航空自衛隊の歴史

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2010/05/24(月)
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航空自衛隊(こうくうじえいたい、英語:Japan Air Self-Defense Force)は、日本の官公庁のひとつ。防衛省の特別の機関である。略称はJASDF

概要

航空幕僚監部並びに統合幕僚長および航空幕僚長の監督を受ける部隊および機関からなる。主として空において行動し、日本の平和と独立を守り、国の安全を保つため、直接侵略及び間接侵略に対し航空自衛官を用いて日本を防衛することを主たる任務とする軍隊ではない防衛組織。その最上級者は最上級機関である航空幕僚監部を統括する航空幕僚長。なお、日本では法律上軍隊としての機能は発揮できないが、他国からは空軍と同じものとみなされており、敵地攻撃能力以外では実質その能力を備えている。その為、見方によっては防空軍ともとれる。

主要装備はF-15戦闘機202機(F-15運用国ではアメリカに次いで第2位の保有数である)、F-2戦闘機94機(2011年度配備完了予定)、F-4戦闘機約70機、合計350機余と、E-2早期警戒機が13機、E-767早期警戒管制機が4機と、早期警戒機の数も多く防空能力は高いが、爆撃機や空対地ミサイルを保有せず対地攻撃能力は低い。また、被攻撃に対しての基地能力の抗堪性の低さも問題視されている。キャッチフレーズは『Key to Defense , Ready Anytime』

歴史

旧陸海軍の航空隊出身者がアメリカ空軍より初期の教育を受け(指導したのは日本への戦略爆撃を指揮したカーチス・ルメイ)て創設したため、陸上自衛隊および海上自衛隊と比較するとアメリカ的な組織になったとされている。その一方で小隊、班といったショップの独立性(組織の性格上、個人の能力・判断・権限といったものが大きい)が極めて強く、現場指揮官のカリスマ性で末端の隊員を牽引する部分が大きい点は注目に値し、日本型組織の模範といえるトヨタ自動車同様農村社会としての日本の組織風土に極めて適応、土着化した組織とも表現できる。要するに、組織内の全体的な統一よりも、各基地、各小隊ごとが独自の判断基準をもって勤務することが多い。文化的には、礼式や号令、徒手体操などは陸上自衛隊を範としているため、陸上自衛隊に似通った点も多い。

空自創設初期には、旧陸海軍航空隊出身者による主導権争いがあり、その組織力は決して高いものではなく部内は勿論、陸上自衛隊、海上自衛隊、民間からも揶揄嘲笑される極めて苦しい状態だった。その為、旧内務省出身で保安庁官房長だった上村健太郎が初代航空幕僚長に起用された。この点は従来の陸軍航空隊が第二次世界大戦後そのまま横滑りで独立したアメリカ空軍とは全く様相を異にしている。航空自衛隊の発展過程でもっとも影響力を及ぼした者として源田実元海軍大佐の存在があり、F-104戦闘機の導入時には大きな発言力を持っていた。そのほかにも著名な旧軍人として、加藤隼戦闘隊のエースパイロット黒江保彦元陸軍少佐が小松基地司令に就任していた。なお、航空幕僚長就任者を旧軍の出身別に分けると、陸軍出身11名、海軍出身5名である。第16代統合幕僚会議議長(第17代航空幕僚長)の森繁弘は自衛隊最後の旧軍出身者(陸士60期)となった。

戦闘機、防空システム、地対空誘導弾ペトリオットなど、世界的に見ても最先端兵器を装備することから、陸海空各自衛隊のなかでもっとも政治的制限を加えられてきた経緯がある。そのため戦闘機からは精密爆撃のための装備、空中給油装置を取り外していた時期もあった。しかし、アメリカ空軍との連携能力の整備は発足以来着々と進められており、日米間での共同作戦を可能とする暗号装置、秘話装置、戦術データ・リンク、敵味方識別装置などの配備、隊員間の語学教育は年々充実の度合いを深めている。また、より緊密な戦術的連携を深めるため、近年では毎年1回グァム島においての日米共同演習「コープノース」が実施されている。航空救難については、独自に航空救難団を組織している。海上自衛隊救難飛行隊とは、担当区域が重複しないように配備され、緊急時には中央救難調整所(RCC)が海自の救難部隊と活動の調整を行う。

任務

平時においては日本領空へ領空侵犯する、もしくは可能性のある経空脅威の排除が使命である。このため領空の外側に防空識別圏(ADIZ)を設定し、日本各所にレーダーサイトを設置して、状況に応じて早期警戒機、早期警戒管制機による警戒態勢を敷いている。防空識別圏に侵入する国籍不明機に対しては、まず 121.5MHz及び243MHzの国際緊急周波数により無線警告を発し、さらに戦闘機によるスクランブル発進を実施する。スクランブル発進については、2006年4月7日のロシア軍機に対する百里基地のF-15発進によって創設以来20,000回を記録した。スクランブル発進は北海道や日本海側だけではなく、長距離爆撃機などが太平洋側にも姿を現すので太平洋側の百里基地からも発進することがある(ただ近年は沖縄方面での第4世代や第4.5世代の中国軍機の侵入によるスクランブル発進も激増している)。

有事においては、陸上自衛隊や海上自衛隊への支援として、対艦攻撃、対地攻撃、航空輸送を実施する。専守防衛の理念から、要撃(防空)戦闘専用に特化した傾向にあり戦略爆撃機等の戦略兵器の配備は計画されていない。F-15やAWACS(エーワックス)、パトリオットミサイル(自衛隊では原音に近い「ペトリオット」)など世界でも有数の装備を備えている。

また航空機の稼働率も搭乗員の練度(年間200時間以上と言われている)も高く、世界的に見ても高水準の戦術航空兵力といえる。日米安全保障条約に基づきアメリカ空軍と協力関係にあり、三沢基地では基地を共同使用しているほか、毎年日米合同演習を行うなど良好な関係にある。

規模

2009年3月現在、航空自衛官は約4万7000名

装備

主要航空機

* 戦闘機
    o F-15J/DJ
    o F-2A/B
    o F-4EJ改

* 偵察機
    o RF-4E
    o RF-4EJ (F-4EJに偵察用装備を追加したもので戦闘機能力も持つ)

* 練習機
    o T-7
    o T-4
    o T-400

* 電子戦機
    o YS-11EA/EB
    o EC-1 電子戦訓練機

* 早期警戒機
    o E-2C 早期警戒機
    o E-767 早期警戒管制機

* 輸送機
    o C-1
    o C-130H
    o U-4
     o CH-47J輸送ヘリコプター
    o YS-11P
     o ボーイング747日本国政府専用機
    o KC-767 空中給油・輸送機

* 救難機
    o U-125A 救難捜索機
    o UH-60J 救難ヘリコプター

* 地対空誘導弾
    o 地対空誘導弾ペトリオット(PAC-2/PAC-3)
    o 81式短距離地対空誘導弾

* 防空警戒網
    o バッジシステム・ジャッジシステム

海上自衛隊はハープーン空対艦ミサイルを搭載できるP-3C対潜哨戒機やLC-90連絡輸送機・観測機、US-1飛行艇を運用し、陸上自衛隊もLR-2連絡偵察機を運用しているが、海上自衛隊・陸上自衛隊独自の戦闘機は保有していない。ヘリコプター(回転翼機)では、海上自衛隊が哨戒ヘリコプターSH-60J・SH-60K、掃海・輸送ヘリコプターMH-53E・MCH-101を、陸上自衛隊が対戦車(戦闘)ヘリコプターAH-1S・AH-64D、観測ヘリコプターOH-6D・OH-1を保有しているが、航空自衛隊はこのような機体を保有していない(陸・海と共通のものを除く)。

編制

編制は防衛大臣以下次のようになっている。

* 航空幕僚監部
* 航空総隊
* 航空支援集団
* 航空教育集団
* 航空開発実験集団
* 航空自衛隊補給本部
* その他の部隊・機関
     o 航空システム通信隊(市ヶ谷)
    o 航空安全管理隊(立川)
     o 航空警務隊(市ヶ谷)
    o 航空中央業務隊(市ヶ谷)
    o 航空機動衛生隊(小牧)
    o 航空中央音楽隊(立川)
    o 航空自衛隊幹部学校(目黒)
    o その他の防衛大臣直轄部隊
* 自衛隊三沢病院(三沢)
* 自衛隊岐阜病院(岐阜)
* 自衛隊那覇病院(那覇)

職種

幹部

* 飛行 - 戦闘機、輸送機、偵察機など航空機を運用する業務を行う。
* 航空管制 - 飛行場に離着陸する航空機の誘導などを行う。
* 要撃管制 - 領空の警戒監視などの業務を行う。
* 高射運用 - 地対空誘導弾ペトリオットの運用を行う。
* 高射整備 - 地対空誘導弾ペトリオットの整備を行う。
* プログラム - コンピューターのプログラム作成及び管理を行う。
* 気象 - 気象観測に基づく気象解析や航空気象予報の作成などを行う。
* 通信電子 - 通信電子機器などの維持及び運用などを行う。
* 武装 - 戦闘機などの搭載武器に関する業務などを行う。
* 整備 - 航空機などの整備を行う。
* 施設 - 基地施設などの建設取得及び維持管理などを行う。
* 衛生 - 医療業務などを行う。救難員として救難機に搭乗する者もいる。
* 法務 - 航空自衛隊に関連する損害賠償訴訟などを取り扱う。
* 総務人事 - 各部隊の司令部等において総務業務、人事業務などを行う。
* 警備 - 基地の安全管理などを行う。
* 音楽 - 公式行事などでの演奏を行う。
* 会計 - 予算、契約行為などに関する業務を行う。
* 補給 - 航空自衛隊における物品等の管理を行う。
* 輸送 - 航空自衛隊で必要とする人や物資を輸送する業務を行う。
* 研究開発 - 航空自衛隊における航空機および地上電子機材等の研究開発を行う。

これらを含めて約30種類の職種がある。

准曹士

准曹士の職種はアメリカ空軍の制度に倣い幹部よりもさらに細分化されているが、特に平成8年度以降防衛費削減の影響で職種の統廃合が急速に進められ、各隊員の業務量は過大となりつつある。

実務経験と試験などにより30(初級レベル・初級専門員)、50(中級レベル・専門員又は初級技術員)、70(上級レベル・技術員)の特技が付与される。特技付与のうち50(中級レベル)について、自衛隊生徒及び一般曹候補学生は、各術科学校の中級課程修了時に付与される場合と部隊実習と空曹候補者課程を終了し3曹昇任時に付与される場合の2通りがあり職種、ショップによりこれらは異なる。曹候補士及び一般隊員は、実務訓練(OJT)を通常10ヶ月した後に特技試験(APT)が課される。特技拡大(職種替え)を受けた場合以前の職種は順次技術レベルを格下げされていく。

英語教育

隊員に対しては英語教育が重視されており、35歳以下の全隊員に対して、毎年隊内の英語能力試験(空英検)が実施されている。特に指揮幕僚課程では同検定総合3級以上が受験資格の一つに数えられておりこれについては「英語より国語の方が大事ではないのか」「母語たるドイツ語よりロシア語を重要視していた旧東ドイツ空軍のようで植民地根性だ」と部内からも批判が一部ある。

さらに詳しく → 航空自衛隊



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