軍事学講座の必要性

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2010/05/30(日)
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軍事学(ぐんじがく、英: Military studies, Military science, War study)は、軍事や国防に関する学問である。戦争学、防衛学とも呼ばれる。

定義

軍事学とは軍事、特に軍事行動に関する現象を研究する学問である。そのために戦争、軍事力、戦略、戦術、統率、兵器だけでなく政治、地理、工学などの分野にも応用的な研究領域を持つ学際的な側面も持つ。そのために軍事学と言う場合はその軍事力の運用に注目した社会科学的な狭義の軍事学を指すのか、または軍事工学なども含めた広義の軍事学を指すのかはその文脈などによる。兵学や軍学と言う場合は戦略学と戦術学の両面から研究する傾向にあり、防衛学と言う場合は国家戦略レベルにおける防衛研究を指す。しかしこの区別は確定的なものではなく、軍事学、兵学、防衛学などの用語が使用される場合は意味を読み取る必要がある。

概論

軍事は財政、外交などと並んで国家の基本的な行政機能の一つであり、古来より国家の生存を維持するうえで直接的な影響を与えてきた。歴史において多くの国家指導者は軍事力の造成や運用についての科学と哲学を持つことが求められ、また戦場において実際に作戦部隊を指揮統率する軍人にとっても軍隊部隊の戦闘教義や統率方法の開発が求められてきた。

軍事力は国際的な暴力の行使に対して自国の安全と利益を守り、また対外政策を遂行する手段・能力である。国際社会はアナーキーであるために、原則として独力で国益を保持することが求められる。軍事力の対外的な機能としては抑止、強制・誘導、拒否・抵抗の三つが挙げられる。また国内的に軍事力は国内で反乱などが発生した場合にはこれらへの対抗手段としても機能する。狭義での軍事力は陸海空軍の戦力、兵器、指揮統率、規律、士気、錬度などによって構成され、広義では民間防衛、人口、地理的環境なども軍事力に貢献している。

戦略は軍事力を計画的、大局的、効果的に運用するために立案される総合的な術策、方針である。軍事理論においては戦略は国家戦略の下に軍事戦略、外交戦略、経済戦略、民間防衛戦略、心理戦略、技術戦略、情報戦略などが置かれ、軍事戦略の下に軍事作戦における戦略である作戦戦略が位置する。軍事戦略は国家戦略と特に深く関係しており、その国家の地政学的環境、軍事地理的環境、国際関係、安全保障環境などに基づいて平時・戦時の戦略が策定されて実行し、戦時にはその戦略にそって軍事力と国力を運用して戦争を遂行する。

作戦とは狭義には戦闘行動であるが、広義にはその各種の行動を計画して運用することである。その作戦行動の空間的な領域から、陸上作戦、海上作戦、航空作戦に区分される。作戦計画は作戦戦略や兵站計画に基づいて作成され、その攻撃的、防御的な性格の違いから攻勢作戦と防勢作戦に大別される。作戦計画に従って指揮官は作戦部隊の戦闘行動を指揮統制していく。

そして戦術は戦略の下位概念であり、作戦部隊の戦闘行動を効率的に指揮する術策である。戦術は戦闘教義、状況、地形、敵味方の戦力、作戦目標などによって決心され、これに基づいて部隊は攻撃、防御、または迂回、包囲、突破などの機動などを実行する。

分野

軍事学は社会科学の分野の研究に限られる場合もあるが、ここでは広義の軍事学を指し、人文科学・自然科学・社会科学の三系統に大別する。

人文科学

軍事学における人文科学に属する研究としては以下が挙げられる。

* 戦争哲学 (Philosophy of war) は戦争・軍事・戦時における政治のあり方などを形而上的に研究を行う学問である。
* 軍事心理学 (Military psychology) とは軍事的な観点、すなわち統率、士気、知能、戦闘ストレス反応、集団行動などを研究する学問である。
* 軍事史学 (Military history) とは戦争、軍事力、戦略、戦術、兵器などの歴史についての研究である。その内容によって地域別に世界軍事史や日本軍事史、また内容別に軍制史、戦争史、作戦・戦闘史などに区別される場合もある。軍事研究に具体的な事例を提供する。
    o 日本軍事史
    o 世界軍事史

自然科学

軍事学における自然科学に属する研究としては以下のようなものが挙げられる。

* 軍事工学 (Military engineering) は軍事に関連する兵器などについての応用的な工学である。
    o 兵器学は兵器の性能・使用・構造についての研究を行う学問である。兵器工学とも言う。
      + 火薬学とは火薬の配合、爆破力、製造などについての研究を行う学問である。
      + 弾道学とは弾道、すなわち弾丸などが発射された後に移動する道筋、についての研究を行う学問である。場合によっては射撃学とも言う。
      + 造兵学は兵器の製造などの兵器行政についての研究を行う学問である。
    o 軍事土木学 (Military civil engineering) とは築城や要塞などの軍事施設の構造や防護などについての研究を行う学問である。
    o その他、機械工学、システム工学、情報工学、通信工学、航空工学、船舶工学などの応用工学を関連領域に含む。
* 軍事地理学 (Military geography) とは軍事的な観点から地理・地誌・緊要地形などについて研究を行う学問である。旧軍では兵要地学、兵要地誌とも言う。
* 軍事医学 (Military medical science) とは戦傷学や戦陣衛生学などの軍事的な観点から見た医学・衛生の研究である。航空医学や海洋医学、精神医学などの領域も一部に含めている。
* 作戦研究(運用解析、Operations Research)
    o 机上作戦演習
* 統計学
* 気象学
* 海洋学
* 交通学
* 衛生学
* スポーツ科学

* その他、応用物理学・化学・工学・数学・情報学・暗号理論などを関係領域に含む。

社会科学

軍事学の社会科学的な分野においては、以下のようなものが挙げられる。

* 安全保障学 (Security studies) は国家の生存、繁栄、自由、平和を守ることについての理論や方法について研究する学問である。
    o 国家安全保障論(国防学、国防論)
    o 国際安全保障論
    o 危機管理論
    o 軍備管理・軍縮論
    o 政軍関係論は安全保障上の政府と軍隊の関係などについて研究する。
    o 地域研究
* 戦争法 (Law of war) とは戦争に関する国際法を研究し、戦略戦術の採否や作戦行動の法的妥当性の根拠を検討する研究である。戦時国際法、国際人道法とも言う。開戦法規と交戦法規の二領域に大別できる。
* 軍事行政学 (Science of military administration) とは軍事力の造成・維持・管理・育成、すなわち軍事行政についての研究である。軍政学とも言う。法学、財政学、行政学などの研究領域を含む。
    o 軍事法学 (Military Law) は軍事に関する法的問題、例えば軍事犯罪とそれを裁く軍法など、について研究する。
    o 軍制学は軍事の指揮系統や部隊編制などの制度的な問題について研究する。
* 戦略科学 (Strategy Science) とは戦略についての研究である。軍事学の基幹的な研究分野の一つ。(国家戦略論などは厳密には安全保障学に属する)
    o 国家戦略論
    o 軍事戦略論
    o 核戦略論
    o 戦略文化論
* 戦術学 (Tactics) とは作戦・戦闘において部隊を指揮統制し、効果的に戦闘力を発揮する方法論・科学についての研究である。軍事学の基幹的な研究分野の一つ。
    o 戦術とは陸戦において部隊を効果的に指揮統率する術・科学である。
    o 海軍戦術とは海戦において部隊を効果的に指揮統率する術・科学である。
    o 航空戦術とは航空戦において部隊を効果的に指揮統率する術・科学である。
* 統率論 (Leadership) とは軍事心理学などの観点から軍隊・戦場におけるリーダーシップなどの心理作用について取り扱う研究である。リーダーシップ論とも言う。軍事学の基幹的な研究分野の一つ。
* その他、国防政治学、防衛経済学、軍事社会学、国際関係学、組織論などの関係領域を含む。

歴史

軍事学の歴史は古代にまで遡ることが出来る。ここでは社会科学系の軍事学の発展の歴史を主に述べる。

戦争術の起源

戦争、軍事に関する研究は古来から行われてきたが、その研究領域としては方法論としての戦略学、戦術学、統率論についての総合的な議論が先駆けている。ただし前近代における軍事力の運用は高度な専門性を追求するものではなく、戦争術 (Art of war) として国家の指導者に必要な包括的技術の一部として捉えられていた。

古代中国で孫武は戦略論、戦術論、リーダーシップ論を総合的に自著『孫子』で論じて、現代でも高い評価を受けている。また中国の軍事研究としては『呉子』、『六韜』、『三略』、『尉繚子』、『兵法三十六計』、『百戦奇略』、『鬼谷子』などが挙げられる。

四世紀の古代ローマにおいてはヴェゲティウスが兵士の選考、訓練、軍規、レギオン編制、運用、戦略、戦術、陣地戦、海上作戦についての過去の著作や資料から編纂し『古代ローマ人の軍制』を記した。これは19世紀までに西欧で多くの写本が作成されて諸侯に愛読され、マキャヴェリなどの西欧軍事思想家に大きな影響を与えた。

また古代西洋における軍事学の研究書としてはオナサンデルの『将帥論』、トゥキディデスの『戦史』、ポリュアイノノスの『戦術書』、フロンティヌスの『戦術論』などが挙げられる。しかし中世ヨーロッパにおいては軍事研究が一般的に停滞することになる。これは中世ヨーロッパでは封建社会の騎士道に基づく個人的な武勇が戦争でも重視されていたことなどがその理由として挙げられる。

一方での東ローマ帝国ではその地政学的な環境などが誘因となって、戦争を理性的に捉えて分析しようとした。マウリキウスは将軍であった578年に軍規や訓練の重要性、宿営地の構築方法などについて述べられた実践的な教範である『戦略 (Strategicon)』を執筆した。またレオーン6世は900年ごろに、国家の重大事は農民を守護する軍隊と、軍隊を養う農民であると述べ、具体的に戦闘隊形や編制、騎兵戦術などのイスラム教徒との戦い方をまとめた『戦術 (Tactica)』を記した。マウリキウスとレオーン6世は「戦略」の遠祖であり、戦略という用語が西欧で用いられるようになったのは18世紀に両者の著書が翻訳されたことによる。

また中世においてはモンゴルが高度な機動力を誇る騎兵が戦略的、戦術的に運用されたことは軍事史学的に重大な意味を持っている。モンゴル軍は騎兵部隊を十進数で編制して厳格な指揮統制したために、柔軟かつ機動的に作戦行動することが可能となった。このモンゴル軍の騎兵を活用した戦闘教義は当時の軍事技術の水準から見れば非常に優れたものと評価されており、サマルカンドの戦いなどの戦史に見ることが出来る。

近代軍事学の成立

西洋では16世紀、ニッコロ・マキャヴェッリによって『君主論』及び『戦術論』が記され、現実主義的な政治思想が成立し、また古代ローマの戦術、軍規、訓練の価値の見直しや常備軍の重要性などが論じられるようになった。モンテクッコリは三十年戦争の実戦経験に基づいて1640年代から70年代に軍事研究の『戦争論』、『戦闘論』『ハンガリーにおける対トルコ戦争史』などが記された。またフォラールの『戦争における新発見』、『部隊の行程、隊形の変換法、戦闘時の隊形』では古代のローマやギリシアの戦史を参照しながら戦闘隊形についての考察を深め、縦隊と横隊の優劣についての論争をもたらした。

17世紀から18世紀にかけてピュイセギュールも古代戦史を研究しながら戦争の法則を研究し、『原理そして原則による戦争術』をまとめた。モーリス・ド・サックスは『我が瞑想』で軍隊の編制、戦術、リーダーシップについての考察を残し、サックスの下で軍務についており、また戦略の概念を普及させたことで著名なマイゼロアも『戦術の理論、実践ならびに歴史に関する講義書』や『戦争理論』を出版している。同じくサックスの軍隊にたロイドは地形的条件に基づいて作戦線の幾何学的な一般原則を構築しようとした『軍事的回想』も出版される。マウリッツやグスタフ・アドルフの軍制改革が実践されたのはこのような軍事学の理論を背景としていた。

18世紀、フリードリヒ大王はサックスたちの研究を参考にして独自の軍事理論を発展させ、短期決戦の戦略思想を構築し、『戦争の一般原則』や『軍事的遺言』などの著作を生み出した。フランス軍の改革の時期に登場したギベールは『戦術一般論』でこれまでの先行研究を踏まえた上で普遍的原理を示す総合的な軍事理論を発表して著名となった。またプロイセンでもビューローが『新戦争体系の精神』などの著作で戦略、戦術、作戦基地などの概念を明確化し、合理的な作戦線のあり方について考察した。この合理主義の立場に立ってベレンホルストは『兵術についての考察 その進歩、矛盾、確実性』で戦争理論の批判と再構成を試みた。

フランスのヴォーバンは『要塞攻囲論』などの著作で軍事学に科学的手法を取り入れ、具体的な攻撃や防御の要領についての研究をまとめた。 18世紀後半に登場したナポレオン・ボナパルトは徴兵・徴発制度を創始して戦争の形態を根本的に変化させた。戦術においては砲兵や騎兵の活用から三兵戦術を完成させ、予備兵力の概念を作り出した。ナポレオンは著作を出していないが、ナポレオンの言葉や命令からまとめられた『規範』が1827年に各種出版された。ナポレオン戦争は軍事学の研究に大きく影響した。

19世紀カール・フォン・クラウゼヴィッツはシャルンホルストの下で軍事研究を行い、フリードリヒ大王、ナポレオンの戦史研究に基づいて『戦争論』を著した。この著作では戦争の本質や原理、戦略・戦術概念の構造化、攻撃・防御の理論、「摩擦」や「戦場の霧」などの概念の創始などで軍事学の発展に大きく貢献した。またジョミニはクラウゼヴィッツが戦争の哲学的、科学的な考察を重視したのに対して現実的な応用を重視した。ジョミニは多くの著作を残し、特に有名な『戦争概論』においては戦争政策、戦略論、大戦術論、兵站や行軍、戦闘隊形、統合運用などについて論じた。

軍事理論の転換

近代には新たな国民国家体制の出現ともに戦争の形態が変化し、また技術革新による軍事力でも多様化が起こり、軍事理論にも大きな変化があった。まず戦争の規模が拡大したためにモルトケやシュリーフェンは殲滅戦争の原則に基づいて戦略的包囲を実施するための軍事理論を構築した。ハンス・デルブリュックも古代ローマ以来の戦闘を実証的に研究しなおして多くの論文を作成し、戦争を殲滅戦争と消耗戦争に大別する戦争理論を構築した。

海軍力に蒸気機関が導入されたことや貿易の重要化による海軍戦略の意義の高まりも軍事理論に影響を与えた。またコロムはそれまで陸軍の戦略・戦術と混合して論じられることが多かった海軍の戦略・戦術を特殊性に基づきながら理論化し、1890年に『海戦論』で制海権の概念を確立した。さらにマハンはジョミニの方法論を応用しながらシーパワーの概念に基づいた海洋戦略理論を構築し、『海上権力史論』や『海軍戦略』を発表した。さらに航空機の戦場への導入によって19世紀後半から20世紀前半にかけてドゥーエは制空権の重要性に気づき、『制空論』との論文を発表して航空戦力の重要性、戦略爆撃の効果、独立空軍の創設を論じた。またウィリアム・ミッチェルも航空戦力の重要性を認識し、同じく独立空軍の創設を論じている。

第一次世界大戦で大規模かつ長期的な戦争が登場したことにより、エーリヒ・ルーデンドルフは1935年に『総力戦』においてクラウゼヴィッツの『戦争論』は前時代的な古典と見なして、戦争の本質が変化したために国家は戦争に勝利するために総動員されなければならないと論じた。また同時代にフォッシュは戦略、戦理について研究を行い、『戦争指導』、『戦争の原則』を出版し、戦争に勝利するためには全国民の貢献が必要であることが論じられた。

戦車の導入は陸上作戦の様相を変化させたためにジョン・フレデリック・チャールズ・フラーは戦争全般に関するさまざまな著書を残しており、また『機甲戦 作戦原則第三部の解説』で近代陸軍戦術の戦いの原則と機甲戦理論を確立した。これは第二次世界大戦において『電撃戦』の著者ハインツ・グデーリアンによって参考にされ、電撃戦の実践や統合運用の思想に結びついた。

核時代における軍事学

現代においては米ソ冷戦が始まり、核兵器の登場、諸々の関連研究の進歩とともに軍事理論は発展した。リデル・ハートは「間接アプローチ戦略」や「大戦略」の概念を編み出して軍事戦略の発展に大きな影響を与え、核兵器についてもその特殊性を踏まえた戦略理論について議論している。『戦略論』、『抑止か防衛か』などの著作を残した。

核戦略の理論構築に際しては核戦争に至らない程度の戦争として限定戦争という概念がオズグードにより考案され、またキッシンジャーもまた『核兵器と外交政策』の中で限定的な核攻撃を活用することの意義を論じている。またシェリングの『紛争の戦略』ではゲーム理論を応用した核戦略の構築も進められ、現実の外交政策と関連しながら核戦略の理論構築は進められた。

また情報革命によって新たな情報戦の形態や軍事における革命(RMA)がもたらされ、軍隊の情報システムの抜本的な見直しと部隊の再編制が現在各国で進んでいる。また市街戦が発生する可能性が増大し、各国軍で大規模な市街戦研究が行われるようになり部隊編制、装備、訓練教育、通信システムなどの根本的な再構築が行われている。

軍事学の教育

軍事学は専門性が高い学問であるため、教育が行われる場所も限られ、近世以降には軍事的な活動に直接的に関わることになる軍人が軍学校などにおいて行うものが一般的であった。ただしそこでは勤務に必要な実際的な専門知識の習得が主要な目的であり、教養としての軍事学の教育である場合ではなかった。ヨーロッパにおいては第一次世界大戦をきっかけに軍事研究の重要性が広く認識されるようになり、戦略学や軍事史など教養的な分野を中心に一般の大学でも講義がもたれるようになっていった。イギリスでは1909年にオックスフォード大学オール・ソワルズ・カレッジにおいて軍事史の教授ポストが設置され、初代の教授にスペンサー・ウィルキンソンが就任している。またリデル・ハートが軍事評論の業績を残し、軍事評論家としての地位を向上させた。ロンドン大学キングス・カレッジ戦争研究学部(大学院)の講義要項(昭和53年)によると、一般問題及び特殊問題から講義は構成されている。一般問題は18世紀末の軍事理論と戦略思想史、19世紀における西洋軍事思想史、1914年の海戦と海洋戦略、政治思想における戦争や戦争哲学、国内暴力、暴動鎮圧、国際警察としての軍事力、治安維持部隊としての軍事力、現代の政軍関係の類型という内容になっている。現在、一般大学で軍事学の講義を持っているのは、そのほかにスタンフォード大学などがある。

日本のアカデミズムは特殊な事情もあり、軍事学を学術的な領域として容認していない。これには西洋に古典的な軍事研究があった一方で日本の軍事学は近世以降にようやく発展し、また近代において西洋から来た軍事学によって断絶しているため、一般的な教養としての性格を得ることができなかったことなどが影響していると思われる。そのため日本において教養人、インテリゲンチャの証明とは軍事に無知であることであり、軍事学について博識な人間、あるいは軍事的な専門性を習得した人間は視野狭窄で無知蒙昧な「軍国主義者」「右翼」であるという偏見があった。これは敗戦によって始まったものではなく、大正の頃から既に存在していた風潮であった。佐々木邦の『珍太郎日記』では軍隊での生活を取り上げて「子供の時の単純な頭脳を大人になっても持ち続けるやうでなくては軍人は決して勤まらない」などと述べている。また戦後において丸山真男は日本を戦争に導いたのは軍事に精通して右傾化していた「擬似インテリゲンチャ」または「亜インテリゲンチャ」であると述べている。日本で軍事学講義を開講している一般の大学は殆どない。

さらに詳しく → 軍事学



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