南太平洋海戦 (Battle of the Santa Cruz Islands)

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2011/06/16(木)
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南太平洋海戦(みなみたいへいようかいせん)とは、1942年10月26日にソロモン海域で行われた日米両軍の機動部隊による海戦を示す。アメリカ軍側の呼称はサンタ・クルーズ諸島海戦(Battle of the Santa Cruz Islands)。

背景

日本海軍の連合艦隊は日本陸軍第17軍が予定していたガダルカナル島での総攻撃支援のために近藤信竹中将指揮下の第二艦隊(戦艦「金剛」、「榛名」、空母「隼鷹」など)および南雲忠一中将指揮下の第三艦隊(空母「瑞鶴」、「翔鶴」、軽空母「瑞鳳」など)を派遣する。

アメリカ海軍は第二次ソロモン海戦(東部ソロモン海戦)で空母「エンタープライズ」が損傷し、8月31日に空母「サラトガ」も損傷したばかりか、9月15日には空母「ワスプ」も失ったため作戦行動をとれる空母は「ホーネット」のみとなった。アメリカ軍は「エンタープライズ」と「サラトガ」を真珠湾に帰港させ、急ピッチで修理を行い、「エンタープライズ」は10月中旬までに修理が完了した。エンタープライズは、24日にエスピリッツサント島から北東約500kmの地点でホーネット以下と合流した。また、太平洋艦隊司令長官のチェスター・ニミッツ大将は、南西地区の司令官をゴームレー中将からハルゼー中将に交代させた。ニミッツは、ゴームレーがガダルカナルで苦戦する部隊を率いるにはあまりに狭量で、悲観的過ぎると感じていたのである。ハルゼーは着任すると直ちに日本艦隊と決戦するための計画の策定を開始した。

日本陸軍第17軍は、10月13日~14日にかけて行われた挺身隊によるヘンダーソン飛行場への艦砲射撃の成功を受けて、10月24日夜、ガダルカナル島で総攻撃を行うが、重装備を持たず猖獗を極めるジャングルでの戦闘で指揮系統も混乱し、兵力を増強し防御陣地で待ち構えていた米海兵隊の反撃に遭い失敗に終わった(詳しくはガダルカナル島の戦いを参照→ガダルカナル島の戦い)。一方でアメリカ軍も空母「エンタープライズ」、「ホーネット」を中心とする艦隊(第16任務部隊および第17任務部隊)が日本軍の攻撃を警戒していた。

戦闘経過

10月25日、日本軍は数日前から見失っていたアメリカ軍機動部隊を求め索敵を活発に行ったが敵機動部隊の発見には至らなかった。一方米軍は哨戒中のPBY飛行艇が日本軍機動部隊を発見した。キンケイド少将は日本軍機動部隊の正確な位置を掴む為エンタープライズからSBD 急降下爆撃機12機を発進させた。1時間後、エンタープライズから索敵を兼ねてF4F 戦闘機11機、SBD 急降下爆撃機12機、TBF 雷撃機6機からなる攻撃隊が発進。その後の報告で日本軍機動部隊は北に反転した事が判明したがキンケイド少将は無線封止を維持する為攻撃隊にこの索敵情報を転送しなかった。攻撃隊は反転した日本軍機動部隊を捕捉出来ず燃料切れや着艦時の事故でF4F 1機、SBD 4機、TBF 3機の計8機が失われた。また朝の着艦事故でF4F 4機が失われておりエンタープライズの航空隊は決戦を前に航空機12機を失うという大きな痛手を受けた。

26 日、南雲忠一中将の第三艦隊は黎明から二段索敵を開始し、4時50分アメリカ軍機動部隊を発見した。すぐさま第1次攻撃隊62機(村田重治少佐指揮、艦攻20機、艦爆21機、零戦21機)、第2次攻撃隊44機(艦攻16機、艦爆19機、零戦9 機)が発進、米機動部隊に向かった。ほぼ同時刻、アメリカ軍も日本艦隊を発見し空母「ホーネット」から第1次攻撃隊29機(F4F 8機、SBD 15機、TBF 6機)、空母「エンタープライズ」から第2次攻撃隊19機(F4F 8機、SBD 3機、TBF 8機)、さらに「ホーネット」から第3次攻撃隊25機(F4F 7機、SBD 9機、TBF 9機)が発進した。

また、翔鶴の第二次攻撃隊の発艦準備が終了しかけたとき、瑞鶴より、「発艦作業30分遅れる」と報告が来た。さらに運悪く突如、米索敵機2機(急降下爆撃機)が襲いかかってきた。2機は「瑞鳳」に爆弾を投下し、第二次攻撃隊が発進準備中の飛行甲板を直撃した。しかし幸いにも直撃箇所が最後部であったため、艦載機の誘爆によるミッドウェイの悪夢の再現は避けられた。しかし、これにより「瑞鳳」は着艦が不能となり戦線を離脱する。このため南雲長官は瑞鶴隊を置いて、翔鶴隊を発進させた。

日本の第一次攻撃隊は、進撃途中に日本艦隊を目指す米軍のホーネット隊とすれ違った。お互いに相手を視認しながら、両軍とも素知らぬふりをしてやり 過ごした。しかし、次にエンタープライズ隊とすれ違って間もなく、瑞鳳零戦隊9機が反転し、エンタープライズ隊19機を追撃した。瑞鳳隊は太陽を背に巧みに攻撃を行ったためエンタープライズ隊は大きな被害を出した。攻撃隊右翼を飛んでいたF4F 4機は一方的に奇襲を受け3機が撃墜され1機は被弾し機銃と無線を破壊された為母艦への帰投を余儀なくされた。また雷撃隊も指揮官機を含む2機を撃墜され他の2機も被弾により攻撃を諦めエンタープライズへ帰還した。一方瑞鳳隊は零戦2機が自爆、未帰還となり2機が行方不明になった。

6時55分、日本軍第1次攻撃隊は米艦隊を発見、ホーネットに攻撃を集中した。7時10分、1発目の爆弾が飛行甲板後部に命中、続いて被弾した艦爆 1機が煙突を掠めて飛行甲板に激突した。搭載していた60キロ爆弾1発は煙突と信号艦橋に損傷を与えもう一発の60キロ爆弾と機体は飛行甲板で爆発、付近は大火災となった(米軍の記録によると艦爆が搭載していた250キロ爆弾は不発)。4 発目の爆弾は甲板4層を貫いて内部で爆発、5発目は飛行甲板後部で炸裂し3メートルの穴を開け、6発目の爆弾は甲板3層を貫通して乗員食堂で炸裂した。最後に炎に包まれた艦攻1機が左舷前部高角砲座に突入した。7時15分、魚雷2本が機関室付近に命中し機関が停止、電力も絶たれたため消火ポンプが作動しなくなった。また付近にいた護衛艦艇も攻撃を受け雷撃機1機は重巡ペンサコラを攻撃したが魚雷は外れ、被弾した雷撃機はペンサコラに突入を試みたものの艦首外側数メートルの海中に墜落した。また駆逐艦アンダーソンは雷撃機から機銃掃射を受けたものの目立った被害はなかった。

日本軍攻撃隊は7時20分には引き上げ海上ではホーネットが激しく炎上していた。艦内では消火ポンプが使用不能になった為緊急に200名からなるバケツリレー隊を編成、付近にいた駆逐艦も消火ホースをホーネットに渡し消火作業を行った。決死の消火作業により8時までには火災は鎮火し重巡ノーザンプトンがホーネットの曳航を行った。日本軍第一次攻撃隊はホーネットに重大な損傷を与えたものの艦攻10機、艦爆12機、零戦3機が失われ更に不時着により艦攻6機、艦爆5機、零戦2機が失われた。一方「ホーネット」の第1次攻撃隊は7時27分、日本機動部隊を発見、直後に9機からなる日本軍直掩隊が表れF4F 2機が撃墜された。急降下爆撃隊15機は戦闘機の掩護なく進撃を続けたが更に20機前後の零戦に襲われ2機が撃墜され2機が被弾により母艦に帰等した。残る11機は「翔鶴」を攻撃し450キロ爆弾4発を命中させ翔鶴を大破させた。「エンタープライズ」隊および「ホーネット」の第3次攻撃隊は日本空母を発見できず、前衛艦隊を攻撃、重巡「筑摩」に爆弾3発を命中させ大破させた。

日本側第2次攻撃隊は、8時15分「エンタープライズ」および炎上漂流中の「ホーネット」を発見、先に到着した翔鶴艦爆隊19機は無傷の「エンタープライズ」に攻撃を集中し2発の直撃弾を与えた。1発目の爆弾は艦首から5メートルの飛行甲板に命中し爆弾はそのまま艦首上甲板を貫通して海面で炸裂し艦首付近を穴だらけにした。2発目の爆弾は前部エレベータ後方3メートルの飛行甲板に命中し3層を貫いて前部応急指揮所で炸裂した。また右舷3メートルの所に至近弾1発が落下し舷側に損害を受けた。また艦爆隊が到着する直前の8時1分、不時着したエンタープライズの雷撃機の救助に向かった駆逐艦ポーターに雷撃機から誤って発射された魚雷が命中した。ポーターは航行不能になり僚艦の砲撃により処分された。8時35分、遅れて発進した瑞鶴の雷撃隊16機はエンタープライズに魚雷を発射したが命中せず炎に包まれた1機は駆逐艦スミスの2番砲塔に体当たりした。艦攻が搭載していた魚雷は爆発し砲塔付近にあった弾薬が誘爆を起こし大火災が発生した。しかし艦長の判断で付近を高速で航行中の戦艦サウスダコタに接近しサウスダコタの艦尾波でスミスは奇跡的に消火に成功した。日本軍第2次攻撃隊ははエンタープライズ等に損害を与えたものの艦攻9機、艦爆10機、零戦1機が未帰還になり不時着水により艦攻1機、艦爆2機、零戦2 機が失われた。

第二艦隊と行動を共にしていた角田覚治少将麾下の第二航空戦隊(空母「隼鷹」基幹、飛鷹は機関故障のため不参加)は、7時45分第1次攻撃隊29機(艦爆17機、零戦12機)を発進させ、また第二艦隊の指揮下に入った。第二航戦の攻撃隊は9時 20分ごろエンタープライズ上空に到達したものの雲底が500メートルと極度に視界が悪く、攻撃は分散され、また爆撃精度も悪化した。しかし攻撃隊はエンタープライズに至近弾1発を与え船体を60センチ陥没させ内部数区画を破壊した。戦艦サウスダコタには4発の爆弾が投下され内1発が第一砲塔に命中、艦長を負傷させ付近の銃座に損害を与えたものの決定的打撃とはならなかった。また軽巡サン・ファンには6発の爆弾が投下され内1発が艦尾に命中、爆弾は海中で炸裂し艦尾付近に大きな損害を与えた。

日本軍攻撃隊の波状攻撃を受け大きな損害を受けたキンケイド少将は撤退を決意した。9時30分、マレー少将にホーネットの救援を指示しエンタープライズを主軸とした本隊は撤退を開始した。一方日本軍は航空機に多大な損害を受けていたが残存機をすべて投入して米艦隊の追撃を開始した。11時、隼鷹から第2次攻撃隊(艦攻 9機、零戦8機)が発進、続いて11時15分に瑞鶴から残存機すべての艦爆2機、艦攻6機、零戦5機からなる第3次攻撃隊が発進し、1時30分に隼鷹からこの日最後となる艦爆4機、零戦6機からなる第3次攻撃隊が発進した。隼鷹の第2次攻撃隊は1時に戦場に到着しホーネットとホーネットを曳航中の重巡ノーザンプトンを雷撃した。ノーザンプトンは曳航索を切って魚雷をすべて回避したがホーネットには魚雷1本が命中、傾斜が14度に増大し遂に退艦命令が発令された。40分後、瑞鶴から発進した第三次攻撃隊がホーネットを爆撃。艦攻隊は800キロ爆弾による水平爆撃を行い1発が飛行甲板後端に命中、他の5発は至近距離に落下し、衝撃波によりホーネットに大きな損害を与えた。3時10分、隼鷹第3次攻撃隊は漂流中のホーネットを爆撃、1発を命中させた。

米軍はホーネットから総員を退艦させると駆逐艦マスティンにホーネットの魚雷処分を命令、マスティンからは搭載魚雷すべての8発の魚雷が発射されたが3本しか命中しなかった。代わって攻撃を行ったアンダーソンは6発の魚雷を命中させたがホーネットの傾斜角、喫水はほとんど変わらず米軍の報告書によると「駆逐艦による魚雷攻撃の結果にはとても失望した。駆逐艦の攻撃はホーネットに殆どダメージを与えられなかった」とある。魚雷を使い果たした両艦は12.7cm砲弾300発を撃ち込んだがホーネットは沈まず日本軍索敵機に発見されたため急いで現場海域から離脱した。

連合艦隊参謀長であった宇垣纏少将は「事情許さば、拿捕曳航されたし」と前進部隊に命令を発したが、火災と浸水で曳航不能なため第一〇駆逐隊の秋雲・巻雲は魚雷4本を発射しホーネットを雷撃処分した。合わせて魚雷16本、爆弾8発、12.7cm砲弾 300発を喫したホーネットは22時ついに南太平洋の波間に姿を消した。

結果

この海戦でアメリカ軍は「ホーネット」を失い、「エンタープライズ」も大破したため、太平洋における稼働空母数は一時的に0となった。アメリカ軍側に「史上最悪の海軍記念日」と言わしめた。しかし搭乗員の損害は少なく、「エンタープライズ」をヌーメア(ニューカレドニア)で応急修理を実施して第三次ソロモン海戦を始め、ガダルカナル島近海に進出してくる日本軍の艦艇に脅威を与え続けた。

日本側はこの海戦において勝利を収めたが、艦爆隊や艦攻隊の損害が大きく、特に村田重治少佐(戦死後大佐)をはじめとする真珠湾攻撃以来のベテラン搭乗員を多数失い、これ以上の攻勢に打って出ることが困難となった。また本海戦の目的の一つとも言うべき陸軍部隊の支援についても結果的には失敗している。特に航空機搭乗員の損害はミッドウェー海戦よりも多く、終戦までその損害を補うことが出来なかった。

人物像

攻撃を命じる際、角田少将の意を受けて「隼鷹」飛行長が発した「敵の位置は、まだ飛行隊の行動範囲外であるが、本艦は全速力で飛行隊を迎えに行く」という命令は、彼の猛将ぶりを示すものとして伝説になっている。更に、炎上中の「ホーネット」に向かった攻撃隊を、無傷の「エンタープライズ」が発見されるや即座に攻撃目標の変更を命じるなど、柔軟にして即断即決の指揮は、高く評価されている。

一方で南雲中将は、ミッドウェー海戦以降、数少なくなった空母を危険にさらすことを恐れ、敵の索敵機に発見されては避退の為に反転を繰り返すといった慎重な行動がみられる。「瑞鳳」と「翔鶴」の損傷後は、残る「瑞鶴」の指揮を角田少将に委ねて戦場を後にしている。この後に「エンタープライズ」を撃破し、先の攻撃で炎上していた「ホーネット」に止めを刺したのは指揮権を移譲された角田少将の指揮によるものである。なお、翔鶴(最高34ノット)は損傷しつつも駆逐艦を追い抜いたという逸話が残っている。

さらに詳しく → 南太平洋海戦  南雲忠一



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タグ : 戦争 太平洋戦争 大東亜戦争 南太平洋海戦 南雲忠一

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