カルカノ M1891 (Carcano Model 1891)

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2010/10/26(火)
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カルカノM1891またはM91は、1891年にイタリア王国で採用されたボルトアクションライフルである。

概要

リムレスの6.5 mm×52 マンリッヘル-カルカノ弾 Modello 1895を使用する、カルカノM1891(Modello 91、M91)は、1890年にトリノ陸軍工廠の主任設計者サルバトーレ・カルカノによって開発され、それより前の世代の、10.35 mm×47R弾を使用する単発式ボルトアクションライフルである、ベッテルリ(Vetterli)M1870小銃および騎兵銃を、次々と置き換えていった。M1891は1892年から1945年まで生産された。

M1891には小銃型と騎兵銃型があった。M1891は第一次世界大戦中のイタリア軍と、第二次世界大戦中のイタリア軍とドイツ軍で使われた。そして戦後に再び、シリア、チュニジア、アルジェリアなどの国々の様々な紛争でも、正規軍・非正規軍問わず使われた。日本でもM1891を原型とし、6.5 mm×50SR弾に使用弾薬を変更したイ式小銃を、昭和13年(1938年)にイタリアから約60,000挺輸入して、海軍陸戦隊で使用した。

歴史

この小銃はしばしば、(特にアメリカの用語で)「マンリッヘル-カルカノ(Mannlicher-Carcano)」、または「モーゼル-パラビシーノ(Mauser-Parravicino)」と呼ばれるが、どちらも正式な名称ではない。イタリアでの制式名はシンプルに「M1891」もしくは「M91」(イル・ノヴァントゥーノ il novantuno)である。

その小銃の名は慣用的に、本来はフェルディナント・リッター・フォン・マンリッヒャーの特許に基づき発展したエンブロック式クリップ(挿弾子)を使用する弾倉機構による。しかしカルカノ小銃のクリップの実際の形状と設計はドイツのGew88の派生型である。

1938年まで、全てのM1891小銃と騎兵銃は、6.5 mm×52弾 Modello 1895(リムレス、円頭弾、金属製薬莢、弾丸重量160グレイン、初速約2000~2400 ft/s(初速は銃身の長さによる))を使用していた。

イタリアの北アフリカでの戦役(1924~1934)と第二次エチオピア戦争(1934)の間の、短距離と長距離の射程の両方での、不十分な性能の報告の後で、1938年にイタリア陸軍は7.35 mm×51弾を使用する新しい短銃身の、「M1938」小銃(Modello 1938)を導入した。わずかな口径の増大に加えて、イタリアの銃砲設計者は新しい実包に尖頭弾を採用した。弾丸の先端にはアルミニウムが詰まっており、軟組織に着弾した時に、弾丸が不安定に転倒し、対象を内側から大きく破壊した。その設計はほとんど.303ブリティッシュ弾 Mk.7の模倣のようであった。

しかしイタリア政府は開戦前に、適切な量の新兵器を首尾よく大量生産できなかった。そして1940年に全てのライフルと弾薬の生産が口径6.5 mmに逆戻りしたにもかかわらず、口径7.35 mmのM1938小銃もしくは騎兵銃は決して古い6.5 mmへ銃身の交換をされなかった。ロシア戦線で活動するいくつかのイタリア部隊は、7.35 mmのM1938小銃で武装していたが、それらも1942年には6.5 mm装備に交換された。

1941年に、イタリア軍はもう一度、オリジナルのM1891小銃よりわずかに短い、「M91/41」小銃と呼ばれる、長銃身の歩兵銃に戻った。専用の狙撃銃型は存在しなかったが、第一次世界大戦では、いくつかのライフルがスコープと共に狙撃任務のために支給された。第二次世界大戦では(厳密に言えばプロトタイプだが)狙撃銃はあった。

1980年代以来、ドイツの7.92 mm×57 モーゼルsS ヘビーフルメタルジャケット弾を装填する「M91/38 TS」騎兵銃(特殊部隊用の騎兵銃)が多く余剰市場に現れている。M91/38 TS騎兵銃のわずかな2群は、1938と1941と刻印された銃身を示している。しかしそれらはその時期に、どのようなイタリア軍によっても使われなかった。

そして、それらに独特のシリアルナンバーは、それらが1945年より後に、他の物と共に、未使用の余剰銃身をくり抜いて口径を拡大され、7.92 mm仕様に改造された物かもしれないことを暗示している。第二次世界大戦後に、多くの7.92 mm仕様のカルカノ騎兵銃がエジプトに輸出され、そこでそれらは演習と訓練用の騎兵銃として使われたようである。また、数挺にはイスラエル軍の刻印が付いている。時折使用されたこれらの7.92 mmに改造されたライフルのための形式のあだ名である、「Modello 1943(M43)」は、それらがイタリア軍によって決してそのように指定されなかったので、間違いである。

ドイツ軍は1943年9月のイタリア降伏後に、大量のカルカノ小銃を鹵獲した。それらは1944年末から1945年にかけての、国民突撃隊の主要小銃となった。

第二次世界大戦後、イタリアはカルカノ小銃を、先ずイギリス製リー・エンフィールド小銃に、そして次に口径7.62 mmのアメリカ製M1ガーランド半自動小銃(イタリア名M52)に置き換えた。さらにフィンランドも残った大量のカルカノM1938の全てを余剰市場で売却したので、結果として、1950年代初めに大量の余剰カルカノ小銃がアメリカとカナダに売却された。

イタリアでは国家警察(Polizia di Stato)が、カルカノ小銃を1981年に退役させるまで留め置いた。戦後のギリシア軍では、鹵獲された6.5 mm仕様のカルカノ小銃が使用された。弾薬はU.S.ウェスタン実包会社が供給した。オリジナルの6.5 mm×52 Modello1895 カルカノ弾は、第一次世界大戦時のフィアット レベリM1914重機関銃や、第二次世界大戦時のブレダM30軽機関銃にも使われた。

1935年に8 mm×59RB ブレダ弾がいくつかのイタリア製重機関銃(フィアット レベリM1935重機関銃、ブレダM37重機関銃、ブレダM38車載重機関銃)用に採用された。その長射程と大重量投射体は、戦闘において、特に車輌部隊相手に、よりいっそう効果的だと判明した。

派生型

* M1891歩兵銃 (6.5 mm、1891年採用)
* M1891騎兵銃 (6.5 mm、折りたたみ式銃剣付き、1893年採用)
* M1891TS騎兵銃 (6.5 mm、特殊部隊用、1897年採用)
* M91/24騎兵銃 (6.5 mm、1924年採用)
* M91/28TS騎兵銃 (6.5 mm、特殊部隊用、1928年採用)
* M91/28TS騎兵銃 38.5 mmグレネードランチャー装備型 (6.5 mm、特殊部隊用)
* M1938短小銃 (7.35 mm、1938年採用)
* M91/38短小銃 (6.5 mm、1940年以降)
* M91/41長歩兵銃 (6.5 mm、1941年採用)

仕様

種別 軍用小銃
口径 6.5 mm
銃身長 780 mm
ライフリング 4条右回り
使用弾薬 6.5 mm×52 マンリッヘル-カルカノ弾
装弾数 6 発
作動方式 ボルトアクション方式
全長 1,295 mm
重量 3,8 kg(空弾倉状態)
銃口初速 700 m/秒

さらに詳しく → カルカノM1891



イタリアの歴史 (ケンブリッジ版世界各国史)イタリアの歴史 (ケンブリッジ版世界各国史)
(2005/06)
クリストファー ダガン

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