戦車とは~種類編その2

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2010/06/19(土)
*水陸両用戦車

水陸両用戦車(すいりくりょうようせんしゃ)は、陸上のみならず、河川等の障害物を浮航あるいは潜水渡渉することのできる戦車を指す。水域の移動方式により潜水戦車、あるいは浮航戦車とも呼ばれる。水域の移動方式で大きく分類すると、船のように水上に浮かぶ浮航方式と、水底を走行する潜水渡渉方式に分けることができる。

浮航方式

車体自体を軽量に設計し、あるいは必要に応じて浮力材を装着できるようにして、船のように水上を航行する方式である。折りたたみ式のスクリーンを展開して浮力を稼ぐ例もある。推進力を得る方法としては、陸上走行用の履帯を動かして水をかく方式と、専用のスクリューを装備する方式の二つが一般的なほか、起動輪に水かきを装着した外輪船方式の実験例もある。履帯方式の場合、履帯が水上での推進力を生み出しやすい形状をしている。

浮航方式の欠点は、軽量さが要求されるため、十分な武装や装甲を実現することが困難な点である。そのため、実際に開発された例の多くは、軽戦車以下の戦闘力しか有していない。既存の通常戦車に浮力材を追加装備した例には、必要な浮力材が巨大なものとなってしまい、実用困難となったものも多い。また、水上航行速度を上げるためにはスクリューが必要であるが、陸上での行動時には無駄な重量物となってしまう欠点もある。

なお、「水陸両用戦車」と呼べるような武装は無いものの、現代の装甲車のうちには、渡河に使用できる程度の浮航能力を有するものが広く見られる。もっとも、防御力を重視して浮航能力をあきらめたものも多く、当初は浮航可能だった中にも、装甲強化による重量増加で浮航能力を喪失した例もある。

潜水渡渉方式

シュノーケルを用いて、水底を走行可能とする方式である。浮航方式に比べると重量制限が緩やかなため、十分な武装や装甲を施しやすい利点がある。一方で、水圧に耐えて完全な水密性を保つ必要や、複雑なシュノーケル機構を開発する必要があるほか、水底地形の影響で行動不能となる危険もある。現代の各国の主力戦車は、シュノーケルを追加装備して水深3~5m程度の河川を潜水渡渉する事が出来る。逆に言えば、現代においては多少の潜水能力を有するのは一般化したため、この程度の能力では、わざわざ水陸両用戦車と呼ばれることはあまり無い。

第二次世界大戦後

一定の水陸両用性能を有する装甲戦闘車両が増える一方、専用の水陸両用戦車はあまり多く無い。ソ連のPT-76や、中国製の発展型が挙げられる程度である。PT-76系列はベトナム戦争などで実戦使用された。なお、冷戦期には海底作業や潜入工作用の履帯付き潜水艇が研究され、これらが「潜水戦車」と俗称されることがあった。

下記画像は、1951年からソ連で量産が開始された水陸両用軽戦車PT-76。

PT-76 


空挺戦車

空挺戦車(くうていせんしゃ)とは、輸送機に搭載可能な軽量の戦闘車両。戦闘地帯に空中投下もしくは強行着陸により輸送され、火力が不足しがちな降下直後の空挺部隊に火力と機甲戦力を与えることが目的である。戦車とは呼ばれるが、投下もしくは強行着陸により輸送される装甲戦闘車両全般のことを指す。

空挺部隊は、輸送機に搭載し空中投下などができる物資の重量の制限があるため、空挺作戦時に重火器を運用することが困難であった。しかし、対峙する敵部隊は当然のことながら、重火器保有が考えられるために、航空機に搭載できる(自走可能な)重火器は求められていた。 1930年代から飛行可能な戦車の概念がアメリカ・イギリス・イタリア・ドイツ・ソ連・日本など各国で研究されていたが、実用化はされなかった。第二次世界大戦後半にいたり、イギリス軍はMk.VIIテトラーク軽戦車とハミルトングライダーの組み合わせにより、航空輸送が可能な装甲車両の実戦力化に成功する。このテトラーク軽戦車は、ノルマンディー上陸作戦に使用された。その後、1945年3月の大規模空挺作戦であるヴァーシティ作戦(ライン川渡河)には、ローカスト軽戦車がハミルトングライダーによって輸送されている。

第二次世界大戦後は、装甲車両の重量化(軽戦車の陳腐化)や歩兵携行の対戦車兵器の発達、攻撃ヘリコプターなど航空支援方法の向上などにより、空挺戦車を用いずとも重火力の発揮が可能となったこともあり、開発は一部を除き行われなかった。

ソ連が空挺戦車の開発に熱心であり、1950年代からASU57空挺自走砲、ASU85空挺自走砲、BMD1,2,3空挺戦闘車を開発している。これらはパラシュート(BMDは逆噴射ロケット付パラシュート)による空中投下が可能である。ただし、重量物の投下は故障・破損を引きこしやすいこともあり、実戦で投下した例はない。

アメリカ軍においては、M56空挺対戦車自走砲スコーピオンとM551空挺戦車シェリダンの二種が開発された。M551以降は空挺戦車の開発は行われていない。ストライカーなど軽量の装甲戦闘車両の開発は行われているものの、それらは飛行場において輸送機から降ろされるものであり、空中投下は行われない。

下記画像はドイツ連邦軍のヴィーゼル空挺戦闘車。

ヴィーゼル空挺戦闘車


歩兵戦車

歩兵戦車は、主に第二次世界大戦初期までの戦車設計思想において、歩兵の随伴支援用に考えられた戦車の種類である。特に、第一次世界大戦で戦車を大量に戦線に投入し、初期の戦車開発の先進国であったイギリス、フランスにおいては明確に歩兵戦車の名称のもとで戦車開発が行われたが、実際には、第二次世界大戦でドイツが実現した、機動戦力としての戦車の集中運用の優位性が認められるまでは、各国の多くの戦車は設計思想的には歩兵戦車として開発されていた(ドイツですら、運用当初のIV号戦車は敵陣突破用であり、歩兵戦車に近い扱いだった)。

また戦間期には、「新兵器」である戦車の所属をめぐり歩兵科と騎兵科との縄張り争いもあり、特にフランスでは歩兵戦車は明確に歩兵科の支配下にあることを示す名称でもあった。

第二次世界大戦前、イギリスでは、戦車戦力の中心となる中戦車は機動性重視か、装甲重視かで激しい論争が行われていた。結局、1936年、その双方を別々に開発するという決定がなされ、第二次世界大戦直前から中盤にかけて、数種の歩兵戦車が設計・製造された。低速で装甲重視の歩兵戦車に対し、その対概念となる軽装甲・機動力重視の系列は巡航戦車と呼ばれる。

イギリスは第一次世界大戦後、来る戦争においても先の大戦と同様に塹壕戦が繰り返されると考えた。その為に歩兵戦車に求められた性能として、

* 敵対戦車砲に耐えうる、移動陣地となるような厚い装甲
* 歩兵と行動するために高い機動力は不要とされ低馬力エンジンの搭載と、それに伴う低い速度
* イギリスの鉄道は標準軌の鉄道としては車両限界が狭く、輸送上の制限のたために比較的小型の砲塔リング径となり、結果搭載砲も小型となることとなった。この戦車には榴弾が用意されていない2ポンド対戦車砲か、徹甲弾の用意されていない76mm野砲のどちらかが搭載され、同じ部隊に配備され互いに協力しあうはずであったが、実際にはそれぞれが単独で大砲(対戦車砲)・陣地、または敵戦車に対して有効な攻撃力を持てないだけであり、この状態で戦うことになった北アフリカにおいては苦戦を強いられることとなる。その後、両方の弾薬を用いる75mm砲の登場で問題は解決したが、もはや機動力無き歩兵戦車の時代は終わっており、戦後の戦車開発は機動性と防御力を両立した主力戦車へとシフトしていった。ただし、センチュリオン、チーフテン、チャレンジャーといった歴代のイギリス主力戦車は、いずれも機動力より防御力を重視した歩兵戦車に近い設計である。

下記画像は1935年に開発が開始された初の歩兵戦車、Mk.I マチルダI。

Mk.I マチルダI


偵察戦車

偵察戦車とは、偵察任務に特化した戦車。軽戦車の一種である。一般に偵察部隊に装甲戦闘車両を配備する場合は装甲車を使う場合が多く、また戦車を使う場合であっても主力としては使えなくなった旧式戦車を偵察用に使うことが多い。このような偵察専用の戦車はまれな存在である。小型で装甲や武装は限定的な代わりに軽量高速で、外部視察能力を確保するため天蓋の無いオープントップ構造のことも多い。

下記画像は第二次世界大戦時ドイツで生産された、Sd Kfz 234/3 "シュトゥンメル"。

ドイツ偵察戦車 Sd.Kfz.234


火炎放射戦車

火炎放射戦車は砲塔や車体前面等に設置された噴射口から加圧した油を噴射し、着火させることによって火炎を放射する戦車。主に、陣地攻撃、森や建物・塹壕に潜む敵兵のあぶり出しなどに使用された。油輸送専用のトレーラーを牽引させる方式と、戦車内に油槽を持たせる方式に二分できる。最初に火炎放射戦車を使用したのは、1936年のエチオピアにおけるイタリア軍といわれる。L3 軽戦車にトレーラー式の油槽を装備したものであった。組織的に火焔放射戦車を運用し始めたのは第二次世界大戦中のドイツ軍・ソ連軍である。

下記画像は太平洋戦争時の硫黄島での火炎放射戦車による火炎放射の様子。

硫黄島での火炎放射戦車


対空戦車

対空戦車(たいくうせんしゃ)とは、対空機関砲・対空機銃などを戦車用車台に搭載した装甲車輌である。自走式対空砲のカテゴリーに含まれる兵器であるが、自走砲との区別は時代や国、編成により異なり、明確ではない。戦車の車体を利用した機動性により、前線の戦車部隊に追随し、前線部隊を航空機などの脅威から防御することを目的としている。ただし通常の戦車と比べ、多くの場合装甲は薄くなっており、また武装も対空火器中心であるため、敵の戦闘車輌や対戦車火器との直接戦闘は不得手である。

また、対空戦車が必要とされる状態とは航空優勢を失った戦局が不利な状態であり、その場合航空機や戦車、そして安価で数をそろえやすい通常の対空火器の生産配備が優先される。逆に対空戦車を量産できるほどの余力が生じている状態とは、普通戦局が有利で航空優勢を得ている状態であり、わざわざ対空戦車を量産する必要がない状態である。どちらにしても、対空戦車の量産配備は後回しで、十分な数がそろわない傾向にある。もっとも、搭載する機関銃/砲は兵器特性から発射速度が非常に大きいため、第二次世界大戦では火力支援という形で使用され、大戦後もゲリラ等、正規軍以外の勢力に対し、対地攻撃に使われる例もある。

下記画像はドイツが開発・製造した、ゲパルト自走対空砲。

ゲパルト自走対空砲



戦車種類編その1はコチラ




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