CH-47 チヌーク (Boeing CH-47 Chinook)

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2010/06/22(火)
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CH-47チヌークCH-47 Chinook)は、アメリカ合衆国のボーイング・バートル社(現ボーイングIDS社のロータークラフト部門)で開発されたタンデムローター式の大型輸送用ヘリコプターである。

愛称

愛称の「チヌーク」(Chinook)は、北米アメリカ州の先住民族のチヌーク族(またはチヌック族とも言う)から命名された。アメリカ陸軍ではヘリコプターの愛称として、他にもカイオワ、アパッチ、シャイアン、コマンチ、イロコイといった先住民族の名前を付けている。

開発と運用実績

アメリカ陸軍では、有事の際に空中機動作戦を実施するにあたり、地上からの火力支援のために155mm砲を運搬できる大型ヘリを必要としていた。

V-107 バートルが1956年に開発を開始し、YHC-1Aを提案したが、エンジン出力などが要求を下回ったために採用を見送られた。そこで、エンジン出力を増強して胴体内容積を拡大、さらには最大12.7tの貨物を機体下面の吊下装置で吊下し、移動することも可能としたYCH-47Aを開発、1961年9 月21日に原型機が初飛行し、アメリカ陸軍は1962年にCH-47Aとして採用した。CH-47AはM198 155mm榴弾砲と弾薬に加え、砲の運用に必要な兵員を含めて空輸できる能力を持っていた。

1965 年からのベトナム戦争で大量に投入され、機体の優秀さを世界に証明した。さまざまな改良を受け現在でもアメリカ陸軍、イギリス陸軍、イラン陸軍(革命前に輸出)、オーストラリア陸軍、リビア陸軍(リビア革命前に発注、革命後に一部の機体が引き渡された)などで使用されている。イギリス空軍ではフォークランド紛争で、アメリカ軍も湾岸戦争で能力を再び発揮した。特に、イラク領内に侵攻した陸軍第18空挺軍団の活動にはCH-47が欠かせないものであった。日本国内では阪神・淡路大震災、新潟県中越地震などの大規模災害の他にスマトラ島大津波の緊急援助で派遣された実績を持つ。

機体各部

タンデムローター

CH-47は、前部ローターを左回り、後部ローターを右回りに回転させることで回転トルクを互いに打ち消すタンデムローター機であるため、シングルローター機のようにテイルローターを駆動する分の無駄なエネルギーを消費せず、テールブームも必要としない。

操縦操作は、ヨーペダル、ピッチ/ロール・コントロールスティック、スラスト・コントロールで行い、2つのローターを備えることで、通常のシングルローター機よりも細かな動きが可能になっている。直径は共に18.29mで軸が前後に11.94m離れているだけなので、ギアによって3翔の翼の回転位置を同調させることで干渉を防いでいる。21世紀以降はローターのブレード数を増やすことで効率向上と低騒音化が試みられているが、ブレード間の隙間をもう一基のローターのブレードが入り込む同期を行っているタンデムローター機ではそのようなことはほとんど行えない。

駆動系

テクストロン・ライカミング社(現ハネウェル社)製の2基のターボシャフトエンジンが、後部ローター用パイロンの左右に突き出されて取り付けられ、回転出力はパイロン内の結合トランスミッションでまとめられて駆動シャフトを経由して前後2つのローターを駆動する。このエンジンは、基本となるCH-47Aから最新の CH-47Fまでの5世代で、2,200軸馬力から4,868軸馬力まで少しずつ出力が増した合計7種の異なるエンジンを搭載している。

CH-47Dではトランスミッション系とローターも増加した馬力に合わせて強化が図られた。

* CH-47A
    o T55-L-5(2,200軸馬力)
    o T55-L-7(2,650軸馬力)

* CH-47B
    o T55-L-7C(2,850軸馬力)

* CH-47C
    o T55-L-11(3,750軸馬力)

* CH-47D
    o T55-L-712(3,750軸馬力)
    o T55-L-714(4,085軸馬力)(MH-47Eも使用)

* CH-47F
    o T55-GA-714A(4,868軸馬力)(MH-47Gも使用)

アビオニクス

CNI

CNI(Communication、Navigation、Identification)に関するアビオニクスは以下のものが搭載された。

無線機
CH-47Dへ改修されたアビオニクスの内、無線機については3種がある。VHF/AM/FM無線機はARC-186またはARC-201。HF 無線機はARC-199またはARC-220。UHF無線機はARC-164であった。

航法装置
航法装置はASN-149(V)GPS受信機、ASN-128ドップラー/PGSセット、ARN-89B ADF(自動方位探知)セット、APN-209電波高度計、ARN-123 VOR/ILS(VHF全方向レンジ無線標識/計器着陸装置)受信機、ASN-43 ジャイロ磁気コンパス

識別
敵味方識別トランスポンダーはAPX-100であった。

ASE

ASE(Aircraft Survivability Equipment)に関するアビオニクスは以下のものが搭載された。

レーダー探知
APR-39A(V) レーダー信号探知システムは、対空火器が放つパルス・レーダー波を探知して表示・警告音声を発する。

ミサイル警報
ALQ-159 パルス・ドップラー・ミサイル警報装置は、敵ミサイルの接近を探知すると連動するM130 ディスペンサーに指令してフレアを放出させる。別名ALE-40とも呼ばれるM130は機体各部に4基備わる。アビオニクス類は操縦席後ろの左側にある電子機器ラックにモジュール化されて収められている。

危険範囲

本機のローターは斜めに前方に傾いて配置されており、平面に着陸した場合前方ローターの機首側先端部分が成人の胸から首の高さになる。従って、機首より前方は危険範囲である。本機はその輸送能力の高さから、災害派遣に使われることの多い機種である。被災者・消防関係者・医療従事者など、本機に接近または搭乗する際には乗組員や地上誘導員の指示に従い、決して機首前方の危険範囲に接近してはならない。

日本

日本ではKV-107IIが長く現役だった為、CH-47の導入は諸外国より遅く1986年(昭和61年)からで、CH-47Dの日本向けCH-47Jを川崎重工業がライセンス生産し、陸上自衛隊と航空自衛隊が輸送機として採用した。

陸上自衛隊では1995年(平成7年)までに34機を導入し、同年製の35号機からはCH-47JAの調達となった。JA型は大型燃料バルジを搭載して航続距離を1,037kmに伸ばし、GPSと気象レーダーを持つ川崎の改良型で、2005年(平成17年)までに18機を導入した。これらは第12旅団、第15旅団、第1ヘリコプター団、西部方面ヘリコプター隊などに配備されている。J型の初期に導入された機体から退役が始まっているが、JA型に、出力強化型エンジン、新型防塵フィルター、自機防御装置(チャフ・フレアディスペンサーおよびミサイル警報装置)、防弾板、衛星電話などを追加したタイプの生産が現在も継続して行われている。現在の保有数は54機。

航空自衛隊では20機以上が導入され、現在も少数ながら調達を続けている。航空救難団ヘリコプター空輸隊(三沢・入間・春日・那覇)に配備され、主にレーダーサイトへの物資補給に使われている。なお、後期型は航法装置の向上のほか、胴体脇の燃料タンクが大型化された。陸自と同じく初期に導入された機体から退役が始まっており、現在の保有数は15機。

2008 年(平成20年)3月29日に木更津駐屯地で行われた第1ヘリコプター団編成祝賀式にて、機体の両側面と後部ランプに12.7mm重機関銃M2を装備し、後部に自機防御装置を装備した、第1輸送ヘリコプター群の武装CH-47JA(キャリパーCH)が初登場した。

性能・主要諸元

* 乗員:2名 (操縦士、副操縦士)
* 就役: 1963年
* 全長:30.1 m (胴体長15.54m)
* 胴体幅:3.87m
* 全高:5.7 m (18 ft 8 in)
* 主回転翼直径:18.3 m (60 ft 0 in)
* 空虚重量:10.185 t (22,450 lb)
* 最大全備重量:12.1 t (26,680 lb)
* 最大離陸重量:22.68 t (50,000 lb)
* 積載能力:兵員30名、または担架24と衛生兵2名。
* 貨物室:900x230x200cm
* 発動機:ライカミング T55-L-714 ターボシャフトエンジン × 2
* 出力:3,750 hp (2,800 kW) × 2
* 超過禁止速度:295 km/h (183 mph)
* 巡航速度:260-270 km/h (165 mph)
* 航続距離:2,060 km (1,280 miles)
* 上昇限度:2,590 m (8,500 ft)
* 上昇率:605 m/min (1,980 ft/min)

さらに詳しく → CH-47 チヌーク



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