美味くて栄養も取れる! - 海上自衛隊カレー(海軍カレー)の作り方

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2010/07/31(土)
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海軍カレー(かいぐんカレー)は、日本海軍に由来を持つカレーおよびカレーライスのことである。一般的に日本風カレーと言う場合、この海軍カレーに由来するものを指す場合が多い。特徴はカレーに小麦粉を炒めて作ったルーを使うことである。その流れを汲む海上自衛隊のカレーライスは、サイドディッシュとして、サラダ、牛乳、ゆで卵等が配食され、艦内での乗組員の栄養に配慮している。

歴史

江戸時代後期から明治に西洋の食文化が日本へ入ると、カレーが紹介された。この頃インドを植民地として支配していたイギリス海軍は、シチューに使う牛乳が日持ちしないため、牛乳の代わりに日持ちのよい香辛料であるカレーパウダーを入れたビーフシチューとパンを糧食にしていた。当時、大日本帝國海軍軍人の病死の最大の原因となっていた脚気の原因が軍内の白米中心で栄養バランスの偏った食事であることを突き止めた海軍軍医の高木兼寛は、同盟関係にあったイギリス海軍の糧食であったビーフシチューとパンを参考に、糧食の改善を行うことを試みた。

しかし、日本人はシチューやパンに馴染めなかったため、カレー味のシチューに小麦粉でとろみ付けし、ライスにかけたところ好評を得てカレーライスが誕生した。よって、インド風カレーとは一線を画すものであり、小麦粉のねっとりとしたルーに多数の具を加味し、とろみによって船が揺れても食器からルーがこぼれる心配もなく日本米との絶妙なコンビネーションを遂げるよう工夫されている。ただしイギリスにおいても、元来カレーはライスと併せるものであり、パンとあわせるのはあくまで軍隊食である。

日露戦争当時、主に農家出身の兵士たちに白米を食べさせることとなった大日本帝國海軍の横須賀鎮守府が、調理が手軽で肉と野菜の両方がとれるバランスのよい食事としてカレーライスを採用し、海軍当局が1908年発行の海軍割烹術参考書に掲載して普及させ、海軍内の脚気の解消に成功した。さらにその後の第一次世界大戦を通じ、海軍、陸軍ともにその普及につとめた。

カレーライスの材料は、そのまま調味料を醤油と砂糖に代えると、そっくり「肉じゃが」になる。そのため補給の面でも具合がよく、それも軍隊食として普及した理由である。肉は主に牛肉で、第二次世界大戦時には食糧事情の変化で豚肉も使われた。

第二次世界大戦後に復員した兵士がこれを広めたため、カレーライスは全国に広がった。肉じゃがの一般家庭への普及も同時期である。その後、第二次世界大戦後の復興期のカレーの普及に着目した食品メーカーなどが、海軍カレーに準拠するカレー粉を製造・販売したため、日本のカレーの由来は「海軍カレー」であるということができる。

現在も海上自衛隊では毎週金曜日にすべての部署でカレーライスを食べる習慣になっている。長い海上勤務では曜日の感覚がなくなってしまう、それを呼び戻すためであり、調理員は、腕によりをかけて、オリジナルカレーの完成に努める。かつては毎週土曜日に食べて、午後からの上陸・外出(いわゆる半ドン)に備え、上陸しない人員のための加給食の確保や食器片付けを簡便化するために取り入れられたとも言われている。

現在の海軍カレー

海上自衛隊で食されているものは「海上自衛隊カレー」とまとめて呼ばれる。現在は、各艦艇・部署ごとに独自の秘伝レシピが伝わるため、作られるカレーは艦艇・部署ごとに異なり、単一の味・レシピは存在しない。「XXXスーパーカレー」(XXXは艦艇番号など)というような呼び方をする。 2008年1月1日より、海上自衛隊のHP「海上自衛隊レシピページ」上において、カレーライスなど海上自衛隊の自慢料理のレシピの公開が始まった。

カレーライスだけでは不足するカルシウムと葉酸を補うため、牛乳でカルシウムを、サラダで葉酸を補充、さらにタンパク質補強に卵、ビタミンC補強に果物、を加えるなど、栄養学的に献立に工夫を加えることが海上自衛隊での通例である。

護衛艦は優れた冷凍貯蔵設備を有し、食材は一般の洋食店と同等以上の鮮度が維持されている。海上自衛隊カレーは、味や香りがとても良くコクがあり、ボリュームもある。人によっては、「一般の洋食屋のカレーよりおいしい」と言う。海上自衛隊カレーには各部隊、各艦艇で独特の隠し味があり、赤ワイン、ミロ、茹で小豆、インスタントコーヒー、コカコーラ、チョコレート、ブルーベリージャム等さまざまである。

実際、海上自衛隊カレーの味に惹かれて海上自衛隊に入隊する者がいて、中には自らの職種を給養員として、海軍カレーの伝統継承に熱心に取り組む者もいる。給養員は勤務において実務経験を得ることができ、調理師、栄養士の資格取得が可能である。海上自衛隊の給養員として勤務し、その後独立した人もいる。

護衛艦の母港では、何隻かの護衛艦を一般開放し、民間人に対し各艦自慢のカレーを振る舞うカレー大会も行われている。ただし教育隊のカレーにはこのような創意工夫はなされておらず、片栗粉によりとろみがつきすぎたシチューと並んで不味い料理の代名詞である。

オリジナルレシピ

海軍割烹術参考書によるオリジナルレシピは以下の通り.

【材料】:牛肉(または鶏肉)、人参、玉葱、馬鈴薯、塩、カレー粉、小麦粉、ヘット(牛脂)、米、スープ、チャツネなどの漬物
【作り方】

1. まず米を研いでおく。
2. 肉(牛肉または鶏肉)、玉葱、人参、馬鈴薯を賽の目に切る
3. ヘットを敷いたフライパンで小麦粉を煎り、きつね色になったらカレー粉を加え、スープで薄めのとろろ汁の濃さに延ばす。(これが、いわゆるカレールーである)
4. 2の肉野菜を炒め、3に入れて火に掛けて弱火で煮込む。馬鈴薯は、玉葱、人参がほぼ煮えてから入れる。
5. 先ほどの米をスープで炊き、皿に盛る。
6. 4で煮込んだものを塩で調味し、皿に盛ったごはんに掛けて供する
7. 供する際「チャツネ」などの漬物を添える。

横須賀の海軍カレー

かつて大日本帝國海軍の横須賀鎮守府が置かれ、現在も海上自衛隊の基地がおかれている神奈川県横須賀市は現在、「カレーの街」を宣言し、海軍割烹術参考書のレシピを導入している店舗を「よこすか海軍カレー」の名称を使用できる店舗として認定するとともに、キャラクター「スカレーちゃん」を起用し横須賀市のウェブサイトに「カレーの街よこすか」というホームページを設け、京浜急行電鉄とコラボレーションしたキャンペーンを行うなど海軍カレーで街おこしを行なっている。これは、日本海軍横須賀鎮守府が海軍カレーを採用していたことから、カレーライスは横須賀から全国に広がったと横須賀市が捉えたためである。

横須賀市以外でも小麦粉を煎ったものを混ぜたカレー粉が市販されているので、家庭でも容易に作ることができる。横須賀海軍カレーは原則として、カレーライス、サラダ、牛乳の3点をセットで提供する。

陸軍カレー

海軍において好評であったカレーだが、陸軍においてはそれほど重要視された料理ではなかった。その理由として野営地において(広範に広がる)独特の匂いが嫌われたためであると考えられる。日中戦争に従軍した帝国ホテルの元コック長・村上信夫が、総攻撃の前夜に上官から特別な料理を出すよう命じられ陣地でカレーを作ったところ、匂いに気づいた敵指揮官が翌日の大攻勢を予測して夜間に撤退し、軍法会議にかけられそうになったという逸話がある。横須賀市にある陸上自衛隊武山駐屯地では毎週水曜日のメニューはカレーとなっている。また、防衛大学校においても、毎週月曜日の昼食はカレーである。たまに各種競技会と重なるとハヤシライスが出ることがある。

さらに詳しく → 海軍カレー
外部リンク → 海上自衛隊 海上自衛隊カレーレシピページ



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