ウィンチェスターM70 (Winchester Model 70)

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2010/02/23(火)
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ウィンチェスターM70、またはモデル70 (Winchester Model 70) とは、1936年に M54の後継としてウィンチェスター社が販売したボルトアクションライフルである。

概要

ウィンチェスターM1873と並び、ウィンチェスター社を代表する商品である。元々は狩猟用として採用されたが、ベトナム戦争ではアメリカ海兵隊の狙撃チームに採用された事でも有名で、当時の狙撃銃はこのM70一本に絞られていた。

元となったのはモデル54で、これは同社が新しく開発した.270ウィンチェスターという新しい弾薬のために作られた。このM54を大型化し、多様な種類の弾薬に対応させたのがM70である。非常に優れた命中精度と信頼性を誇り、後述する理由によりレミントンM700が台頭してくるまで、ボルトアクション・ライフルのスタンダードとなっていた。

現在までに作られたのは、22ホーネット、22-250レミントン、223WSSM(Winchester Super Short Magnum)、225 ウィンチェスター、220スウィフト、243ウィンチェスター、243WSSM、250-3000サヴェージ、25-06レミントン、25WSSM、 257ロバーツ、264ウィンチェスター・マグナム、270 ウィンチェスター、270WSM(Winchester Short Magnum)、7mmモーゼル、7mmレミントンマグナム、7mmWSM、300サヴェージ、30-06スプリングフィールド(M1ガーランドと同じ)、308ウィンチェスター、300H&H(Holland and Holland)マグナム、300ウィンチェスター・マグナム、300WSM、300レミントン・ウルトラ・マグナム、325 WSM、338ウィンチェスター・マグナム、35レミントン、358ウィンチェスター、375H&Hマグナム、458ウィンチェスター・マグナムと、非常に種類が多い。

ベトナム戦争による変革

狩猟用として開発されたウィンチェスターM70は、同一の作動システムで多様な口径に対応するという、当時としては珍しかった特筆すべき点を持っていた。特に.308ウィンチェスター以上となれば、バイソンのような大形の獲物を倒す威力を持っており、加えてスコープを取り付けられるライフルとしては比較的安価だったため、アメリカはもちろん、世界中のハンター達に愛用された。

転機が訪れたのは、ベトナム戦争において海兵隊の狙撃チームに採用された時である。当時アメリカ陸軍ではM14からフルオート機構を外してスコープを搭載したM21 を採用していたが、海兵隊はより長距離狙撃の精度を求めてM70を採用した。特にM70を使用したスナイパーの中でもっとも有名なのは、恐らくカルロス・ハスコックであろう。彼はベトナム戦争において優秀なスコアを残し、その戦いの殆どに M70(.30-06モデルといわれている)が追随したのである。

だが、ここでウィンチェスター社はその方針を大きく見誤ってしまう。大口の契約を取り付けられたウィンチェスター社は、軍を通じてレミントンやスプリングフィールドといった同業の他社にも製造ラインを設けさせた。そうして大量増産を行った結果、品質の低下によって命中精度が犠牲になるという、狙撃銃としては致命的な劣化が生じてしまう。これは当時M70を採用していた軍はもちろん、民間の市場にも憤慨と共に拒絶される事になってしまった。

また、この時ウィンチェスターの製造技術を学んだレミントンが、現在まで大ヒットセラーとなるレミントンM700を販売するという皮肉な事態が発生する。レミントンは、M70が大量生産によって品質低下という致命的な劣化を発生させたのに対し、各パーツの精度によって値段の異なるモデルを複数用意するという方法によって品質の低下を防いだ。

海兵隊はウィンチェスターM70からレミントンM700に乗り換え、世界中のハンター達もそれに倣った。ボルトアクション・ライフルのスタンダードを築き上げたウィンチェスター社は、その経営方針の誤りによって、誰にも見向きのされない存在となってしまったのである。

Pre'64 Model 70

ウィンチェスターM70に関する話として、Pre'64 Model 70(64年より前のモデル70)という記述が度々見受けられる。前述した事件によってその品質が劣化し、信頼を失ってしまったウィンチェスターM70だったが、大量生産に入る以前のモデルに関してはその精度は変わらないままだった。それは1964年以前に作られたものに限られるため、コレクターやハンター達がこぞって追い求めたのである。

製造年代を見分ける方法は、製造時に打刻されるシリアルナンバーを見ればわかるようになっている。具体的には、シリアルナンバー700,000以下のものが、1964年以前に製造され、品質が低下していないもの、それ以前の高い評価を保ったままになっているライフルと考えられ、高値で取引された。

現在の M70

その後、ウィンチェスター社は長らくこの64年型以前の品質を取り戻す事が出来なかった。市場に拒否された低品質M70の在庫を大量に抱えて、経営を立て直す事が出来ないという悪循環に陥ってしまったのである。その後、1990年代に入るまで、ブローニング社に買収されてハースタルグループの傘下に入るなど、ウィンチェスターには不遇の時代が続いている。

1992年、ウィンチェスター社は30年の歳月を経て、M70クラシックとして64年型の品質を保ったライフルを復活させた。当時誰もが追い求めた職人芸を蘇らせるのには、最先端技術だったCNCマシンの活躍があったといわれている。長らく不遇の時代を送ってきたM70は、ここに至ってようやく市場に返り咲いたのである。

仕様

種別 汎用小銃
口径 7.62mmほか
銃身長 660mm
使用弾薬 7.62mm×51NATO(308ウィンチェスター)
装弾数 3発/4発/5発
作動方式 ボルトアクション方式
全長 1050mm
重量 4350g
銃口初速 850m/秒

さらに詳しく → ウィンチェスターM70  ウィンチェスター・リピーティングアームズ  カルロス・ハスコック
外部リンク → Winchester Repeating Arms



歴群図解マスター 銃歴群図解マスター 銃
(2010/07)
小林 宏明

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タグ : ウィンチェスター M70 Winchester ボルトアクション スナイパーライフル

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