日本の防衛 - 陸上自衛隊ヘリ編

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2010/08/14(土)
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AH-1 コブラAH-1 Cobra)はベル・ヘリコプター・テキストロン(ベル・エアクラフト)社が開発した、世界初の攻撃ヘリコプターである。

概要

UH-1をベースにベル・ヘリコプター・テキストロン社(当時)が開発した世界初の本格的な攻撃ヘリコプターで、その後登場する各国の攻撃ヘリコプターに大きな影響を与えた。当初はAH-56の開発の遅れからその完成までのつなぎとして採用されたが、AH-56がキャンセルされた為に、主力攻撃ヘリとして運用され続ける事になった。20mm機関砲やTOW対戦車ミサイル等を主武装とし、ベトナム戦争や湾岸戦争等の多くの戦闘に投入された。アメリカ陸軍では後継機種であるAH-64 アパッチに交代しているが、改良型がアメリカ海兵隊で運用されている他、日本の陸上自衛隊を初めとする諸外国でも現役で使用されている。

機体

最大の特徴は、幅99cmという非常にスリムな胴体と、搭乗員をタンデムに配置した事である。これによって前面面積はUH-1の約三割にまで減少され、速度の大幅な増大と低視認性がもたらされた。初の量産型であるAH-1Gのエンジンは「T53-L-13」が搭載され、巡航速度は時速278kmに達する。コックピットは、前席が射手兼副操縦席、1段高い後席が操縦席となっている。基本はモデル209と大差ないが、AH-1Gとの相違点は速度向上を図って採用された引き込み式スキッドの装備にある。これは重量増加に対し、それほど効果がないと判断されたため、G型以降の量産機では固定式に変更された。

半関節型ローターのために、マイナスGによる機動制限がある。これは、強いマイナスGのかかる機動では、ローターヘッドが浮き上がりマストが破壊されるマストバンピングが発生するため。急激な頭下げ動作や、起伏の激しい山の稜線に沿って飛ぶ機動が、制限されるという側面もある。(設計と採用者側の問題)

武装

機首下面のターレットには、7.62mm ミニガンと毎分400発の射撃が可能なグレネードランチャーの搭載が可能である。なお、AH-1Sアップガン型以降の機体ではユニバーサルターレットに換装され、発射速度毎分680~750発(切り替え可能)の20mm M197三砲身ガトリング砲を搭載する様になった(30mm M230チェーンガンの搭載も可能)。胴体中央部のスタブ・ウイングには4ヶ所のパイロンがあり、ミニガンポッド・ロケット弾ポッド・TOW対戦車ミサイル等の兵装を、最大で700kgまで装備することが可能である。

改良

ベトナム戦争終結後には、AH-1GにTOW対戦車ミサイル運用能力付与がなされた。TOW運用能力を付与された機体はAH-1Qと呼ばれ、機首部に光学望遠鏡方式の照準装置を装備しているのが特徴である。米陸軍では、重量増加によるエンジンの出力不足が問題視されたため、ICAM(発展型コブラ俊敏性及び機動性)計画が立案され、エンジンを熱出力 1,800shp(軸出力1485shp)のT53-L-703に換装、トランスミッション、機体各部の強化が施されたAH-1Sが登場する。

なお、AH-1Sはその後も段階的に改修が加えられており、いくつかのバリエーションがある。 AH-1Qから改修した機体と初めからAH-1Sとして生産された初期生産型、初期生産型をより能力向上させた型、さらに、これに近代化改修を施した型で、AH- 1S改修型(MOD)=AH-1S、AH-1S量産型(PROD)=AH-1P、AH-1Sアップガン型(ECAS)=AH-1E、AH-1S近代改修型(MC)=AH-1Fと分類される。

1986 年3月から実戦配備されているアメリカ海兵隊向けの「AH-1W スーパーコブラ」などの派生型もある。最新型は「AH-1Z バイパー」で、米海兵隊は2004年から2013年までに180機を「AH-1W スーパーコブラ」から「AH-1Z バイパー」にOH時に改造更新することを計画している。なお、陸軍向け仕様のAH-1S系統だけは、太陽光の反射による発見を防ぐためキャノピーが角ばった平面型となっている。

日本の運用状況

日本の陸上自衛隊では1979年(昭和54年)と1980年(昭和55年)に研究用として1機ずつ導入して検討、1982年(昭和57年)度から22機調達したのを皮切りに導入を開始した。7機目から富士重工業(エンジンは川崎重工業)によってライセンス生産され、2000年(平成12年)12月14日までに89機が生産された。なお、陸上自衛隊で使用されている「AH-1S」は、最初に輸入された2機が能力向上型の「AH-1E」に、富士重工業でライセンス生産された機体は発達型LAATの「AH-1F」に相当するもの[5]である。73号機以降は"C-NITE"と呼ばれる夜間作戦能力向上形となり、72号機以前の機体も少数が改造されている。

数々の改修により燃料を最大に積載した状態では、9,300lbs(4,213Kg)となり、最大離陸重量10,000lbs(4、530kg)に近く最大武装状態では飛行ができない。また、弾薬を多く搭載すると燃料積載量を減らさねばならず、飛行時間が減少する二律背反現象がおきている。

エンジン不良によって数件の墜落事故が発生している。2000年(平成12年)に東富士演習場で発生した落着事故に関し、川崎は防衛庁によってPL法に基づき訴訟を提起された(2008年(平成20年)3月現在係争中)。単発機の特性上、エンジン1基の故障は即座にエンジンリスタートの試行やオートローテーションを用いた着陸を選択せざるを得ない状況を生む。

2001年(平成13年)8月27日に、防衛庁は陸上自衛隊の次期戦闘ヘリとして、三菱重工業が提案した最新型双発・4ローターで性能・信頼性共に大幅に上昇、AH-1Wのダイナミックコンポーネントからの改造製作が基本である「AH-1Z」を下し、富士重工が提案したボーイングのAH-64D アパッチ・ロングボウを選定した。これは陸自と米陸軍の密接な関係により採用されたもので、現行AH-1Wと共通性はあってもAH-1Sとは機体構造が違い、元来が米海兵隊向けのAH-1Zは分が悪かった。

なお、AH-64Dはボーイングが2007年(平成19年)にブロックIIの生産終了を発表した為、部品供給を前提とした富士のライセンス生産が不可能となり、10機で調達を打ち切った。後継機は再検討されるが、退役の迫るAH-1Sの運用がどうなるのかは未定である。

形式

AH-1G
初期生産型。1966年よりアメリカ陸軍が調達を開始し、ベトナム戦争に多数が投入された。

AH-1J
アメリカ海兵隊向けAH-1G。エンジンを双発とし、エンジン出力の増加を図った。「シーコブラ(Sea Cobra)」の愛称で呼ばれる。

AH-1T
AH-1Jの改良型で、搭載燃料の増加と胴体の延長が行われた。

AH-1W
AH-1Tの発展型。詳細はAH-1W スーパーコブラを参照。

AH-1Z
AH-1Wの改修機でメインローターを4枚とし、電子機類の性能向上に伴う戦闘力の向上が図られる。

AH-1Q
AH-1Gの改良型でTOW対戦車ミサイルの運用能力を有し、機関砲をターレット状に変更している。

AH-1S
AH-1Qの改良型。AH-1Qで指摘された機体重量の増加による運動性能の低下を補うため、エンジンの換装が行われた。また、風防形状の変更や搭載機器の改良等、各部に改良が施された。新規生産のほか、AH-1G/Qの一部の機体にもS型への改修が施された。

AH-1P(AH-1S量産型)
AH-1Sの量産型。

AH-1E(AH-1Sアップガン型)
射撃能力の向上を図り、機関砲と照準器をターレットに装着した形式。

AH-1F(AH-1S近代改修型)
近代化改修が施されたAH-1S。

性能・主要諸元

AH-1G

* 乗員:前席:射撃手、後席:操縦士(計2名)
* 主回転翼直径:13.4m
* 胴体長:13.4m
* 全高:4.1m
* 自重:2,754kg
* 最大離陸重量:4,309kg
* 発動機:ライカミングT53-L-13(1,100shp)×1
* 超過禁止速度:219mph、(352km/h)
* 実用上昇限度:3,475m
* 武装
    o 7.62mm多目的ミニガン×2 または 40mm M129グレネードランチャー×2
    o M200ハイドラ70ロケット弾ポッド(ロケット弾19発入り)×2

AH-1S

* 乗員: 前席:射撃手、後席:操縦士(計2名)
* 主回転翼直径:13.41m
* 胴体幅:3.28m
* 全長/胴体長:17.44/13.59m
* 全高:4.19m
* 自重/最大重量:3,076/4,536kg
* 発動機:ライカミングT53-K-703(1,485shp)×1
* 超過禁止速度:315km/h
* 巡航速度:228km/h
* 実用上昇限度:3,960m
* 航続距離:456km
* 武装
    o 20mm M197 ガトリング砲×1(固定武装)
    o TOW対戦車ミサイル×最大8発
    o JM261ハイドラ70ロケット弾ポッド(ロケット弾19発入り)×2

さらに詳しく → AH-1 コブラ  攻撃ヘリコプター



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