アルバロ・デ・バサン級フリゲート (Álvaro de Bazán class frigate、F100 class of frigates)

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2010/07/04(日)
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アルバロ・デ・バサン級フリゲート (Fragatas Clase Álvaro de Bazán) は、スペイン海軍フリゲート。F-100級フリゲートとしても知られている。元々、デ・ゼーヴェン・プロヴィンシェン級フリゲート、ザクセン級フリゲートと共に、三国共同フリゲート(TFC:Trilateral Frigate Cooperation)の一つとして計画されたが、APAR&SMART-Lレーダーシステムのコスト面を含む諸般の理由で同計画からは脱退。技術としての歴史がより古く価格のこなれているアメリカ合衆国のイージスシステムを採用した。

1番艦「アルバロ・デ・バサン」は、2002年9 月18日に就役。2008年初頭現在4隻が就役中である。ネームシップの艦名は、スペイン無敵艦隊の創設者、サンタ・クルス侯アルバロ・デ・バサーンに由来する。スペインのIZAR造船所で建造され、建造費は3億8,500万ユーロ。

概要

イージスシステム搭載艦としてはアメリカ海軍のタイコンデロガ級ミサイル巡洋艦・アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦の両クラス、海上自衛隊のこんごう型ミサイル護衛艦に続くこのクラスは、スペイン海軍の艦船、その中でも戦略任務の中核を担う軽空母「プリンシペ・デ・アストゥリアス」に強力な艦隊防空の傘を提供するために計画された。また、トマホーク巡航ミサイルを搭載する予定であり、その暁にはこのクラス自身もスペインの戦略任務を担うことになる。スペイン海軍にとってプリンシペ・デ・アストゥリアスに次ぐ虎の子的存在である。

設計

イージス艦は防空艦としての性能は世界の一級品ではあるが、その建造費もどうしても高くつくものであったから、スペイン海軍はこのクラスの設計にあたって建造費の低減を重視したものと思われる。

アーレイ・バーク級をタイプシップとして基本的な構造を大きく変えず設計されたこんごう型(とそれにつづくあたご型)とは異なり、船型と排水量の縮小を目的にAN/SPY-1Dを搭載する艦橋構造物の構造を一から見直したことや、主機をガスタービンエンジン4基によるCOGAGからガスタービンエンジンとディーゼルエンジン2基ずつによるCODAGに改めたこと、ミサイル管制レーダーAN/SPG-62を前後各1基ずつで計2基とし、艦橋の前方に集約されたMk41VLSも48セルのみとしたこと、などがその一例である。ディーゼルエンジンの振動、騒音については、特殊な素材と構造を用いて、艦体への振動伝搬の遮断が徹底されている。

また、このクラスは排水量と建造費の圧縮を図った一方で、CIWSにはMk15ファランクスに代えてスペイン国産のメロカを採用したり、アーレイ・バーク級フライトI・ IIやこんごう型が持っていないヘリコプター格納庫を備え、ヘリ1機を搭載するなど、その設計には独自の工夫が見られる。

こうしたアーレイ・バーク級に迫る水準の装備を圧縮搭載した手際に評価がある一方、それでも艦型規模に比して重装備に過ぎ、一部専門家からはトップヘビーが指摘されている。このクラスの最終的なシステムインテグレーションはアメリカ海軍とロッキード・マーティンの主導で行われた。ノルウェー海軍のフリチョフ・ナンセン級フリゲートの設計にあたっては、このクラスを基礎としている。

兵装

艦首部にMk41VLSを48セルを備え、その中に艦対空ミサイルのスタンダードSM-2やESSMを装備している。スタンダードを誘導するAN/SPG-62は主マスト前方直下とヘリコプター格納庫上に1基ずつ2基を装備している(タイコンデロガ級は計4基、アーレイ・バーク級・こんごう型・あたご型は計3基)。

対艦目的にハープーンの4連装発射筒を2基搭載している。対潜目的には魚雷発射管を備えるほか、搭載するSH-60Bも対潜能力の重要な部分である。搭載砲としては、艦首部にMk45 Mod2 54口径5インチ砲を1基備える。CIWSはスペイン国産のメロカを2基、艦の前方と後方とに持っている。スペイン国防省はアメリカに対し巡航ミサイルのトマホーク60基の購入を申し入れ、アメリカ当局はこの申し入れに対し許可を与えた。スペイン国防省はトマホークをこのクラスへ搭載することにしている。

艦歴

このクラスのネームシップであるアルバロ・デ・バサン(F101)は、2005年の遅くに「セオドア・ルーズベルト」空母戦闘群(現 空母打撃群)の一員となるべくペルシア湾に派遣されている。アルバロ・デ・バサンはこの海域でイラクの目標に対するアメリカ軍の攻勢作戦に支援を与えていたという話もいくつかあるが、これは当時のアスナール政権がイラク戦争に対して取っている公的姿勢と相容れないものであり、公式には否定されている。

2008年8月、アルバロ・デ・バサン級フリゲート2番艦のアルミランテ・ファン・デ・ボルボーンは、アメリカ海軍のO.H.ペリー級「テイラー」、ドイツ海軍のブレーメン級「リューベック」、ポーランド海軍のO.H.ペリー級「ゲネラウ・カジミェシュ・プワスキ」のNATO所属艦艇と共に、黒海での演習のためにボスポラス海峡を通過した。これらは2007年10月時点で既に予定されていた演習だが、南オセチア紛争の当事者であるロシアが情勢への影響に対して懸念を表明した。

性能諸元

排水量 満載:6,250t
全長 147m
全幅 18.6m
吃水 4.75m
機関 CODOG方式 2軸推進
    LM2500ガスタービンエンジン 2基
    ディーゼルエンジン 2基
最大速力 29kt+
航続距離 5,000海里
乗員 240名(うち士官35 名)
兵装 Mk.45 mod.2 54口径5インチ砲 1基
    FABA メロカ 20mm CIWS 2基
    Mk.41 VLS (48セル)
        • スタンダード SAM
        • ESSM 短SAM    を発射可能   1基
    ハープーンSSM 4連装発射筒 2基
    Mk.32 mod.9 324mm魚雷発射管 4基
艦載機 SH-60B シーホークLAMPS III 1機
C4I NTDS (リンク 4A/11/14/16)
    Mk.7 AWS+Mk.34 GWS
レーダー AN/SPY-1D 多機能フェーズドアレイ
      AN/SPS-67(V)4 対水上
      タレス スカウト 航海レーダー
      AN/SPG-62 イルミネーター 2基
      FABA DORINA 射撃指揮レーダー 1基
ソナー ENOSA-レイセオン DE 1160LF(I)

さらに詳しく → アルバロ・デ・バサン級フリゲート



みんなが知りたい!イージス艦のヒミツ80みんなが知りたい!イージス艦のヒミツ80
(2008/03/15)
柿谷 哲也菊池 雅之

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タグ : フリゲート スペイン海軍 アルバロ・デ・バサン級 イージス艦 イージスシステム

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