション改良が施され、さらにオプションで後付けアルミ装甲板の取り付けが可能となった。

改修

アルミニウムの装甲は、銃弾等が燃料タンクを破損した際に反応し、劇的な破壊をもたらしたが、概してM113の装甲は合理的かつ効果的で、増加装甲型ハンヴィーよりも良好に防御できた。

ハンヴィーやストライカー装甲車と異なり、M113は破壊された自動車などを乗り越えることができる。ソマリアでの実話をもとにした「ブラックホーク・ダウン」では、ハンヴィーに分乗した米兵が、最終的にパキスタン軍のM48とM113などに援護された。

M113は信頼性の高い軽量装甲を採用したが、後に実戦を経るに従い、増加装甲が施されている。たとえば爆発反応装甲、増加装甲板、RPG-7対策のかご型装甲など。

このような現地改造対策は、ベトナム戦争や中東戦争で効果を発揮した、据え付け機関銃への装甲板取り付け現地改造を連想させる。バンド式履帯は高頻度のメンテナンスを要求するため、カナダ軍など多くの軍隊では、道路にダメージを与えるにもかかわらず、鋼製の履帯を使用している。

ベトナム戦争中は地雷による被害が多く、車内床面に土嚢を積む等の対策が取られた。また兵士達は車内で地雷の被害に遭うよりは車体上に乗って装甲の外に身を晒す方を選んだ。また他のケースでは、操縦手は高い位置に座って延長したハンドルで操縦し、兵士達はほとんど車外に出ていた。

多くのM113が現役で稼働しており、アップグレード改修を受けている。M2ブラッドレー歩兵戦闘車など近代の戦闘装甲車はその重量のためにC-130輸送機での空輸が困難であり、よって戦場から基地へ帰還するのは、M2よりもM113の方が早い場合もある。

ソ連から独立したウクライナでは、西側製の兵器の近代化改修案もいくつか提示している。M113についてはウクライナ国内で開発した武装モジュール「ZTM-1」を搭載する改修案が作成されている。これは自動制御の30 mm機関砲システムで、国産の装甲車MT-LBやBTR-4などへの搭載が検討されているものと同一である。

この他、防御システムとしてT-80やT-90などにも搭載されている「トゥチャー」が装備される。また、動力系も刷新されることになっており、ウクライナ製の新しいディーゼルエンジンが搭載される。改修作業の窓口はO・O・モローゾウ記念ハルキウ機械製造設計局で受け持っている。

基礎データ

全長 4.86 m
全幅 2.69 m
全高 2.5 m
重量 12.3 t
乗員数 2名 + 兵員11名収容

装甲・武装

装甲 12 - 38 mm
主武装 12.7mm重機関銃M2×1
副武装 各種(本文参照)

機動力

速度 64 km/h
エンジン デトロイト・ディーゼル6V-53
      2ストロークディーゼル
      液冷V型6気筒
      275 hp
懸架・駆動 トーションバー式
行動距離 480 km
出力重量比 22.3 hp/t

さらに詳しく → M113装甲兵員輸送車



1/35 MM M113A2デザートワゴン 352651/35 MM M113A2デザートワゴン 35265
(2003/08/27)
タミヤ

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タグ : M113 装甲兵員輸送車 APC

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