ザクセン級フリゲート/124型フリゲート (Fregatte SACHSEN Klasse、F124 Sachsen class)

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2010/07/13(火)
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ザクセン級フリゲート (独: Fregatte SACHSEN Klasse) は、ドイツ海軍フリゲート124型フリゲート(F124、Type 124)とも呼ばれる。NAAWS戦闘システムを搭載した防空艦で、その外見と性能から、ミニ・イージス艦とも俗称される。

来歴

1980年代後半、NATO加盟8カ国の海軍は、NFR-90 (NATO Frigate Replacement for 1990s) 構想を開始した。これは、各国海軍が保有する1960年代型水上戦闘艦の老朽化が進んでいたことから、これらの代替艦として、NATOで共通のフリゲートを設計・採用し、50隻以上におよぶ大量建造を行なうことによって、相互運用性を向上させ、またコストを削減しようというものであった。西ドイツ海軍も、ハンブルク級駆逐艦 4隻及びリュッチェンス級駆逐艦 3隻を更新するため、この計画に加わっており、合計8隻の建造を予定していた。

しかし、NFR-90計画は事前調整から難航し、始動が遅れたことから、西ドイツ海軍は、老朽化が特に著しかったハンブルク級駆逐艦の更新には間に合いそうもないと判断、NFR90計画とは独立してブランデンブルク級フリゲートの開発を決定し、4隻を就役させてハンブルク級駆逐艦を更新した。

その後、搭載するNAAWS武器システムに関する見解、さらには運用コンセプトそのものの相違から、NFR-90計画は1990年代初頭には空中分解した。その結果、計画の参加国はそれぞれに戦闘艦の開発を続行することとなったが、このうち、ドイツ、オランダ、スペインの3カ国は、NFR-90およびNAAWS計画を直接に継承して、TFC (Trilateral Frigate Cooperation: 三国フリゲート共同)計画を開始した。スペイン海軍は、コスト面の問題からのちに計画から離脱し、イージスシステムを採用したアルバロ・デ・バサン級フリゲートを建造したが、残るドイツとオランダは2カ国で計画を続行した。これによって建造されたのが本級であり、また、オランダにおけるTFC計画艦がデ・ゼーヴェン・プロヴィンシェン級フリゲートである。

設計はブローム・ウント・フォス社で、1996年に発注され、2003年から2005年にかけて、ザクセン、ハンブルク及びヘッセンの3隻が就役した。4番艦、チューリンゲンは建造が計画されていたものの、起工には至らなかった。

設計と装備

船体と機関

本級の船体設計は、多くをブランデンブルク級フリゲート (F-123型) より受け継いでおり、外見や内部の構造もかなり似通っている。船型は長船首楼型、煙突はV字型配置とされ、船体構造はステルス性を考慮して垂直面を減らしたものとなっている。また、ブランデンブルク級と同じく、対艦ミサイルの直撃から配線やパイプ類を守る特殊な船体構造を採用しており、さらに高張力鋼を使って防御力を増しているといわれている。

運用人数も他国の同規模のフリゲートと比較して人数が多く、ドイツ艦らしいダメージコントロールを重視した防御力の高い艦艇となっている。また機関出力に占めるディーゼルエンジンの比率が高く、構造が複雑になる代わりに高速時にもディーゼルエンジンを使用することで燃費を向上させるCODAG推進を採用している。

武器システム

C4Iシステム

本級の搭載するすべてのセンサー・武器システムは、オランダのシグナール(Signaal、現 タレス・ネーデルラント)社によって開発されたTACTICOS 戦術情報処理装置を中核として連接されて、システム艦を形成している。

本級の搭載するTACTICOS (SEWACO-FD) は分散処理方式を導入しており、17基のMOC ワークステーション、2基の大型スクリーンを含み、主記憶装置も大容量化されている。また、TACTICOSは、リンク 11およびリンク 16による戦術データ・リンクに対応している。

防空システム

上述のとおり、TFC計画に基づいて開発された本級は、NAAWS (NATO Anti-Air Warfere System: NATO対空戦闘システム)を採用している。本級の搭載するNAAWSは、下記のサブシステムによって構成されている。

* SMART-L 長距離捜索レーダー
* APAR 多機能レーダー
* TACTICOS 戦術情報処理装置
* Mk.41 mod.10 VLS (32セル)
* スタンダードSM-2 Block IIIA 艦隊防空ミサイル
* ESSM 個艦防空ミサイル

また、NAAWSには含まれないが、近距離での防空用としてRAM近接防空ミサイルのMk.49 21連装発射機、また近距離での対空・対水上戦闘用として、オート・メラーラ社製の76mm単装速射砲が搭載されている。

NAAWSは、TACTICOS 戦術情報処理装置を中核とした半自動システムである。その火力の中核となるのがAPAR 多機能レーダーで、これは、目標を捜索して追尾するとともに、敵機を攻撃する際には、ミサイルの誘導も担当する。APARは、Xバンドを使用するフェーズドアレイレーダーであり、4面のアンテナを塔型マストに固定装備している。アンテナ1面あたり8発のミサイルを誘導できるため、システム全体では、最大で32個の目標と同時に交戦することができるが、敵がごく限られた方向から攻撃してきた場合には、同時交戦可能数はより少なくなる。さらに、200の対空目標と150の対水上目標を同時に処理できると主張されているが、探知距離は150キロメートルと短い。そのため、遠距離での目標捜索を専門とするSMART-L 長距離捜索レーダーも同時に搭載されている。

艦対空ミサイルとしては、長距離用SM-2 Block IIIAと中・短距離用ESSMを搭載しており、アメリカ軍との弾薬共通化が図られている。また、アメリカ海軍と共同開発した近距離対空ミサイルRAMを搭載している。またタレス製の電子光学追尾装置で主砲の射撃指揮が可能で、仮にレーダーが損傷したり、強力なECMで障害を起こしても主砲とRAMは使用可能だと言われる。

対潜・対水上戦システム

本級は、同世代のあらゆる西欧諸国のフリゲートと同様、中距離以遠での対潜戦闘は艦載の哨戒ヘリコプターに依存している。ただし、近距離に敵潜水艦が出現した場合には、Mk.32 3連装短魚雷発射管から発射されるMU90 インパクト短魚雷によって対処することができる。なお、本級の船体設計の基礎となったブランデンブルク級においては、現在、遠距離での潜水艦探知を可能とする曳航ソナーが順次装備されているが、本級には今のところ搭載されてはいない。

一方、対水上火力としては、西側諸国で標準的な艦対艦ミサイルのひとつであるハープーンを4連装発射筒に収容して搭載する。また、哨戒ヘリコプターはシー・スクア (Sea Skua)空対艦ミサイルを装備可能であるが、これは射程が短いことから、対空火力が貧弱な小型舟艇に対してのみ用いられる。

同型艦

* F219 ザクセン
* F220 ハンブルク
* F221 ヘッセン

性能諸元

排水量 満載: 5,690 t
全長 143m
全幅 17.4m
吃水 4.4m
機関 CODAG方式, 2軸推進
      MTU 20V ディーゼル(7.4 MW) 2基
      LM2500 ガスタービン(23.5 MW) 1基
最大速力 29 kt
航続距離 4,000 nmi(18 ノット)
乗員 255人(士官39人)
兵装 76mm単装速射砲 1基
      Mk.49 RAM近SAM 21連装発射機 2基
      Mk.41 mod.10 VLS (32セル)
      • スタンダード SAM
      • ESSM 短SAM    を発射可能   1基
      ハープーンSSM 4連装発射筒 2基
      MLG 27 27mm機関砲 2門
      Mk.32 3連装短魚雷発射管 2基
艦載機 リンクス Mk.88 or NH90 2機
C4I TACTICOS (SEWACO FD) 戦闘情報システム+リンク 11/16
レーダー APAR 多機能レーダー
      SMART-L 長距離捜索レーダー
ソナー DSQS-24B 艦首装備式

さらに詳しく → ザクセン級フリゲート



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(2010/03/19)
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