トンプソン・サブマシンガン(トミーガン)の歴史

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2010/04/29(木)
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トンプソン・サブマシンガン(Thompson submachine gun)とは、米国を代表する火器のひとつであり、トンプソン将軍が開発した短機関である。“トムソン”,“シカゴ・タイプライター”といった多数の通称・愛称を持つ事で知られるが、本記事中では“トミーガン”に統一して表記した。

トミーガンは、1920年代に形成された米国の大衆文化を構成する要素のひとつとして認識(後述)されており、1919年から170万挺以上が生産され、今日でも製造が続けられている長命な製品でもある。頑丈な構造を持ち耐久性と信頼性に優れ、5kg近い重量のおかげでフルオート射撃を制御しやすい特性から、各国の様々な人々に愛用された。

構造

トミーガンを特徴付けているのは、主要部品の多くが直角で構成されている点にあり、円形を基本に構成される事が多かった欧州の製品とは異質なデザインとなっている。トミーガンは上下2つのレシーバ(機関部)によって構成されており、身は上部レシーバ先端にネジで固定され、弾倉が接触する部分はドラム型弾倉を装着するため大きく切り欠かれた形状となっているほか、内部はフライス加工によって大きくえぐられ、この空洞内をボルトが前後する。

弾倉は上部まで露出しているため、野戦では泥などが付着しやすいが、逆に拭い去る事も簡単な構造となっている。 箱型弾倉を装填する際には下側から、ドラム型弾倉を装填する際には横からスライドさせて装着し、どちらもレール溝によって支持されている。M1/M1A1では横溝が省略されてドラム型弾倉が使用できないが、上部レシーバの切り欠きはそのままなので、後から横溝を刻むだけで使用できるようになる。

下部レシーバは複雑な形状ながら、機能的には上部レシーバの下部を塞ぎ、トリガーメカを保持するだけの単純な構造である。 上下のレシーバはレール溝によって嵌合し、分解する際に上部レシーバ後端にあるストッパを押し込んで下部レシーバを引き抜く形で分離できる。セミ/フル・オートを切り替えるセレクターと、セフティ(安全装置)は別々のレバー状部品として存在しているが、弾倉を固定しているマガジン・キャッチを含めて、位置は全てグリップ上部左側面にあるため、右利きの射手であれば、グリップから手を離さず全て右手親指で操作する事が可能である。

開発の背景

1916 年に米国軍人のJ.T.トンプソン将軍が設立した企業である “Auto-Ordnance Corporation”において、“小型機関”の試作が開始された。この“小型機関”は、塹壕戦で膠着状態となった第一次大戦の状況を見て、これを打開できる個人装備の需要予測に基づいて開始され、その動機は純粋に商業的なものだった。

大衆文化とトミーガン

禁酒法の恩恵で急成長を遂げていた米国のマフィアが、襲撃兵器としても防御用兵器としても優れていたトミーガンに注目して購入し、抗争などで使用した事がトミーガンの知名度を飛躍的に高めた。

ギャング間の抗争事件は当時のマスコミの格好の題材であり、こうした事件が“再現フィルム”的に映像化されたハリウッド製作のギャング映画によって、トミーガンの存在は“マシンガン” の呼称とともに世界中に知れ渡り、トミーガン=機関という認識が広く定着するなど、実態以上に強い印象をもって記憶されており、“Roaring Twenties”(狂騒の20年代)を演出した歴史上重要なアイテムとして認識されている。

一方で、マフィアなど犯罪者達を取り締まってきたFBIにおいては、トミーガンが草創期の重要な火器だった事もあって、現在でも象徴的な意味を含めて継続して使用されており、同局舎における見学者向けのデモンストレーションでは、射撃教官によるトミーガンを用いた射撃が披露され、教官が標的上に自分の名前を弾痕で刻んで見せるのが通例となっている。

アジアにおけるトンプソンサブマシンガン

軍閥間の内戦が続いていた中国では軍民ともにM1921の人気が高く、山西省を支配した閻錫山の軍閥ではM1921のコピー品が生産され、モーゼル軍用拳銃をM1921の弾薬に合わせて.45ACP弾化した独自製品まで出現した。 また、各地で跋扈する匪賊の襲撃を撃退する効果的な兵器として、富裕な地主や帰国華僑なども、手頃な価格で強力な防御能力を発揮できるトンプソンサブマシンガンを用いていた。

中国に大量に存在したトンプソンサブマシンガンとコピー工廠は、国共内戦の終結と共に中国共産党の手に渡り、朝鮮戦争では米軍も中国軍も共にトミーガンを装備して戦っていた。その後のインドシナ戦争においてもベトミン/ベトコン勢力やビン・スエン派などがトンプソンサブマシンガンを使用していた事が知られているほか、南ベトナムではこれをコピー生産していた勢力があった事も知られている。

日本においては、トンプソンサブマシンガンの存在は米国の映画を通じて広く知られており、海軍陸戦隊の近接戦闘用兵器としてMP18と比較検討されていたほか、陸軍の兵士達も中国各地で多数のM1921/M1928を鹵獲し、シンガポール占領で英軍から鹵獲されたトンプソンサブマシンガン600丁が、パレンバン作戦後に陸軍落下傘部隊に支給されたとも伝えられている。

また、フィリピン占領時にはトンプソンサブマシンガンやM1ライフルを始めとする各種の米製兵器が大量に鹵獲され、現地の日本兵達はこうした米製兵器を好んで使用していた事が伝えられているほか、日本内地でこれら鹵獲火器に対する性能試験が実施され、その一部は準制式とされている。

敗戦後の1950年に発足した警察予備隊に対しては、米国からトンプソンサブマシンガンおよびM3サブマシンガンが供与され、“サブマシンガン”の訳語として短機関銃という言葉が作られ、M1短機関銃、M3短機関銃として制式化された。現在でも海上自衛隊では一部の基地の警備でM1短機関銃が使用され続けていると言われている。

さらに詳しく → トンプソン・サブマシンガン  聖バレンタインデーの虐殺



ヤバい社会学ヤバい社会学
(2009/01/16)
スディール・ヴェンカテッシュ

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