予備自衛官制度

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2010/12/01(水)
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予備自衛官(よびじえいかん英:Reserve Self-Defense Official)とは、自衛隊が予備要員として任用している非常勤の自衛官のことまたその官名。特に予備自衛官の官職または官職にある者をいう。

概要

予備自衛官とは常に維持する常備自衛官の人数を抑え、必要な時だけ効果的に増員するための制度またはその任にある自衛隊員の官職及びその職にある者のことをいう。身分は非常勤の防衛省職員(非常勤の特別職国家公務員)・自衛隊員である。各地方協力本部が管理する。予備自衛官を以って官名とする。自衛官を退官した者、予備自衛官補の教育訓練を終了した者より任官させる。予備自衛官補の課程を修了して予備自衛官に任官した者を公募予備自衛官という。即応予備自衛官、予備自衛官補と合わせて予備自衛官等という。

予備自衛官制度の発足は、1954年(昭和29年)であり、2004年(平成16年)には予備自衛官50周年を迎え、予備自衛官50周年記念中央訓練や記念祝賀会、日米予備役懇談会などが挙行された。採用の推移としては、1961年(昭和36年)に幹部自衛官たる予備自衛官がはじめて採用されるようになり、尉官が10名程度採用された。また、女性予備自衛官については、予備自衛官制度発足時より看護士などの職種で募集されその要員が年々増加傾向にあった。一般の女性予備自衛官としては、1995年(平成7年)に募集され、2004年時点で約1100にのぼるとされ、その後も序々に増加している。

2002年(平成14年)には、佐官の予備自衛官も採用されるようになっている。2008年現在で現役24.1万人に対して5. 9万人の予備自衛官が登録されている。対して各国の軍では一般に予備役の方が現役より多く、同数から十数倍を擁する。自衛隊が全志願制である事を勘案しても少ない割合といえる。

予備自衛官の処遇及び身分保障

予備自衛官の処遇は、訓練応招に応じて1日8100円、その他に毎月4000円の支給がある。但し、予備自衛官の訓練期間に定められている訓練日数を満たさずにいる場合、給与は停止し、再び訓練に応じるまで据え置きとされる。精勤者には、勤続年数に応じた表彰がある。

予備自衛官は前述のように元自衛官及び予備自衛官補招集教育訓練修了者により編成され、日常は他職業ないし学業などについている存在である。そのため、如何に勤勉な予備自衛官であっても、訓練に応ずるのは周囲の理解や協力を要する。

特に被雇用者である予備自衛官は雇用者・上司からの了解と欠勤中の業務を同僚に委ねざるを得ない面もあり、そのため、予備自衛官は本業との兼ね合いにおいて、不利益を蒙りやすい立場にある。そのため、自衛隊法第73条では、

「何人も、被用者を求め、又は求職者の採否を決定する場合においては、予備自衛官である者に対し、その予備自衛官であることを理由として不利益な取扱をしてはならない。」

同条の 2において、

「すべて使用者は、被用者が予備自衛官であること又は予備自衛官になろうとしたことを理由として、その者を解雇し、その他これに対して不利益な取扱をしてはならない。」

と定めている。しかし、これは罰則規定がないため、身分保障としての実効性は薄いとも指摘される。これは、同じ制度である即応予備自衛官や予備自衛官補でも共通した課題であるとされる。

また、予算計上の順位は低く、予算を別な行事や訓練等に利用される事により、地域や訓練部隊によっては予算不足の為に出頭訓練参加を断られたり、分割出頭を認められなかったり、実弾射撃訓練を中止する事がある。主に観閲(観艦)式のある年は顕著に表れる。

予備自衛官制度の変遷

予備自衛官は1954年(昭和29年)防衛庁長官 木村篤太郎の下、陸上自衛隊において予備自衛官制度が創設された官職である。当初、退職した自衛官を対象として15000人の予備自衛官の任用が図られた。有事に不足する常備自衛官の員数を補うことが同制度の目的であり、平時は民間にて就労する元自衛官を予備自衛官とし、1任期を3年、必要な防衛出動に招集する義務を付与することが定められた。1970年(昭和45年)には海上自衛隊にて、1986年(昭和61年)には航空自衛隊においても予備自衛官制度が導入されて今日に至っている。

予備自衛官の身分は非常勤の特別職国家公務員であり、任官者には予備自衛官手当・訓練招集手当がある。予備自衛官は陸海空の三自衛隊において運用の仕方が異なり、特に陸上自衛隊においては予備自衛官より即応予備自衛官、予備自衛官補という採用区分が派生している。今日では自衛官勤務一年以上の勤務者で退官後1年未満の者、予備自衛官補の招集教育訓練を満了した者を対象として採用される。

本項冒頭にも前述した通り、予備自衛官に任官された者は普段は社会人として働きながら、防衛招集命令、災害招集命令、国民保護等招集命令により招集された場合、出頭した日をもって自衛官となり活動する。一定の練度を維持するため、訓練招集命令により出頭し、年間一定期間(5日)の訓練を受ける。普段は社会人として一般企業に勤務しているため、訓練に参加しやすくするために分割出頭が認められているなどの措置がとられている。

しかし、予備自衛官の訓練は法律上、20日間実施が可能とされるが、本業との兼ね合いが困難となっていることから、年間5日間とされているのであり、本来予備自衛官として必要な錬度を確保することは難しい状況にある。そこで、1997年(平成7年)には陸上自衛隊が年間30日の招集教育訓練に応ずる義務を有する即応予備自衛官の官職を創設し、常備自衛官の退職者ならびに予備自衛官より選考された者を任用して、有事に即応し、かつ一定の錬度を有する人員の確保策が図られるようになった。

このように予備自衛官は、陸上自衛隊を皮切りに陸海空すべての自衛隊にて任用され、さらに陸上自衛隊では即応予備自衛官の任用をはじめるなど、二重三重の予備人員の練成・確保策を推進してきた。しかし、予備自衛官の員数は年々減少し、退職した自衛官に限定した員数の獲得が困難となったこともあり、自衛隊において勤務経験のない一般国民を対象として予備自衛官補の採用をはじめ、2001年以降より一定の招集教育訓練を修了した者を予備自衛官とする制度が発足し、これまでの予備自衛官制度を大きく転換・改善する取り組みがはじまりつつある。

特に、予備自衛官補制度の新設を通じて、予備自衛官の任用の対象を一般国民にまで拡げたことは、予備自衛官等制度発足した1950年代と比較すると、きわめて画期的なことであった。自衛隊が発足して間もない1955年にも一度、防衛庁長官 砂田重政により高等学校・大学等の卒業生を対象に10ヶ月ないし一年間、自衛隊の学校に入校させ、予備幹部自衛官とする構想が発表されたが、政策が政府の公的な見解や手続きに基づいたものではなく個人的な見解によるものであり、かつ戦後間もない社会情勢の中で自衛隊に対する警戒や懸念が強かったこともあり、頓挫し防衛庁長官が罷免に追い込まれる事態に発展したことがあった(なお、砂田の罷免は予備幹部自衛官制度の提言のみならず、地域社会に郷土防衛隊なる民間防衛組織をつくり、主に地域の青少年に民間防衛の役割を担わせる郷土防衛隊構想を掲げ、一連の提言が世論の批判や懸念を招き罷免となっている)。

しかし、1990年代以降に入ると、冷戦の崩壊やテロリズムの拡大、災害の大規模化、北朝鮮による日本人拉致問題が明らかになり、日本国民の間にも安全保障上の懸念が強まる中で自衛隊に対する国民の信頼や期待が高まってきた。このような国際情勢の中ではじまった予備自衛官補制度の発足は、若年者を中心に定員を大きく超える応募者が募りつつあり、予備自衛官等制度の一翼として定着しつつある。このように、今後も安全保障環境の変化の中で、予備自衛官等制度に対する期待も寄せられつつあり、予備自衛官をはじめとした予備要員の適性な人員の獲得と能力の向上、またそのために予備自衛官等制度に対する国民の理解を得ることが当該制度の定着を図る上での課題となっている。

* 特記事項:予備自衛官は防衛招集時、即応予備自衛官が一線で活動することを期待されているのに対して、予備自衛官は後方警備、後方支援、基地警備などに当たることになっている。ただし、必要に応じて適性のある隊員から、第一線部隊の増員として補充されることも期待されている。

予備自衛官の階級

通常、自衛官の階級は陸将、海将、空将以下三等陸士、三等海士、三等空士までの17階級であるが、予備自衛官の階級は13階級から構成される。予備自衛官の階級においてはそれぞれ通常の自衛官の階級の上に予備と冠することとされ、予備二等陸佐、予備二等海佐、予備二等空佐を最高位とし、予備二等陸士、予備二等海士、予備二等空士を以って階級第13位として定められている(主に自衛隊生徒を以って充てられていた三等陸士、三等海士、三等空士は予備自衛官の階級には含まれない)。

さらに詳しく → 予備自衛官
外部リンク → 陸上自衛隊 - 予備自衛官制度解説ページ



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(2010/08)
岡田 真理

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