2010/07/17(土)

YF-107は、アメリカ合衆国のノースアメリカンが開発していたジェット戦闘機。F-100戦闘機の発展型である。試作のみで採用はされなかった。
概要
F-100戦闘機により強力なエンジンを搭載した改良型の戦闘爆撃機として開発が開始されたものである。開発当初はF-100Bという名称であったが、間もなくYF- 107Aの名称が与えられた。アメリカ空軍からは1953年10月20日に3機の試作機の発注があり、1954年8月には追加で6機発注されている。
F-100の機体を改良するにあたって、機首にレーダーを搭載する必要があり、エンジンのインテイクをノーズから移す必要があった。ノースアメリカン社では、 YF-107Aの開発方針として、F-100のインテイクを機体下部に移したモデルNA-211と機体上部に移したモデルNA-212の二つを検討し、 NA-212の案を採用した。インテイクの位置の他、YF-107Aではエリアルールの採用、垂直尾翼の大型化・全浮動化などの改良が行われているが、主翼と水平尾翼はF-100と同等である。
YF-107Aは、1956年9月10日に初飛行した。しかし、比較審査によりF-105の採用が決定した(というのも元よりF-105失敗に備えての保険的開発であった)ため、制式採用はされず、試作機3機のみの製造に終わり追加発注もキャンセルされた。
機体は、1957年に空軍からアメリカ航空宇宙局に移管され、各種の試験に用いられ、優れた高速性能を示した(アフターバーナーを使わなくても音速突破が可能であったと言われる)。なお、1機は試験中に失われている。現在は、2機がオハイオ州デイトンの国立アメリカ空軍博物館、アリゾナ州ツーソンのピマ航空宇宙博物館で見ることができる。
要目
* 全長:18.84m
* 全幅:11.15m
* 全高:5.99m
* エンジン:P&W J75-P-9 (推力A/B時 11.1t)1基
* 最大速度:2,048km/h
* 武装:20mm機関銃4門 爆弾など4.5t
* 乗員:1名
さらに詳しく → YF-107
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