EC 665 ティーガー (Eurocopter Tiger、EC 665、PAH-2)

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2010/03/11(木)
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ティーガー(Tiger)は、ドイツ陸軍とフランス陸軍が開発し、ユーロコプター社が設計製造している最新型の攻撃ヘリコプターである。同社の社内名称はEC 665、ドイツ軍ではPAH-2と呼ばれる。

概要

開発

1970年代にフランス陸軍と西ドイツ陸軍は現有の軽攻撃ヘリコプター(フランスはSA341/SA342ガゼル、西ドイツはPAH-1)の後継機となる本格的な攻撃ヘリコプターの研究を行っていた。両国での要求性能や機体規模、配備時期などが非常に似通っていたこともあり、1984年に共同開発の基本合意に達し、同年5月29日に両国政府が共同開発を承認した。機体の開発・製造については、フランスのアエロスパシアル社(現EADS社)と西ドイツのMBB社が50:50で共同出資会社を設立しることとなり、フランス・パリにユーロコプターGIE社を設立。1985年1 月18日には西ドイツ・ミュンヘンに子会社のユーロコプターGmbH社を設立した。

この段階で両国は、3タイプの配備を決定しており、フランス陸軍は航空支援型のHAPと対戦車攻撃型のHAC3G、西ドイツ陸軍はPAH-2とされ、HAPは75機を生産して1993年から、HAC3Gは140機を生産して1996年からの引渡し予定で、PAH-2は212機生産して1995年からの引渡しを予定していたが、後に両国で運用要求の見直しが行われ、1987年11月13日に新しい機体案が承認された。この機体案がティーガーとなるもので、1989年11月30日に開発契約を交付した。

ティーガーの発注は、1998年5 月20日に初期発注分として独仏で各80機を購入することが決定している。また、製造元のユーロコプター社はタイガーの名称での各機種の輸出販売が可能であるとして、オーストラリアとスペインで採用されている。

機体

ティーガーは採用国によって仕様の違いはあるものの、基本的には同一の機体構造となっている。機体には複合材料が多用され、胴体は約80%がカーボン複合材料によるブロックまたはサンドイッチかケブラー・サンドイッチ構造で、その他の材料ではアルミニウムが約11%、チタニウムが約6%使用されている。メインローター、テールローターも同様で、ブレード本体は複合材料製。メインローターはMBB社が開発した高効率ブレードを採用し、テールローターは重量、性能、整備性、費用の関係から3 枚ブレードを採用している。

操縦席は攻撃ヘリコプターでは主流となった縦列複座式を採っているが、前席に操縦士、後席に射撃手という逆の配置とされている。この配置は日本の陸上自衛隊の偵察ヘリコプターOH-1にも採り入れられるなど主流になりつつあるが、その先駆となったのはティーガーである。操縦席全体は高度に密閉され、外気温に合わせた冷暖房を備えている。また、乗員がNBCスーツを着用して搭乗でき、 NBCスーツの換気は操縦席内の空気と空調装置の空気とを混合して行う。前後席には各2基のカラー多機能表示装置と各1基のキーボード付き表示装置があり、乗員はヘルメット装着式照準・表示装置(HMSD)を装備する。これにより、乗員の操縦負荷は大幅に減少している。

ティーガーの兵装電子システムは、任務器材パッケージ(MEP)と呼ばれ、HACとUHTのものはユーロMEP、HAPのものはHAPMEPとそれぞれ呼ばれる。ユーロMEPは対戦車兵装サブシステム、操縦士用画像サブシステム、空対空サブシステムなどで構成され、昼夜間、悪天候を問わず匍匐飛行が行える。一方のHAPMEPは、システム管理などの兵装コンピュータ・シンボル・ジェネレーターを中核として、機体に搭載されている複合センサーと組み合わされて乗員のHMSDに表示される。

双発で装備するMTR390ターボシャフトエンジンはMTR社、ロールス・ロイス社、チュルボメカ社の共同開発で、離陸最大出力は958kW、連続最大出力は873kWだが、片発停止時などの緊急時には3段階の緊急出力を出すことが可能である。スーパー・エマージェンシーでは20秒制限で1160kW、30秒制限で 1138kW、継続段階の2.5分制限で1027kW、中間段階の30分制限で958kWとなっている。

派生型

HAP

ティーガーHAP (フランス語: Helicoptere d'Appui Protection) / HCP (英語: Helicopter for Close Protection)は、フランス陸軍向けの空対空戦闘/近接航空支援仕様である。2003年3 月26日に初号機が初飛行。70機の調達を予定している。機首にGIAT社製の30mm機関砲を装備しており、スタブウイングには対空戦闘用のミストラル空対空ミサイルか近接航空支援用のSNEB 68mmロケット弾ポッドを搭載し、操縦席上部にTV、FLIR、レーザー測距装置、直接視野光学センサーを収めた照準システムを装備する。2010年に最終号機が納入予定。

HAD

ティーガーHAD (フランス語: Helicoptere d'Appui Destruction)は、フランス陸軍向けの対戦車戦闘仕様で、50機の調達を予定」している。本質的にはHAPと変わらないが、エンジンの出力を14%向上させ、ファイア・アンド・フォーゲット(撃ちっ放し)機能を有する最新型のPARS 3 LR(トリガト)対戦車ミサイルか有線誘導式のHOT3を装備し、メインローター上に対戦車ミサイル用のTV、FLIR、レーザー測距装置で構成された照準装置を搭載するほか、機首にもFLIR を装備する。
その他はHAPと変化は無く、スペイン陸軍もこの型を2003年9 月に採用し、24機を発注した。フランス陸軍へは2011年、スペイン陸軍へは2007年から納入が行われる。

ARH

ティーガーARH (英語: Armed Reconnaissance Helicopter)は、オーストラリア陸軍がOH-58 カイオワ偵察/軽武装ヘリコプター及びブッシュマスター・ガンシップ(UH-1イロコイを基にした武装ヘリコプター)の後継機として2001年8 月14日に採用し、22機を発注。2004年2 月20日に初号機が初飛行。HAP/HCPの機体を基にHAD仕様の出力向上型エンジンを搭載し、AGM-114ヘルファイア対戦車ミサイルの運用能力を追加。2004 年11月23日から納入が開始され、2008年4月に最終号機納入予定。

UHT

UH Tiger (ドイツ語: UnterstützungsHubschrauber Tiger)は、ドイツ陸軍仕様の多用途攻撃型である。2002年8 月2日に初号機が初飛行。調達計画では最終的な装備機数を120機としていたが、100機程度に削減することも検討している。ドイツ陸軍はフランスGIAT社製の30mm機関砲は反動がきつすぎるという理由でUHTへの機首機関砲搭載を見送ったため、固定武装はない。しかし、近い将来に反動を低減させたラインメタル社製RMK30 30mmリヴォルヴァーカノンを搭載させる計画が存在する。

武装はHADと同じPARS 3 LR(トリガト)対戦車ミサイルかHOT3対戦車ミサイル、近接航空支援用のハイドラ70ロケット弾、空対空戦闘用のAIM-92スティンガー空対空ミサイル、12,7mm機関銃ポッド、20mm機関砲ポッド。こちらも対戦車ミサイルの照準器がメインローター上に存在する。2005 年3月18日から納入開始。

性能・主要諸元

* 主回転翼直径:13.00m
* 胴体長:14.08m
* 全長 15.80m
* 全高 4.32m(テールローター含)
* 空虚重量 3,300kg
* 最大離陸重量 6,100kg
* 発動機 MTU/RR/チュルボメカ MTR390(958kW) ターボシャフト×2
* 巡航速度 124kt
* 上昇率 690m/min(海面上)
* ホバリング限界 3500m(OGE)
* 航続距離 432nm(機内燃料)
* 武装
    o AM-30781 30mm機関砲×1(ティーガーUHTを除く)
    o 12.7mm機関銃ポッド/20mm機関砲ポッド
    o 対戦車ミサイル:HOT3/AGM-114ヘルファイア(ARHのみ)/PARS 3 LR(トリガト)
    o 空対空ミサイル:ミストラル/AIM-92スティンガー
    o ロケット弾:19連装ハイドラ70ロケット弾ポッド/22連装SNEB 68mmロケット弾ポッド
    o 増槽
* 乗員 前席:操縦士、後席:副操縦士兼射撃手

さらに詳しく → EC665 ティーガー



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(2009/06/16)
坪田 敦史

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