スホーイ Su-27 フランカー (Sukhoi Su-27 Flanker、Су-27)

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2010/08/23(月)
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Su-27スホーイ27、スホイ27;ロシア語:Су-27スー・ドヴァーッツァチ・スィェーミ)は、ソビエト連邦で設計・製造された戦闘機である。現在でもロシアを中心とする旧ソ連諸国や第三世界で使用され、極めて強力な格闘性能、長大な航続距離を有する。ロシアでは、非公式な愛称として「鶴」の指小語である「ジュラーヴリク」(Журавлик) を用いている。

Su-27は「フランカー」(英語:Flanker:ラグビーやアメリカンフットボールのポジションの一つ)という名称でも呼ばれるが、これは北大西洋条約機構 (NATO) のつけたNATOコードネームである。ただし、近年ではロシアでも対外的にこの名称を用いている場合がある。

開発までの経緯

1960年代の終わり、ソ連防空軍は新たなる防空戦闘機の開発を計画した。想定敵である西側諸国、特にアメリカ合衆国とイギリスの保有する超音速/遷音速長距離爆撃機、及び開発中と見られるXB-70新型超音速爆撃機に対しては既にMiG-25の配備とその後継機MiG-31の開発が進められていたが、アメリカがMiG-25に対抗するものとしての新型戦闘機の開発を進めていることから、ソ連空軍/防空軍としてもそれらに対抗しうる新型防空戦闘機の開発は急務とされていた。

従来、防空軍にとっての「迎撃戦闘機」とは、敵機の侵入空域にいち早く急行するための大出力エンジンによる高速飛行能力と、大型の戦略爆撃機を極力遠距離で撃墜するための長距離対空誘導ロケット[2]とその火器管制装置の搭載能力、更に広大な国土(=防空空域)を持つことから長大な航続距離が必要とされるため、大出力エンジンによる高速能力の発揮(莫大な燃料を消費する)と航続能力を両立させるために、大きな燃料搭載量、それも極力高速飛行性能と兵装搭載能力を阻害しないために、機外に増槽として搭載するのではなく可能な限り全てを機内搭載することが求められるものであった。これらの要求は必然的に機体の大型化を招き、それまで完成した迎撃戦闘機はどれも長射程の空対空ミサイルを装備して超音速で飛行すること以外の能力を殆ど持たない「対爆撃機迎撃専用機」として開発・配備されることになった。

しかし、アメリカ空軍が空中給油の技術を完成させて小型の戦闘機に対する空中給油を可能にしたことは、長距離戦略爆撃機にも戦闘機の護衛が付くことを意味し、またベトナム戦争の戦訓から、領海に接近した空母機動部隊(現 空母打撃群)の搭載機による対地攻撃が大きな脅威となることが認識されると、防空戦闘機であっても爆撃機以外との空中戦が発生することが想定され、爆撃機のみを対象とした機動性能の低い「対爆撃機迎撃機」では機動性能で勝る戦闘機に対して大きく劣ることになる、と判断された。そのため、新型防空戦闘機の開発に当たっては、従来の「高速性能」「航続能力」「長射程対空兵装の運用能力」「多弾数搭載能力」に加えて「敵戦闘機と充分な機動戦闘が行える空中機動性能」が求められることとなり、この要求に基づいてスホーイ設計局に設計開発が命じられた。

開発

当局の命令に応じ、スホーイ設計局ではTsAGI(中央流体力学研究所)の研究結果を基に、流体工学的に優れているとされる機体形状を追求した機体の設計を進めた。提出された案は当局の認可を得て正式に「T-10」の設計局内名称が与えられ、試作機の製作が行われた。

T-10は“オージー翼”と呼ばれる緩やかな曲線を描いた後退翼の主翼を持つ、ソビエトの実用戦闘機としては初のフライ・バイ・ワイヤによる機体制御を実装した機体として完成し、1977年5月20日にはウラジミール・イリューシンの操縦により初飛行し、各種の飛行テストが進められた。しかし、飛行の結果は空中安定性が激しく不安定で、機体制御を司る電子機器の信頼性が低いことも伴い、操縦安定性が極めて低い危険なものであった。1978年には試作2号機であるT-10-2が完成し更なる飛行試験が続けられたが、T-10-2は超音速飛行試験中に主翼の空中分解事故を起こして墜落、パイロットのイブゲニー・ソロビヨフが死亡するという大事故を発生させている。

この事故を受けてT-10の設計は根本から見直されることになり、特徴であったオージー翼を直線形状の後退翼に変更したことを始めとして機体のほぼすべての箇所に設計の見直しが行われ、これらの設計改良が行われた試作7号機よりは名称も「T-10S」と改称された。T-10Sの完成により飛行性能は大幅に改善され、満足する性能を実現したとしてソビエト防空軍及び空軍への導入が決定、「Су-27」の制式名称が与えられて量産が開始され、1989年から配備が開始された。

性能と特徴

Su-27の最大の特徴は、高い機動性である。機動性の高さを示す例としてはコブラがよく話題にあがる。コブラは水平飛行しているところから高度を変えることなく急激に機首を上げ失速寸前まで速度を落とす機動で、1989年のパリ航空ショーでテストパイロットのヴィークトル・プガチョーフの手によって初めて西側諸国の前で行われ、注目を浴びた。

発展型であるSu-35では旋回中にコブラを行うフックを、更にその発展型であるSu-37では高度を変えることなく1回転するクルビットを行うことが可能である。クルビットが出来るのは推力偏向エンジンを持つおかげだと思われているが、回転半径こそ大きくなってしまうもののSu-30MKMでも可能である。

また、Su-27は長大な航続距離とミサイル搭載能力も持ち合わせている。機内燃料のみでミサイルを10t近く搭載し、4,000km近く飛行を行うことが可能である。ミサイル搭載能力については、中距離空対空ミサイルであるR-27を8発搭載でき、加えて短距離空対空ミサイルを4発搭載することが可能である。なお、Su-27の発展型の機体が搭載する射程延長型のR-27EMは約110 kmの射程を持つとされる。また、最新型のR-77は約90kmの射程とされている。

Su-27の他の特徴として、IRST、レーザー測距装置やヘッドマウントディスプレイ(HMD)があげられる。

* IRSTはUOMS製OPES-27と言う赤外線を探知する装置で、最大で約50km先の目標まで探知することができる。レーダーは電波を探知されるのを防ぐため運用にある程度の制約がつくが、電波などの放出がないIRSTは、探知される危険性がないため運用の制限はない。一部ではこの機能によって『F-22が撃墜できるのではないか?』という推論もあるが、F-22は赤外線放出の減少も図られているため探知は困難とも考えられている。

* レーザー測距装置は敵機との距離を測定する装置。上述したIRSTでわかるのは敵機の方向のみで距離がわからないため、レーザー測距装置で敵機との距離を測定する。レーザー測距装置は約18km程度までしか使用できないが、編隊内のデータリンクにより、他の機体で測定した距離と自機で測定した距離、自機と他の機体との位置関係を利用した三角測量で放射源との距離を算出できる。

* HMDは従来のヘッドアップディスプレイ (HUD) とは違い、ヘルメットに直接映像を映し出すシステムで、Su-27では頭の動きとHMDがリンクし、レーダーの探知範囲から外れている航空機をロックオン、攻撃することも出来る。

高い機体性能をもつSu-27だが、アビオニクスは西側と比べ全体的に劣っている。Su-27に搭載されているレーダーは、探知距離はNATOのものと比べてそれほど劣らないものの、複数目標の同時ロックオンが出来ないなど他の面でかなり劣る部分があった。だが、発展型ではレーダーの換装が行われており、例えば初期型のSu-27は1目標ロックオンのジューク27 N001を装備しているが、中華人民共和国に輸出されたSu-30MKKの初期型は2目標ロックオンが可能となっており、インド向けや中国向け後期型は24目標探知8目標追尾が可能なジュークPH N011を装備し、対地レーダーモードも地図を作り出すSARモードや動目標探知のGMTモードが追加・強化され地形追随レーダーモードが可能との事である。

発展型の開発

Su-27は多くの発展型が開発・配備されてきた。冷戦後の軍縮とロシアの財政逼迫により、本来は輸出されなかったであろう国内向けの機体や新型機がソ連諸国から海外に売却されており、Su-27も各国に輸出されている。そのため、国内向けの機体よりも輸出向けの機体の開発が先行するというソ連時代では考えられなかった状態が続き、Su-30やSu-33等一部の新型機が国内向けに配備されているものの、生産された新型機の多くは海外へ輸出されており、その国内配備数はごく少数に留まっている。

近年になって、ようやく国内向け主力機となるSu-27の発展型であるSu-27SMが配備され始めた。Su-27SMは、これまで運用してきたロシア空軍のSu-27に寿命中近代化 (MLU) 改修を施した機体で、輸出型として開発開始されたSu-35や、やはり海外向けに公開されていた試験機のSu-37をもとに開発されたものである。単座の戦闘機型であるSu-27SMは、複座の戦闘爆撃機型であるSu-30MKよりも空中戦能力に優れる。レーダーも、より新しく探知距離の長い大型のものが装備されている。また、Su-30MKIなどと同様、推力偏向システムも装備するとされる。ロシア空軍の展示飛行チームのひとつである、「ルースキエ・ヴィーチャズィ」に配備された機体が、2005年に初めて公開された。

同機の複座の練習戦闘機型であるSu-27UBMは、空中給油プローブのないSu-30KNに基づいて開発されたSu-27UBのマルチロール改修型である。また、ベラルーシで先行配備されている同種のSu-27UBM1は、イルクーツク航空製造連合の開発したロシア空軍向けのSu-27UBMの派生型となる機体である。今後ロシア空軍に配備されるのもベラルーシのSu-27UBM1に準じた機体となるようである。

現在最も注目を集めているSu-27の発展型のひとつが、インド空軍に配備されているSu-30MKIである。同型は推力偏向システムを備えた初めての実用機として知られている。初期の機体はロシア製のものだが、以降はインド国内でライセンス生産を行う予定となっており、このことがインドの航空産業の発展に大きく寄与することは間違いない。Su-30MKIの開発が遅れたため、インドには以前より Su-30Kが配備されているが、今後これらの機体はSu-30KN仕様に改修され、ベラルーシへ輸出される予定である。

中華人民共和国には、輸出を睨んで開発されたSu-27Sのダウングレード型(いわゆるモンキーモデル、ただしレーダーはオリジナルのSu-27が限定的なTWS能力しか持たなかったのに対し、10目標の同時追跡、2目標の同時攻撃が可能なN001 Zhuk-VEに強化されている。)である、Su-27SK/UBKが配備されており、また国内で百機弱程がライセンス生産の殲撃11型 (J-11) として配備されている。この型は対地攻撃能力が追加されたが、非誘導兵器のみの搭載が可能となっている、アビオニクスに関してはガルデーニヤECCM(Electric Counter Counter Measure:対電子妨害対抗手段)を中核とするLTTS統合防御システムが追加装備されており、これはF-15EのTEWS(内蔵型戦術電子戦システム)であるAN/ALQ-135と同等の能力を発揮するとも言われている。

また、Su-30MKKが76機空軍に、MKK2が24機海軍に輸入され配備された。これはSu-35の垂直尾翼を装備しているが、Su-30MKIとは違い推力偏向システムは装備していない事に加え、対艦攻撃能力が削除された。但し搭載レーダーは8目標同時攻撃可能なジュークPH N011という情報もある。Su-30MKKが現時点で最も高性能な攻撃能力を持つSu-27の発展型とされており同機の実戦配備により、中華人民共和国は初めて台湾(中華民国)全土への有効な航空攻撃手段を手に入れたことになった。また、Su-27の艦載機型であるSu-33を同国が50機購入する計画、あるいはJ-11を元にした艦載型の開発が検討されているとみられており、将来同国が航空母艦を運用する際には搭載されることになると思われる。

インドネシアには、以前よりSu-27やSu-30の輸出契約が結ばれては、経済危機や同国の政権交代のたびにキャンセルされるという状態が続いていたが、2005年現在Su-27SとSu-30MKと同様の規格と思われる機体がそれぞれ2機ずつ納入された。同国では旧式化したF-16Aなどを代替する機体を必要としており、また国内ゲリラ組織への対地攻撃機の需要もあることから、またもや別の理由でキャンセルが発生しない限りは、今後Su-30等が増備されていくと思われる。

ベラルーシ空軍及び防空軍では、従来より保有するSu-27を近代化改修する計画を進めている。すでに数機のSu-27UBがSu-27UBM1にアップグレードして配備されており、インド空軍で使用されていたSu-30Kも同様の仕様のSu-30KNに改修され、ベラルーシ空軍及び防空軍に配備される予定である。同国では、今後さらにアップグレード機が増備されていく予定である。

メキシコでは、同国の沿岸権益を守るためとして海軍にSu-27とSu-27UBを配備することを決定した。しかし、後にアメリカの圧力を受けて撤回された。ベネズエラでは、Su-30MK2を配備し、従来より使用してきたF-16A/Bをイランへ輸出すると発表している。なお、Su-30MKの派生型は今後マレーシアやタイ王国、アルジェリアなどにも配備される予定であり、同シリーズは現在最も販売が順調なロシア製戦闘機となっている。また、Su-27シリーズに対するメンテナンスや小規模な近代改修は、ロシアのほかウクライナやベラルーシでも行われている。

ライバルとの比較

Su-27は、F-15やF-14などの当時の新鋭戦闘機に対抗して作られた戦闘機であるため、それらと比べられることが多い。まず、初期型のSu-27は現在の空中戦の勝敗を決定する上で最も重要なレーダーなど電子機器全般の性能や信頼性が、アクティブ式フェーズドアレイレーダー(AESAレーダー)であるAN/APG-63(V)2以降を搭載したF-15に比べて圧倒的に低く、またF-15は早期警戒管制機 (AWACS) など後方支援を担当するシステムとの連携がSu-27に比べて優れている。ただ、広大なロシアやソ連の国土を効率的に防衛するため、Su-27各型はF-15等アメリカ製の戦闘機が搭載するAIM-120空対空ミサイルなどよりも射程が長いR-27空対空ミサイルを装備しており、もし単機同士が向かい合って、電子的な妨害が無い状態で戦闘を行う場合を想定すると(そのような戦闘は現代ではまずありえないが)、ロシア製戦闘機の方が有利であるとアメリカ軍の当局者も認めている。また、ロシア空軍向け近代化改修型のSu-27SMは新型のR-77空対空ミサイルを搭載するとされている。

なお、アメリカがシミュレーションでSu-30(Su-27の発展型で、複座の戦闘爆撃機型)とF-15Cの1対1での空戦を行ったところ、ある一定の状況に追い込んだ場合確実にSu-30が勝利するという結果が出た。ただしこれはF-22の予算を獲得するためSu-30をわざと勝たせたとの説もあり、やや信頼性に欠ける。

1992年にロシアのSu-27部隊がラングレー空軍基地を親善訪問した際、模擬空戦でSu-27がF-15Cに勝利したという情報もあったが、それは虚偽であるとの情報もあり確かではない。

また、Su-27は同時期に開発されたMiG-29と比較されることも多いが、スホーイ設計局では広大な国土を防空する用途として長い航続距離と高い積載能力をコンセプトに、対してミコヤン設計局では局地における格闘戦用途の戦闘機という方針で開発された。両設計局とも中央流体力学研究所の研究結果を基にしたため基本形状が似ているが、その点に関してはMiG-29の項目を参照されたい。なお、1999年2月25日にエリトリアが使用しているMiG-29とエチオピアが使用しているSu-27が交戦した。Su-27がMiG-29を撃墜し勝利に終わっているが、その詳細についてもMiG-29の項を参照のこと。

仕様

* 乗員: パイロット1名
* 全長: 21.94 m
* 全幅: 14.70 m
* 全高: 5.93 m
* 翼面積: 62.0 m2
* 空虚重量: 17,700kg
* 最大離陸重量: 33,000kg
* 動力: リューリカ設計局製 AL-31Fサルトゥンエンジン A/B付きターボファンエンジン×2
* 推力(A/B) 122.58 kN
12,500 kgf ×2
* 最大速度: マッハ 2.3 @A/Bオン
* 航続距離: 約4,000km
* 最大運用高度: 18,000m
* 翼面荷重(最大離陸重量時): 532 kg/m2
* 固定武装: GSh-30-1 30mm 機関砲×1 (150発)
* 搭載兵器 
    o 電子兵装 SLOTBACK射撃管制レーダー
    o 空対空ミサイルR-27、R-73


さらに詳しく → Su-27 (航空機)



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