ZSU-23-4 シルカ (ZSU-23-4 Shilka、ЗСУ-23-4 Шилка)

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2010/03/18(木)
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ZSU-23-4シルカ」(ロシア語:ЗСУ-23-4 «Шилка»ゼーエースウー・ドヴァーッツァチ・チトィーリェ・シールカ)は、ソ連で開発された自走式高射機関砲である。1964年より生産に入った。「ZSU」はロシア語で「自走高射装置」を意味する「зенитная самоходная установка」の略で、防空兵器には河川名に由来する愛称をつけるというソ連の方針に沿い、シルカ川に因んだ「シルカ」という愛称がつけられた。

概要

開発

ソ連最初の自走式高射機関砲であるZSU-57-2は、57 mm機関砲2 門を装備し、初期の追尾誘導コンピューターを用いていた。ZSU-57-2は大きな成功を収めたとは言えず、少数の配備に留まった。ZPU機関砲シリーズは、多くの装甲車輌に搭載された14.5 mm重機銃をはじめ、ソ連の標準対空装備となっていた。この対空システムの23 mm口径シリーズの決定版となったのが、ZU-23-2連装機関砲であった。

こうした中、高度2.5 km1.5 kmまでの航空機と距離1.8 kmまでの地上軽装甲車輌を攻撃できる自走機関砲を開発せよという要求のもと、水陸両用戦車であったPT-76のプラットフォームに23 mm機関砲を4 門装備したZSU-23-4が開発された。この新型対空車輌は、改良されたレーダーシステムを用いていた。ZSU-23-4は優れた火力と命中率を誇り、低高度を飛行する航空機にとって大きな脅威となった。

設計

ZSU-23-4は、280 馬力のV6Rディーゼルエンジン1 基と250 ℓの燃料タンク2 基を備え、通常で400 km走行できた。これに加え、補助動力装置として74 馬力のガスタービンエンジンも搭載し、エンジン停止中も射撃が可能であった。車体には砲弾片や7.62 mm銃弾を防ぐ程度の装甲が施され、機甲部隊との随伴もある程度は可能である。しかし重装甲車輌ではないので、対戦車ミサイルや戦車などの攻撃により容易に破壊されるという生存率の低さも指摘されている。

ZSU-23-4は、RPK-2ヴィユーガ30 mmレーダーにリンクした液冷式のAZP-85 23mm機関砲を備えた砲塔を搭載した。RPK-2レーダーは半径20 kmまでの目標を探知することができ、さらに半径8 km以内の目標を照準かつ追跡することができる。各機関砲は毎分1,000 発の機関砲弾を発射でき、故に4 門で毎分4,000 発の砲弾を打ち上げることが可能であるとされる。しかし冷却システムに欠陥があり、砲身のオーバーヒートとシステムダウンを防ぐために、射撃時には各砲につき50 発ずつしか配分されなかった。ZSU-23-4は優れた防空兵器であったが、この制約により攻撃力はやや劣るものになった。AZP-85の最大有効射程は 7,000 m、最大射高は5,100 mである。また、増加兵装として6 基の9K38「イグラー」、または側面に9K38-M「イグラー1」を装備できた。

運用

ZSU-23-4は、1965年11月の革命記念軍事パレードで初公開された。その後、多数が東側諸国や中東地域の親ソ連諸国に供与され、1967年の第3次中東戦争以降、多くの実戦に投入された。中でも、第4次中東戦争では、地対空ミサイルと組み合わせて構成されたアラブ連合の防空陣営が多くのイスラエル空軍機を撃墜した。中高度を守る2K12「クープ」(SA-6「ゲインフル」)地対空ミサイルや低高度を守る9K31「ストレラー1」(SA-9「ガスキン」)地対空ミサイルの攻撃を避けて超低空へ侵入したイスラエル空軍機は、みすみすZSU-23-4の餌食となった。

1979年に始まったソヴィエト・アフガン戦争では、輸送車列の護衛任務に就き、仰角を大きく取ることができるという性質上、高台から攻撃を仕掛けてくるゲリラへの有効な防御兵器となった。ムジャーヒディーンは本車の破壊的な弾幕射撃を恐れた。この時に捕獲された車体が紛争後のアフガニスタン軍に残され、2001年10月に始まったアフガン・対テロ戦争ではターリバーン政権軍の保有する本車両がアメリカを中心とする多国籍軍を迎え撃っているが、戦果は伝えられていない。戦後新たに編成されたアフガニスタン陸軍でも、少数のZSU-23-4が運用されている。

ソ連では後継車輌として2S6「ツングースカ」が開発されているが、価格の高騰などの理由で配備は全面的にはなっておらず、現在も多くの国でZSU-23-4は運用が続けられている。また、冷戦終結後は2A38M 30 mm機関砲のような各種の異なる機関砲やレーダー・システムを搭載する発展型も開発されている。

派生型

* ZSU-23-4:1964年に開発された。前生産型で、初期量産型となった。
* ZSU-23-4V:1968年に開発された。多数が生産された量産型となった。
* ZSU-23-4V1:1972年に開発された発展型。
* ZSU-23-4M:1977年に開発された発展型。RPK-2ヴィユーガ・レーダーを搭載した発展型。射撃管制装置がデジタル・コンピューター化され、銃身のための追加装甲、1~3個の砲塔外付け式弾薬庫RPK-2により個別に作戦行動を取れるようになった。
* ドネーツィ:1999年にウクライナで開発された後継型。T-80UDのシャーシにZSU-23-4の砲塔を搭載、ストレラー10のミサイルを装備した。
* 4M4(ウクライナ語:4М4チョトィールィ・エーム・チョトィールィ) - ウクライナで開発された改良型。
* 4M5(4М4チトィーリェ・エーム・チトィーリェ) - ベラルーシで開発された改良型。
* M1993 - 朝鮮人民軍が保有する改良型。4 連装23 mm機関砲を、より強力な連装30 mm機関砲に換装したタイプ。名称の「M1993」は1993年の軍事パレードで始めて存在が確認されたための仮称で、正式名称は不明。

基礎データ

全長 6.54 m
全幅 2.95 m
全高 3.8 m
乗員数 4 名

装甲・武装

装甲 10 mm(車体前面)
主武装 AZP-23 23mm4連装機関砲

機動力

速度 44 km/h
エンジン V6R ディーゼルエンジン
      280 hp
懸架・駆動 トーションバー
行動距離 450 km

さらに詳しく → ZSU-23-4  自走式対空砲



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(2008/02/15)
廣瀬 陽子

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