PPS短機関銃 (PPS submachine gun、ППС - "Пистолет-пулемёт Судаева")

航空兵器・陸上兵器・海上兵器・銃器・戦争・紛争・歴史・革命・テロ・事件・軍事動画・ニュース(報道)・社会情勢・政治運動・評論・講演など、軍事関連の情報を公開しています。宗教・思想・経済・政治的なものも少しアリ

広告
2010/03/07(日)
*





PPSとは1942年にソ連で開発された短機関銃の呼称である。独軍包囲下のレニングラードで製造された42年型と、ソ連軍が全面採用した43 年型の2種類があり、1968年まで100万挺近くが製造された。“PP”とは、ロシア語で短機関銃を指す“Пистолет-пулемёт”の略称である “ПП”のラテン文字表記であり“S”とは開発者であるスダイェフの頭文字である。

開発の背景

レニングラード(現・サンクトペテルブルク)は第二次世界大戦のヨーロッパにおける独ソ戦において最大規模の包囲戦がおこなわれた都市である。独ソ戦開始後、進撃を続けてきたドイツ軍は1941年にこの都市を包囲した。市街地はドイツ軍に完全に包囲され、外部からの補給も困難となった赤軍守備隊は、町にある兵器工場をフル活用し、現地にて小火器の生産を行うことにより火器の不足を解決しようとした。

レニングラードに残されていた工作機械と材料で製造可能な兵器は限られた種類のものだったが、1挺の小から身を転用して2挺の短機関銃が製造できたため、アレクセイ・スダイェフにより、おそらく当時の世界で最も低コストな短機関銃であるPPS-42が設計された。

特徴

包囲下の極限状態にありながら、スダイェフはPPSh-41の問題点とされた携行性を改善し、PPSをスマートな外見の優れた製品に仕上げている。PPSはシンプル・ブローバック方式を採用し、オープン・ボルトから撃発サイクルがスタートする典型的な第二世代の短機関銃である。

PPSh-41と同様にヒンジ固定された上下2分割のレシーバ(機関部)を持ち、上部レシーバは銃身放熱カバーと一体となり、銃身放熱カバー先端のマズルブレーキはU字型に改められ、その作用方向は前方となっているほか、上下レシーバはともに鋼板プレスで製造され、1挺あたりの製造時間は3時間(PPSh-41は13時間)とPPSh-41の1/3まで短縮されていた。

ドイツのMP40から影響を受けた折り畳み式ストック(折り畳む方向はレシーバ上部でMP40とは逆である)を持ち、グリップ以外の全体が金属で製造され、レシーバ(機関部)の全長を長く取る事で連射レートを600発/分まで抑制している事も大きな特徴として挙げられる。また、セミオート射撃機能は除去され、用心鉄の横にあるセフティは安全位置でボルトと引き鉄をロックし、射撃時にはグリップから手を離す事無く解除できる。

PPSh-41のドラム弾倉はレニングラード現地で製造するのが難しかったため、PPS-42は箱型弾倉専用に改められ、弾倉挿入口にはMP38のように大きな穴が開けられ、内部の泥汚れなどを容易に除去できるよう工夫されていた(同様のアイデアは日本の89式小銃でも採用されている)。

運用

軽く頑丈で扱いやすいPPS-42は現地の赤軍守備隊に大歓迎され、レニングラード包囲戦がソ連の勝利に終わると、PPSは愛国キャンペーンの格好の素材として使われた。実際のところ、PPS-42はPPSh-41の重量・携帯性などの問題点を解決した優れた短機関銃であり、1943 年にはPPS-42の改良型であるPPS-43がソ連軍に採用された。

PPS-43は銃身を30mm短縮し、レシーバ/折り畳み銃床もそれぞれ短縮化され、弾倉の挿入角度を変更するなど各所が改良されていたが、すでに PPSh-41が大量配備されていたことから、PPSh-41ほど大量に生産・配備されることは無かった。それでも一説には100万挺以上が生産された。

戦後、AK-47の採用で退役したPPS-43は東側諸国に供給されたほか、中国やフィンランドでもPPS-43のコピーが生産された。朝鮮戦争ではサプレッサーを取り付けて消音化されたPPS-43が中国軍遊撃部隊によって多用され米軍・韓国軍に大きな損害を与えたほか、当時の米国製防弾チョッキでは防御できない貫通力でも知られた。ベトナム戦争においては、ソ連で退役した多数のPPSや中国製コピーの54式衝鋒槍などがベトコン勢力への援助兵器として供給され、いまでも現存しているものはベトナムやカンボジアの観光客向け射撃場などで実射する事ができる。

現在の米国では東欧やロシアから放出されたPPS-43の上部レシーバを一部切断したキットが$100程度で購入でき、切断箇所を復元するパーツや未完成の上部レシーバが$70程度で購入できるため、構造の単純なPPS-43は自家製銃器(セミオート版専用と称して販売されているが、PPSにはもともとセミオート発射機能が無い)の原型としても人気がある。

バリエーション

* PPS-42・・・包囲中のレニングラードで開発された最初のモデル
* PPS-43・・・ソ連軍が採用したPPS-42の改良型
* MP-709(r)・・・ドイツ軍に鹵獲された際のPPSモデルの呼称名
* M/44・・・フィンランドで製造されたPPS-43のコピー、9mmパラベラム弾とスオミM1931のドラム式弾倉が使用出来る
* DUX-51/53/59・・・スペインが製造したM/44のコピー、西ドイツ国境警備隊に採用された
* 54式衝鋒槍・・・中国で国産化されたPPS-43のコピー
* ダッラ製PPS・・・密造銃の製造で有名なダッラ村(パキスタン 連邦直轄部族地域)では、PPSを7.62x39 弾化した製品が現在も製造されている

仕様

種別 短機関銃
口径 7.62mm
銃身長 PPS-42:273mm
     PPS-43:243mm
使用弾薬 7.62×25mm トカレフ弾
装弾数 35発(箱形弾倉)
作動方式 シンプル・ブローバック方式
       オープン・ボルト撃発
全長 PPS-42:907mm/641mm
    PPS-43:820mm/615mm
重量 3000g
発射速度 600発/分

さらに詳しく → PPS短機関銃



萌え萌えミリタリー階級事典萌え萌えミリタリー階級事典
(2006/11)
階級事典製作委員会

商品詳細を見る
関連記事

タグ : サブマシンガン 短機関銃 PPS短機関銃 レニングラード造兵廠 ツーラ造兵廠

この記事へのコメント
URL:
Comment:
Pass:   
この記事のトラックバックURL
http://gunjimania.blog108.fc2.com/tb.php/1194-0509970d
 この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック

 | Copyright © 軍事マニアクス - Military Maniacs All rights reserved. | 

 / Template by 家族 ペット 自分史 ブログ