ヘーネル StG44 (StG 44、Haenel Sturmgewehr 44)

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2010/03/17(水)
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StG44(独: Sturmgewehr44,StG44:)は、第二次世界大戦中、ナチス・ドイツにより量産された、アサルトライフルの原形となる軽量自動小である。“Maschinenkarabiner”(機関カービン)計画により開発されたの最終形態で、開発途上にはMkb42(H)、MP43、MP44といったプロトタイプが存在する。

概要

MP43、MP44StG44は、些末な改修を加えただけでほとんど同一の武器である。主にドイツ国内の官僚政治が原因でMkb42(H)から、種々の名前の変遷を経たが、最終的にはStG44として量産された。StG44はStrumgewehr 44の略称で、このStrumgewehrシュトゥルム・ゲベール(Sturm=「突撃」、Gewehr=「」)という言葉はAssault Rifle(アサルトライフル,突撃)」と翻訳され、後に Stg44と同種の武器を表す言葉として広く用いられるものとなった。

弾薬はKar98k小などで用いた7.92mmx57mmモーゼル弾よりも短い7.92mm×33mmクルツ弾を使用した。これは装薬量を減らし射程を短めに設定したもので、兵士1人あたりの携行弾薬数を増やすと同時に、フルサイズの小銃弾より反動を抑えることができたため、短機関銃のような全自動射撃と小銃のような狙撃を両立できた。

歴史

背景

第二次世界大戦を通じてドイツ軍を悩ませていたのは、歩兵兵力の過少と火力の不足であった。ドイツ軍の歩兵戦術において、歩兵の火力の要は機関銃であり、小銃兵の任務は機関銃兵を援護することとされていた。これに用いられたMG34はすぐれた汎用機関銃であったが、それでも機動は軽快とはいえなかった。

第二次世界大戦の激しい機動戦は、結果として広範な戦闘正面に過小な歩兵戦力を配置した戦線を広げた。歩兵の密度は戦闘教範の想定よりも低く、攻勢においても防御においても発射される弾量は減少した。また市街戦では、ドイツ軍歩兵分隊の火力は明らかに不足しており、機関銃の援護はしばしば不十分であった。このため、前衛部隊である突撃兵分隊では移動中でも素早く射撃できる短機関銃を頻繁に使用した。しかし短機関銃の使用する拳銃弾は、小銃弾に比べて射程が短く威力の不足が問題であった。その為、突撃兵は市街から離れて近郊地区に出ると、短機関銃の使用を取りやめて、再びライフルを手にしていた。

一方でソ連赤軍は大戦前から自動小銃の装備を始めていた。トカレフSVT-38及びトカレフSVT-40などの半自動小銃が相当数配備されており、これらの調達数はドイツ軍の主力小銃であるKar98kを凌いでいた。ソ連軍が自動小銃を配備していることを知った前線の歩兵部隊からは、同様の自動小銃の配備を要求する声があがっていた。ドイツ軍も、Gew41(Gewehr41)などの半自動小銃を開発していたが、これは成功した兵器とは言えず、生産は少量にとどまった。この銃は狙撃兵など限定的な部隊に支給された。

分隊支援用自動火器の研究は続けられたが、7.92mmx57mmモーゼル弾の反動は強力で、これを使用した小銃では、銃の重量はつねに過大となり、射撃時の命中精度は低下した。この問題を解決するためには、より反動の低い新たな弾丸を使用することが必要だった。ライフル弾とピストル弾の中間の威力を持つ弾薬を用いた研究は、1930年代から実験ずみであったが、軍は新たな弾薬の採用を拒否してきた。1941年までに、新弾薬として、7.92mm×33mm“Kurzpatrone”(クルツパトローネ,短小弾)が提案されていた。もとは 7mm×33mmとして開発されたが既存の7.92mmx57mmモーゼル弾と同口径とすることで、生産設備が流用できるという利点があった。

MKb42

7.92mm×33mmクルツ弾を用いた自動小銃の開発契約は、ワルサー社とヘーネル社の両方に送られた(設計グループはヒューゴ・シュマイザーにより統率された)。彼らはMaschinenkarabiner 42(MKb42)、文字通り「機関カービン銃」の名前で、試作武器を提出するよう要求された。双方の設計は大部分が酷似しており、ガス圧作動式であった。そして、セミオート(単射)・フルオート(連射)発射モードを備えていた。

ヘーネル社設計のオリジナル版MKb42(H)は、オープンボルト式・ストライカー式であった。レシーバと、ピストルグリップ式のトリガーハウジングは、鋼鉄打ち抜き加工により製作され、バレル・アッセンブリのヒンジに取り付けられた。さらに、機関部に開閉構造を採用し、分解・清掃が短時間でできるようにされた。このヘーネル社のMKb42(H)は、ワルサー社のMKb42(W)よりも優れていることが分かり、軍はいくつかのマイナーチェンジを加えた次のバージョンをヘーネル社に求めた。一つは着剣装置の取り付け、もう一つはライフリング(旋条)のピッチ変更である。

これらを変更した量産先行品は1942年11月に実地に送られた。受け取った兵士はこの新たな銃を愛用し、予約も出た。さらに変更点を加えた別のセットは、排莢部をヒンジ式カバーとし、行動中の清掃整備を容易にした。また、スコープ装着用のレールも取り付けられた。これらの変更点を加えた MKb42(H)は、1942年後期から1943年初期にかけて、11,833挺が実戦試験用に量産された。

MP43

新バージョンの開発が行われた1942年後半には、第三帝国内での内部抗争は最高に激化していた。ますます混乱を深めたヒトラーは、状況を整理する為にヘルマン・ゲーリング空軍総司令官の命令で製作されていたFG-42降下猟兵小銃と、陸軍が開発に努力を払っていたGew41半自動小銃の計画中止させるだけでなく、そのほか全ての新型小銃開発計画を中止させた。この中には、開発途上のMKb42(H)も入っていた。この銃は新しい弾薬を使うため、軍の配給が混乱する問題をヒトラーが懸念したのも一因である。

武器開発計画を保護するため、従来のモーゼル弾を使った新計画Mkb43(G)がガストロフにより始められた。これを量産する意図はなかったが、ヒトラーが銃の開発状況について尋ねた時には、常にこの銃のプロトタイプを見せるようにしていた。

オープンボルト作動式のMkb42(H)からクローズドボルト作動式のMP43に至る過程で名称はまずMP43/1となった。MP43とMP43 /1の相違点はごく僅かだが明白な違いとして確認出来る。MP43/1の作動方式はクローズドボルトでMP43と同じ。銃口部分はねじ込み式の擲弾筒(グレネードランチャー)を取り付ける為のねじ切りが余分にしてあり(Mkb42と同一)バレルナットも Mkb42と同一のものであった。バレルはMP43が銃口に向かって一段細く切削加工されているのに対して、MP43/1のバレルは同一径の筒状であった。

フロントサイト基部の形状も大きく違っている。また、リアサイト基部にはZF41照準機を取り付けるレールがプレスされている。シリアルナンバー上ではa系とb系がありa系のリアサイトには照準機取り付け用レールに照準機を固定する為の切り欠きがあった。のちのMP43以降はKar98k用擲弾筒(グレネードランチャー)を流用する為にフロントサイト基部の形状が改められている。MKb42(H)はMP43/1という過渡期の形状を経て、名称をMaschinenpistole 43(MP43)と呼び替えられ、既存のSMGの改良版であると擬装された。

これらの計画の真相が浮上すると、ヒトラーはもう一度この計画の中止を命令したが、1943年3 月には評価目的のために計画の継続を認めた。その後、戦場からの良好な戦闘報告を受け、MP43の製造は9月まで継続された。 以後、MP43が同一形状のまま、MP44、Stg44として遷移して行く事になる。

MP44, StG44

1944 年4月6日、ヒトラーは次のように命令した。

* a)これまでのMG42は、今後も同じ名称とする。
* b)これまでの自動装填小銃すなわちGewehr43は、新名称Karabiner 43(K43)とする。
* c)これまでの新型短機関銃すなわちMP43は、新名称MP44とする。

1944 年7月の東部戦線における様々な会合において、ヒトラーの「君の要求は?」という質問に対する高級将校らの最も普遍的な回答は、「もっと多くのMP44を」であった。これは彼に少し混乱を引き起こしたが、何度かの実態調査を経てヒトラーはMP44をフル生産する許可を出した。宣伝的にも勝利することを見越して、これが新しいクラスのライフルであることを強調するため、“Sturmgewehr”(突撃銃)という用語が導入され、MP44は「Strumgewehr 44(44年式突撃銃)」すなわちStG44と再び名を変えた。

終戦までの間に、バリエーションを含めて425,977挺が量産された。StG44は、特に東部戦線正面(この銃が最初に試用された場所でもある)において、非常に実用的な銃であることを実証した。StG44と共に効果的に訓練された兵士は、MP40の射程では不足な長距離でも、またKar98では近すぎる市街戦でも、より改善された戦術上のレパートリーをもたらすことを証明した。また、軽機関銃のように簡易な援護射撃を行うこともできた。 MP43/M44は端境期の武器であった。

StG44の42cmにわたる銃身からの初速は647m/sになる。比較の為に例を挙げると、Kar98kが 732m/s、ブレン軽機関銃が744m/s、M1カービンが585m/s、MP40が365m/sとなっている。

“Krummer Lauf”と呼ばれる有用な設計もなされた。これは、銃身を緩やかに折り曲げ、かつ潜望鏡で照準を行い、安全な位置から射撃を行うためのデバイスである。これにはいくつかのバリエーションがある。歩兵用“I”バージョンと戦車兵用“P”バージョンで、後者は特に戦車の死角となる位置を射撃するのに有用である。曲げ角度には30度・45度・60度・90度があり、StG44用とMG42用がある。30度のStG44“I”バージョンは、少数が量産された。

後期のプロトタイプ

モーゼル(マウザー)は、ローラーロッキングによるディレード(遅延)ブローバック方式を採用したStG45(M)プロトタイプを開発していた。これらは後に、CETME、H&K G3およびMP5に引き継がれた。

終戦の直前に、さらに安価に量産するための土壇場の努力があった。これはVolksgewehr(国民銃)と呼ばれ、そのプロトタイプのうち、いくつかはガス・ブローバック方式を採用していた。

戦後

Strumgewehrから転じたAssault Rifle(アサルトライフル)という用語は、現在では広範囲をカバーする単語である。「Strumgewehr」は、ナチス・ドイツの機関銃(MG42など)と、ライフル(Kar98kなど)・SMG(MP40など)の隙間を埋める新たな銃器だったが、戦後もソ連以外の各国はその事を理解しなかった。その根底には小型の軽機関銃が広範に普及し始め、またStgとは別方面でもM1カービンのような中間的な銃器が生まれつつあったという事情もある。

第二次世界大戦でドイツ軍と死闘を繰り広げ、数多くの教訓を得たソ連は他国に先んじて急速にアサルトライフルの概念を自軍に取り入れた。ソ連赤軍に拘束されたヒューゴ・シュマイザーとミハイル・カラシニコフが開発したAK-47は、StG44 同様に短小弾と分類された弾薬を使用し、設計思想を引き継いだ。ただし、内部の機械的構造はM1カービンを参考にしたとされる。この銃は英語での訳語「アサルトライフル」を顕著にし、より広めることとなった。

その間も、西側諸国の多くは既存の武器を使用し続けた。7.62mm×51 NATO弾の採用は西側のアサルトライフルの出現をさらに遅らせる事となった。

その後、NATO弾は7.62mm×51から5.56mm×45に変更された。これは携行弾薬の増加を狙ったものである。変更された弾薬は、より小さくより高初速になり、武器それ自体も軽くなった。この点では、M2カービン(M1カービンのフルオートが可能なタイプ)および30カービン弾開発の経緯にも似ている。ソ連もその利点に着目し、NATO弾に似た5.45mm×39弾を使用するAK-74を開発した。戦後、ソ連軍が接収するなどしたStg44がその後武装ゲリラ等の手にわたり現在でも使われている。

21世紀

21世紀に入りディートリッヒ社がMKb42(H)とMP43、 MP44(StG44)のレプリカをそれぞれBD42(H)、BD43/1、BD44の製品名で製造している。2009 年のIWAで同社がMP40の折りたたみストックを装備したMP44とピカティニー・レールを装備した現代風MP44を公開した。

仕様

種別 アサルトライフル
口径 7.92mm
銃身長 419mm
使用弾薬 7.92mm×33
装弾数 30発(箱形湾曲弾倉)
作動方式 ガスオペレーション
全長 940mm
重量 5220g
発射速度 500~600発/分
銃口初速 685m/秒

さらに詳しく → ヘーネル StG44



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