M10 ガン・モーター・キャリッジ (M10 tank destroyer、3-inch Gun Motor Carriage M10)

航空兵器・陸上兵器・海上兵器・銃器・戦争・紛争・歴史・革命・テロ・事件・軍事動画・ニュース(報道)・社会情勢・政治運動・評論・講演など、軍事関連の情報を公開しています。宗教・思想・経済・政治的なものも少しアリ

広告
--/--/--(--)
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
2010/04/12(月)
*





M10 GMCガン・モーター・キャリッジ)は、第二次世界大戦中に生産・使用されたアメリカ合衆国の駆逐戦車である。

概要

第二次世界大戦中のアメリカ陸軍においては、あくまでも戦車は歩兵を支援し、敵陣地を突破するための兵器であると位置づけていた。そのため、敵戦車との戦闘は専門の対戦車部隊(タンク・デストロイヤー)に任せたほうが良いという方針であった。これにより、編成された戦車駆逐部隊の装備として、当初は小型トラックであるダッジ3/4tウェポンキャリアに37mm対戦車砲を搭載したM6 GMCや、装甲ハーフトラックに75mm野砲を搭載したM3 GMCが生産された。しかし北アフリカでの実戦を経験した結果、これらが火力も防御力も機動性も、全てが不十分な兵器であると判明、その代わりとなる物が求められた。

開発

これ以前に、M3軽戦車やM3中戦車の車台を使った対戦車自走砲が各種試作されていたが、結局物になったのはM4A2中戦車の車体を使い、3インチ(76.2mm)高射砲を改造したT12戦車砲をオープントップの新型砲塔に搭載したT35試作車であった。

フィリピンでの日本軍との戦闘により傾斜した装甲が有効と認められ、それを反映した新しい車体上部が設計されT35E1となり、さらに算盤の玉型であった砲塔が五角形の平面形となり、M10 GMCとして採用されることとなった。なお砲塔がオープントップなのは軽量化のためと、砲塔上の三名全員が周囲を監視することで敵戦車を先に発見、待ち伏せ攻撃をかけるという戦術のためである。しかし、空中炸裂砲弾に対し無力であり、また土砂や煙が飛び込んでくるため不評であり、一部の車輌では現地改造で装甲天井が追加された。また、敵兵に手榴弾を投げ込まれる事を警戒して、ネットで開放部を覆う工夫を行う乗員もいたとされる。

また機動力が優先されたために装甲がもとのM4中戦車より薄くなっており、一応車体に装備された止め具(取り付けボス)を用いて増加装甲が可能であったもののほとんど使われておらず、最後期の車輌では車体の止め具は省略されている。

武装

M10の主砲であるT12、改め3インチ M7戦車砲は、同時期のM4シャーマンに装備された75mm砲よりも対戦車戦闘能力に優れていた。後に新型シャーマンが装備する76mm M1戦車砲と弾頭は共通で口径は同じ76.2mmだが、薬莢が異なり装薬が多く、また砲身も若干長い。

通常のAPC(被帽徹甲弾)M62を用いた場合、敵であるIV号戦車の後期型が装備する75mm L/48砲に匹敵する威力があり、タングステン芯の入ったHVAP(高速徹甲弾)M93を用いると、ドイツの88mm砲並みの貫通力を発揮した。しかしこの砲は前方に重く、このため初期型では砲塔後部に砲弾、機銃やグローサー(履帯の滑り止めアタッチメント)等を集めてバランスをとっていたがまだ不十分であったため、中期型以降は後部にカウンターウエイトを搭載、後期型ではウエイトが後方に延長され、雑具箱になる穴が付けられた。また、M4シャーマンと異なり砲塔は手動旋回のみで、動力は付いていなかった。一応油圧旋回装置搭載型も試作されたが、後継のM36の登場もあり、量産型で使われることは無かった。

バリエーション

M18ヘルキャットの生産が軌道に乗って以降、他の米国製兵器同様、M10 GMCも連合国にレンドリースされた。イギリス軍では1748輌が受領され「ウルヴァリン」のニックネームが付けられ、これとは別に自由フランス軍でも用いられた。しかし英軍はその主砲威力を不十分であるとみなしていたため、後期型をより強力な17ポンド砲を搭載するタイプに改造した。こちらは軍需省により「アキリーズ」と命名されたが、運用する部隊ではこの名称は使われなかったという。また以前はほとんど知られていなかったが、M10はソ連赤軍にも最後期型52輌が供与され、二個自走砲連隊に編成され1944年の夏季攻勢である「バグラチオン作戦」で活躍している。

米軍でもフォードV8ガソリンエンジン搭載のM4A3の車台を用いたM10A1 GMCが生産され、これは本国での訓練用となった後、90mm砲を搭載した新型動力砲塔に換装したM36 GMCに改造され、従来型のM10も一部が同様に改造されM36B2 GMCとなった。M36と交代した一部のM10は砲塔が撤去され、重砲の牽引用であるM35トラクターに改造された。M10はフィッシャー・ボディ戦車部門で4993輌、M10A1はフォードで1038輌、フィッシャーで375輌が1943年11月末までに生産された。このうち、海外に提供された物は生産数の半分を超える約3600輌である。

性能諸元

全長 6.83 m(砲身含む)
車体長 5.96 m
全幅 3.04 m
全高 2.57 m
重量 29.6 t
懸架方式 垂直渦巻きスプリング・ボギー式(VVSS)
速度 48 km/h
行動距離 320 km
主砲 76.2 mm M7(54発)
副武装 12.7mm M2機関銃×1(1,000発)
装甲 砲塔
    防盾57 mm、側・後面25.4 mm
    車体
    前面38 mm、側面25.4 mm 後面19 mm
エンジン GM6046
      6気筒空冷ディーゼル×2
      420 馬力
乗員 5 名

さらに詳しく → M10 GMC  駆逐戦車



今日からはじめるミリタリーモデル―平和な世の中だからこそ楽しめる、戦車プラモの幸せ! (NEKO MOOK 1161)今日からはじめるミリタリーモデル―平和な世の中だからこそ楽しめる、戦車プラモの幸せ! (NEKO MOOK 1161)
(2008/08)
不明

商品詳細を見る
関連記事

タグ : 戦車 駆逐戦車 M10 GMC ガン・モーター・キャリッジ

この記事へのコメント
URL:
Comment:
Pass:   
この記事のトラックバックURL
http://gunjimania.blog108.fc2.com/tb.php/1295-8b832e25
 この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック

 | Copyright © 軍事マニアクス - Military Maniacs All rights reserved. | 

 / Template by 家族 ペット 自分史 ブログ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。